笠井潔のレビュー一覧

  • ヴァンパイヤー戦争1 吸血神ヴァーオゥの復活

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    全11巻+番外編が3冊あり。

    じつはジャケ買い。絵はTYPE-MOONの武内先生。彼らの作品も素敵です。
    ペダントリーな笠井潔らしく、重火器類、諜報機関やらNASA的な用語が頻出します。
    物語の核はヒロインキキと、九鬼と出会っては死んでいく女たちの美しさですね。

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    2011年04月24日
  • 哲学者の密室

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    ハルバッハの「死の哲学」は、ナチスの生んだ「大量死」の現実の前に砕け散った
    (試合に勝って勝負に負けたとでも言うべきか)
    一方でナディア・モガールは、ハルバッハを応用して、自分なりの「愛のかたち」を発見する
    しかしそれは結局、「特権的な死」の夢想を、裏返したにすぎないものではないか?

    久々に読んだけど、あらためて超名作と思いました

    けど、607ページのイラストおかしくないだろうか
    あれカンヌキ抜けなくね?

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    2009年10月07日
  • 薔薇の女

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    矢吹駆シリーズ

    女を殺害し身体の一部をうばう猟奇殺人。「アンドロギュヌス」の謎。ニコライ・イリイチを追う矢吹駆。「アンドオロギュヌス」の犯行が行われる夜に上映されるドミニク・フランスの映画との関係。ドミニクの双子の息子たちとアルジェリアの動乱。ベアトリス・ベランジュとポール・ブルレーの殺害死体。アルベール・べランジュと弟・ジルベールの関係。

     2010年7月30日再読

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    2010年07月30日
  • サマー・アポカリプス

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    矢吹駆シリーズ

    謎の組織に銃撃された駆。ナディアと共に南仏を訪れた駆。アルヴィジョア十字軍の財宝、カタリア派の謎。原子力発電所の建設問題に揺れるロシフォール家。ナディアの友人ジゼールの母・ジュヌヴィエーヌ・ロシュフォールの死の真相。犯人として逮捕されたジャン・ノディエ。遺跡の研究の為に訪れたドイツ人ワルター・フェスト殺害事件。2回殺された死体。黙示録に見立てらた連続殺人。ジャン・ノディエの絞殺事件。ニコル・ロシュフォールの墜落死。ジゼールの婚約者・ジュリアン・リュミエールの推理。ジュリアンの姉・シモーヌに突き付けられた真実。ニコライ・イリイチの影。

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    2010年07月26日
  • 哲学者の密室

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    矢吹駆シリーズ四作目。
    今のところシリーズの中で一番好きです。駆の出自がほんの少しですが垣間見えてよかったと思います。

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    2009年10月04日
  • サマー・アポカリプス

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    とにかくものすごく面白い。ミステリーに哲学的思想が絶妙な味を醸し出す作品。食べ始めたら止りませんでしたよ。

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    2009年10月04日
  • サマー・アポカリプス

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    駆シリーズの中で一番好きな作品です。火花が飛び散る思想と思想のぶつかり合いは、真剣勝負を彷彿とさせ、手に汗を握ってしまいます。

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    2009年10月04日
  • ヴァンパイヤー戦争1 吸血神ヴァーオゥの復活

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     今まで、名前だけは聞いていたのですが、なかなか読む機会がなかった笠井潔さん。この度、講談社文庫から装い新たに『ヴァンパイヤー戦争』が出版されたのをきっかけについに読み始めました。

     面白い。
     内容的には、オカルトチックなタイトルにも関わらず、どちらかというとハードボイルド風。しかし、それでありながら一昔前の伝奇のエッセンスがあますところなく使われているのには脱帽。
     全11巻もあるのに序章と終章以外は全て一人称。それも信じられない。

     特に興味深いのは背景にある思想です。
     やはり、ムラキに憧れてしまいます。

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    2009年10月04日
  • 哲学者の密室

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    矢吹駆シリーズ。カケルとナディアはダッソー家の3重密室殺人の謎に挑むうちに、第2次世界大戦ユダヤ人収容所で起こった3重密室殺人の謎にぶち当たります。ページ数は確かに多いですが、ぐいぐい読ませてくれる筆力は相変わらずです。カケルシリーズは必ず哲学と密接につながっています。今回はハイデッガー哲学への反論あり。でも哲学を知らない人でも大丈夫。ナディアが私たち一般読者の代表ですから。

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    2009年10月04日
  • 哲学者の密室

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    カケル&ナディアシリーズの第4作目。

    この分厚さ(文庫本で1160ページ)は、30年前の事件を間に挟んでいたためだったのですね。
    カケルやナディアたちが存在している「現在」で起きた密室殺人と、30年前、第二次世界大戦中にコフカ収容所で起きた密室殺人。
    いままでのシリーズ作品同様、事件を解決してゆく推理小説というよりも、それを取り巻く人たちの人生、密室の謎を解いていく際に吐露される、それぞれの生死の捕らえ方、哲学論がこの作品の中心にあるように思います。

    間に挟まれている30年前の収容所での出来事。
    戦時中の、しかもユダヤ人虐殺に関する描写であるため、読んでいてツライ部分も多く、一体どこで「現

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    2010年10月19日
  • 夜と霧の誘拐

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    ラストの20ページこそ読む価値がある、といっても謎解きの面白さではなく、ユダヤ人が、正確には修正シオニストが『アウシュヴィッツ』を金看板にしてパレスチナ人の土地を強奪、掠奪、虐殺して来た事実。そこには『唯一の被爆国』を掲げて、本来請求すべき相手を避けて自らが犯して来た過ちを免罪するための行動を取り続けているこの国もある意味の「共犯者」では無いのか、という疑問が浮かんで消えない。このシリーズの妙味は探偵役の矢吹駆(作家である笠井潔に限りなくニアリーイコールであるが)とさまざまな思想家、哲学者、活動家との対話、議論だが、今回はハンナ・アーレント。ミステリというより今回は、ちょっとした冒険小説の雰囲

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    2025年11月21日
  • オイディプス症候群

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    ミステリとしてみたら、長いとはおもっちゃうけどロジックやどんでん返しにやられた。さすが。

    3061冊
    今年289冊目

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    2025年11月11日
  • 薔薇の女

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    ネタバレ

    首を切られた女性の死体。壁に残された〈アンドロギュヌス〉の文字。更に次々に美女の肢体が切断される連続殺人事件と伝説的女優ドミニクの関係者の死。

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    2025年11月08日
  • サマー・アポカリプス

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    ネタバレ

    南仏モンセギュール。南仏財界の帝王と若き後妻、中世史研究家、女性活動家が集まるロシュフォール家。そこで殺害されたドイツ人。カタリ派の遺産を巡る謎。黙示録の騎士に見立てられた連続殺人事件。

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    2025年11月08日
  • 吸血鬼と精神分析

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    ネタバレ

    パリで起きたルーマニアの亡命将校射殺事件。現場には「DRAC」という血文字が。しかし、事件はモガール警視の手を離れ憲兵対へ。その後女性が血を抜かれて殺される猟奇殺人が続く。矢吹駆はこの〈吸血鬼〉事件の犯人が、遺体に動物の徴を残している事に着目。
    ナディアはギリシアでの事件後、神経を病み友人が務める心療内科へ。そこで出会った元体操選手の亡命ルーマニア人少女タチアナ。

    とりあえず分厚くて読むのが疲れる。内容は面白いし、読みやすいけど腕が痛くなる…。前に読んだことがあるのに、完全に内容は忘れている…。ナディアが神経を病んだとか色々あったのに…。

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    2025年10月21日
  • バイバイ、エンジェル

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    笠井潔といえば、巻末の解説で小難しいことを語るおじさんというイメージがあったが、自身の小説でも小難しいことを語るおじさんというのが正解だった。矢吹駆は現象学や直観云々やたら本質めいたことを言ってたけど、解決編を読むと手がかりから論理を積み上げるフツーの名探偵と何が違ったの?とやや疑問。
    それでも首切りの動機と論理は見事。物語の中核にあるのはフーダニットならぬワットダニット。真犯人が明かされたとしても真の真犯人は別の何かなのだ。それは「生物的な殺人」の具体性とは対照的な何か。人民と国家への憎悪が引き金となって人間の心に憑依する倒錯した何か。矢吹駆はそれに理解を示しつつ、それの卑小さを断罪した斬新

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    2025年10月07日
  • 夜と霧の誘拐

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    ネタバレ

    三重密室事件の記憶を持つダッソー家の晩餐に招待され、アイヒマン裁判の傍聴記で知られるユダヤ人女性哲学者と議論する矢吹駆。晩餐会の夜、運転手の娘サラがダッソーの一人娘ソフィアと間違えられ誘拐される。身代金運搬役に指名されたナディア。同夜、カトリック系私立校の女性学長の射殺体が発見された。

    『哲学者の密室』の舞台になったダッソー家で再び起きた事件。『煉獄の時』で復活したナディア。間違われた誘拐、連鎖する誘拐、殺人事件と事件の展開が早いし事件の裏に見えるイリイチの影とか面白い。哲学者との議論も頑張って読んだ。

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    2025年09月21日
  • オイディプス症候群

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    ネタバレ

    今までは起きた事件に首を突っ込むだけだったナディアが、初めて事件に巻き込まれて自分も命の危機を感じる。駆も他人のフリをしていて、突然消えたり更に不安。
    事件の展開も良いし、いつもの哲学論やギリシア神話についての考察も頑張っ多。
    1000ページ近い作品が1冊…。京極夏彦みたいな事するな。光文社文庫では『哲学者の密室』『オイディプス症候群』『吸血鬼と精神分析』も上下巻だったのに…。『煉獄の時』も『夜と霧の誘拐』も分厚い文庫になるんだろうな。

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    2025年09月19日
  • オイディプス症候群

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     笠井潔の代表作の一つであり、現象学的思索に満ちた長大な哲学ミステリー『オイディプス症候群』は、2002年に刊行された。
     全865ページという厚さは、その重厚さと深遠さの象徴であり、簡単に読書は難しい。
    本書を読む者には、相応の覚悟と根気が求められる。本書は哲学・思想の論議と、それを基にしたミステリー的展開とを両立させる、難解でありながらも読む挑戦を強いられる。本書は、単なる推理小説にとどまらず、フッサール現象学やイギリス経験論、さらには東洋哲学や宗教思想との融合を追究した、思想的な作品である。

     本書の中心的テーマの一つは、「現象学的本質直観」の概念である。この用語は、フッサールの哲学に

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    2025年09月08日
  • バイバイ、エンジェル

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     アパルトマンの広間で発見された女性の首無し死体、とある一族を巡る連続殺人事件、現象学を駆使する日本人矢吹駆と推理小説好きのナディアなどが複雑に融合した本格ミステリーで、魅力的な謎と哲学思想、衒学要素が絡み合って難しくあるものの最後まで楽しく読めた。

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    2025年05月26日