狙撃手の祈り

狙撃手の祈り

1,800円 (税込)

9pt

3.4

離婚届を置いて失踪した妻、発見された銃弾、28年前の未解決事件。
平穏な生活が一変する秘密と嘘。

東京都北区十条で楽器店を営む青井圭一。
雑誌記者の妻・沙月とは取材がきっかけで知り合った。
ある夜、妻の沙月が圭一に差し出したのは離婚届だった。
明日から一週間取材に行くから、帰るまでに答えを出してほしい――。
確かに、圭一の友人のミュージシャンの不倫スキャンダルを
沙月がスクープしたことで、最近夫婦関係はぎくしゃくしていた。
しかしそれが離婚の原因になるとは思えない。
そして一週間後、電話口で「このまま家に帰ったら、許してくれる?」という言葉を残して沙月は消息を断つ。

ほぼ時を同じくして、亡くなった圭一の叔父の遺品の中から
銃弾が発見される。叔父の友康はこの楽器店の先代で、
幼い頃に両親を亡くした圭一の育ての親でもある。
平穏な人生を送っていた叔父と銃弾が結びつかず混乱する圭一。
追い打ちをかけるように、その銃弾が28年前に起こった
警察庁長官狙撃事件に使われたものと同じ型という可能性も浮上する。

警察庁長官狙撃事件は未解決のまま公訴時効を迎えていた。
そして、沙月がこの未解決事件を追っていたことも明らかになる。
叔父と長官狙撃事件の間に何らかの関係があるのか。
もしあるとしたら叔父はどう関わっていたのか。
今回の沙月の失踪はその未解決事件の取材と関係しているのか。

この世界が今日も明日もこのまま続くだろう、そう思っていた人間が、
期せずして社会の深淵を覗くサスペンスミステリー。

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狙撃手の祈り のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年04月14日

    プロローグでの警察庁長官狙撃事件は実際にあった國松警察庁長官狙撃事件を思い出しました。場所も日にちも同じ設定でおまけに未解決であることも。そしてオウム真理教の地下鉄サリン事件を思わせる宗教団体の存在。

    最初は十条銀座商店街の楽器店の店主青井圭一とこの事件がどう繋がるのだろう?と思って読み始めたけれ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月20日

    謎が謎を呼び、ドンドン引き込まれる。二重、三重のどんでん返しにふー。ごく普通の人が、とんでもない犯罪に手を染めざるを得ないところまで追い込まれる社会の理不尽さにやりきれない思いが残る。

    0

    Posted by ブクログ 2023年11月28日

    オウムや国松長官狙撃事件にインスパイアされた小説だが、警察小説として読んだり、プロット重視で読むと後悔すると思うなあ。これは純粋に家族の物語だと思って読むとなかなか面白かった。鍵がオアシスの「Live Forever」なのも良い。ただ主人公(と思われる)青井圭一の魅力のなさが痛い。妻の沙月の方が十分...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月28日

    1995年に起きた警察庁長官狙撃事件を題材にした物語。楽器店主が雑誌記者の妻の失踪を機に事件の真相を追っていく。

    「看守の流儀」と「看守の信念」がお見事だった城山真一先生の新作長編で、ワクワクしながら読みました。
    読みやすさ、テンポの良さ、よく練られた展開。さすがだなと思いました。
    でも色々な部分...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月23日

    現代のお話だけど、またスナイパー?
    って思いながら読み始めましたが…
    (同志少女を読んで間もなかったので(^-^;)
    意外にも家族の物語という感じでした。

    公安だけど、良い人だったり。
    過去の現実の事件を取り入れているので
    振り返って思い出したり。

    大切なものを守るため…
    色々切なくもありました...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2024年03月22日

    2024.3 ストーリー的にはあるあるだけれど、やはり上手ですね。オウムの警察長官銃撃事件って犯人捕まったんでしたっけ?

    0

    Posted by ブクログ 2024年03月19日

    國松長官狙撃事件を題材にしたミステリー。主人公は楽器店主の青井と公安の斎賀。記者の妻の失踪と、父親の執念の書付けが彼らを過去の事件に引き寄せる。一つ一つの文章がとてもステレオタイプ。気に入らないと「あーん?」と圧をかけてくるキャリアの同期の上司の態度とか、作者のオリジナリティが見えずに残念。

    0

    Posted by ブクログ 2024年01月31日

    少し現実離れしたストーリーではあったが、家族の絆、様々な理由を抱えながらも繋がっている。それも家族なんだと言うメッセージがあった。今、家族は疎遠状態になっているケースが多い。家族とは何かを教えてくれる本だと感じた。

    ※28年前の事件をなぜ使ったのか知りたくもなった。

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2023年12月20日

    なんか色々なところにどうしようもない病気が散りばめられていて、動機が悲しい

    でも奥さんのことは逆にそれが救いになった、気がする

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