Posted by ブクログ
2013年07月17日
再読。
ミステリとして矢吹駆シリーズは別格レベル。本作を再読してもその思いは変わらず。
しかし今回は、以前気づけなかった重大なシーンを発見した。
『くしゃくしゃの髪を片手の指で整えながら狭い階段を家の戸口まで駆け降りたわたしに、自転車を横に立てたカケルがおもむろにこういう。
「僕も行こう。シモ...続きを読むーヌ・リュミエールに話があるんだ」
ゆっくりと走り出した自転車の後ろに、わたしは駆け寄りざま跳び乗った。
「速くね、カケル」』
カケルゥゥゥゥゥゥウウウウウ!!!!!!!!!
何してんのカケル!と思わず悶えるこの場面。
本質直感も吹っ飛ぶこの衝撃。
カケルが自転車に乗ってる!!! しかもなぜか妙にスタイリッシュ!!!
イメージ的に全然自転車似合わないキャラしてるのに(笑)
自転車を横に、「おもむろ」に「僕も行こう」と言うカケルの姿がツボにはまってヒドイ。
颯爽と乗り込み、無表情で勢いよく自転車をこぐカケル……想像しても……なにこの画?(笑)
その上、ナディアが後ろの二人乗り。
『危うく振り落とされそうになって、わたしは全力でカケルの背にしがみつかなければならなかった』
カケルの背にぎゅっとしがみつくナディアさん。
矢吹駆シリーズにまさかの素敵シチュエーションがここに。
カケルとナディアの名場面として、ここは自分の脳裏に深く刻み込まれた。
(ナディアは『バイバイ、エンジェル』だと「なにこいつ?」と苦手なタイプだったけど、『オイディプス症候群』で一気に好きに)
再読すると発見があるもの。