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Posted by ブクログ
これは良作!
明治乙女、高等師範学校の生徒たちと、彼女らを支える大人たち、そして時代の中で悲しい思いをして生きた人たちの話。
ミステリーやサスペンスの要素もあり、楽しめた。
登場する女生徒達が賢く爽やかで、元気をもらえる。
明治といえば、まだ女性の権利などなく、馬鹿にされていた時代。高等教育を受ける女生徒には世間も冷たい。
そんな中で学問をして、身を修め、生き方に悩む女生徒達が健気で、心から応援したくなった。
そんな女生徒に、当たり前のようにセクハラ行為をして、女性に人間性を認めない古い頭のおっさん達の醜いこと! あんたらクソだよ。
時代がら、多様性とは程遠い。
閉鎖的な意識の人たちから、境界に生きる人達への差別的な言動ときたら、まったくとんでもない。が、これが悲しいかな、明治のころから令和の今でも通底する。
健気な女生徒達の賢さ爽やかさはとても快い。時代物ではあるものの、登場人物たちが被る理不尽さは、令和の人でも共感できて楽しめる作品だと思う。
戊辰戦争の敗者である旧会津藩出身者が、とても良い。凄惨な籠城戦を生き抜いた山川家の人々の言動には凄みがあり、どこまでもかっこいい。
藤田警部……。知る人ぞ知るあのお方。
幕末の会津や新選組が好きな人なら、二重に楽しめること請け合いの、おすすめ作品。
Posted by ブクログ
つい先ごろ、『先生と僕』のところで、ミステリーは嫌い、人の死ぬのは怖くて読めない、と言った舌の根も乾かぬうちに、読んだ本書は、…ミステリーだった。
いや、時代小説だと思ったんだもん。
とは言え、わりとさわやかな読後感だった。
女子高等師範学校の生徒たちも、人力車夫の久蔵も、みな懸命に生きている感じがするからだろうか。
森有礼の存在感が大きい。
これまであまりいい印象がなかった人だった。
留学経験があって、物腰が洗練されている上に、弁舌が巧みで、伊藤博文とも渡り合い、豪胆な一面もあった。
これがこの本での有礼像だ。
有礼が明治の光の部分だとすれば、久蔵は闇の部分を体現する。
「らしゃめん」といわれた女性とか、混血児に対する差別は話には聞いていたが、いままでピンとこなかった。
が、本書の描写で、少し感覚的に分かった気がする。
そしてそういう視線にさらされた人のつらさが、少し感じられた気がする。
Posted by ブクログ
明治21年の女高師(現・お茶の水女子大学)の女学生を中心に、爆裂弾事件の真相を追うミステリー。
ミステリーとしての出来は単純で、謎解きの楽しみはそれほどでもないが、歴史小説としては素晴らしい。
特に情景描写が上手いのか、当時の情景が浮かんでくるような、自分が明治の街を闊歩しているような気分になった。
また、森有礼、大山捨松をはじめ、歴史上の有名な人物も多数登場するのが楽しい。
主人公の二人にもモデルがいるとのことで、駒井夏のモデルはラストで安井てつだと分ったが、野原咲のモデルが誰か分からず、調べたら野口幽香という人物らしい。
野口幽香、全く知らなかった。。。
そして何と言っても藤田五郎!
明治で藤田で警察官といえば!
元・新選組三番隊長、斎藤一!である。
この人も最後まで名字しか出なかったが、登場時からもしや?と思っており、終盤で事件の黒幕と対峙するシーンで確信した。
明治維新を生き抜いた元・新選組隊長に、そこらの旗本のボンボン崩れが敵うはずもなく……。
晩年は、女子高等師範学校の庶務兼会計係になったきっかけが、こんなところにあったとはw
Posted by ブクログ
時代の狭間で、自分の足で立ち始めた乙女たちの物語。そして、時代の狭間に生まれその大波に翻弄されてしまった者たちの物語。
何かあるとすぐバットを振り回す咲ちゃんが可愛かった。久蔵さんには本当に幸せになって欲しかった。つらすぎ。あと最初話のわかるやつかと思った森有礼が、国家の未来を見据える代わりに、激動の時代に翻弄される、小さき者たちへの視線に欠けていたことにガッカリだった。
個人的に会津藩には思い入れがあるのでフタ婆、藤田警部、桂あたりの葛藤に涙。
時々時系列と、あえて隠そうとする風景を描写する書き方のせいでよく分からなくなったとこもあるけど、全体的に好感触でした。
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