国内ミステリー - 文藝春秋 - 文春e-book作品一覧

  • 可燃物
    4.0
    米澤穂信、初の警察ミステリ! 二度のミステリーランキング3冠(『満願』『王とサーカス』)と、『黒牢城』では史上初のミステリーランキング4冠を達成した米澤穂信さんが、ついに警察を舞台にした本格ミステリに乗り出しました。 余計なことは喋らない。上司から疎まれる。部下にもよい上司とは思われていない。しかし、捜査能力は卓越している。葛警部だけに見えている世界がある。 群馬県警を舞台にした新たなミステリーシリーズ始動。 群馬県警利根警察署に入った遭難の一報。現場となったスキー場に捜査員が赴くと、そこには頸動脈を刺され失血死した男性の遺体があった。犯人は一緒に遭難していた男とほぼ特定できるが、凶器が見つからない。その場所は崖の下で、しかも二人の回りの雪は踏み荒らされていず、凶器を処分することは不可能だった。犯人は何を使って“刺殺”したのか?(「崖の下」) 榛名山麓の〈きすげ回廊〉で右上腕が発見されたことを皮切りに明らかになったばらばら遺体遺棄事件。単に遺体を隠すためなら、遊歩道から見える位置に右上腕を捨てるはずはない。なぜ、犯人は死体を切り刻んだのか? (「命の恩」) 太田市の住宅街で連続放火事件が発生した。県警葛班が捜査に当てられるが、容疑者を絞り込めないうちに、犯行がぴたりと止まってしまう。犯行の動機は何か? なぜ放火は止まったのか? 犯人の姿が像を結ばず捜査は行き詰まるかに見えたが……(「可燃物」) 連続放火事件の“見えざる共通項”を探り出す表題作を始め、葛警部の鮮やかな推理が光る5編。
  • 秋葉断層
    3.6
    27年前の轢き逃げ事案、あれは〈殺し〉だったのか? 電気街・秋葉原に眠る“ある一族の秘密”が、時を経ていま目覚める―― 警察小説の巨匠・佐々木譲が描く未解決事件【コールドケース】 ◆あらすじ 1997年10月、神田明神下の路地で起こった轢き逃げ事案。被害者は秋葉原【アキバ】に根を下ろす一族経営の電器店の常務だった。 未解決のままだったこの事案に、2024年11月、〈殺し〉の可能性が浮上する。 警視庁捜査一課特命捜査対策室の刑事・水戸部と、地元・万世橋署の“やる気のない年上部下”柿本のバディは、電気街の歴史をかき分け真実をつかめるのか!? 主演・松重豊でドラマ化も果たした〈特命捜査対策室〉シリーズ、待望の最新刊! ◆シリーズ既刊 『地層捜査』 『代官山コールドケース』 (ともに文春文庫刊)
  • いけない II
    3.9
    大きな話題を読んだ”体験型ミステリー”第2弾。 第一章「明神の滝に祈ってはいけない」 桃花はひとり明神の滝に向かっていた。一年前に忽然と姿を消した 姉・緋里花のSNS裏アカウントを、昨晩見つけたためだ。 失踪する直前の投稿を見た桃花には、 あの日、大切にしていた「てりべあ先生」を連れて 姉が明神の滝に願い事をしに行ったとしか思えない。 手がかりを求めて向かった観瀑台で桃花が出会ったのは、 滝の伝説を知る人物だった。 第二章「首なし男を助けてはいけない」 夏祭りの日、少年は二人の仲間を連れて大好きな伯父さんを訪ねる。 今夜、親たちに内緒で行う肝試し、その言い出しっぺであるタニユウに 「どっきり」を仕掛けるため、伯父さんに協力してもらうのだ。 伯父さんは三十年近くも自室にひきこもって、奇妙な「首吊り人形」を作っている。 その人形を借りて、タニユウの作り話に出てきたバケモノを出現させようというのだ。 第三章「その映像を調べてはいけない」 「昨夜……息子を殺しまして」。 年老いた容疑者の自白によれば、 息子の暴力に耐えかねて相手を刺し殺し、 遺体を橋の上から川に流したという。 だが、その遺体がどこにも見つからない。 必死で捜索をつづける隈島刑事は、やがてある「決定的な映像」へとたどり着く。 彼は先輩刑事とともに映像を分析しはじめ―― しかし、それが刑事たちの運命を大きく変えていく。 そして、書き下ろしの終章「????????はいけない」 ――すべての謎がつながっていく。前作を凌ぐ、驚愕のラストが待つ! 各話の最終ページにしかけられたトリックも、いよいよ鮮やかです。
  • でぃすぺる
    4.2
    『屍人荘の殺人』の著者が仕掛ける ジュブナイル×オカルト×本格ミステリ 小学校最後の夏休みが終わった。小学校卒業まであと半年。 ユースケは、自分のオカルト趣味を壁新聞作りに注ぎ込むため、“掲示係”に立候補する。この地味で面倒だと思われている掲示係の人気は低い。これで思う存分怖い話を壁新聞に書ける!……はずだったが、なぜか学級委員長をやると思われたサツキも立候補する。 優等生のサツキが掲示係を選んだ理由は、去年亡くなった従姉のマリ姉にあった。 マリ姉は一年前の奥神祭りの前日、グラウンドの真ん中で死んでいた。現場に凶器はなく、うっすらと積もった雪には第一発見者以外の足跡は残されていなかった。犯人はまだ捕まっていない。 捜査が進展しない中、サツキはマリ姉の遺品のパソコンの中に『奥郷町の七不思議』のファイルを見つける。それは一見地元に伝わる怪談話を集めたもののようだったが、どれも微妙に変更が加えられている。しかも、『七不思議』のはずなのに六つしかない。 マリ姉がわざわざ『七不思議』を残したからには、そこに意味があるはず。 そう思ったサツキは掲示係になり『七不思議』の謎を解こうとする。ユースケはオカルト好きの観点から謎を推理するが、サツキはあくまで現実的にマリ姉の意図を察しようとする。その二人の推理を聞いて、三人目の掲示係であるミナが冷静にジャッジを下す……。 死の謎は『奥郷町の七不思議』に隠されているのか? 三人の“掲示係”が挑む小学校生活最後の謎。 こんな小学6年生でありたかった、という思いを掻き立てる傑作推理長編の誕生です。
  • アイスネルワイゼン
    3.5
    32歳のピアノ講師・田口琴音は、さいきん仕事も恋人との関係もうまく行っていない。そんな中、ひさびさに連絡をとった友人との再会から、事態は思わず方向へと転がっていく――。静かな日常の中にひそむ「静かな崖っぷち」を描き、心ゆすぶる表題作(第170回芥川賞候補作)。 選考委員の絶賛を浴びた文學界新人賞受賞作「アキちゃん」を併録。「すべての結果としてこの作品は、新人離れした堂々たる手腕を示すことになった」(川上未映子氏の選評より)
  • イッツ・ダ・ボム
    3.9
    阿部智里、額賀澪、川越宗一、波木銅らを輩出した 第31回松本清張賞受賞作! 森見登美彦さんが「もはやズルい」と、 米澤穂信さんが「夜の光を放つ、ささやかで切実な犯罪小説――圧倒的だった」と 激賞した鮮烈なデビュー作! ◆◆◆ グラフィティ graffiti おもにエアゾールスプレーやマーカーを用いて街に書かれた名前や絵柄。 ボム bomb 街にグラフィティを書いたり、ステッカーを貼ったりする行為。またはその痕跡。 特に違法に行われるものを指す。 ◆◆◆ 「日本のバンクシー」と耳目を集めるグラフィティライター界の新鋭・ブラックロータス。 公共物を破壊しないスマートな手法で鮮やかにメッセージを伝えるこの人物の正体、 そして真の思惑とは。うだつの上がらぬウェブライターは衝撃の事実に辿り着く。 (第一部 オン・ザ・ストリート) 20年近くストリートに立っているグラフィティライター・TEEL(テエル)。 ある晩、HEDと名乗る青年と出会う。 彼はイカしたステッカーを街中にボムっていた。 馬が合った二人はともに夜の街に出るようになる。 しかし、HEDは驚愕の“宣戦布告”をTEELに突き付ける。 (第二部 イッツ・ダ・ボム) 「俺はここにいるぞ」と叫ぶ声が響く、いま一番クールでアツい小説!
  • ITSUKI 死神と呼ばれた女
    -
    脚本界の名匠、入魂のエンタテインメント巨編 「年上の女が憧れなんスよ。駄目ですか。ラブしてくれませんか」 周囲の大事な人が次々と死んでいったことから、死神と呼ばれてきた人妻、斎(いつき)。冷え切った夫との生活に倦んでいた時、しなやかでいて荒々しい筋骨と濃密な体臭をまとった男・志田に出会う。 思いがけず落ちた年下男との恋、そして第三の男の登場。天国とはかくやと酔いしれる斎。しかしその恋と性愛が巻き起こしたさざなみは、次第に大波となって、裕福な病院長一家に集う女たちを巻き込んでいく――。その果てに惨劇と憎悪の宴が幕を開けた! 氾濫する美意識と諧謔で描く、生と性、死と詩のジェットコースター・ロマンス小説! ※本作品は、週刊文春、Kindleで連載された「真・天国の恋」を改題、大幅に加筆修正したものです。
  • 嘘か真言か
    3.3
    裁判所の「中の人」から犯罪はどう見えているのか? 新任判事補と癖が強すぎる裁判官が、市内で起こる特殊詐欺事件に挑む。現代の姿を「司法」であぶりだす社会派リーガルミステリー。 日向由衣は裁判官に任官して三年目。念願がかなって志波地方裁判所の刑事部に配属された。しかし、異動が決まった直後から、直近の先輩となる紀伊真言(まこと)裁判官にまつわるさまざまな噂が耳に入っていた。しかも、そのほとんどが悪評である。 紀伊は、理系大学院出身の変わり種だが、プログラムを組むように淡々と裁判を進め、バグを処理するように有罪判決を宣告する、と言われている。そしてもう一つの噂として、紀伊は「被告人の嘘が見抜ける」というのだ。裁判所という場で、こんな非科学的な噂がどこから生まれてくるのか。 また志波地裁に赴任した由衣は、上司となる阿古部長から一つの課題を出されていた。 「紀伊真言が嘘を見抜けるか見抜け」 赴任したばかりの判事補には仕事がない。それならば紀伊の裁判を傍聴して部長の“課題”に答えるしかない。 かくして由衣は紀伊が訴訟指揮をする、窃盗事件の第一回公判に臨む――。 志波市内で連続して起こる特殊詐欺事件、一見して無関係の事実を結び付けて新たな事実をあぶり出す裁判官、新任判事補の成長……裁判所の「中の人」から犯罪はどう見えているのか? 裁判所書記官の経験もある著者だからこそのリアルな読み味が魅力の一冊。
  • うまいダッツ
    3.7
    とある高校の喫茶部。それぞれ好みのおやつを持ち寄る四人は、 不思議な噂を耳にする。 「うまい棒一本で、世界の秘密がわかるらしい」 それはただの都市伝説か、それとも――!? ゆる部活のメンバーがたどりついた「答え」とは。 「おやつ部」のメンバーが、世界の謎にゆるく挑む。 スナックをつまむ指先が光るのは、油のせいだけじゃない、かも。 おいしく楽しく、ときどき切ない5つの物語。 うまい棒一本で、世界の秘密がわかるらしい―― 学内で囁かれる噂の真相とは?(「うまいダッツ」) おばあちゃんが失くしたブローチを探すことになったおやつ部の面々。 探し物の過程で見えてきたものとは。(「チロル・ア・リトル」) お菓子当てクイズに参加することになった四人。 果たして、その勝敗はいかに。(「バカみたいにウケない」) SNS上の友達と気まずくなってしまったメンバー。 会いたくない彼女と会いたい彼女、それぞれの理由とは。(「それは王朝の」) 学年が上がり、初めてできた後輩。 しかし彼らは全員、妙にまじめで――。(「百年の愛」)
  • 音速の刃
    3.6
    「航空機の事故には必ずウラがある」 社運を賭けてビジネスジェットの開発に挑むプロフェッショナルたちの挑戦を描く航空ミステリーの傑作! 航空機メーカー四星工業の技術者・沢本は、元同僚の倉崎の「航空機事故には必ず、発表できないウラがある」という言葉を重く受け止めていた。 かつてのオスプレイの墜落事故なども含めて、過去の事故原因は、いつも謎のままだ――という。 このとき、四星工業は社運をかけて、同社初となる民間航空機の開発に乗り出していた。 ところが四星工業の稼ぎ頭である戦闘機部門の実験中に機体が墜落し、パイロット一人が死亡。 すぐさま事故原因が発表されたが、規事業は暗礁に乗り上げてしまう。 航空機事故の裏側に隠された「真実」に、沢本が迫る。 彼女は四星工業の窮地を救えるのか。 四星工業航空機の設計者である著者が、「航空機事故の原因」というタブーに挑んだ傑作ミステリー。
  • キスに煙
    3.6
    あいつが殺したのだろうか――。  愛した人は、殺人者かもしれない――。 かつてフィギュアスケーターとして活躍し、引退後はデザインの仕事をする塩澤。 彼と好敵手として競り合い、今もトップスケーターの地位にある志藤。 互いに、自分の持たないものを持つ相手として意識し続ける二人だが、塩澤にはライバル心だけではない、ひた隠しにするもうひとつの思いを抱き続けていた。 ある日、塩澤の昔の恋人であり、志藤とは犬猿の仲であったコーチのミラーが転落死したとのニュースが入る。孤高のスケーターで敵も多かったミラーの死は、周囲に動揺をもたらす。あいつ、殺されたんじゃないか? 火のない所に煙は――とばかりに広がる不穏な噂に搦めとられるように、塩澤と志藤は互いにこれまでとは違う視線を向けるようになる。 告げるだけで重荷になると秘めた恋心、自分のために罪を犯したのではという疑心。二つの感情の狭間で、互いを守るための選択とは――。 『花束は毒』の著者が放つ、もうひとつの究極の選択! 恋心か、疑心か。あなたは正しい選択ができますか?
  • 虚擬街頭漂流記
    3.9
    第一回島田荘司推理小説賞受賞作 2020年、台湾政府は大地震の被害で寂れた台北きっての繁華街・西門町をネット上に仮想都市として再建する計画を進めていた。仮想都市=ヴァーチャストリートの制作に携わるエンジニア・顔 露華はシステムのバグを点検するため、上司の大山とともにヴァーチャストリートへ進入し、謎の男の撲殺死体を発見する。 仮想空間でその人間に起った出来事は、特殊なスーツを装着することで現実の人体にも反映される。つまり、現実世界でもその男は殺されたのだ。だが、殺人が起った時間帯にヴァーチャストリートに存在したのは露華と大山のみ。しかも二人には完璧なアリバイが? SF的設定の中に構築された高度なトリックと、結末に思わず涙する感動のストーリー。アジアから逆輸入された21世紀本格ミステリーの傑作登場。
  • 緊立ち 警視庁捜査共助課
    4.0
    名手による本格警察小説が誕生 指名手配犯がいる!という「緊立ち」が入った。そのとき刑事は! 「カメラアイ」を武器に群衆の中から手配犯を捜す警視庁刑事と、広域捜査を担当する刑事。ビル爆発事件で怪我を負いながら、離婚、介護という人生の壁を乗り越える女性刑事二人の物語。 ある時、強盗および殺人の手配犯がここにいる!という緊急立ち回り情報(緊立ち)が入った――。
  • 台北アセット
    3.5
    舞台は台湾へ。公安外事・倉島警部補シリーズ第7作。 警視庁公安部外事一課の倉島は、台湾の警察から研修の講師を務めるよう要請され、ゼロの研修から戻った後輩の西本と台北に向かった。 そこで倉島は、サイバー攻撃を受けた日本企業の現地法人から捜査を要請されるが、その会社のシステム担当者が殺害され、日本人役員に疑いの目が向けられる。 サイバー攻撃と殺人事件は連動していると直観した倉島は、公安のオペレーションとして正式に捜査に乗り出すが――。
  • クロム・ジョウ
    4.0
    違法薬物の売人たちが次々と殺され、騒然とする街・渋谷。トラブルメーカーの友人翡翠からある情報を託されたことで、いくつもの集団から追われる身となった17歳の家出少女・ジョウは、傷つきながらも必死に活路を開いていく。追っ手は何者か? 情報の正体は? 全てが見えたとき、彼女は起死回生の一手を放つ──。
  • 時間の虹 紅雲町珈琲屋こよみ
    3.8
    小蔵屋、まさかの閉店。 「お草さん、なんで閉めちゃったのかな」 「急に決まったことじゃないか、という気がするの」 静かな時間が流れるいつもの小蔵屋。 しかし、お草の心には一抹の不安が。 一つ、小蔵屋へ不審な間違い電話が相次いでいる。 もう一つ、久実の婚約者・一ノ瀬が、8ヵ月以上も店に顔を出さないのだ――。 小蔵屋に何が起こってるのか? 真実はどこに? 止まっていた時間が、動き出す。 累計80万部突破! シリーズ第12弾。
  • 雨だれの標本 紅雲町珈琲屋こよみ
    3.2
    新しい展開を予感させる、シリーズ第11弾! お草が営む珈琲豆と和食器の店・小蔵屋が、 高名な映画監督の新作の撮影候補地になった。 店員の久実や常連客たちは色めき立つが、 お草は店の通常営業ができなくなると、乗り気になれない。 だが監督と面会すると、その件とは別に、お草は別のお願いをされる。 彼に大きな影響を与えた古い映像作品を作った、ある無名の男を 捜してほしいというのだ。わずかな情報とおぼろな記憶を頼りに、 お草は男の姿を追うが――。彼はいったい誰なのか?
  • 孤高の血族
    3.8
    「公安部」シリーズの濱嘉之による、大病院の経営者一族の物語。 診療所を一代で総合病院にした父と、落ちこぼれだったが天才的な経営手腕を発揮する次男。大病院の栄華と躓き、家族の確執を描く。
  • サマーレスキュー 夏休みと円卓の騎士
    4.5
    ゲームの中の10億円を追え 行方不明の幼馴染を探すために、少女たちはアナーキーなオンラインゲームの世界へ飛び立った 舞台は世界的大ヒットゲーム「ランドクラフト」。 世界中で売れた本数は三億本。プレイヤーが多いことからゲームの中では RMT(リアル・マネー・トレード)と言われる現金のやりとりも行われている。 最近「ランドクラフト」内で10億円相当の宝が眠っているという噂が流れ、 世界中のプレーヤーがその宝を探している。 中学二年生の巧己と祥一は、夏休みをいいことに「ランドクラフト」に没頭し、 あわよくば10億円をゲットしようと連日ログインしていた。 が、ある日祥一が行方不明になってしまう(ゲームの中でも現実でも)。 祥一が何かトラブルに巻き込まれたに違いないと思った巧己は、幼馴染の千香に助けを求める。 千香はかつて「ランドクラフト博士」と呼ばれるほどにこのゲームに詳しく、助けになってくれるかもしれなかった。 しかし千香は、あることがきっかけで「ランドクラフト」をやめていた。 いまは8月のTOEICの試験に向けて勉強をがんばらなくちゃいけないのに……。 千香は、しぶしぶ「ランドクラフト」にログインして巧己と共に祥一を助ける旅に出るが、 そこで自らの過去と向き合うことにもなる。 中学生たちが、夏休みに「もう一つの世界」を旅しながら成長する、ゲームアドベンチャー。 読み終えたとき、昨日よりもちょっとだけ自分のことを好きになれる青春小説です。
  • 週末探偵
    3.3
    探偵稼業、始めました。ただし、週末限定 瀧川一紀は、大学時代の友人・湯野原海に誘われて、 男ふたりで探偵事務所を開業することに。 「あれって、なんだったんだろう?」と不思議に思いつつも、 そのままになってしまうような「ささやかな謎」の真相を解き明かしていく。 「最初の事件」、「桜水の謎」、「月と帽子とひったくり」、 「探偵たちの雪遊び」、「夏の蝉」、「ちょっと変わった依頼人」の6つの事件簿。 10万部突破『夜の床屋』の著者による最新長編!
  • 少女が最後に見た蛍
    3.7
    大好評の<仲田シリーズ>第4弾! 最高にエモーショナルな社会派本格ミステリ 「警察官になったのは、あの子の自殺に責任を感じてるから?」 未成年による事件を次々と解決に導く敏腕女性捜査員の心には かつて、唯一救うことのできなかった少女が深い影を落としていた―― 仲田の知られざる過去に迫る 大好評 <仲田シリーズ>第4弾連作集 【あらすじ】 神奈川県警生活安全課の仲田蛍(なかた・ほたる)は、 中学時代の同級生・来栖楓(くるす・かえで)と思いがけず再会する。 来栖は当時、桐山蛍子(きりやま・けいこ)という同級生をいじめており、 仲田は蛍子を楓から守ろうと手を尽くしていた。 しかし、いじめを終わらせることはできず、かえって桐山を傷つけてしまい、 最後は自殺してしまったのだった。 事の次第を聞いた捜査一課の真壁は、 自死の背後に仲田も知らない真相があるのではと感じて調べ始めると、 意外な事実が浮かび上がり――(表題作)。
  • ジェンダー・クライム
    4.1
    『悼む人』『永遠の仔』の著者が贈る、ノンストップ・クライムサスペンス。 誰もが容疑者。誰もが当事者。 性にまつわる犯罪……ジェンダー・クライムは連鎖する。 土手下に転がされていた男性の遺体。 暴行の痕が残る体には、メッセージが残されていた。 「目には目を」 なんと男の息子は、3年前に起きた集団レイプ事件の加害者だった――。 次々現れる容疑者、そして新たな殺人。 罪を償うべきは、あなたかもしれない。 天童荒太の原点回帰にして、記念碑的作品!
  • 12星座殺人事件 牡羊座
    -
    牡羊座の彼がいる人必見! 今宵、あなたが彼に殺されないために。ミステリーと占星術のコラボレーション 雑誌やテレビの星占いではあまり触れられない、占星術のダークサイドに焦点を当て、ミステリー小説と星座解説を一体化。本当は怖い占星術! 12星座の物語の主人公はすべて男性。美容師、刑事、作家、お笑い芸人など様々な職種の男性たちが恋愛のもつれで恋人を殺してしまうという設定で、ちょっとエグい12本の短編小説で構成されています。それぞれの星座には特徴的な性格があるので、殺意や殺し方も千差万別。小説の末尾には占星術家・水谷奏音が執筆した解説があり、それぞれの星座の特徴、なぜそんな殺し方をしたのかが分かります。ミステリー小説を楽しみながら、その星座特有の“殺意”の勉強にもなる一石二鳥の一冊。『12星座殺人事件』の分冊、牡羊座篇です!
  • 12星座殺人事件
    -
    今宵、あなたが彼に殺されないために! ミステリーと占星術のコラボレーション 雑誌やテレビの星占いではあまり触れられない、占星術のダークサイドに焦点を当て、ミステリー小説と星座解説を一体化。本当は怖い占星術! 12星座の物語の主人公はすべて男性。美容師、刑事、作家、お笑い芸人など様々な職種の男性たちが恋愛のもつれで恋人を殺してしまうという設定で、ちょっとエグい12本の短編小説で構成されています。それぞれの星座には特徴的な性格があるので、殺意や殺し方も千差万別。小説の末尾には占星術家・水谷奏音が執筆した解説があり、それぞれの星座の特徴、なぜそんな殺し方をしたのかが分かります。ミステリー小説を楽しみながら、その星座特有の“殺意”の勉強にもなる一石二鳥の一冊。12星座ごとに分けた、分冊版も同時発売!
  • 推定脅威
    3.5
    2014年松本清張賞受賞作 誰よりも戦闘機を知る著者が描く、理系ミステリーの決定版! 自衛隊戦闘機「TF-1」が、スクランブル飛行中に墜落した。この異様な事故を受け、防衛省は機体を製造する浜松の航空機メーカー、四星工業にその検証を依頼する。四星工業では入社三年目の技術者、沢本由佳が上司の永田とともに業務にあたっていた。シミュレーションの結果、事故はパイロットの単純な誤操作によるものだと判断されたが、永田は沢本が言った何気ない一言が気になり、すでに会社を辞めてデザイナーをしている同期の倉崎に話を持ちかける。スクランブル発進した自衛隊機は、なぜ不可解な事故を起こしたのか?背後に浮かび上がるのは、「TF-1」設計時に官(防衛省)と民(航空機メーカー)がそれぞれ抱え込んでいた闇だった。
  • スズメの事ム所 駆け出し探偵と下町の怪人たち
    3.3
    夜行の鉄仮面、瞬間移動する引ったくり、謎のチンドン屋―― なりゆきで探偵になったスズムが下町で起きた6つの怪事件に挑む! 不動産販売の営業マンだった黒葛原涼(つづらはら・すずむ)は、会社の倒産後、ひょんなことから東京の下町・町良(まちら)で、探偵事務所を開業する。 ハーバード大卒の美女ネジ子さんを相棒に、下町で起こる6つの怪事件の謎を解く。 第1話「都電の町と鉄仮面」 東京の下町・町良に移り住んだスズムはピカピカ光る鉄仮面が夜な夜な徘徊すると聞き……。 第2話「ネジ子さんが来た」 神出鬼没の連続引ったくり犯“カマイタチ”を捕まえてほしいという依頼を受ける。 第3話「セカイは知らんぷり」 公園で虐待されたノラ猫を助けたスズムが調べを進めると、意外にも犯人は……。 第4話「守り神は失踪中」 “信号揚げ”が名物、タツ子が営むてんぷら屋から大事な守り神が消えた。 第5話「スキマ男のレモン」 町のあちこちで空き缶と一緒に置かれたレモンが見つかった。それは怪しい暗号なのか? 第6話「まぼろし楽隊(ジンタ)」 正式につづはら探偵事務所を立ち上げたスズムは、いきなり謎の“怪人”から挑戦を受ける。
  • スノウブラインド
    3.8
    現代の奇書か、アンチミステリーか、唾棄すべきダメミスか? 〈新変格探偵小説〉の旗を高々と掲げた瞠目のデビュー作 R大学史学科のホーエンハイム教授は自らの退官記念にゼミ生たちを軽井沢近郊の狗神窪にある邸宅に招待した。 だが、豪雪に降り込められた邸宅の中で、使用人のフリッツが惨殺されたのを皮切りに次々と殺人が。 心理学を専攻する学生・夷戸武比古(いどたけひこ)は謎を解明するため、必死の探索を始めるが……。 典型的な「吹雪の山荘」シチュエーションで進む物語が、やがて奇怪な歪みを孕み始め二転三転、ついに驚愕のフィナーレへ。 本格ミステリとホラーの2つの要素を巧みに操り、謎と恐怖のタペストリーを描いたデビュー作。
  • 絶対解答可能な理不尽すぎる謎
    3.2
    事件を解決するのは、「特殊な専門性」を持つ七人の素人探偵たち! 「推定脅威」で松本清張賞を受賞した著者が放つ“新感覚・本格ミステリー”。 現代における「謎」は複雑すぎて、天才探偵が、たった一人で解決できる時代ではない! 理系作家が新たに提案するのは、「特殊な専門性」を持つ七人の素人探偵たちが、「理不尽すぎる謎」を解き明かす「新感覚の本格ミステリー」だ! ミステリー作家の高沢のりおの周囲には、「謎」に満ちた事件が起きる。 小説家高沢は、自宅で何者かに殴られ、血を流して仰向けに倒れていた。 相談があるといって呼び出されていたデザイナーの倉崎や、ワイン評論家の鷺宮、編集者の小野寺らが、「美人の罠に陥った」小説家殴打事件の謎を解く。ほかにも、映像作家が仕組んだ五桁の暗号。警察官僚が挑む「消えた熱帯魚」の秘密。 酒に弱い美女を感涙させるスペシャルなワインセレクト法。 バラを愛する大御所作家に怒られた編集者のピンチ脱出法など。 キャラクターの魅力もさることながら、それぞれの短篇には、知れば必ず人に話したくなる「うんちく」が満載。 日常に潜んだ、理不尽な謎を解き明かすミステリー短篇を六篇収録。 『大相撲殺人事件』の小森健太朗氏も推薦! 「登場する作家・高沢のりおって、俺だよね!? この名探偵ものへの大胆な挑戦状を受けて立つ!」
  • 相互確証破壊
    3.3
    エロスと論理の融合! ストレンジ風味炸裂 6人のヒロインと恋人たちの熱いセックスと怜悧な推理。 深夜一時の第一京浜。 口紅で「西へ」と書いたハンカチを掲げヒッチハイクをする女性。ハンドバッグの中には財布のみ。故郷・福岡に向かっていた男は女を乗せた。車のトランクには大きなスーツケースが立ててある。一般道のみ通り宿泊にはラブホテルを使う奇妙な旅が始まった(「カントリー・ロード」)。 一篇のなかに必ず濡れ場2回、そしてひとつも無駄な描写のない緻密な本格推理が展開される。 「待っている間に」「三百メートル先から」「見下ろす部屋」「カントリー・ロード」「相互確証破壊」「男の子みたいに」の計六編収録。
  • 狙撃手の祈り
    3.5
    離婚届を置いて失踪した妻、発見された銃弾、28年前の未解決事件。 平穏な生活が一変する秘密と嘘。 東京都北区十条で楽器店を営む青井圭一。 雑誌記者の妻・沙月とは取材がきっかけで知り合った。 ある夜、妻の沙月が圭一に差し出したのは離婚届だった。 明日から一週間取材に行くから、帰るまでに答えを出してほしい――。 確かに、圭一の友人のミュージシャンの不倫スキャンダルを 沙月がスクープしたことで、最近夫婦関係はぎくしゃくしていた。 しかしそれが離婚の原因になるとは思えない。 そして一週間後、電話口で「このまま家に帰ったら、許してくれる?」という言葉を残して沙月は消息を断つ。 ほぼ時を同じくして、亡くなった圭一の叔父の遺品の中から 銃弾が発見される。叔父の友康はこの楽器店の先代で、 幼い頃に両親を亡くした圭一の育ての親でもある。 平穏な人生を送っていた叔父と銃弾が結びつかず混乱する圭一。 追い打ちをかけるように、その銃弾が28年前に起こった 警察庁長官狙撃事件に使われたものと同じ型という可能性も浮上する。 警察庁長官狙撃事件は未解決のまま公訴時効を迎えていた。 そして、沙月がこの未解決事件を追っていたことも明らかになる。 叔父と長官狙撃事件の間に何らかの関係があるのか。 もしあるとしたら叔父はどう関わっていたのか。 今回の沙月の失踪はその未解決事件の取材と関係しているのか。 この世界が今日も明日もこのまま続くだろう、そう思っていた人間が、 期せずして社会の深淵を覗くサスペンスミステリー。
  • 点と線
    4.1
    ミステリ好きなら名前を知らぬ人がない名作です。舞台は昭和三十年代。福岡市香椎の岩だらけの海岸で寄り添う死体が見つかったのは、汚職事件渦中にある某省課長補佐と料亭の女中。青酸カリ入りのジュース瓶がのこされ、警察ではありふれた心中事件と考えた。しかし、何かがおかしい──と福岡の老警官と東京のヒラ刑事は疑問を抱く。うたがわしい政商は事件当時、鉄道で北海道旅行中。そのアリバイは鉄壁だった──時刻表トリックの古典にして、今も瑞々しい傑作ミステリ。
  • 中野のお父さんと五つの謎
    4.0
    あの文豪の、こんな謎も、お父さんが解決! 高校国語教師の父と体育会系文芸編集者の娘の“名探偵コンビ”が、 本や小説に潜む「謎」に挑む人気シリーズ第4弾。 「日常の謎」の名手であり〈本の達人〉による5編。 【収録作品】 ●漱石と月 英国留学中の漱石が〈I love you〉を〈月が綺麗ですね〉と翻訳したのは 根拠のない都市伝説のようなもの。だがそのエピソードは独り歩きして、 多くの作品に影響を与えている。 いったいどうして、〈I love you〉と〈漱石〉が〈月〉に繋がるのか……。 ●清張と手おくれ 『点と線』といえば大ベストセラーにしてロングセラー、 松本清張の代表作のひとつだが、 本格ミステリファンからは「失敗作」だと評判が悪い。 『点と線』にまつわる知られざるエピソードとは? ●「白波看板」と語り 鬼平シリーズ前に初めて長谷川平蔵が登場したのは短編「白波看板」。 この作品はかつて、三遊亭圓生が人情噺として口演していたという。 そこに見られる言葉の“改変”。 これは作家によるものか、あるいは噺家の独断か……。 ●煙草入れと万葉集 若き日の圓生の間違いを指摘した久保田万太郎。 その間違いとは、“十二煙草入れ”についてだった。 どうやらその昔、“十二煙草入れ”というものがあったようだ。 しかしいったい、十二煙草入れとはどういうものなのか?  ●芥川と最初の本 敬愛する漱石の本に使われていた書家を、自身の初めての本『羅生門』にも 起用したいと考えていた芥川龍之介。 その思いが強く表れた装丁はどういうものだったのか。
  • なんで死体がスタジオに!?
    3.8
    生放送直前に出現した大物俳優の死体! 誰にも気づかれず、特番を乗り切ることは出来るのか? すべてのエンタメファンに送る、ノンストップ・バラエティ系・軽ミステリ! バラエティプロデューサー・幸良涙花は、がけっぷち、である。 筋金入りのお笑いファンかつテレビっ子だが、不運体質(?)のせいか、失敗に失敗を重ね、会社からは「次がダメなら制作を外す」と告知されている。 進退をかけた「次」の番組は、その名も「ゴシップ人狼」。 出演者たちが持ち寄ったリアルゴシップについて語りながら、紛れ込んでいる嘘つきを推理する、というトーク番組で、季節ごとの改変期に放送される人気特番だ。 マンネリ化する番組のテコ入れに、これを「生」で放送しろ、と上司は言うが、コンプラ的にも、事務所対応的にも無茶な企画。奮闘する幸良が、本番前に出会ったのは…… 「大御所俳優・勇崎恭吾の死体」だった! 生放送まであと20分。幸良は特番を乗り切れるのか!? そして、この事件の犯人は? 現代バラエティを分析する目線の鋭さと、軽妙な会話の面白さ、そして”ゴシップ”の本質を衝く深度はピカイチ。一気読みできる超・エンタメ作品です!
  • 眠れる美男
    3.0
    川端康成の『眠れる美女』は、高齢男性の性を扱った。 それから60年。川端を敬愛する台湾の第一線女性作家が正反対の方向からタブーに挑んだ。 すなわち、高齢女性の性に正面から挑んだのである―― 元外交官の妻として裕福な生活を送る殷殷は、行きつけのフィットネスジムのインストラクター、パンに惹かれていく。 少数民族の出身で、眉目秀麗な彼―パンの、色白の肌の下に潜んだしなやかな筋肉に直接触れたいという欲望を、殷殷は抑えきれないでいた。 そしてある夜、パンを別荘に招いた殷殷は、彼に眠り薬を盛るのだった…… 〈本書は長くタブーだった高齢女性のエロティシズムを扱った、きわめて挑戦的な作品だ〉(上野千鶴子・東京大学名誉教授)
  • 裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬
    4.4
    1~2巻1,222~1,426円 (税込)
    「プログラマーという人種はですね。他人とともに、自分も信じない人間なんですよ」 やる気なさげなプログラマー探偵、鹿敷堂(かしきどう)登場! 安藤裕美は20代で起業し、腕のよいプログラマーを企業に斡旋している。 裕美の猛烈な営業で業績は順調に拡大していたが、そこに大事件が発生! 自分の会社が送り込んだプログラマーが、取引先企業の持つ個人データ5万人分を 暗号化して使用不能にし、そのデータの「身代金」を要求してきたのだ。 事件が知られれば、取引先どころか、自社の存続も危うい。 悩む裕美は、自社への出資者から補佐役として奇妙な青年を紹介される。 それが鹿敷堂(かしきどう)桂馬だった。 「僕は探偵でもなんでもありません。ただのプログラマーです」 タイムリミットは2日間。2人は事件を解決できるのか。 「僕にできるのは、デバッグぐらいですね」 2016年の松本清張賞を僅差で逃したものの、選考委員の熱い支持をうけて異例のデビュー! 「探偵役の鹿敷堂がいいキャラクターなので、シリーズ化に挑戦してほしい。 プログラマーの世界をもっと読みたいという意見は(選考委員)全員一致した」 (石田衣良氏・選評より) 「働くひとたちへの熱い応援の気持ちと、社会やシステムへの疑問と怒りが作品に こめられていて、とても胸打たれた。しかしそれだけではなく、登場人物が魅力的で、 読んで楽しい小説! おすすめです!」(三浦しをん氏) 現役プログラマ、ゲーム作家として活躍してきた著者による超一級のエンターテイメント小説。
  • 半導体探偵マキナの未定義な冒険
    4.0
    名探偵に深刻なエラーが発生しました! 京都大学推理小説研究会の「秘密兵器」が放つ、「犯人探し」ならぬ「探偵探し」。 主人公の正行は17歳の男子高校生。 のんびり帰宅部の大人しい青年だが、彼には天才科学者の祖父がいた。 祖父は現役引退後、研究所にこもってひそかに人間そっくりのAI搭載探偵ロボットを開発し、依頼人に派遣するボランティアをおこなっていたのだ。 ある日、3体の探偵ロボットがエラーを起こし、勝手に町に出て「探偵」活動を始めてしまった。 唯一正常に機能している探偵マキナと正行のコンビは、あちこちで「捜査中」と思われる「探偵」たちを、無事に見つけ出すことができるのだろうか? 今度は何を出してくる? と毎作、目が離せない。まことに「未定義な」才能の持ち主である。――綾辻行人 星新一と「ミステリーランド」が好きな人に薦めたい。――法月綸太郎 ロボット探偵がロボット探偵を探す。二十一世紀のパット・マガー!――我孫子武丸 EQ(エレクトロニック・カルテット)ここに爆誕!――麻耶雄嵩
  • 陽だまりに至る病
    3.7
    あなたのお父さんは、殺人犯なの――? ネグレクト、貧困、そしてコロナが少女たちを追い詰める。 タイトルの真の意味がわかると、きっと胸が熱くなる。 現代社会の闇に迫る切ない社会派ミステリー 小学五年生の咲陽は、「父親が仕事で帰ってこない」という同級生の小夜子を心配して家に連れ帰る。 だが、コロナを心配する母親に小夜子のことを言いだせないまま、自分の部屋に匿うことに。 翌日、小夜子を探しているという刑事が咲陽の家を訪ねてくる。 小夜子の父親が、ラブホテルで起きた殺人事件の犯人ではないかと疑念を抱く咲陽だが――。 『希望が死んだ夜に』で「子どもの貧困問題」に、 続く『あの子の殺人計画』で「子どもの虐待」に迫った〈仲田・真壁〉の神奈川県警刑事コンビが、 次は「コロナと貧困」の陰で起こった事件に挑む。 話題の社会派ミステリー第3弾!
  • ぼくは漫画大王
    3.0
    第三回島田荘司推理小説賞受賞! 注目の台湾ミステリー 物語は第十二章から始まる。家出していた妻が自宅に戻ると、夫が殺され息子の健ちゃんは密室に閉じ込められていた……。 話は第一章に戻り、奇数章はライバル“太っ許(ふとっきょ)”と漫画大王の座を争う小学生・健ちゃん、偶数章は少年時代に起きた事件のトラウマで鬱々とした人生を送っている妻子持ちの方志宏(ほうしこう)という男を主人公に、二つの視点から語られてゆく。殺人事件の真犯人は誰? 懐かしき日本の漫画と、1970年代から80年代にかけての台湾の空気を盛り込んだ、企みに満ちた本格ミステリー。
  • 墓地裏の家
    3.5
    新変格の無人の荒野を突き進む、シリーズ第二作! 吸血鬼が棲む館で血塗られた惨劇が。怪奇幻想ミステリー 東京・雑司が谷の墓地裏に教会を構える神霊壽血教は吸血鬼・ストリゴイを崇拝する異端の新興宗教。 「教主の様子がおかしい」との妻からの相談を受け、心理学を学ぶ大学院生・夷戸武比古(いどたけひこ)は教会を訪れる。 あらゆる用事を放り出して、ひたすら近所にできた観覧車に見入る教主・印南尊血に戸惑う夷戸。 やがて教主の娘が密室で死に(自死か殺人か?)、惨劇の幕が開く。 果たしてそれは教会に棲む吸血鬼の仕業なのか? 本格ミステリと怪奇幻想ホラーがせめぎ合う、賛否両論の異色作。
  • 魔女の原罪
    3.8
    変死事件で暴かれる町の秘密 法律が絶対視される学校生活、魔女の影に怯える大人、血を抜き取られた少女の変死体。 一連の事件の真相と共に、街に隠された秘密が浮かび上がる。 僕(宏哉)と杏梨は、週に3回クリニックで人工透析治療を受けなければならない。そうしないと生命を維持できないからだ。ベッドを並べて透析を受ける時間は暇で、ぼくらは学校の噂話をして時間を潰す。 僕らの通う鏡沢高校には校則がない。ただし、入学式のときに生徒手帳とともに分厚い六法を受け取る。校内のいたるところには監視カメラが設置されてもいる。 髪色も服装も自由だし、タピオカミルクティーを持ち込んだって誰にも何も言われない。すべてが個人の自由だけれども、“法律”だけは犯してはいけないのだ。 一見奇妙に見えるかもしれないが、僕らにとってはいたって普通のことだ。しかし、ある変死事件をきっかけに、鏡沢高校、そして僕らが住む街の秘密が暴かれていく――。 『法廷遊戯』が映画化され注目を集める現役弁護士作家の特殊設定リーガルミステリー。
  • 松本清張 時代の闇を見つめた作家
    4.0
    松本清張の全体像に取り組んだ長篇評論 生誕100年を迎えた人気作家・松本清張の複雑で陰影に富んだ作品群を読み解き、作家が生きた時代と作品の持つ意味を明らかにする
  • 明治銀座異変
    3.7
    敏腕新聞記者と愛嬌たっぷりの“相棒”が、幕末から明治にまたがる謎を追う! 『明治乙女物語』で松本清張賞を受賞した著者の受賞第一作 明治維新前夜――。 妻、幼子とともに馬車に乗っていた一人の英国商人が、横浜で三人の侍に斬殺される事件が起きた。 三人は「攘夷なり!」と叫ぶや逃走し、その行方は杳として知れなかった。 17年後、銀座で一人の馭者が、何者かに狙撃され死亡した。 彼はこときれる前、「青い眼の幼子……」とのみ言葉を発したという。その意味するところは何か? 開化日報記者の片桐は14歳の探訪員見習い“直太郎”とともに、幕末から明治にまたがる謎を追う。 やがて明らかとなる驚くべき事実とは!? 松本清張賞受賞第一作の本格歴史ミステリー
  • 幽霊恋文
    3.0
    夕子の友人・咲のもとに、不運な死に方をした恋人から「近々迎えにいく」という直筆の手紙が届く。早速、夕子と宇野はその恋人の母親に手紙を見せにいくが、彼女のなかに、死んだ息子への思いと、咲への憎しみが今の燃え立っているのを知る――大好評「幽霊シリーズ」第24弾。
  • 幽霊健診日
    -
    「幽霊」シリーズ記念すべき第30作目! 男やもめの敏腕刑事・宇野は、女子大生の彼女・夕子との ディナーデート中に貧血で倒れてしまう。 運ばれた病院には、「当直の医師に恨まれている。 殺される前に病院を変えてほしい!」と医者に詰め寄るカップルがいた。 翌日、案の定起こった殺人事件。 だが、殺されたのは全く関係のないはずの女性医師で……!? 悲しいピアノの旋律が呼び起こす、事件の真相とは。 人に追われる中学3年生の少女と寄宿制学校の謎を解く「壁を越えて」や、 絵の中に描かれた”死んだはずの女”を探す「展覧会の絵」など、 ユーモアあふれるミステリ7編を集めた一冊。 赤川次郎ミステリーの最先端を、ぜひ味わってください!
  • 煉獄の時
    4.7
    〈矢吹駆シリーズ〉11年ぶりの最新作! 著名哲学者の手紙の盗難と、川船で発見された全裸の首なし屍体、そして39年前のトランク詰め首なし屍体。3つの事件を駆は追う。 第二次大戦前夜のパリで起きた、連続トランク詰め首なし屍体事件。 そして39年後、不可能状況で発見された新たな首なし屍体――。 時空を超え広がる謎の迷宮に、矢吹駆が挑む!  1978年6月。ナディアは著名な作家のシスモンディに、友人・矢吹駆を紹介する。シスモンディのパートナーであり、戦後フランス思想家の頂点に立つクレールが彼女にあてた手紙が消失した謎を駆に解き明かしてほしいというのだ。しかし手紙をネタに誘い出されたシスモンディとナディアは、セーヌ川に係留中の船で全裸の女性の首なし屍体を発見する。事件の調査のためリヴィエール教授を訪ねると、彼は若き日の友人、イヴォン・デュ・ラブナンのことを語り始める。39年前、イヴォンも首なし屍体事件に遭遇したというのだ――。
  • 令和忍法帖
    2/12入荷
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    忍者はあなたのすぐそばに 普段は会社員、キャバクラ嬢、小学生…… しかしひとたび事件が起これば、命をかけて日本を守る! 江戸時代、徳川幕府の安寧を陰から支えてきた「忍び」たち。明治維新を機にひっそりと姿を消したと思われていたが……実は新政府の警察制度に組み込まれていた。 警視庁警備企画課諸犯罪対策係、通称マルニンに所属する甲賀忍者、白神蝶三郎を司令塔に、現代に生きる忍者たちが躍動、疾走する。 手足に微細な毛を持ち、どんなところでも上ることができる木陰良則。 相手の懐から物を抜き取る「懐中殺」の使い手、雲川セイラ。 どんな毒でも死なない体を持つ毒術使い、赤味敦彦。 手裏剣をはじめ小物を巧みに操り、敵を攻撃するくノ一、一ノ坂はるみ。 息継ぎなしで長時間水中活動ができる潜水術の名手、小岩瀬新八。 現代まで忍法を受け継いできた甲賀流忍者たちが、 最後に闘うこととなる、最強の敵集団とは!? 忍者たちの日常と活躍を描く連作ミステリ短篇集!

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