笠井潔のレビュー一覧
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思った程難しくなかったよ。
作者がワザと難しい言い回しをしている所はあったけど、直後に説明してるし。
哲学を学んでからミステリーを読む人はいない。けど哲学を学んでいたらより深くこの作品を楽しめる事は確かだと思う。
あと、久しぶりに事件を解決する気の無い探偵役の作品を読みました。Posted by ブクログ -
舞台はパリのヴィクトル・ユゴー街。発生した連続殺人事件の謎を、現象学を駆使する日本人探偵・矢吹駆(以下カケル)が解き明かすというもの。この探偵、他の推理小説に登場する名探偵たちとはその推理手法が大きく異なっている。
カケルは「観察と推論と実験」を通じて真実へたどりつくという、一般的に用いられる推理手...続きを読むPosted by ブクログ -
矢吹駆シリーズ、2作目。
カタリ派の秘宝云々の辺りは二階堂黎人のようなケレン味オカルト話かと思わせられたが、それらはもっと壮大なスケールの哲学論争に包絡される。
トリックの必然性、重厚な謎解き、それらもまた大流の一要素に過ぎない。
(未発表作も含め)あと8作もこのシリーズの作品が残されてるなんて...続きを読むPosted by ブクログ -
殺人に手を染めるほどの思想的根拠を持たない一般市民に
それを行わせるのは何だろうか
軽薄な実存主義ではけして言い表せないほどの正義の重みだろうか
いや違う
正義によって糾弾される罪の意識が肝要なのだ
みんな戦ってる
おまえは戦わないのか?
そういう類のやつだ
しかしそんなものを真に受けたのだとしても...続きを読むPosted by ブクログ -
前作「バイバイ、エンジェル」は薀蓄が哲学的で非常に難解でしたが、本作は前作ほどではなく、且つ情景描写が多くなっているので、若干取っ付き易くなっていると思います。確かにカケルと女教師シモーヌの思想対決は骨が折れますが、物語の本筋と密接に絡んでいるので不思議と引き込まれます。
ストーリーは、ヨハネ黙示録...続きを読むPosted by ブクログ -
『家庭内離婚という奇妙な言葉が、日本を離れているあいだに流行しはじめたようだ。夫婦関係も親子関係も空洞化の極点に達しているのに、なぜか物理的には崩壊することがない。夫と妻、親と子を、なにが、それほどまで執拗に結びつけているのか。
日本人の誰もが、こうした不可解さに胸を逆撫でされ、事件関係の報道に目...続きを読むPosted by ブクログ -
パリで起こる首切り死体から始まった連続殺人事件の謎を解明する話。
謎解きの肝は最後に記すとして、ラストの犯人と探偵役矢吹駆のやりとりが圧巻!
するとこなんだが何を言ってるのかついていけない。人間の死に関する自論展開になっている。
犯人たちが最後死ぬことになったのはやるせない。矢吹駆は犯人たちをそこ...続きを読むPosted by ブクログ -
矢吹駆の凄まじいイケメン描写に圧倒され、しばらく読まないだろうと思っていたが、思いきって読むことにした。
やけに小難しく、かなり衒学的な小説だが、読んでみると意外と納得できる部分もある。
追記:犯人やあの人物の正体は、はじめからかなりヒントが出ていたので予想通りだった(特に黒幕はタイトルだけでわ...続きを読むPosted by ブクログ -
矢吹駆シリーズ。名探偵はいいやつとは限らない(ポアロ然り、ホームズ然り)。戯言シリーズのいーちゃんが引き継いでいるような精神性。続刊も読みたいPosted by ブクログ
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再読。
ミステリとして矢吹駆シリーズは別格レベル。本作を再読してもその思いは変わらず。
しかし今回は、以前気づけなかった重大なシーンを発見した。
『くしゃくしゃの髪を片手の指で整えながら狭い階段を家の戸口まで駆け降りたわたしに、自転車を横に立てたカケルがおもむろにこういう。
「僕も行こう。シモ...続きを読むPosted by ブクログ -
矢吹駆シリーズ2作目。
歴史とかいろいろからんでて、いやー、読み応えバッチリ。
でも、ナディアのバルベス警部に対する態度かなんかちょっとなぁ。かなりひどい事、言っているのが何だかなぁって思った。Posted by ブクログ -
『探偵小説は「セカイ」と遭遇した』の著者が書いたミステリ。
初の矢吹駆シリーズに挑戦してみた。
女子大生が語り手なので、とっつきやすい。ぐいぐい物語に、引き込まれていく。
シリーズ、全部読んでいきたいなぁ。Posted by ブクログ