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忘れたくとも失いたくはない過去に区切りをつけ、完結させるため、たくさんの人がその“標本室”を訪れる。持ち込まれる品は様々。例えば、楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、ヤケドの痕。そして、標本技術士の助手になった「わたし」は、欠けてしまった薬指の先端を。
登場するのは、皆、かつて何かを永遠に諦めてしまった人ばかり。寂しさは新たな寂しさを導いて、人々は己の物足りなさを埋めようと、他者にすがる。静謐な文章の底に息づく狂気がとても美しい。
本作は2005年にフランスで映画化されている。主役は「007 慰めの報酬」でボンドガールに抜擢されたオルガ・キュリレンコ。フランス映画らしい静けさとエロチシズムにくらくらとめまいを覚える。原作にほぼ忠実に描かれており、こちらもおすすめである。
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