三木三奈のレビュー一覧

  • アイスネルワイゼン
    主人公の行動に驚かされるが、読み手の中にも多かれ少なかれ共感できる部分はあるかと思う。
    主人公が何かしらの障害を持っているかは読み手に任せられるがところどころの行動や言動で暗に触れている。
    行間に隠されてる部分が多いが、意味合いが想像できれば素晴らしく面白い作品である。
  • アイスネルワイゼン
    ままならないことが積み重なり次第に怒りをコントロールできなくなる主人公。おそらく悪いのは周りだけではなく自分にも原因があるとわかってるだけに余計に抑えられない感情に潰されていく過程が面白い。
  • アイスネルワイゼン
    女同士の電話のやりとりや
    密やかなおしゃべりを
    わざわざ聞かされているようで
    そこには嘘や駆け引き
    見栄、嫉妬みたいなものが
    むせるほど渦巻いているから
    ずっと息苦しくて落ち着かなかった。
    主人公を含めた女の人たちみんな
    幸せそうではなく
    情緒不安定な感じで
    ときどき感情を爆発させながらも
    それぞれ...続きを読む
  • アイスネルワイゼン
    アイスネルワイゼン
    琴音の、苛立ち、揺れ、仮面、悪意、不本意な選択…。上手くいかない日常に潰されそうな、どうしようもない状況。
    このどうしようもなさを諦めず超えるには大きな苦しみを伴う。完全に壊れてしまわないように自分を大切にし、時間をかけて超えて欲しい。そして、苦しんでいるからこそ、彼女の弱さや、...続きを読む
  • アイスネルワイゼン
    表題作の「アイスネルワイゼン」は、差別的表現かもしれないが、女性の振る舞いの怖さを表現しているように感じた。本音と建前を越える本能的な行動のように思え、そこに人間の業を感じる。私には刺激が強すぎてクラクラした。著者が文學界新人賞を受賞した「アキちゃん」も収録。こちらは、途中からの違和感が最後にすっき...続きを読む
  • アイスネルワイゼン
    第170回芥川賞候補作。

    タイトル「アイスネルワイゼン」は「ツィゴイネルワイゼン」のもじり。本筋に関連あるようなないような微妙なワード。

    とても居心地というか座り心地というか読み心地が悪い小説。そういう意味では芥川賞候補作っぽいと言える。
    面白く読めました。

    主人公が性格悪いんですよ。
    でも、...続きを読む
  • アイスネルワイゼン
    アイスネルワイゼンは、芥川賞候補作(第170回)。
    こんな嫌な気持ちになる小説は、なかなかないと思うくらい
    イライラする小説だった。(それも狙いだろうけど)

    セリフと状況説明(表情とか行動とか)だけで
    主人公の心情描写がないのが特徴的。
    よって説明されず、たぶんこうなのかな?という予想の部分が多い...続きを読む
  • アイスネルワイゼン
    表題作より「アキちゃん」の方がソリッドで勢いがあって力強さを感じた。一点を除いて誰でもある程度の経験がある話だからだ。単純な人にも共感を生みやすいのだろう。
  • アイスネルワイゼン
    初めて読む作家だった。
    二篇の異なるストーリー。

    アイスネルワイゼン、クラシックの曲名のようだけれど、これ自体は造語。ツィゴイネルワイゼンをもじっている、
    琴音は、実はアルコール依存症だったんだろうか?心の有り様がコロコロ変わるなぁと思って読んだ。

    アキちゃんは、アキヒロが実の名前だった、と分か...続きを読む
  • アイスネルワイゼン
    読んでいる内に、なぁんかイヤ〜な気分になってしまい、「なんでかな~?」と考えてみたら、
    「このヒロイン、かなりの根性悪やん」と気が付きました
  • アイスネルワイゼン
    32歳の琴音の友だちとのやりとり、元彼⁇とのやりとりに気持ちがついていかない…。
    彼女、しんどくないなのかな⁇と思ってしまう。
    哀しくて息詰まりそう…と感じてしまう。

    「アキちゃん」も最初はよくある小学生同士の揉め事かなって思いながら読み始めたけれど、アキちゃんって実は男子だったの⁉︎と。
    アキち...続きを読む
  • アイスネルワイゼン
    なんとも言えない読後感。
    救いがない、けれど大きな絶望もない。現実を的確に小説に落とし込んだ感じ。
    主人公の琴音は現実に、きっとどこにでも溢れてると思います。
    周囲との関係、仕事の悩み。
    鬱屈した日常への不満。
    それはたぶん、本人にも原因があるんだろうなと琴音を見て思いました。
  • アイスネルワイゼン
    文學界10月号でアイスネルワイゼン読みましたが、最後まで読むのが苦痛な作品でした。
    最初は普通に思えた主人公が、私には理解不能な言動を続けるので、なんで?なんで?意味が分からない?と思いながら読みました。他の登場人物の言動にもイライラさせられてモヤモヤが残ります。
  • アイスネルワイゼン
    表題作と、「アキちゃん」の二作。

    表題作は芥川賞候補作。
    読んでいて、ずっとイライラするような、嫌な気分になるようなお話。
    お客さんのおばさんはムカつくし、仕事を紹介してきた友達も話が違うし、めちゃくちゃストレスがたまる。でもこういうことって、生きていればあるよな…って思うけど、それだけではなくて...続きを読む
  • アイスネルワイゼン
    「アイスネルワイゼン」
    「アキちゃん」
    二話収録。

    苦手な芥川賞系の作品だが、非常に読みやすかった。

    芥川賞候補作となった表題作はかなり強烈。
    主人公は32歳のピアノ講師・琴音。
    仕事も恋愛も上手く行かず、友人から頼まれたクリスマスイブのバイトでは散々な目に合う。

    冒頭から不穏な気配が漂ってい...続きを読む
  • アイスネルワイゼン
    情景描写や心理描写がほとんどなく、ほぼ会話だけの展開に面食らって、正直、流れがあまり頭に入ってこなかったです。
    「アキちゃん」は嫌だなぁと思いながらも、先が気になって読み進みましたが。
  • アイスネルワイゼン
    嫌な感じ(孤立する人間性、孤立させる己の傲慢さ)を徐々に浮き彫りにする手腕はそのまま、やっぱりどうしてもキャリーバッグのくだりが腑に落ちず。。

    怒りの矛先がわからなくなる、急に大きな声を出す、在処のわからない強い感情をぶつけてしまう、そんな彼女がマックで若い女の子に「ただの良い人」として認定される...続きを読む
  • アイスネルワイゼン
    文學界10月号掲載

    ⚫︎受け取ったメッセージ
    大人の対応も限界あり。
    いい人、悪い人って単純に決められない


    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)
    第170回芥川賞候補作。32歳のピアノ講師・田口琴音は、さいきん仕事も恋人との関係もうまく行っていない。そんな中、ひさびさに連絡をとった友人との再会から、...続きを読む
  • アイスネルワイゼン
    文學界10月号より
    ほぼ、会話形式で進むので、非常に読みやすく、サクサク進む。感想としては登場人物達にほぼ共感できないようで、気づいたら共感してしまっている自分がいた。
    終始不穏な空気の中、物語は進み、足場の崩壊寸前な感覚に、ハラハラした。
    主人公の幼児性もさることながら、出てくる人達にまともな人は...続きを読む