明治21年の女高師(現・お茶の水女子大学)の女学生を中心に、爆裂弾事件の真相を追うミステリー。
ミステリーとしての出来は単純で、謎解きの楽しみはそれほどでもないが、歴史小説としては素晴らしい。
特に情景描写が上手いのか、当時の情景が浮かんでくるような、自分が明治の街を闊歩しているような気分になった。
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また、森有礼、大山捨松をはじめ、歴史上の有名な人物も多数登場するのが楽しい。
主人公の二人にもモデルがいるとのことで、駒井夏のモデルはラストで安井てつだと分ったが、野原咲のモデルが誰か分からず、調べたら野口幽香という人物らしい。
野口幽香、全く知らなかった。。。
そして何と言っても藤田五郎!
明治で藤田で警察官といえば!
元・新選組三番隊長、斎藤一!である。
この人も最後まで名字しか出なかったが、登場時からもしや?と思っており、終盤で事件の黒幕と対峙するシーンで確信した。
明治維新を生き抜いた元・新選組隊長に、そこらの旗本のボンボン崩れが敵うはずもなく……。
晩年は、女子高等師範学校の庶務兼会計係になったきっかけが、こんなところにあったとはw