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Posted by ブクログ
9話の不思議な世界の短編集だ。
特に印象深かったのは⋯
⚫︎「 曲芸と野球 」
「私」が少年野球を楽しんでいた小学校4年生の時、常に3塁側のファールゾーンで女性の曲芸師が椅子を4脚積み重ねての稽古をしていた。
しかしチームメイトには、その曲芸師の姿は視界に入っていないようだった。
大人になった「私」は、年に数回のペースで草野球を楽しむのだが、今でも三塁側のファールゾーンから曲芸師が「私」を見つめている。
⚫︎「 イービーの叶わぬ望み 」
老舗の中華料理店のエレベーター内で、誰かに産み落とされていたイービー。
お店に勤めていた心優しいチュン婆さんがイービーの育ての親になる。
成長とともにイービー少年はエレベーターボーイ(E.B.)として働くようになり、その優秀さもあって皆から愛される存在となった。
育ての親のチュン婆さんが亡くなると、イービーはエレベーターから一歩も出なくなり、狭いエレベーター空間に合わせるように身体の成長も止まってしまう。
他の短編に登場してくる人物も、独特の個性を擁した者ばかりで魅力的なのだ。
小川洋子女史が綴る人物たちは、ただ単に変わった人物像に留まることなく、世を超越した存在感となって綴られている。
Posted by ブクログ
初小川洋子さん。奇妙でユーモラスな人たちのお話がどれも面白かった。夢の中の世界みたい。短編集は時間かかるものが多いけどこの作品は数時間で一気読みした。
「曲芸と野球」
スポーツの話は中々入り込めないから心配したけど、僕と曲芸師の不思議な絆が面白くて引き込まれた。最後の方でなんだか怪しくなってきて。最後は幻覚なのか…?
「教授宅の留守番」
まず舞台設定が面白い。部屋の中にどんどんお祝いの花が届いて埋もれてその中でお腹いっぱい食べ物を食べまくる。
「イービーのかなわぬ望み」
このお話とても好き。人間椅子を思い出す雰囲気。イービーが上手に半分にした小さなデザートを食べさせてくれる。私の淡い恋心みたいなものにきゅんとする。
「お探しの物件」
世にも奇妙な物語みたいな雰囲気で面白い。中でも好きなのは、「酷い先端恐怖症の女の人のために作られたのに肝心の本人は一歩も新居に踏み入れられず亡くなった丸い家」と「あらゆる動物の中で最も長寿なゾウガメのリリアン邸」がお気に入り。
「涙売り」
涙で楽器の音色をよくする女性が関節カスタネットのために痛みの涙を流す愛の狂気的物語…。自分の足の指を切っていくの怖すぎる…笑
「パラソルチョコレート」
このお話も好き。子どもの私の裏側にいるおじいちゃん。パラソルチョコレートで繋がった表と裏の二人。よくわからないのに温かい。
「ラ・ヴェール嬢」
村田沙耶香さんみたいな奇妙さと桜庭一樹さんみたいな性愛の描写って印象。小川さんこういうのもかくんだ。
「銀山の狩猟小屋」
あまり刺さらなかった。
「再試合」
二度目の野球のお話。小川さんが野球好きなのかな?
お風呂にも入らず歯も磨かず、毎日カレーを食べて、レフトの彼を見続けるのが絶妙に気持ち悪い。百三歳のおじいさんの言おうとしてることが全部わかるようになるのが(笑)この女の人も前歯が一本しかなくなっておじいさんとお揃いなのが(笑)
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