作品一覧

  • アイスネルワイゼン
    3.3
    1巻1,900円 (税込)
    32歳のピアノ講師・田口琴音は、さいきん仕事も恋人との関係もうまく行っていない。そんな中、ひさびさに連絡をとった友人との再会から、事態は思わず方向へと転がっていく――。静かな日常の中にひそむ「静かな崖っぷち」を描き、心ゆすぶる表題作(第170回芥川賞候補作)。 選考委員の絶賛を浴びた文學界新人賞受賞作「アキちゃん」を併録。「すべての結果としてこの作品は、新人離れした堂々たる手腕を示すことになった」(川上未映子氏の選評より)

ユーザーレビュー

  • アイスネルワイゼン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    仕事先で理不尽な要求されたり、馬鹿にされたりする不条理な話だと思ってたのに、端々に主人公の毒を吐き出すシーンが出てきて、ラストには暴れちちらかして元に戻るのが不可能な所まで突っ走る爽快な終わり。
    どんどん面白くなっていくあんまり感じたことのないワクワクを体験出来た、主人公が1番狂っている人だということははじめ分からないので徐々に本性を表してからがめっちゃ面白いです。

    もうひとつ短編が付いてますがこっちは普通かな。

    0
    2024年12月17日
  • アイスネルワイゼン

    Posted by ブクログ

    第170回芥川賞候補作『アイスネルワイゼン』
    いろんな話が交差して気持ちが溢れていく描写が上手だった。

    文學界新人賞受賞『アキちゃん』
    残酷。自らのカルマを清算したという言葉が印象に残った。
    良いことをしたら良いことが、悪いことをしたら悪いことが返ってくる。

    0
    2024年05月22日
  • アイスネルワイゼン

    Posted by ブクログ

    朝井リョウさんが「気持ち悪い話」と紹介していたので、それは読むしかないので読みました。

    なんか、とんでもなく大きな事が起きるわけでもなく淡々と物語は進んでいくんだけど、ずっとジメジメとした雰囲気がつきまとっている。こういう湿度みたいなものを文章で表現するのって凄いなと思った。

    途中に出てくる子供の話で少しだけウルッとするんだけど、その感動を容赦なくぶち壊していく主人公のどうしようもない言動がすごい。

    0
    2025年09月30日
  • アイスネルワイゼン

    Posted by ブクログ

    登場人物の状況や特徴とかを直接的な言葉で書いてないし会話も噛み合ってなかったりして物語的には分かりにくいんだけど現実ってこんな感じかもと思った
    多分誰かと不倫して仕事やめたんだろなとか彼氏とか言ってたのに付き合ってないやんみたいな、断片的なセリフからその人を推測していく感じが今までに読んだことない感じだったしリアルに近い感じして面白かった

    ずっと現実的なお話しだったのにラストは急に物語チックになった気がする
    解釈が合ってるかわかんないけど現実が嫌になって何もかも重すぎる感覚は共感できる

    0
    2024年07月22日
  • アイスネルワイゼン

    Posted by ブクログ

    女同士の電話のやりとりや
    密やかなおしゃべりを
    わざわざ聞かされているようで
    そこには嘘や駆け引き
    見栄、嫉妬みたいなものが
    むせるほど渦巻いているから
    ずっと息苦しくて落ち着かなかった。
    主人公を含めた女の人たちみんな
    幸せそうではなく
    情緒不安定な感じで
    ときどき感情を爆発させながらも
    それぞれの関係は
    なんとかバランスを保っていて
    それがいつ、どのように崩れるのか
    最後まで緊張感があった。
    PTSD→PPAP
    人間じゃない→人間味がない
    友人の言い間違いに吹き出していたら
    主人公の鬱屈や焦燥の中
    もがき、苦しみ、怒り、あきらめ…
    いろいろな感情をぶつけられた。

    0
    2024年03月05日

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