あらすじ
血まみれの<愛>に心も貫かれ「もう逃げない」対決の時が迫る! 新たな血肉を獲得した傑作! ――巨大な火焔の竜巻よ。竜王翔(りゅうおうかける)は、自分に潜んでいた特殊な能力に磨きをかけた。すべては恋人を救出し、また惨殺された姉の復讐を遂げるため。傷だらけの遍歴の果てに、翔は、世界規模の陰謀結社へと行き着いた。金色の眼(レジユー・ドール)を持つ男と、人類の命運を決する闘いが幕をあける! 世界を一変させた伝奇、渾身の決定版。<全2巻>
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Posted by ブクログ
前作ではベトナム戦争を題材にしていたが、近作ではカンボジア大虐殺を題材にしている。解説によると過激な帰農主義政策による弾圧が正体だという。ホロコーストといいシベリアの強制収容所といい、軍主導の弾圧はえぐ過ぎる。無尽蔵の暴力によるか弱き市民への攻撃は非人道の極みだ。上層部にはサイコパスが巣食っており、軍は悪魔の傀儡と化して虐殺を繰り返すのだろう。
マッカーソンやアンジィ三姉妹、レジュー・ドールを倒し、物語は一応収まっているが『ヴァンパイヤー戦争』に比べると物語に物足りなさがある。
Posted by ブクログ
フランスにもどった翔は、パリの街で「コクリコ」という名前で娼婦をしている、ソリダの従姉のラウス・リイと出会います。さらに彼女から「ワタナー計画」という、人類の未来を大きく動かす計画の存在を知った翔は、クメール・ルージュによって死の淵に立たされているソリダを救出するため、カンボジアに潜入を試みます。
とりわけ後半のアンジィ三姉妹やレジュー・ドールとの最終決戦などがかなり駆け足でえがかれており、作品としてのアンバランスさを感じてしまいました。本書のあつかっているテーマの先駆性については、「解説」を担当している前島賢がていねいな議論をおこなっており、「セカイ系」などのサブカルチャー批評に関心のある読者にとっては本作の位置づけを知ることができるように思います。