笠井潔の作品一覧
「笠井潔」の「新・戦争論「世界内戦」の時代」「九鬼鴻三郎の冒険」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
幼少時の全能感を段階的に去勢していくことで
人間は社会性を身につけていく
というのが、精神分析の考え方であるが
人間の考えなんてのはだいたい逆説から逃れられないもんで
徹底した去勢こそ、未だ見ぬ新人類への道だという
そういう発想も出てきてしまうわけなんだ
その背景には、新しい神と古代の神の対立の図式がある
つまり、割礼を要求する新しい神と
生贄を要求する古代の神の対立である
してみると、ニーチェの言った超人というのは
むしろ近代から中世をすっとばして
一気に古代へと逆行する存在なのかもしれない
これは古代神が仕掛けた時限式の陰謀だ
ギリシア悲劇というのも要するに
間をつなぐための生贄の代替物で
Posted by ブクログ
ー 下からの集産化革命のために闘って斃れるなら本望だが、その可能性は当面のところ失われた。 全体主義でない革命は必然的に敗北するという、二十世紀革命の現実性を背負ったルヴェールの断定をどのように覆すことができるのか。
闘うための旗を奪われた青年であろうと、切迫した戦争からは逃れられないし逃れるつもりもない。しかし革命の旗が存在しないとしたらどうすればいい。この戦争を前に取りうる立場は三つしかない。 第三共和政のブルジョワ秩序を守るために戦うのか、ファシズムの側で戦うのか、ボリシェヴィズムの側で戦うのか。
フランス人の大半は第一を、親ドイツ派のフランス右翼の一部は第二を、コミュニストは第三を
Posted by ブクログ
思想面について語る知識も言葉を持たないので過去編の構造についてだけ。
作中ではリヴィエール教授がイヴォンのことを話すという体で過去編が始まるが、この過去編はイヴォンを視点人物として構成されている。
わざわざ教授がイヴォンになりきって話すというようなことをするとは考えられない。
つまり、ここでナディアたちがリヴィエール教授から聞いた話と過去編とでは、厳密に考えれば別物の話の可能性が出てきてしまう。
ナディアの思考や作中の会話により、過去編の語りの重要なポイントは読者が読んだ過去編と照らし合わせて了解できるようにはなっているが、イヴォンの心情は確実に教授の話では語られない(あって