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Posted by ブクログ
『博士の愛した数式』に関連したエッセイが最初に10本も続く。
「数の不思議」の世界をもう一度感じることができた。
次のテーマは「書く」ということへの想いやこだわり、ワープロや机といった書くために必要な物の話題などが語られる。
そしてごく自然に「書く」行為を問い直すためのアンネ・フランクの足跡をたどる旅の話に繋がる。
小川洋子さんのアンネ・フランクへの想いが伝わってきた。
後半はこんな暮らしをして来たんだよ、という雑多な日常の出来事の思い出話になる。
犬(ラブラドールの子犬のラブちゃん)と野球(阪神タイガース)が重要な生活の一部になっている様子が微笑ましい。
「犬のしっぽを撫でながら」というタイトルなのに、犬の話はあまり多くないですが、犬を飼おうと思った理由が書かれていた。
阪神タイガースが好きになった理由も。
最後の章は、子供の頃を中心とした家族や近所のこと。
本にまつわる話もちょくちょく出てくる。
小川洋子さんは子供の頃のピュアな感性を大人になっても持ち続けている。
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阪神タイガース、38年ぶりの二度目の日本一。《 オ・メ・デ・ト・ウ 》
Posted by ブクログ
ゆっくりとした本が読みたくなってチョイスしました。
ずっと積読していたのですが。
アンネフランクにまつわるエッセイは
『アンネ・フランクの記憶』が蘇ってきて
涙腺がゆるみました。
とにかく静かで、壊れ物を扱うように
大切なものを取り出してくれるような文章であって、
その文体と相まって「失われたもの」が描かれるので、
どんな文章でも読んだ後に失くしたものを思って
泣きたくなります。
確か『アンネフランクの記憶』を読んだのは
大学4年の夏、恐山に行く最中で、
大湊線で…というところまで、こと細かに思いだせます。
緑なすススキ畑と海の中をひたすら電車が進んでいったなあという
時間とか情景とか、不思議な気持ちとかまでも含めてです。
作者も文中で読書の減少を嘆かれていますが、
読書の記憶というのは、自分の状況や場所の記憶とも相まる、
得難いものであるのになあと思います。
ただ、それが携帯ゲームでもいっかな同じといえば
同じ気もしますけれど。
○○旅行中に○○ダンジョン攻略したなあとか。
どうなんだろう…
ラブのお話はコミカルで面白かったですね^^
Posted by ブクログ
一冊の本を読んで、この人の書いた本をもう一度読み返したい、それもすべて、なんて思える小説家は少ないのではないだろうか。やっぱり好きだなぁ、ぐらいで本を閉じることはあっても、そうそうこのかんじ、もっと味わっていたいのにもう終わってしまったものだから、別のあの世界にも飛び込みたい、と思えるような。小川洋子は自分にとってそういう小説家だ。
そもそも、わたしは好きな小説家のエッセイを読むことがほとんどない。好きではないのだ。エッセイストで小説も好き、ならばあるのだけれど、好きな小説家のエッセイを読むと、だいたいがっかりしてしまう。そして、ああこの人の書いた小説が読みたいのに、と思うのだ。だから、小説家は小説を書く才能の持ち主であって、エッセイを書く才能の持ち主ではないのだ、それを知れ、といいたくなる。しかし、小川洋子はそういう思いに駆られないほぼ唯一の作家である。書くこと、アンネ日記をめぐる旅のその後、そして日々のつれづれが書かれたこのエッセイも、やはりそうだった。小説を読んだときと同じような充足感があり、ああ、これこれ、と思うことができた。
その理由は、おそらく小川洋子が小説と同じ真摯な語り口調で、しかも自分を誇示しない書き方をしているせいだろう。日常が何かの記憶や想像と結びついていて、しかもそれはまるで彼女の描き出す小説と同じような世界観で目の前によみがえるのだ。わたしはこう考えている、わたしはこんな人物ですよ、とまるで自分の日常や考えがいかに特別であるかを誇張することはない。たぶん、小川洋子という作家は、日常的に彼女が描き出すようなファンタジーの中を生きているのだろう。全身小説家、という映画があったけれど、小川洋子はその言葉がふさわしい小説家なのだ。(夢)
Posted by ブクログ
作品はいくつか読んだことのある小川洋子さんですが、
小川さんのエッセイは始めて読みました。
小川さんの作品に流れる静かな哀しさや寂しさの源流はここにあるのか、と思わせるものもあれば、
かなり熱心な阪神ファンとのことで、野球にまつわるあれこれまで様々なところで書かれたエッセイを一冊にまとめたもの作品のようです。
『博士の愛した数式』にまつわるエッセイはとても興味深かったです。数字と人間の対比。美しく永遠に続く数字と弱くて物語なくしては生きていけない有限の人間の生。
日常のお話では、資料となる雑誌や書物の整理に関するお話に共感。(私も人よりは「増殖する乱雑さ」に対する耐性はあると自負しています。つまり部屋が汚い)
小川さんの美術館の監視員さんに対する考え方が「思慮深い5歳児」のようで面白かった。確かに、彼ら・彼女らを見ると「お元気ですか?」と話しかけてみたい衝動に駆られるほど、人形のようにスッと座ってらっしゃる方もいますもんね笑
作品や展示について質問がある場合は、彼らに尋ねると奥にいる学芸員さんを呼んでもらえることもあるので、私は質問があるときは話しかることもあります。
この本の中ほどは『アンネ日記』にまつわるお話です。小川さんが実際にアンネゆかりの地へ訪ねて行った際のことが書かれています。
「死を受け入れるために、人は物語を必要とする。」
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