笠井潔のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「煉獄の時」を読もうと思って、復習の意味も込めて、「哲学者の密室」と「バイバイ・エンジェル」を読み直しました。
世界大戦を通しての大量殺戮による「死」
抵抗運動を通してのカッコつけによる「死」
革命を通しての破壊の通り道にある「死」
生物的殺人による「死」
観念的殺人による「死」
ミステリー殺人事件小説に出てくる論理的な「死」
バイバイ・エンジェルは、世界同時革命思想がどのように歪んで日本赤軍の思想の下支えになっているのか?を著者なりに小説に落とし込んだものとも言えます。
わたしは日本赤軍の記憶がないのですが、オウム真理教とオーバーラップしても読めないことはないと思いました。
煉獄の時 -
Posted by ブクログ
ネタバレその運動は壮大なものになり
世間を争乱の渦に巻き込むまでになった…
そんな時代を生きてきた2名の対談集。
正直言ってよくわからないものだったけどね。
おそらくここに哲学やら何かが
絡んでくるから、なお一層厄介なのだと思う。
だけれどもそれに興味を持った人
しかもさほど密接じゃない人までをも
死に至らしめた案件はかなり重大事でしょうよ。
ある種の落ち度だよなぁ…
で、私の嫌いとする人たち
というかX上でブロックした人たちは
あっけなくケチョンケチョンにやられていました。
そりゃあそうだよ、
一部の人たちのそれで
それ以外の人たちがすくわれない構図だもん。
それと排除という安直さ。
だ -
Posted by ブクログ
このシリーズは知人の紹介から読み始めたのだが、名探偵の推理法が現象学的本質直観に基づくという哲学に疎い人間にはあまりにも意味不明なものだったので、てっきり字面から事件のあらましを聞いただけで理屈もなく犯人を当てるトンデモな話かと思い込んでいた。
実際に読んでみると駆のキャラクター造形のみならず所々に挟まれる蘊蓄や哲学的問答にさらに面食らってしまったが、解決編の推理自体はきちんと筋だっていて妙に安心した。むしろ合うひとにはこのバランスが妙にクセになると思う。
駆が事件に対して全く積極的ではないことで、ミステリーにつきものの事件の最後まで探偵が真相を明らかにできないという問題を解決している点や -
Posted by ブクログ
ようやく、読み終えたという感じだ。文庫本で総ページ数が1,100ページを超え、また、読みやすい内容とは言えないので、読み始めるのにはちょっとした決意が必要な作品。
これだけの長編になると、このシリーズのファンしか、手を出さないだろう。作者はこのシリーズでは、孤高の姿勢を貫き、読者側に一切歩み寄ろうとはしていない。文章は非常に達者なのだが、ユーモアは全くなく、硬くて重苦しい。そもそも、ミステリーと哲学の融合に関心を持つ読者がそれほどいるとは思えない。
全体的に読みにくい作品なのだが、中編ではナチスのコフカ収容所での出来事、ヴェルナー少佐とフーデンベルグ所長の心理的葛藤等が描かれ、文学性、物語性が -
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ネタバレ登場人物表に「有栖川有栖」の名前があるのに、執筆者の中に有栖川先生の名前だけが無い…だと…(ざわ…)。
いやいや、各先生方が一章ずつ手がけてらっしゃるのに、何故か法月先生が二章手がけてるじゃないか!この辺にトリックの肝があったりするんでしょーよー!(興奮)と思ってたら。
中盤で「案の定ルイス・キャロルきたこれ!見立てや!有栖川先生がキーなんやー!」と鼻息荒くしてたら。
全 然 見 当 違 い だ っ た←本当に悲しかった…
後書きを読むと、有栖川先生、リレー連載途中で執筆を断られたとのことΣ('_')がーん
そりゃ途中まで登場するよね…執筆者として名前載らないよね…涙。 -
Posted by ブクログ
哲学者で探偵、というのは珍しいんじゃないかしら、なんて思いながら読みました。
これを読んだ当時、私はまだ高校生で、イギリスの寄宿学校で過ごしていて、隣の国なのにまだ足を踏み入れたことのないフランスという国が舞台になっているのにも興味を覚えたし、それでいてまったく想像できなくて不思議な感じでした。
探偵がグロを望んでいるわけでもないのに、ものすごく凄惨なシーンがあったりして。犯人がまったく分からなかったのは、女性キャラクターに感情移入していたのからなのでしょうか。犯人による殺害の動機もまったく理解できず、それが故に、読んだ後長い間この作品のことを考えていました。