千葉雅也の一覧
「千葉雅也」の新着作品・人気作品や、最新のユーザーレビューをお届けします!
-
作者をフォローする
- フォローするとこの作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
プロフィール
無料・値引き作品コーナー
配信予定・最新刊
ユーザーレビュー
-
フーコーの解説が、今まで読んだ入門書のなかで一番腑に落ちて感じられました。
定期的に読み返してみよう。
Posted by ブクログ
-
意味が収束しない=無限に多義的であることを意味がある無意味とし、我々は、意味が収束しないものを有限数の意味で解釈しているにすぎない。トマトの見方は、「赤いもの」「野菜」「球に近い」などなど受け取れる意味は無限に存在しているが、一旦トマトとして理解をしている。いわば、赤い野菜をトマトとして認識させるも
...続きを読むの、多義的な意味を無意味に切断するもの、それこそを意味がない無意味としよう。千葉はその意味がない無意味が身体であるとする。
この意味が収束しないことはラカン、フロイトの哲学でも語られ、我々人間は物自体、現実界と彼らが呼ぶ認識できない領域があって、それに対する解釈をしているに過ぎない、その解釈が千葉のいう意味がある無意味だと。
東やメイヤスーもそのラカン、フロイト哲学を超えるために、「郵便的脱構築」や「思弁的唯物論」を展開する。その流れに千葉も乗っているように思われる。
「物質界」「現実」という言葉を定義し、現実界の外側を想定する、それはまさに実際の現実のものであって、東やメイヤスーはその物質性故に手紙は届かない可能性がある、つまり意味が収束してしまうことを指摘する。
それは、目的=シニフィエからそれていく言葉それ自体=シニフィアンの横溢(おういつ){引用 言語、形態、倒錯}であり、オタクのコスプレ化、ギャル男のギャル化の極端になった認知的習慣化{引用 あなたにギャル男を愛していないとは言わせないーー倒錯の強い定義}であり、人間の複数性{引用 思弁的実在論と無解釈的なもの}である。
言語や他人、キャラと言った「他者=身体=形態」とは接近しながらも究極的には理解しえないものとして了解することが、行為をつくる。行為もまた身体であり、無限に降り続く意味の雨を、それが跳ね返す。
Posted by ブクログ
-
きわめて抽象度の高いフランス現代思想について、その基礎、応用を簡潔かつ縦横無尽に説明した得難い一冊。帯にある「人生が変わる哲学」の文句に偽りなし!
基本となるデリダ、ドゥルーズ、フーコーの導入はきわめて簡潔。楽に読み進められる反面、こんなに簡単でいいのか?とも。
しかし後の章に行くにつれ、その不安
...続きを読むは払拭される。
本書では「枝葉」となる哲学者たちの思想を説明するに際して先の3人や、現代思想をはみ出してカントの哲学までがたびたび引き合いに出されており、各思想家の思想だけでなくそれらの有機的なつながりが次第に浮かび上がる。
読み終える頃には「現代思想」全体の考え方、潮流というものまでも垣間見ることができるような構成上の工夫がなされている。
本書の「現代思想」観は著者である千葉雅也氏個人の捉え方に拠るところが多く、著者自身が「あとがき」で述べている通り、必ずしもスタンダードではないのかもしれない。
だがそれでも、こういう風に繋げられた物語としての「現代思想」により描き出される人生訓(千葉氏風に言えば「ライフハック」)は、「人生が変わる」の言葉に恥じない芸術的な魅力を放っていると、いち読者としてはそう信じてやまない。
Posted by ブクログ
-
こんな本を待っていた。画期的書物。
最近何かと悪者扱いされがちな「ポストモダン」の擁護。
“……そういう「世の乱れ」の原因はかつてのポストモダン的現代思想にある、と批判する人も出てきた。これは不当だと思います。真理の存在が揺らぎ、人々がバラバラになるのは世界史のやむをえない成り行きなのであり、か
...続きを読むつて現代思想はその始まりに反応して、それはいかなることなのかと理論化を試みたのです。”(p.22)
“しばしば現代思想はそういうアウトローを志向するもののように勘違いされることがありますが、そうではないのです。確かに混乱こそが生成の源なのですが、それと秩序=形式性とのパワーバランスこそが問題なのです。”(p.117)
本書全体がそうだけど、特に「付録 現代思想の読み方」は読書ハックに満ちている。以下のパラグラフに勇気づけられます。
“細かいところは飛ばす。一冊を最後まで通読しなくてもいい。……哲学書を一回通読して理解するのは多くの場合無理なことて、薄く重ね塗りするように、「欠け」がある読みを何度も行って理解を厚くしていきます。プロもそうやって読んできました。”(p.215)
Posted by ブクログ
-
現代思想は、秩序を仮固定的なものと見なし、たえず逸脱が起きながらも諸要素がなんとか共存する状態を考察している(p.244)の千葉雅也さんの言葉にたくさん拍手したいです!
能動性と受動性が互いを押し合いへし合いしながら、絡み合いながら展開されるグレーゾーンがあって、それにこそ人生のリアリティがある
...続きを読む
フーコー 権力は下から来る→弱いものがむしろ支配されることを無意識的に望んでしまうメカニズム。
フロイトの発明 よくわからない理由で何かやってしまったというような、無意識、だったということ、無意識はフロイトの発明
構造とは、諸々の偶然的な出来事の集まり。
意識の表側で必ず意味づけをし、物語化することで生きているわけですが、その裏側には、それ自体でしかない出来事の連鎖がある。物語的理由づけをするイコール二項対立によって物事を裁く、ことによって、ある意味生きやすくなる。
ニーチェとフロイトとマルクスが合流→同じ土俵、同じ基準でみんなと競争して成功しなければならないという強迫観念から逃れるには、自分自身の成り立ちを蘇って、偶然性へと開き、たまたま存在しているものとして自分に成しうることを発見する
メイヤスー 身体の根底的な偶然性を肯定すること、それは、無限の反省から抜け出し、個別の問題に有限に取り組むことである。世界は謎の塊ではない。散財する問題の場である。それは世俗性の新たな深さであり今ここに内在することの深さです。(p.214)
Posted by ブクログ
千葉雅也のレビューをもっと見る