作品一覧
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4.7江戸時代後期、下総のとある藩。郷士の望月鞘音は内職で、傷の治療に使う「サヤネ紙」という製品を作っていた。ある時、幼馴染の紙問屋・我孫子壮介から、その改良を依頼される。町の女医者・佐倉虎峰がサヤネ紙を買っていくのだが、使い勝手が悪いと言っているらしい。しかしそれは「月役(月経)」の処置に使うためであった。穢らわしい用途にサヤネ紙を使われ、武士の名を貶められたと激怒する鞘音だったが、育てている姪が初潮を迎えたことを機に、女性が置かれている苦境とサヤネ紙の有用性を知り、改良を決意する。「女のシモで口に糊する」と馬鹿にされながらも、世の女性を「穢れ」の呪いから解放するために試行錯誤を続ける鞘音。ついに完成した製品を「月花美人」と名付け、販売に乗り出そうというとき、江戸へ参勤していた領主・高山重久が帰国する――。
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3.7敏腕新聞記者と愛嬌たっぷりの“相棒”が、幕末から明治にまたがる謎を追う! 『明治乙女物語』で松本清張賞を受賞した著者の受賞第一作 明治維新前夜――。 妻、幼子とともに馬車に乗っていた一人の英国商人が、横浜で三人の侍に斬殺される事件が起きた。 三人は「攘夷なり!」と叫ぶや逃走し、その行方は杳として知れなかった。 17年後、銀座で一人の馭者が、何者かに狙撃され死亡した。 彼はこときれる前、「青い眼の幼子……」とのみ言葉を発したという。その意味するところは何か? 開化日報記者の片桐は14歳の探訪員見習い“直太郎”とともに、幕末から明治にまたがる謎を追う。 やがて明らかとなる驚くべき事実とは!? 松本清張賞受賞第一作の本格歴史ミステリー
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
これは良作!
明治乙女、高等師範学校の生徒たちと、彼女らを支える大人たち、そして時代の中で悲しい思いをして生きた人たちの話。
ミステリーやサスペンスの要素もあり、楽しめた。
登場する女生徒達が賢く爽やかで、元気をもらえる。
明治といえば、まだ女性の権利などなく、馬鹿にされていた時代。高等教育を受ける女生徒には世間も冷たい。
そんな中で学問をして、身を修め、生き方に悩む女生徒達が健気で、心から応援したくなった。
そんな女生徒に、当たり前のようにセクハラ行為をして、女性に人間性を認めない古い頭のおっさん達の醜いこと! あんたらクソだよ。
時代がら、多様性とは程遠い。
閉鎖的な意識の人たちから、