【感想・ネタバレ】アイスネルワイゼンのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

主人公の行動に驚かされるが、読み手の中にも多かれ少なかれ共感できる部分はあるかと思う。
主人公が何かしらの障害を持っているかは読み手に任せられるがところどころの行動や言動で暗に触れている。
行間に隠されてる部分が多いが、意味合いが想像できれば素晴らしく面白い作品である。

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2024年01月15日

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ままならないことが積み重なり次第に怒りをコントロールできなくなる主人公。おそらく悪いのは周りだけではなく自分にも原因があるとわかってるだけに余計に抑えられない感情に潰されていく過程が面白い。

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2024年01月07日

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女同士の電話のやりとりや
密やかなおしゃべりを
わざわざ聞かされているようで
そこには嘘や駆け引き
見栄、嫉妬みたいなものが
むせるほど渦巻いているから
ずっと息苦しくて落ち着かなかった。
主人公を含めた女の人たちみんな
幸せそうではなく
情緒不安定な感じで
ときどき感情を爆発させながらも
それぞれの関係は
なんとかバランスを保っていて
それがいつ、どのように崩れるのか
最後まで緊張感があった。
PTSD→PPAP
人間じゃない→人間味がない
友人の言い間違いに吹き出していたら
主人公の鬱屈や焦燥の中
もがき、苦しみ、怒り、あきらめ…
いろいろな感情をぶつけられた。

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2024年03月05日

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アイスネルワイゼン
琴音の、苛立ち、揺れ、仮面、悪意、不本意な選択…。上手くいかない日常に潰されそうな、どうしようもない状況。
このどうしようもなさを諦めず超えるには大きな苦しみを伴う。完全に壊れてしまわないように自分を大切にし、時間をかけて超えて欲しい。そして、苦しんでいるからこそ、彼女の弱さや、脆さ、浅はかな行動が、優しさ、強さ、思慮深さにいつか繋がって欲しい。でもやはり、できれば全てをそのまま包み込んでくれる信頼できる人に出会えることを祈る。

アキちゃん
「人を憎むということは、ほとほと疲れ果てることなのだ。 それは火柱を遠くからながめることではなく、自らを燃やして火柱をつくることなのだ。燃料さえも自足しなければならず、そうしなければほんとうに憎しみ抜くことはできない。こんなに邪魔くさく、気の滅入るものはないだろう。憎しみはつねに憎む対象への情熱をためしている。そして習慣的に人を憎んだことのあるひとならわかってもらえると思うが、ほとほと疲れ果てる憎しみを習慣にしだすと、憎しみの根本である怒りや悲しみはもはや怒りや悲しみではなくなってしまう。それは虚無になりさがるのだ。」
身体と心、家の状況、兄のこと、アキちゃんのたくさんを知り、蔑みや見下しも気持ちをコントロールすることである程度をかわしている。そして憎しみを持ちつつ気になって仕方がない。
人と関わりを持つあり方は様々だけど、憎しみに支配されないようにはしたい。

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2024年02月14日

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表題作の「アイスネルワイゼン」は、差別的表現かもしれないが、女性の振る舞いの怖さを表現しているように感じた。本音と建前を越える本能的な行動のように思え、そこに人間の業を感じる。私には刺激が強すぎてクラクラした。著者が文學界新人賞を受賞した「アキちゃん」も収録。こちらは、途中からの違和感が最後にすっきりするわけではなく、こちらも救いがない作品だった。悪い意味ではない。記憶に残る作品だった。

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2024年02月14日

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第170回芥川賞候補作。

タイトル「アイスネルワイゼン」は「ツィゴイネルワイゼン」のもじり。本筋に関連あるようなないような微妙なワード。

とても居心地というか座り心地というか読み心地が悪い小説。そういう意味では芥川賞候補作っぽいと言える。
面白く読めました。

主人公が性格悪いんですよ。
でも、読み始めはわからない。いかにも普通の人のふりしている。
だんだん本性が現れて嫌われていく人いるじゃないですか。まさしくそんな人。

主人公の視点で小説を読んでいて最初は感情移入しているから、途中から違和感が急上昇。あれあれあれ…って。

読んでいて、「自分ってそんなに無垢で純粋で正しくないんだー、悪いやつなんだー」と思い知ってショックを受けた若い頃を思い出した笑

併収されている「アキちゃん」も秀逸。
実は〇〇ではないアキちゃん。

感情というものがじぶんのものでありながらじぶんのものでないことをよくわかっていないと、けっこう、やっぱ大変だよね。

♫蝶々(グリーグ)

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2024年01月18日

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アイスネルワイゼンは、芥川賞候補作(第170回)。
こんな嫌な気持ちになる小説は、なかなかないと思うくらい
イライラする小説だった。(それも狙いだろうけど)

セリフと状況説明(表情とか行動とか)だけで
主人公の心情描写がないのが特徴的。
よって説明されず、たぶんこうなのかな?という予想の部分が多い


アキちゃんも芥川賞候補作(第163回)で、
今まで書籍化されておらず気になっていたので
併録されて、読めたので良かった。
こちらも子供の頃の嫌なことを思い出す小説。
そして驚きもある。

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2024年04月27日

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表題作より「アキちゃん」の方がソリッドで勢いがあって力強さを感じた。一点を除いて誰でもある程度の経験がある話だからだ。単純な人にも共感を生みやすいのだろう。

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2024年04月26日

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初めて読む作家だった。
二篇の異なるストーリー。

アイスネルワイゼン、クラシックの曲名のようだけれど、これ自体は造語。ツィゴイネルワイゼンをもじっている、
琴音は、実はアルコール依存症だったんだろうか?心の有り様がコロコロ変わるなぁと思って読んだ。

アキちゃんは、アキヒロが実の名前だった、と分かった時も、結構驚いた。

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2024年04月18日

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読んでいる内に、なぁんかイヤ〜な気分になってしまい、「なんでかな~?」と考えてみたら、
「このヒロイン、かなりの根性悪やん」と気が付きました

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2024年04月11日

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32歳の琴音の友だちとのやりとり、元彼⁇とのやりとりに気持ちがついていかない…。
彼女、しんどくないなのかな⁇と思ってしまう。
哀しくて息詰まりそう…と感じてしまう。

「アキちゃん」も最初はよくある小学生同士の揉め事かなって思いながら読み始めたけれど、アキちゃんって実は男子だったの⁉︎と。
アキちゃんがどういう大人になったのか、知りたいなぁ。



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2024年04月04日

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なんとも言えない読後感。
救いがない、けれど大きな絶望もない。現実を的確に小説に落とし込んだ感じ。
主人公の琴音は現実に、きっとどこにでも溢れてると思います。
周囲との関係、仕事の悩み。
鬱屈した日常への不満。
それはたぶん、本人にも原因があるんだろうなと琴音を見て思いました。

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2024年02月21日

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文學界10月号でアイスネルワイゼン読みましたが、最後まで読むのが苦痛な作品でした。
最初は普通に思えた主人公が、私には理解不能な言動を続けるので、なんで?なんで?意味が分からない?と思いながら読みました。他の登場人物の言動にもイライラさせられてモヤモヤが残ります。

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2024年02月17日

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ネタバレ

表題作と、「アキちゃん」の二作。

表題作は芥川賞候補作。
読んでいて、ずっとイライラするような、嫌な気分になるようなお話。
お客さんのおばさんはムカつくし、仕事を紹介してきた友達も話が違うし、めちゃくちゃストレスがたまる。でもこういうことって、生きていればあるよな…って思うけど、それだけではなくて、主人公はどこか変。遠距離の恋人とは、もう別れている感じなのに、事前に行くことも言わずにクリスマスに高速バスで来ちゃうし、結局会えずにすぐに他の友達?との約束を取り付けてまた新幹線に乗って戻るし、貯金カツカツなのに美容院の予約(しかも結構高い)しちゃうし。
持ち物も置いたところに置いてきちゃうし。
稼いだお給料も、こうやってすぐ使っちゃうんだろうな。何かの病気なのだろうか。
最後まで、え…なんで?って感じのザワザワした小説だった。

「アキちゃん」
アキちゃんはムカつく女の子だと思ってたら、実は男の子とわかったところは、え!?っと驚きがあった。こちらも、読んでてずっとイライラ、ザワザワするような小説。

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2024年02月11日

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「アイスネルワイゼン」
「アキちゃん」
二話収録。

苦手な芥川賞系の作品だが、非常に読みやすかった。

芥川賞候補作となった表題作はかなり強烈。
主人公は32歳のピアノ講師・琴音。
仕事も恋愛も上手く行かず、友人から頼まれたクリスマスイブのバイトでは散々な目に合う。

冒頭から不穏な気配が漂っていたが、途中からは悪意に次ぐ悪意で胸やけがしそうだった。

友人間で繰り広げられる非難の応酬。
辛辣な言葉のラリーに恐怖さえ覚える。

自暴自棄になり、琴音の軋んでいく心が不協和音を奏でているようでザラリとした印象を残す。
最後の場面は切ない。

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2024年02月03日

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情景描写や心理描写がほとんどなく、ほぼ会話だけの展開に面食らって、正直、流れがあまり頭に入ってこなかったです。
「アキちゃん」は嫌だなぁと思いながらも、先が気になって読み進みましたが。

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2024年02月01日

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ネタバレ

嫌な感じ(孤立する人間性、孤立させる己の傲慢さ)を徐々に浮き彫りにする手腕はそのまま、やっぱりどうしてもキャリーバッグのくだりが腑に落ちず。。

怒りの矛先がわからなくなる、急に大きな声を出す、在処のわからない強い感情をぶつけてしまう、そんな彼女がマックで若い女の子に「ただの良い人」として認定されるその一瞬、彼女は自分の感情の名前がわからなくて泣ける。

彼女のわからなさ、自分は何と戦っているのかわからないが故の不気味さと苦しさを、個人的には物理的な重さにたとえてほしくなかったけど、しかし移動するキャリーとその中身がずっと伏線(中身が軽くなるほど行き場がなくなる)としての小道具であるし、彼女自身、外郭のない苦しさに自覚的でなかったから、最後に出すとしたら物理的な重みでやっとわかる。。そういう使い方にはなるよなあ、など。。

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2024年01月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

文學界10月号掲載

⚫︎受け取ったメッセージ
大人の対応も限界あり。
いい人、悪い人って単純に決められない


⚫︎あらすじ(本概要より転載)
第170回芥川賞候補作。32歳のピアノ講師・田口琴音は、さいきん仕事も恋人との関係もうまく行っていない。そんな中、ひさびさに連絡をとった友人との再会から、事態は思わぬ方向へ転がっていくーー。静かな日常の中にひそむ「静かな崖っぷち」を描き、心ゆすぶる表題作。そして選考委員の絶賛を浴びた文學界新人賞受賞作「アキちゃん」を併録。
「すべての結果としてこの作品は、新人離れした堂々たる手腕を示すことになった」(川上未映子氏の選評より)

⚫︎感想(ネタバレ注意)




最後まで一気に読める。ほぼ会話と思考で表現されていて、読みやすい作品。琴音は、嫌だと思うことがあったり、言われたりしても、我慢して大人の対応をするのだが、もう限界となったら、本音を言う。その落差が印象的。彼女は一度も人生で本当に「愛すること」「愛されること」がなかったのかな、という印象も受けた

ありそうなマウント取り、厄介なシチュエーションやらが満載で、大人は大人の対応してるけど、実際はイラッとしてたり、きっと他人にさせたりしてるよなぁ〜なんて思いあたることがあり、程度の差こそあれ誰もが共感できるところがあると思う。

言いたい放題してくる小林、周りくどい感じの優、母にもついにキレる、ピアノ教室に通う子の母にも決別。恋人にも取り付く島もない。最後にほんの少し救いの兆しか、気持ち回復の兆しがあってほしかったなぁとは思った。

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2024年01月15日

Posted by ブクログ

文學界10月号より
ほぼ、会話形式で進むので、非常に読みやすく、サクサク進む。感想としては登場人物達にほぼ共感できないようで、気づいたら共感してしまっている自分がいた。
終始不穏な空気の中、物語は進み、足場の崩壊寸前な感覚に、ハラハラした。
主人公の幼児性もさることながら、出てくる人達にまともな人は少ない。
でも、文章でみる危うさは、至って普通の日常であることに気づく。
凄く面白かったのは、間違いないが、佳作感は否めない。

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2024年01月07日

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