薬指の標本

薬指の標本

作者名 :
通常価格 407円 (370円+税)
紙の本 [参考] 539円 (税込)
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作品内容

楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡……。人々が思い出の品々を持ち込む〔標本室〕で働いているわたしは、ある日標本技術士に素敵な靴をプレゼントされた。「毎日その靴をはいてほしい。とにかくずっとだ。いいね」靴はあまりにも足にぴったりで、そしてわたしは……。奇妙な、そしてあまりにもひそやかな、ふたりの愛。恋愛の痛みと恍惚を透明感漂う文章で描いた珠玉の二篇。表題作ほか「六角形の小部屋」収録。

カテゴリ
小説・文芸
ジャンル
小説 / 国内小説
出版社
新潮社
掲載誌・レーベル
新潮文庫
電子版発売日
2013年05月24日
紙の本の発売
1997年12月
コンテンツ形式
XMDF
サイズ(目安)
1MB

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忘れたくとも失いたくはない過去に区切りをつけ、完結させるため、たくさんの人がその“標本室”を訪れる。持ち込まれる品は様々。例えば、楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、ヤケドの痕。そして、標本技術士の助手になった「わたし」は、欠けてしまった薬指の先端を。
登場するのは、皆、かつて何かを永遠に諦めてしまった人ばかり。寂しさは新たな寂しさを導いて、人々は己の物足りなさを埋めようと、他者にすがる。静謐な文章の底に息づく狂気がとても美しい。
本作は2005年にフランスで映画化されている。主役は「007 慰めの報酬」でボンドガールに抜擢されたオルガ・キュリレンコ。フランス映画らしい静けさとエロチシズムにくらくらとめまいを覚える。原作にほぼ忠実に描かれており、こちらもおすすめである。

薬指の標本 のユーザーレビュー

    Posted by ブクログ 2020年07月30日

    ひんやりとした静かなお話が二編収録されています。
    両方とも、閉塞的で独特な空気が主人公をじわじわと浸食していって、飲み込んでしまうような感じを受けました。
    読んだあとの背中がぞくっとするような感覚がとても好きでした。

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    Posted by ブクログ 2019年10月24日

    僕にとっては、この本は純文学の最高峰です。
    文章によって描かれる芸術。
    『愛』とはなにかを文章にしたらこうなるのではないでしょうか。

    もちろん、誰が読んでも『最高』かと言われれば、もちろんそれは違うでしょう。
    だって、どんな美術作品でも「素晴らしい」と思う人もいれば「全く意味が分からない」と思う人...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年02月02日

    小川洋子さんの唯一無二の世界が心地よくて癖になりそうな2編の幻想中編小説集。今回も現実にはあり得ない2つの職業が描かれていますが、何となく実は本当にあるのではと思わせる雰囲気を感じるのですね。『薬指の標本』標本室は人々の願いを叶える善意の施設ではあるのですが、ヒロインは生きながらにして弟子丸氏の標本...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年05月03日

    ヒンヤリと静かに妖しい空気を漂わせ不思議な世界が繊細な文章にて綴られてゆく。標本をつくるという謎が多い仕事。僅かに怖さを感じながらも好奇心で引き寄せられてゆく。しかしそこには体温や物の温度を感じない。主人公の女性、名前が明かされていない。"君"、"わたし"とい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年02月07日

    何度でも読み返したい。
    最初の男女の微妙な設定と距離感が心地よく、
    雨がしとしと降る薄曇りの昼間のような、
    落ち着いた、少しウェットな空気を感じる。
    後半の展開は、初読では面食らったが(初の小川洋子作品だった)、
    繰り返し読むとまた色あいが変わる。
    ハロプロのつんく♂氏の曲はよく「スルメ曲」といわれ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年11月04日

    一番好きなお話です。何度読んでも、「薬指の標本」の世界がとても好きです。不穏で甘くて、息苦しくて綺麗。「六角形の小部屋」もそうなのですが、求めていたらいつか辿り着けるのではないだろうかと、電車の車窓から外を眺めながら思います。うっすらと狂気と痛みを感じながら、この世界の余韻にいつまでも浸っていたいで...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年01月11日

    薬指の標本:男に憎しみを抱かせ、女の受容欲求に絶望させる筆力に脱帽。
    六角家の小部屋:自分と向き合う厳しさ。胸に秘める困難さ。

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    Posted by ブクログ 2020年09月14日

    【薬指の標本】
    サイダーをつくる工場で勤めていたわたしは、機械に薬指を挟まれ、指の先を欠損してしまう。それが原因で工場を辞めたのち、古びた建物の中にある標本室で事務の仕事をすることになった。そこは人から依頼された様々な変わった標本を作り、保管している。
    あるとき、標本を製作している弟子丸という男に、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年07月23日

     『まぶた』が大すきだから、この小説で再び似た空気が存在していることがとてもうれしい!

     表題作『薬指の標本』も、『六角形の小部屋』も、なんの変哲もない日常であるはずなのに目を凝らせば一点だけおかしい、あんまり周囲と馴染まないから目を逸せない、そんなお話だった。

     薬指を読んでいるとき私も標本室...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年09月08日

    不気味な世界観の2作。
    文章が美しく、読んでいて心地よい時間が流れました。小川洋子さんの作品、だいすき。

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