笠井潔のレビュー一覧

  • 薔薇の女

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    異常性欲と社会的理性が交錯するとき
    両性具有者を模した人肉人形が企画制作される
    ビューティフルドリーマーがその子宮より産み落とした悪夢である

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    2012年05月31日
  • サマー・アポカリプス

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    たしかに前作を上回る完成度。何重もの黒幕が登場し、どんでん返しの連続。読みごたえあり。「薔薇の名前」みたいだった。

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    2011年09月23日
  • 哲学者の密室

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    ■時空を超えて共鳴する、ふたつの“三重密室”

    開口部を完璧に閉ざされたダッソー家で、厳重に施錠され、監視下にあった部屋で滞在客の死体が発見される。現場に遺されていたナチス親衛隊の短剣と死体の謎を追ううちに30年前の三重密室殺人事件が浮かび上がる。現象学的本質直感によって密室ばかりか、その背後の「死の哲学」の謎をも解き明かしていく矢吹駆。1100ページ超の全1冊で贈る20世紀最高のミステリ!

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    2012年11月07日
  • サマー・アポカリプス

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    黙示録見立て殺人、というだけで一気に読む気が倍増した私。ええええ、期待にたがわず、でした。前回に負けず劣らず重いけれど。密室、アリバイ、見立て、ともう要素要素がツボを突きっぱなし。しかしこういうとき、日本にキリスト教があまり馴染んでないのがちょっと不便かな。宗教観があまり理解できないので。「カタリ派」というのも、ああそういえば世界史に出てきたかな……くらいの認識しかないので、今ひとつ分かりにくかったかも。
    ところでこれ、当初は「アポカリプス殺人事件」だったらしいけれど、それってすごく語呂悪くない? 絶対「サマー・アポカリプス」のほうがいいでしょ。編集部の意向だったらしいけど。

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    2009年12月30日
  • 雷鳴のヴァンパイヤー 九鬼鴻三郎の冒険(3)

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    九鬼の過去とか、裏切り遍歴の理由がわかる物語です(わかるといっても一部分だけど)
    個人的にムラキが出てくるかとちょっと期待してました。
    そして、あの解説には正直驚きました(笑)腐女子を狙っているのでしょうか?それとも解説者がそういったことの関連する方なのでしょうか?ちょっとその辺が気になります。

    個人の意見です・・・続きが読みたいです(切実)

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    2009年10月04日
  • 薔薇の女

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    前2作と比べたら格段に読みやすい。
    けれど楽しみも面白さもキチンと保っていられる作者に脱帽。
    以降の作品が楽しみになりました。

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    2009年10月04日
  • サマー・アポカリプス

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    再読。初読時よりは理解できるけれど、やはり難解な事には変わりない。
    カケルやシモーヌの思想に理解は出来ないけどお話としてはとてもよく出来ていると思います。

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    2009年10月04日
  • ヴァンパイヤー戦争1 吸血神ヴァーオゥの復活

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     けっこう昔に出版されたシリーズの新装版。昨今のセカイ系も良いですが、この圧倒的なスケールには圧倒されます。

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    2009年10月04日
  • 薔薇の女

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    毎回ながら・・・読むのに時間が掛りました!でも事件事態が面白いデティールがいっぱいあり、私はワクワクしながら読みました。伝説的な女優の映画をテレビで放送する度に起きる猟奇殺人。血で署名されるアンドロギュヌスのサイン。アンドロギュヌス自体、なんだか血生臭いじゃないですか。そして切断されて持ち去られる体の一部。まさにまさに私好み!おまけにカケルのことが少しだが過去を含めでてくる。少しずつ影をみせてきた悪霊のことももちろん出てくるし。相変わらず、カケルの話は哲学的すぎて理解するのに大変ですけどね〜。

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    2009年10月04日
  • 哲学者の密室

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    まず、本作品の長さに尻ごみしてしまいますね〜。今までのように哲学的なことがず〜っと書かれているんじゃないだろうか・・・と懸念して読み始めました。が、事件もこれこそ本格推理!っていう感じで、ちょっと違う感じがします。なので厚さはあまり気にならずにいましたが、どこも見逃しちゃいけないと身構えた為に読み終えるまで時間が掛りました。おまけにナチの戦犯のことやドイツ人哲学者(偽名をつかっていますが、あきらかにハイデカーのことだとわかります)などが出てきますから、余計に私には面白く読むことができました。前作までの三冊が三部作とされていますが、本作で「悪魔」的存在で駆のライバルが登場するのか?!とハラハラし

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    2009年10月04日
  • ヴァンパイヤー戦争2 月のマジックミラー

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    本作のヒロイン・ラミアは登場なし。九鬼と蒔恵の出会いがメイン。第1巻で語られた光明神ラルーサと暗黒神ガゴールの争いの続きから、日本の真の歴史までが蒔恵の口から語られます。しかし、九鬼は何人殺してるんだか。フリーメーソン・CIA、日本の警官・KGBと今回も派手な銃撃戦が繰り広げられます。

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    2009年10月04日
  • ヴァンパイヤー戦争1 吸血神ヴァーオゥの復活

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    SFというか怪奇小説というか、ハードボイルドというか、とにかくたくさんの要素がぎゅっぎゅっと詰まった小説です。今回新装版として加筆修正されているそうです。昔々読んだのですが、どこに加筆があるのか分かりません。
    とにかく広がっていく世界観がおもしろいです。ただ、講談社版の挿絵にはちょっとひいてしまいました。残念。

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    2009年10月04日
  • バイバイ、エンジェル

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    ネタバレ

    ラルース家の次女オデットの首無しの死体、行方をくらました妹ジョゼット。容疑をかけられたイヴォンの息子アンドレの爆死。

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    2025年11月08日
  • バイバイ、エンジェル

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    観念的・抽象的な描写が多々見られるけど、推理小説として楽しく読めた。その深い観念描写の一方で、密室の時のトリックあかしが説明不足というか、帳尻合わせなところを感じたのが残念。

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    2025年09月02日
  • 復讐の白き荒野

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     笠井潔の本を手に入るものから、読んでいく。
     主人公は、間島勲。シベリアでの流刑にも耐え、国後島から知床半島までの流氷の海を40kmを歩くタフさがあり、巨大なトドとも戦う。
     間島勲は、第三北雄丸、9.9トンのホタテ漁船の乗組員だった。所有者は渥美雄作、各種漁船を5隻所有していた。そして、渥美雄作は第三北雄丸に漁労長として乗り組んでいた。北雄丸は、ゲリラ船の疑いをかけられ、ソ連警備艇に拿捕された。そして、渥美雄作は射殺された。間島勲は、逮捕され、シベリアに流刑されていた。日本側では、間島勲は、死んだという情報が流されていた。

     この主人公の間島勲は、戦争中の大陸孤児で、間島夫妻に養育された

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    2025年08月09日
  • 梟の巨なる黄昏

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     本作の主人公は売れない作家の布施朋之である。彼は、作家としての成功を夢見ながらも満たされない日々を送っていた。読む限りでは、若い時に文学賞をとったことが、大きな制約になっている。文学を描こうとするが、母親との関係がテーマとなる。テーマが、現代的だと言っても、売れるような人が惹きつけられるような作品は書けない。読んでいても、この布施朋之では無理だし、早く諦めるべきだと思うが、採用されないのは、編集者が悪く、自分の才能を理解していないと思っている。読んでいて、これだけ自意識が強ければ、さらに無理だ。そして、健気な女房に食わせてもらっている。

     女房の和子は、パートに出かけ、子供を育て、そして、

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    2025年08月07日
  • 例外状態の道化師 ポスト3・11文化論

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    ざっくり言うと2部構成になっています。

    前半は「例外状態のジョーカー」
    後半は「ポスト3・11文化論」

    前半部分
    21世紀に入り、格差社会が顕著となっている現代社会において、世界各地で大衆闘争が起こっている。その闘争は「蜂起」なのか、「暴動」なのか。
    「パラサイト」「ジョーカー」「レ・ミゼラブル」を通して著者の批評が示されています。

    ・「蜂起」と「暴動」の本質的な見分け方は、排外主義と差別主義の有無
    ・縦軸に「利害の暴力」と「観念の暴力」、横軸に「革命」と「秩序」。。。原理表として使えそうです

    後半部分
    3・11を前後して、日本の映画、アニメ、漫画、小説などの表現内容はどのように変容し

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    2025年04月21日
  • バイバイ、エンジェル

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    ネタバレ

    オイディプス症候群だけ以前読んでて、本作のこともちらっと書いてあったのでどういう話なのか気になった。
    相変わらず哲学の部分が分からなかったけど、オイディプスの時よりは哲学講座がなかった。
    ナディアが自己中心的というか、探偵気取りで推理披露してるの若いなと苦笑しました。恥ずかしくないのかなと傍から見てて思いました。
    あと、マチルドあんな感じになってしまったのは幼少期の経験からだと思うのですが、その辺を見たかったですね。
    でも、このシリーズは哲学的観点(?)から犯人を推理していくから、あまり個人の背景や感情みたいなのには焦点充てないんですかね。。

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    2025年01月15日
  • オイディプス症候群

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    とにかく長い。
    衒学的な作品なのでそれを楽しめるかどうかで評価が分かれるんじゃないかな。
    凄いボリューム。
    読み通せればそれなりに満足感もある。
    興味深く読むには哲学の素地が多少なりともないと厳しいかもしれない。
    哲学を知るきっかけになるかは微妙なところ。読むのに必要な前提は低くはないと思う。

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    2024年07月16日
  • 薔薇の女

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    10数年ぶりの再読です。
    吸血鬼と精神分析を再読していたら、なぜか無性に読みたくなりました。

    作品中の性倒錯の考察などは、先日に読んだ、酒鬼薔薇聖斗のご両親の手記を自然と想起してしまいました。

    この矢吹駆シリーズは実際の哲学者や思想家をモデルにした人物を登場させて、その思想を物語のモチーフにして、敷衍・展開していきます。
    なので、このシリーズの小説のエッセンスは普遍的で古臭さを感じません。
    ただ、難解なので読み進めるのはくろうしますが。

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    2023年12月03日