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Posted by ブクログ
相場氏の小説は可視化されていない社会問題を暴いています。
食品偽造問題の「震える牛」、格差社会の有り様を浮き彫りにした「ガラパゴス」
そして本作は移民者家族との教育格差を白日のもとに晒します。
中国人は中間層も含めて本国での加熱する教育問題を避けるために、海外の大学
に進学し、その国の企業に就職する層が増加しています。
いわゆる富裕層であれば米国や欧州を目指し、中間層であれば近い日本を目指す
と言われています。
当然学費はそれなりにかかりますが今の日本は安いです。たとえ最近法改正され
た準備金3,000万円であっても払えない額らしいです。
そういう留学生は日本語はもちろんのこと、他の国へ短期留学までして多言語を
卒業するまでに身につけてしまいます。
日本の普通の学生は、そんな彼ら彼女らと就職活動で争うことになります。その
時に圧倒的な力の差を見せられた時に人はどう行動するのでしょうか。
社会派ミステリー作家による「今のニッポン」を知る一冊です。
Posted by ブクログ
高田馬場を舞台に、ベテランの仲村と警務課志望の新人・井上というコンビが事件に向き合っていく物語。
作中で描かれる高田馬場の急激な中国化は、現実の街の変化そのままでとても臨場感がありました。
中国人男性が殺害され、田舎から出てきた苦学生の麻奈という女の子が自首してきます。とても殺人を犯すようには見えず、犯行自体は認めるものの動機を頑なに語らない彼女に対し、二人がゆっくりと、しかし確実に真相へ迫っていく展開が非常に好みでした。
相棒の井上も、はじめは今どきのやる気がない新人刑事でしたが、捜査を通じて最後には頼もしく成長していく姿が印象的です。仲村とのコンビシップも良かったので、また別の作品で彼らの活躍が見られるかもしれないと思うと今からとても楽しみです。
作中で井上刑事が成長していく過程や、地道な聞き込みで少しずつ真相のパズルが埋まっていくテンポ感など、作品の魅力がしっかり伝わる素敵な感想です。
Posted by ブクログ
高田馬場で中国人経営者と留学生が立て続けに殺された。
中国人経営者の周りを捜査し、犯人の目星がつき逮捕に至ったものの、留学生殺害は女子大生が自首してきた。
警視庁捜査一課の仲村は、戸塚署の井上とともに女子大生の近辺を調べるのだが、自首、そして凶器の遺棄場所まで供述したのに、何故か動機を明かさず黙秘することに疑問を感じ、被害者側の情報も調べ尽くす。
そして見えてきたものは…。
就活で苦戦している同じ年齢の娘を持つ仲村と今どきの若者である井上とのコンビは、最初は上手くいかないだろうと思っていたが、ベテランの仲村がやる気を出させる言葉で上手くいく。
高田馬場の街並みの変化など実際のところはよくわからないが、富裕層だけでなく中間層の中国人の進出が増えてきてることに驚く。
以前TV番組でも有名大学の前で、中国人家族が大勢いて、子どもの受験のために来たのだと言っていたのをみたことがあった。
中国の情勢も知ることができたが、中国人が増えていくにつれ、街並みだけが変わるだけでなく、人の気持ちが変わっていくのはどうなのか…。
親元離れて、必死にバイトを掛け持ちして働き、自分の学費と生活費を稼ぎ、理想の職場に入ろうと頑張っていたのに…
自分よりもっと優秀な人はいて…優しさも思いやりもあって…
明確な理由もない、とは言えない。
やりきれなさや絶望感だろうか。
それとも敗北感。
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