夜明けの縁をさ迷う人々

夜明けの縁をさ迷う人々

715円 (税込)

3pt

世界の片隅でひっそりと生きる、どこか風変わりな人々、河川敷で逆立ちの練習をする曲芸師、教授宅の留守を預かる賄い婦、エレベーターで生まれたE.B.、放浪の涙売り、能弁で官能的な足裏をもつ老嬢……。彼らの哀しくも愛おしい人生の一コマを手のひらでそっと掬いとり、そこはかとない恐怖と冴え冴えとしたフェティシズムをたたえる、珠玉のナイン・ストーリーズ。

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夜明けの縁をさ迷う人々 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    『女が死ぬ』松田青子さんや今村夏子さんが好きな人にはオススメできる作品。文章はお上手でいかにも純文学的な雰囲気なのだけど、けっこうシュールなお話が多くて思わずくすっと笑ってしまった。

    一番笑ったのが『再試合』という作品。数十年ぶりに甲子園に出場することになったとある高校に通う女子高生が主人公で、彼

    0
    2023年08月10日

    Posted by ブクログ

    丸い部屋で眠るのって、どんな気分なのかしら。 きっと深い安らぎに包まれて、小さな心配事なんて全部消え去ってゆくんでしょうね。
    だって丸い部屋で眠る時の自分は、円の直径になるのよ。

    0
    2022年05月30日

    Posted by ブクログ

    小川洋子さん「夜明けの縁をさ迷う人々」、2007.8発行、9つの短編小説が収録されています。どれも味わい深いです。興味深い話、怖い話、奇妙な話。興味深く強く印象に残ったのは、「ラ・ヴェール嬢」と「お探しの物件」。「涙売り」と「教授宅の留守番」は怖い恐い話でした。奇妙な話の中には、彼岸と此岸の交差する

    0
    2020年07月11日

    Posted by ブクログ

    多感な時期に読んで一番心に染みたのが小川洋子の作品だった。
    優しいのに残酷、綺麗なのに歪んでいて、何処か切なくて美しい。
    ずっとこの世界に浸り続けていたかった。

    0
    2019年01月09日

    Posted by ブクログ

    タイトルの「夜明けの縁をさ迷う人々」の場面を想像してみる…夜明け。眩しい光が差し込めるがそれを嫌い闇を求めてさ迷う人々。小説はその場面を切り取り彼らは永久に日の目を見ることがない。小川さんの作品から感じる世界にはどれも独特の時間軸が存在し時間がゆったりと流れるている事。人と人との微妙な距離感。見事な

    0
    2018年08月15日

    Posted by ブクログ

    小川洋子さんの作品の全てを読みたい。
    けして社会の真ん中に居ないであろう、少し変わった人々にスポットを当てる静かな世界観とその描写が心にストレートに刺さります。

    この短編集では、ちょっと怖いと感じる話が多めでした。
    「パラソルチョコレート」が特に好きでした。

    0
    2025年10月31日

    Posted by ブクログ

    9話の不思議な世界の短編集だ。
    特に印象深かったのは⋯

    ⚫︎「 曲芸と野球 」
    「私」が少年野球を楽しんでいた小学校4年生の時、常に3塁側のファールゾーンで女性の曲芸師が椅子を4脚積み重ねての稽古をしていた。
    しかしチームメイトには、その曲芸師の姿は視界に入っていないようだった。
    大人になった「私

    0
    2025年10月26日

    Posted by ブクログ

    9編の話のうち、恋愛感情に触れた話がいくつかあった。小川洋子さんの小説が纏っているほんのりとした愛情が、明確に恋愛感情として描かれている話は特に好きなので、登場人物のそれぞれの愛し方に読み耽った。タイトルの『夜明けの縁を彷徨う人々』という一文になったつもりで、私もページを捲った。『ラ・ヴェール嬢』と

    0
    2025年10月14日

    Posted by ブクログ

    サクッと読める幻想小説。テーマを述べるとすれば個人的には「喪失」なのかなと思います。仄暗い世界で生きている人々に耳を傾ける登場人物。
    だけれどもその喪失から得た感情はとてもリアルな内容だと思いました

    0
    2025年08月14日

    Posted by ブクログ

    奇妙で怖さもあるけれど、どこか滑稽さも漂う短編集。野球の話2つとエレベーターに住む「イービー」の話が記憶に残る。文章と描写が美しくて小説なのに映像を見ているような感覚。全面帯を見て選んだ一冊、心に残る素敵な読書体験になりました。

    0
    2025年05月10日

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