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Posted by ブクログ
伝記ものといえばそうなのだけど、個人的には平井和正のウルフガイ・シリーズ、それもアダルトの方を思い出した。一種の無力感のようなものが似ているのである。ただし、色合いがずいぶん違うけれど。
タイトルのわりには、超能力のようなものはあまり前面に出てこない。どちらかといえば、無力な主人公の彷徨を追いかけているような雰囲気だ。逆襲に転じるのがあまりにも遅すぎて、おどろおどろしくも神がかった主人公だが、やはり無力感は否めない。
もちろん、作者はそんなことは承知の上でわざと書いているに違いなく、よく終わって感じるのは、超能力があろうとなかろうと、小さな個人を押しのけてうごめき回る、人類の悪意の総和の大きさである。
そのあたりのむなしさが、アダルト・ウルフガイの気分に似ているのかもしれない。
しかし、女子共に堂関を働く小説は、あまり後味がよいものではない。
Posted by ブクログ
笠井潔の作品には学生運動の影響が色濃く出ている。
特に顕著なのは矢吹駆シリーズで、第一作『バイバイ、エンジェル』では連合赤軍事件の主犯永田洋子をモデルにした登場人物が現れる。
また本作の主人公竜王翔の設定は『熾天使の夏』で明かされる駆の過去と似通っている。
翔は山岳ベース事件の当事者であることが物語が進むにつれ明かされる。連合赤軍事件に関して言えば深い関わりのある主人公となっている。山篭りをしている点も矢吹駆と同じである。夢枕獏の『キマイラ』シリーズでも主人公は山篭りをしていた。山篭りで修業は一昔前の主人公のテンプレなのかも知れない。
物語は主に日本とベトナムで展開される。主題となっているのはベトナム戦争であり、枯れ葉作戦が重要なキーワードとなっている。全てはアメリカの陰謀であり、超能力者を生み出すことが目的だったのだ。
話の流れはスパイ小説的。面白かったが、『ヴァンパイヤー戦争』ほどではなかった。
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