笠井潔のレビュー一覧
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57〜 大衆蜂起⇔市民運動
66 自分探し 生きづらさ 主体性
『万延〜』から大江は単純な疎外論ではなくなる
78 太陽の塔=原発
縄文あるいは土着的なものの古層が天皇制に絡めとられることについてきちんと考えなかった。だから戦後天皇制の経済基盤である高度成長的な産業主義と結果的に一致した。
84 主体性の空洞化
90〜 60年 70年安保
99 68年ではなく60年安保をリベラル派の市民運動の源流に位置づけようとしている
108 大江健三郎 坂口安吾
『遅れてきた青年』『われらの時代』『日常生活の冒険』
140 ポリコレ
149 ポリコレ批判
160 川口事件
167 村上春樹
三部作
ぼく= -
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クローズドサークルの館もの。冒頭、島の地形図やら屋敷の平面図やらがズラズラと並ぶのを見て、顔面筋肉を崩壊させてしまうミステリファンは少なくあるまい。肝心のトリックはこの物量に相応しく、大量の仕掛けが込み入った形で投入されている。ただ、驚天動地的な大ネタはなく、手掛かりの多くがびっくりするくらいあからさまに提示されているので、このページ数と果てしなく続くポストモダン風味の哲学談義に集中力が途切れない読者なら、そこそこ真相にたどり着けそうな感じ。迂生は途中で謎を解く気が失せてしまいましたけどね(^▽^)。
あと、初期の長編ではひたすら鼻持ちならない奴だった駆が、かなり丸くなった印象。出番そのものが -
ネタバレ 購入済み
勿体ない
文章も構成も良くスラスラ読めるがオチが勿体なく感じた。梟が理恵から卓也に鞍替えした意味がよく伝わらない。タイトルが決まれば8割完成とは作者自身の考え方だろうか。4章は投げやりな雰囲気を感じる。
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ネタバレ言い訳(誰に対しての?)のようだが、仕事が忙しく、読んでいた別の本がなかなか進められなかった。そこで、やはり何かミステリが読みたくなった。かつ、講談社文庫が読みたかった。講談社文庫は文字が大きく、読みやすい。そういう気分になることは誰しも、定期的にあることと思う。
本書は書店で講談社文庫の本棚を見て、その場で決めて購入した。最近はそういう状態のものをみることがあるが、文庫に透明のカバーがかかっていて、いつものように内容をパラパラめくってみることができない。それでも、著者の作品はこれまでにも読んだことがあり、あえて中身を見ないままに購入した。
読み進めてしばらくして、主人公飛鳥井が、すでに老人と -
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KGBの優秀なスパイとして特訓を受けた九鬼は、東京に派遣されることになります。彼にくだされた任務は、南ヴェトナム政府軍の将校だったディム・キム・ロンとアメリカ軍特殊部隊の隊員だったジュリアーノ・ヴァンドーネの東京での活動の目的をさぐり出すことでした。
やがて九鬼は、ロンとヴァンドーネの二人がジョン・マーカスの依頼を受けて、ヴェトナム戦争中にゆくえのわからなくなったマーカスの息子のエドワードをさがしていることを知ります。エドワードについての秘密を知っているのは、チュン・ニュー・ランというヴェトナム人の娘で、九鬼はロンとヴァンドーネに先んじて、彼女の恋人であるズオンに接触しようと試みます。
こ -
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「ヴァンパイヤー戦争」シリーズの外伝で、九鬼鴻三郎がKGBのスパイとなって活躍したころの物語がえがかれています。
街道ライダーのグループである「マッドライダーズ」を率いる18歳の九鬼は、仲間たちを死に追い込んだ赤いフェラーリのゆくえを追っていました。そこで彼は、「右翼の魔王」として知られている正宗鉄生に出会い、彼の率いる「三兵会」に入ります。しかし、やがて彼は「三兵会」が正宗の私欲を満たすための手ごまにすぎないことを知り、そこを飛び出します。さらに、彼のもとにプロの破戒工作員が差し向けられ、自分が大きな陰謀に巻き込まれていることを知った九鬼は、その正体を暴くための戦いをはじめます。
タイト -
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フランスにもどった翔は、パリの街で「コクリコ」という名前で娼婦をしている、ソリダの従姉のラウス・リイと出会います。さらに彼女から「ワタナー計画」という、人類の未来を大きく動かす計画の存在を知った翔は、クメール・ルージュによって死の淵に立たされているソリダを救出するため、カンボジアに潜入を試みます。
とりわけ後半のアンジィ三姉妹やレジュー・ドールとの最終決戦などがかなり駆け足でえがかれており、作品としてのアンバランスさを感じてしまいました。本書のあつかっているテーマの先駆性については、「解説」を担当している前島賢がていねいな議論をおこなっており、「セカイ系」などのサブカルチャー批評に関心のある -
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『ヴァンパイヤー戦争』とおなじく、「コムレ・サーガ」シリーズの一つです。
本作の主人公の竜王翔(りゅうおう・かける)は、レジュー・ドールという黄金の目の怪人にうながされて、留学先のフランスに恋人のカンボジア人ソリダをのこして日本に帰国します。竜神村の山奥に引きこもった彼は奇妙な夢に悩まされ、山森老人から自分が古牟礼民の血を引く者であることを教えられます。山を下りた彼は、失踪した姉の小百合のゆくえを追って、戦争のさなかのヴェトナムへと向かいます。
濃密なエロスとヴァイオレンスでいろどられた『ヴァンパイヤー戦争』と似た作風ですが、本作の主人公の翔は『ヴァンパイヤー戦争』の九鬼鴻三郎のようなヒー -
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九鬼たちは、「月のマジックミラー」があるブドゥール奥地の聖地へと向かいます。そこで九鬼は、彼が追い求めていた蒔絵の影ともいうべき美女メリッサに出会い、スペシネフのねらいを教えられます。
その後、スペシネフが彼らの前に現われますが、九鬼とムラキは窮地を脱し、その後ソ連に侵入し、キキが捕らえられたというルビヤンカへと向かいます。
アフリカ編が終わり、ソ連へと舞台を移していよいよスペシネフとの戦いにいどむことになります。物語が佳境にさしかかってきましたが、世界観についての謎はすでにおおむね明らかにされており、ここからどのように盛り上げていくのか、ちょっと気になるところです。 -
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砂漠を越えてブドゥールに入った九鬼たちの一行は、そこでアイダの妹のオンサとミュザに出会います。オンサは、ブドゥールの宗教的権威を司る影の王国メルーの女王であり、俗世を支配するハー王国のテグ・クゥ王は、ケビゼを新たな王としミュゼをその妃に迎え入れようとしていました。九鬼たちは、オンサの依頼を受けてメルー国を守るため、ケビゼやその背後にいるネクラーソフとの戦いにいどみます。
アフリカ編は、話がどんどん壮大になってしだいにとりとめがつかなくなっていく印象のある本作のなかでも、かなりストーリーのまとまりがよく、あまりストレスを感じることなくたのしめました。 -
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パリの街で出会った褐色肌の美女アイダのあとを追いかける九鬼は、彼女の出身国であるアフリカの小国ブダーに、アメリカのスペース・シャトルが不時着したことを知ります。シャトルには「月のマジックミラー」が積まれており、ソ連がアメリカから奪取するために、シャトルをハイジャックしてブダーに向かわせたのです。
ブダーの独裁者ケビゼはソ連のネクラーソフの支援を受けており、現在はパリに滞在しています。そしてアイダは、ケビゼの暗殺を企てていたのです。
黒幕のスペシネフも今回は登場せず、いちおう仕切りなおしのようなかたちで物語がはじまっており、新鮮な気持ちで読むことができました。 -
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横田基地襲撃事件で、九鬼が組織した「リリパット」のメンバーであるケイとエイコの二人が捕らえらます。さらにバー「妖蛾」を経営している前島冴子の弟も誘拐されたことを知った九鬼は、彼女の弟とケイ、エイコのいる「鮫島医学研究所」に侵入します。しかしそこで彼が出会ったのは、マッド・サイエンティストの鮫島秀一によって殺人マシーン「ゾンビ・コマンド」に変えられたエイコたちのすがたでした。
人間離れしたゾンビ・コマンドに襲われた九鬼は死の淵に立たされますが、そんな彼に救いの手がもたらされます。彼の救出を画策したのは、現首相の鬼怒川祐輔の相談役である夢堂老人で、九鬼は彼から令部の手にわたった宝剣をうばい返して -
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水城蒔絵に連れられて、九鬼は日本にひそむ吸血鬼の隠れ里へと向かいますが、そんな彼にKGBのセルゲイ・ウスペンスキーの手がせまります。
一方、鴻三郎の養父・九鬼貢の友人の子である野々村浩は、宗教学を学んでおり八ヶ岳山中にありスサノオをまつる小室神社の調査をおこなっていました。そんな彼のもとを籠目党が襲撃し、小室神社の秘密を知る山城真稀子が捕らわれの身となってしまいます。九鬼は、野々村とともに真稀子の救出に向かいます。
本作の世界観の大枠はすでに提示されており、その後はおおむねアクション・シーンを中心とするエンターテインメント小説という印象が強く感じられます。