嘘か真言か

嘘か真言か

1,800円 (税込)

9pt

裁判所の「中の人」から犯罪はどう見えているのか?

新任判事補と癖が強すぎる裁判官が、市内で起こる特殊詐欺事件に挑む。現代の姿を「司法」であぶりだす社会派リーガルミステリー。

日向由衣は裁判官に任官して三年目。念願がかなって志波地方裁判所の刑事部に配属された。しかし、異動が決まった直後から、直近の先輩となる紀伊真言(まこと)裁判官にまつわるさまざまな噂が耳に入っていた。しかも、そのほとんどが悪評である。
紀伊は、理系大学院出身の変わり種だが、プログラムを組むように淡々と裁判を進め、バグを処理するように有罪判決を宣告する、と言われている。そしてもう一つの噂として、紀伊は「被告人の嘘が見抜ける」というのだ。裁判所という場で、こんな非科学的な噂がどこから生まれてくるのか。

また志波地裁に赴任した由衣は、上司となる阿古部長から一つの課題を出されていた。

「紀伊真言が嘘を見抜けるか見抜け」

赴任したばかりの判事補には仕事がない。それならば紀伊の裁判を傍聴して部長の“課題”に答えるしかない。
かくして由衣は紀伊が訴訟指揮をする、窃盗事件の第一回公判に臨む――。

志波市内で連続して起こる特殊詐欺事件、一見して無関係の事実を結び付けて新たな事実をあぶり出す裁判官、新任判事補の成長……裁判所の「中の人」から犯罪はどう見えているのか? 裁判所書記官の経験もある著者だからこそのリアルな読み味が魅力の一冊。

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嘘か真言か のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    地方裁判所に着任した新米判事補が、切れ者だが悪評も高い先輩判事の「嘘を見抜ける」という秘密に迫る。

    闇バイト・特殊詐欺の事件を主軸として、戸籍の売買や「離婚後300日問題」、特定技能制度とオーバーステイ、「AIに仕事を奪われてしまうのか」、「chatGPTと著作権」など直近の社会課題・関心を事件に

    0
    2025年02月03日

    Posted by ブクログ

    面白いな〜
    毎度のことながら、見過ごされている様々な社会問題をテーマにしているのにめちゃくちゃ読みやすい

    0
    2025年07月01日

    Posted by ブクログ

    由衣と紀伊のやりとり、最初はハラハラしたけど、だんだんとお互いを認め合う関係性になっていくの良かった。
    「嘘が見抜ける」裁判官、いてほしいね。

    0
    2025年06月27日

    Posted by ブクログ

    新米判事補目線で先輩が法廷で嘘を見破る方法を見極める短編集。ほとんど読んだことが無いシチュエーションのストーリーであったが、法廷を知らない人でも楽しめる読み易い作品だった。判事がクセ強系だと、竹野内豊さんのイチケイのカラスを少し思い出した。

    0
    2025年06月01日

    Posted by ブクログ

    [こんな人におすすめ]
    *「法廷遊戯」を読んで五十嵐律人さんの作風を知ったつもりになっている人
     たしかに「法廷遊戯」は映画化もされた有名な小説ですが、それだけ読んで五十嵐さんとさよならするなんてもったいないです。
     新作を読むたびに「この文章が好き」「この展開についてじっくり考えたい」と感じる部分

    0
    2025年04月26日

    Posted by ブクログ

    久々のがっつり法廷ものでした。
    法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)において、検察官と弁護士はそれぞれ公益と依頼人の利益を守るのが仕事なので、そのためには都合の悪い事実をあえて明らかにしない(隠蔽する、と言ってしまうと語弊があるので)こともあるかと思うのですが、裁判官はそれらを見抜いて事実を明らかにし

    0
    2025年04月22日

    Posted by ブクログ

    新任判事補と癖が強い裁判官が特殊詐欺事件に挑むリーガルミステリー。闇バイト、特殊詐欺、不法滞在、無戸籍などよくニュースやドラマのテーマになっている社会問題についての法的解釈なども描かれ興味深く、面白かった。この2人のコンビの物語、また続いてほしいなあ。

    0
    2025年04月05日

    Posted by ブクログ

    少し変わったキレもの裁判官。
    キャラ設定としては好みでございます。
    検察、弁護士、裁判官、変わり者だけどキレもの、が許される職業だと思っています。

    冷徹なようだが、実は全然そうではなく、犯人への思いやりが詰まっている、なんだあなたやるじゃない、っていう雰囲気の作品でした

    2025.2.28
    45

    0
    2025年02月28日

    Posted by ブクログ

    表紙含め、登場人物のキャラ設定もエンタメ風に持っていってるが、それが勿体ないほどの法廷劇5編。流石弁護士資格を持っている著者だからこその着眼点で、事件のウラを調書と証拠物件から炙り出していく様は、極上の謎解きを見ているよう。個人的にはもっと重厚な味わいで書いてほしかった。

    0
    2025年02月12日

    Posted by ブクログ

    裁判官モノだから堅苦しいかなと覚悟して読んだけれど、適所で適当な説明がされていて意外とスラスラ読めた。
    裁判官の判決は、人の人生を大きく左右するから、紀伊さんのように最適な判断が出来る裁判官ばかりであれば良いなぁと思った。

    0
    2024年11月13日

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