【感想・ネタバレ】現代思想入門のレビュー

あらすじ

人生を変える哲学が、ここにある――。
現代思想の真髄をかつてない仕方で書き尽くした、「入門書」の決定版。

* * *

デリダ、ドゥルーズ、フーコー、ラカン、メイヤスー……
複雑な世界の現実を高解像度で捉え、人生をハックする、「現代思想」のパースペクティブ

□物事を二項対立で捉えない
□人生のリアリティはグレーゾーンに宿る
□秩序の強化を警戒し、逸脱する人間の多様性を泳がせておく
□権力は「下」からやってくる
□搾取されている自分の力を、より自律的に用いる方法を考える
□自分の成り立ちを偶然性に開き、状況を必然的なものと捉えない
□人間は過剰なエネルギーの解放と有限化の二重のドラマを生きている
□無限の反省から抜け出し、個別の問題に有限に取り組む
□大きな謎に悩むよりも、人生の世俗的な深さを生きる

「現代思想は、秩序を強化する動きへの警戒心を持ち、秩序からズレるもの、すなわち「差異」に注目する。それが今、人生の多様性を守るために必要だと思うのです。」 ――「はじめに 今なぜ現代思想か」より

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[本書の内容]
はじめに 今なぜ現代思想か
第一章 デリダーー概念の脱構築
第二章 ドゥルーズーー存在の脱構築
第三章 フーコーーー社会の脱構築
ここまでのまとめ
第四章 現代思想の源流ーーニーチェ、フロイト、マルクス
第五章 精神分析と現代思想ーーラカン、ルジャンドル
第六章 現代思想のつくり方
第七章 ポスト・ポスト構造主義
付録 現代思想の読み方
おわりに 秩序と逸脱

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Posted by ブクログ

デリダの「二項対立からの脱構築」や、ドゥルーズの「世界は同一性ではなく、差異で捉える」など非常に興味深読くめた。

ありとあらゆる学問の基礎や土台にあるものが哲学なのかもしれない。

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2026年01月24日

Posted by ブクログ

こんなにわかりやすくデリダ、ドゥルーズ、フーコー、ラカンを書けるのかと感嘆した。「現代思想のつくり方」も未来への橋渡しであるとともに、何かを生み出そうとするすべての人文科学系の論者(研究者から学生まで)に力を与える枠組みだ。

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2026年01月12日

Posted by ブクログ

現代思想入門といいつつ、果てしない奥行きが見えるような本だった。形而上学の小難しい概念を日常のシーンまで落とし込む、そういった橋渡しができるのは千葉さんならでは。最後の補足の思想家に対してある程度斜に構えて、パターンと捉えて構造化するところは、思想といっても必要以上に恐れ慄く必要はないと勇気づけられた。

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2025年12月28日

Posted by ブクログ

思考の論理は「二項対立」で組み立てられ、その一方をプラス、他方をマイナスとする価値観があり、通常はプラス側を支持するように何かが主張される。その時に、二項対立のむしろマイナスの側、劣位の側に味方出来るようなロジックを考え、主張されている価値観に対抗する。そして対立の両側が、互いに依存し合う、言わば「宙づり」の状態に持ち込む。そういう論法がデリダの「二項対立の脱構築」である。

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

思想について何の予備知識もない自分には「入門のための入門」としてとても分かりやすく、けど新鮮なことが多くて良い。読み返したい。

構造主義(二項対立/物事には構造=パタン) → ポスト構造主義(デリダ/ドゥルーズ/フーコー) = フランス現代思想 → ポスト・ポスト構造主義(マラブー/メイヤスー)。ちょと遡って現代思想の源流(ニーチェ/フロイト/フーコー)の紹介。からの横道で精神分析のラカンとルシャンドル。最後は行き詰まってる(?)思想の作り方まで。

メインはポスト構造主義の話だが、横道の精神分析(世間ではちょっとオカルト扱い)の章が興味深かった。人間は過剰な生物で自由度がとても高い。一方で動物は単純に/本能の赴くまま/かなり自由度は低い。そこが境界がある(グラデーションはある)。人間は脳の発達により言語習得も相まって認知エネルギーが"過剰に"高い(余している)。本能に対して流動性の高い欲動に影響を受けながら、それを整流していく(教育とかで制限していく)のが成長の過程だと。その配線が変わり人間性が無意識に形成される...。その根本に近づける(かもしれない?)精神分析、受けてみたくなる。子と母と父の関係の話も面白い。

最後の付録で著者のような研究者がいかに原著(=著者曰く暗号文)を一般人向けに読みやすくしてくれているのが分かる。どんだけ人の思考と言語の解像度にgapがあるかを感じる。やっぱり訓練された人は凄い。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

 とてつもなく読み手(学び手)に配慮された書きぶり。文体は誠実そのもの。
 筆者は今まで知性を壁として提示してきた「哲学者」とは異なる。近年、永井玲衣など、哲学を開く人々が活動しているが、そういう使うための哲学を伝わることを大前提として綴っておられる。パリで実際に学ばれたことも書かれている。あたまがスッキリします。

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2025年12月03日

Posted by ブクログ

先月の「勉強の哲学」に続き、千葉雅也さんの本を読む。日本の現代哲学の本を読んでいると何かと登場するデリダやドゥルーズ、フーコーの面々。フランス現代思想の偉人たちを丁寧に解説してくれるこのような本があることは本当にありがたい。感謝。後半は少々難解で何度か読まないとわからない気がする。逸脱や差異を大切にするポスト構造主義の考え方は、ただ人と違っていれば良いということではなく、むしろ他者は自分と違うという意味で「差異」なのだから、他者に開いていく必要があるんだという視点は納得感がある。贈与論を当てはめると、受け取った後に差し出すということにも繋がる気がする。おすすめ。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

著者は書き出しで、大胆にも「現代思想とはポスト構造主義である」と言い切っている。まさに私が一番に知りたかったことをズバリ最初に言ってしまう。
さらに、著者は「真面目な話の部分」と「雑談のような部分」を「飴とムチ」のように繰り返すので、難解なジャンルの本なのに不思議とページがスラスラ進んでしまう。他の哲学書のような「君たちに私の知恵を授けよう」感が無いのだ。
さらに、おまけとして国語の読解力の強化問題集のような付録まで設けてある、自分の読解手法を一般に公開したくなるほど、著者は語学エネルギーを余していると思った。

読み終わって、著者の言わんとする「現代思想」の全体像はわかった。しかし、これは「思想」という高尚なものなのだろうか?高尚な「人生訓」だったのではないだろうか。
この本で得た人生訓は「人生に正解などない、こだわりをすてて、思うまま生きよ」というものだった。
 以上

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2025年10月10日

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脱構築的に物事を見ることで、偏った決断をしなくて済むようになるのではなく、我々は偏った決断をつねにせざるをえないのだけれど、そこにヴァーチャルなオーラのように他者性への未練が伴っているのだということに意識を向けよう、ということになる。(第一章デリダ、p52)

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2025年10月04日

Posted by ブクログ

この本を手がかりに
障害について思考を巡らすの楽しい

付録の
読書の仕方考察が一番面白かったっていう…w

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2025年09月03日

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ネタバレ

実生活で支えになるような学びが多く、文章も読みやすかった。
人間は過剰な動物であること。そして、ただそこに存在するだけ。何か意味があるわけではない。無限な謎に向かうのではなく、有限な行為をひとつひとつこなしていく。という点がいつも小難しく考えてしまう自分にとってハッとさせられる内容で非常に良かった。

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2025年08月07日

Posted by ブクログ

この人の文はすごくわかりやすい。理解できるレベルまで書き下された内容だけでなく、何度もその話題を出して復習せよ圧をかけてくる構成に、現代思想の作り方・読み方まで書かれ、まさしく現代思想入門。内容はしっかりまとめ、何度も本を読み返し血肉にしていこうと思う。

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2025年06月24日

Posted by ブクログ

過去に読んだものの流し読みに近いため、改めて再読。哲学の入門書としては非常に取りかかりやすい印象を受けた。
ただの哲学を歴史を追って説明するわけではなく、重要となる「脱構築」を中心に説明を展開、最後には難解な文章の読み方まで解説しており、考えること、文章を読むこて、実践的な内容を学べる一冊。

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2026年01月21日

Posted by ブクログ

結果的に2度読んだ。デリダのデの字も知らずに読み始めたが、読みやすい文章で概略は掴めた。入門書のおすすめが章ごとにあり、今後の読書の指針となるのが助かる。1度目からマーカーで気になるところに線を引きながら読み、2度目は色を変えて線を引いたら1度目に読み落としていたことが結構あるのがわかった。今後も部分的に読み返すと思う。次はおすすめのデリダ入門書を読んでみようと思う。

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2026年01月07日

Posted by ブクログ

おもしろかった!易しい文体で内容が入ってきやすかった。内容としては特に、精神分析的な家族関係の解きほぐしを行うことに加え、自分が幼少期に何を見てきたか、どんな人間関係が家族外に広がっていったかといった人生の棚卸しをすることで、心のトラブルを考えるときによい示唆を与えてくれることがとても興味深かった。理解が難しいところもあったので繰り返し読んで理解を深めていきたい。

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2026年01月02日

Posted by ブクログ

無駄なことを書いていない、読み応えのある本。二項対立を考える上で、具体と抽象の横断力が求められると感じる。以前から気になっていた「具体⇄抽象トレーニング(細谷功)」を読みたくなった。

ゼミでのディベートの総決算をしてる気持ちになる内容だった。本書は明確に哲学に寄せて考えるものだが、思考鍛錬として発想を広げられるよい機会になった。

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哲学用語は、日本語訳の仕方に問題があるように思う。脱構築論とかではなく、対立論や二分論などと表した方が幾分か理解されやすいように思う。現代はともかく、当時は排他的だなあと感じる。
同時に、筆者は哲学者は格調が求められた、としており、そもそも哲学書は文学として接するのが正解かもしれない。

123.子どもの生育から見るに、人は根源的にはマゾヒスティックということ?スリルに快を覚えているから、ホラーなどを見てしまうのかもしれない。

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

現代思想をわかりやすく概観してくれている一方で、その難しさも仄めかす本だと思った。

デリダやドゥルーズ、フーコーといった現代思想を代表する3人が書いた難解な文章が引用によりたびたび出てくるが、これを咀嚼し、読者にわかりやすく伝えていることを思うと、すごいとしか言いようがない(もちろん、千葉先生なりの理解の仕方・言い回しで、ではあるが)。

哲学書を読む際には、読む対象を定めて、それに向けた準備を程々に行い、挑むのが良いのだろうと思う。その際には、本書で紹介された現代思想の読み方も参考にしたい。

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2025年10月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今年は読書と決めていて本を読んでいる。最近だと新書にも挑戦。哲学系の本も読んだりしてる。

時々もう一人の自分が「なぜ本を読むの?哲学なんて学んで何のためになるの?」と聞いてくる。

今のところの答えが2つ見つかった。

1つ目。俺は自分探しというか自問自答というかよく何かを考えている。何かを考えている自分に酔っているところもある。たまに「考えて、考えて、もうわけわかんなくなってんじゃないの?」という俺の中のGENが出てくることもある。でも俺は考えることが好き。

考えに答えを出すことはそう簡単ではないけど、本や哲学を学んでその悩みのヒントになることがある。だから俺は本を読んだり哲学を学びたいと思うのだろう。

すると「そんなことを認識して何が変わるんだ?」ともう一人の自分がまた聞いてくる。

考えて、考えて、本とかたくさんの引き出しからヒントを引っ張り出して答えを出そうとするうちに自分自身がいい方に変わっていくのだろう。

2つ目。俺はエンタメが好き。最近はいいなと思ったエンタメに対して自分の感想を残そうと決めている。でもその時にうまく自分の気持ちを言語化できないことがある。そんな時本や新書を読むと引き出しが増え、自分の気持ちを言語化しやすくなる。それが楽しくて気持ちいい。時間が経って作品と作品が繋がる時も気持ちいい。

例えば、2日前に映画「国宝」を見た。その感想として、歌舞伎界の異様な血筋文化、妻や娘など周りの人間よりも歌舞伎にすべてを捧げた喜久雄。一見異常に見え、気持ちが理解できないと感じるがそんな人やその世界にいる人たちだからこそできる表現があり、見るものを魅了させる。ということを感じた。

そして、さっき「現代思想入門」という本を読んでいた。そこに、ニーチェの話が出てきた。ニーチェは秩序的・合理的なのもの(アポロン的)よりも混沌的・非合理的なもの(ディオニュソス的)に注目した。簡単にいうと「ヤバいものこそクリエイティブ」という考え。でも、ディオニュソス的なものばかりではダメでアポロン的なものも必要。この2つの拮抗の中において何かが成立するとした。

そんな時さっき読んでいた「現代思想入門」がヒントを与えてくれる。フロイトの精神分析について、「精神分析の本当のところは、記憶の繋がりを何かの枠組みに当てはめることではなく、ありとあらゆることを芋づる式に引きずり出して、時間をかけて喋っていく過程を経て、徐々に、自分が総体として変わっていくことです。」と書いてあった。

そこで、「国宝」を振り返る。歌舞伎には理性や美、いわゆるアポロン的がある。そこに、血筋文化や喜久雄の狂気、いわゆるディオニュソス的なものが拮抗することで見るものを感動させた。

あとニーチェは「狂気なくして偉大な芸術は生まれない」とも言ってるんだって。

今の世の中、コンプラコンプラとクリーンなもの効率的なものへという流れがあるけどそういったアポロン的なものだけでは誰もが感動するものは生まれない。ディオニュソス的なものがなければ壮大なものは生まれない。「国宝」はそれを体現していた。自分も今後何かに打ち込む時このディオニュソス的を忘れないようにしたい。

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2025年09月22日

Posted by ブクログ

主にフランスの現代思想、デリダ、ドゥルーズ、フーコーの「脱構築」について記された本。他にもラカン、フロイト、カント、ニーチェ、メイヤスーなども出てくる。

話し言葉のような平易な文体で、誰にでもわかるようなやさしい文章で説明することを心がけているのがよく伝わった。本書でも述べていたが、これは「入門書を読むための入門書」であり、ざっくりとそうした思想家の一部分的な理解をしようとする人にとってはちょうどいい。

しかし、付録の「現代思想の読み方」は少々蛇足的なものを感じた。いわゆる「本を読むための本」に近い胡散臭さを感じた。

また、この本で出てくる哲学者に興味を持った方に向けて、読書案内を丁寧にしており、非常に参考になる部分だと思った。

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2025年09月17日

Posted by ブクログ

## 主なテーマ

### 1. 二項対立の脱構築
現代思想の核心は、物事を**「二項対立」**で捉える思考法を揺さぶることにあります。善悪、能動と受動、正常と異常といった対立構造の、**「マイナスの側」**に注目し、その価値観を問い直します。著者は、能動性だけでも受動性だけでもない、その間にある**「グレーゾーン」**にこそ人生のリアリティがあるとしています。この「脱構築」によって、物事を単純化せずに、より**「高い解像度」**で捉えることができるようになると説いています。

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### 2. リゾーム的思考と存在の生成変化
現代思想は、物事が階層的な秩序ではなく、横に広がる**「リゾーム(根茎)」**のように多方向につながり合っていると捉えます。インターネット社会は、このリゾーム的関係性を物理的に実現していると指摘しています。また、すべてのものは固定された**「同一性」**を持つのではなく、常に**「生成変化(ドゥヴニール)」**の途中にある**「出来事」**であると考えます。この発想は、仕事のプロセスにおいても、明確な始まりや終わりを定めず、**「ついでにやる」**ことで創造性が生まれるという新しい働き方を提唱しています。

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### 3. 権力と多様性
ミシェル・フーコーの思想を援用し、近現代社会における**「規律訓練」**や**「生政治」**といった権力のあり方を分析しています。これらの権力は、個人を「正常」な状態に管理し、逸脱を問題視する傾向があります。しかし、現代思想は、**「ちょっと変わっている」**「なんか個性的だ」といった曖昧な状態をそのまま**「泳がせておく」**ような倫理を尊重すべきだと訴えています。これは、人間が本来持つ「過剰さ」や**「逸脱」**を抑圧し、人間を**「再動物化」**させることへの警鐘でもあります。

これらのテーマを通じて、著者は、現代社会に蔓延する「きちんとする」ことを求める窮屈な風潮に対し、**秩序から逃れる**思考の重要性を説き、**「他者」**を尊重する**「多様でバラバラな生き方」**の可能性を探っています。

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2025年09月09日

Posted by ブクログ

脱構築論と時代や思想家の変遷の歴史を分かりやすい流れで教えてくれる入門に相応しい本。

この本を起点に様々な哲学書を読むことをおすすめします。

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2025年08月29日

Posted by ブクログ

デリダ、ドゥルーズ、フーコーのそれぞれの脱構築、その源流となっているニーチェ、フロイト、マルクスに触れ、ラカンの難解な精神分析、ポスト・ポスト構造主義の解説。付録の「現代思想の読み方」がありそうでなかったもので面白い。

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2025年07月01日

Posted by ブクログ

現代思想における入門書のための入門書という位置付けだが、マジの初心者にとっては少し難しい内容も含まれる。
それでも、おそらくこれ以上に現代思想を分かりやすく解説してくれる本はないんだろうなと感じたし、全部を理解できなくても読み応えがあり、満足感のある書籍だった。

もし本書を前から順に読んでいてくじけそうになった人は、P215 付録 現代思想の読み方 を先に読んでみることをおすすめする。難しい文章を読むコツが書いてあるし、何より千葉雅也さん自身もデリダとかの文章は難しいとおっしゃっていて、自分だけじゃなかったんだと安心しますし、わからなくても読んでみようという気になります。

さて、本書の内容ですが、前述のとおり現代思想の入門書である。
現代思想=ポスト構造主義と位置付けられ、構造主義の後に出てくるそれに対抗した思想です。
情報の構造化、などと言われますが、構造主義とは色々な物事を単純化し、整理されたことをよしとする世界観だと理解しました。
本書ではこれを秩序と表現されています。
そして現代思想とは、それに対抗する思想なので、秩序に対抗する考え方、逸脱、を扱っています。
本書の文章を引用すると、
"現代思想とは、秩序を仮固定的なものと見なし、たえず逸脱が起きながらも諸要素がなんとか共存する状態を考察しているもの"とされています。

要するに、秩序は絶対的なものではなく、ある種の仮の状態であること。
そこから逸脱することもあるし、またその秩序内に戻ってくることもある。
そういった行ったり来たりのバランスの中で生きているんだよ、みたいなことが書かれています。

この"仮固定"という考え方は確かにと思いました。
少し飛躍するかもしれないですが、人は時々自分探しの旅に出かけると思います。
自分はどういう人間なんだろうか、好きなものはなんなんだろうか、自分に合う仕事って何なんだろう...など。そうして一生懸命探して見つけた自分。自分の好きに従って決めた仕事だったはずなのになんだかしんどくなってくる。
それは、本質的に理解できてなかったからだ、と言われる方もいるかもしれないですが、本書を読んでそれってもしかしたら仮固定的なものだったからなのかもと思いました。
過去に見つけた自分は間違っていたわけではないけれども、それはあくまで仮固定的なものであり、絶対ではない。
そうやってすべてを仮固定的に考えると、なんだか変化に対して寛容になってくる気がしました。

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2026年01月24日

Posted by ブクログ

入門とはいえ精神分析やポスト・ポスト構造主義、思弁的実在論など、後半難しいところもありましたが、なんとかついていけたかな?

「優柔不断なのはいけない。責任をもって決断しなければならない。どっちつかずの態度でいると、人に振り回されることになる。大人になるというのは、決断の重さを引き受けることだ。」
SNS上でこのようなコメントに対して、どう捉えるかを二項対立として考える。本当に優柔不断はいけないことなのか。決断力は大人の証なのか。
メディアリテラシーが試される今現在、必要な考え方を教えてもらえた気がします。

自分が生きていく中で、たくさんの悩みに直面したときの対処法としてドゥールーズ+ガタリ的思考は参考になります。

次にフーコーの権力論の三段階では、みんなが良かれと思ってやっている心がけや社会政策が、何か変、おかしなと気づかせる大事なヒントがあります。

中盤から非理性的なものを取り扱ったニーチェ、フロイト、マルクスときて、精神分析のラカン、ルジャンドルがきます。その辺りから頭が混乱してきます。

しかし最後に哲学書の読み方として、「欠け」がある読みを何度もしたり「読書はすべて不完全」と言ってもらい安心してしまいます。

世の中はすべて進行形で変化していく。ここで終わりという区切りは存在しない。いいですね!
あと、無駄だと思われる創作や芸術などモノをつくることの大事さもわかってきます。
生きていくことは、枠から逸脱して変化していくことかもしれませんね。
ここだけわかっただけでもスッキリします。

小説ばかりではなく、たまには小難しい読書も必要だと思いました。ありがとうございます。

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2026年01月08日

Posted by ブクログ

難しかった。
後の方に、付録でこの本の読み方が載っていて、先に気づいて読めばよかった。
やっぱり、目次ははじめにちゃんと見ないといけないな。
こういう本を、もう少し読める自分になりたい。

結局、何のためにこの本を読むのか。
難しい社会で、自分なりの解釈で生きやすくするため、な気がした。

多少、ズレてもいい。
ゆるさ加減が大事なのかもしれない。

それについてもっと知るために、再読にチェレンジしたい本。

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2025年12月23日

Posted by ブクログ

私は本書の著者の千葉雅也さんと完全に同世代の人間である。哲学こそ専攻しなかったが、文化人類学の流れで相対主義や構造主義を学んだ。それ以前の時代ほどではないにせよ、ポスト・モダニズムについての議論は、当時まだとても盛んに交わされていたように思う。私は考古学で大学院に進んだが、文化人類学の院生から相対主義がいかにマズイかという議論を吹っかけられて閉口した記憶がある。

そんなわけで、少し懐かしく思いつつ、本書を読んだ。あらためて、現代思想の大まかなところが整理できて有用だった。とはいえ、わかりやすい語り口だが、やはり私が専門に学んだことがないので、所々理解できない箇所が出てくる。後半部分のフーコー以降の哲学者やその思想については、斜め読みである。

著者がちょいちょい本書で紹介する哲学的な概念を実生活に反映させたり、自身の在り方の根拠にしようとしているのを興味深く読んだ。哲学は実学なのだ。

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2025年11月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

勉強になった。
特に、脱構築、相対主義、仮固定、近代的有限性、メイヤスーによる世界の偶然性などは、日頃の考え方にまで影響を与え、僕が(稚拙ながらも)書いているエッセイにも影響を与えたと思う。
また千葉雅也の本を読もうと思う。
しかし、難しかったのは事実であり、哲学を専攻することは難しそうだと感じた。

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2025年10月03日

Posted by ブクログ

内容ほんの少ししか理解できなかったけど、、、各まとめの章でなんとなく理解した気になってとりあえず通読はしてみた

でも、最後の1ページを読んでこの本を購入した当時の自分の助けを思い出せたから、読んでよかったということにする

『身内の根底的な偶然性を肯定すること、それは、無限の反省から抜け出し、個別の問題に有限に取り組むことである。』

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

「この本は現代思想に入門する本です。」
現代思想に入門してみようと軽い気持ちで手に取ったのが、間違いだった。
平易な言葉の文章なのだが、行きつ戻りつ読む。
分かったよう分からないような。
予備知識のない者が、読むとこうなってしまうのか。と打ちのめされてしまった。
二項対立、脱構築…
この本の帯に東大、京大1位 10万部突破のあるけど、みんなこのレベルの本をスイスイ読んでいるなんてほんと凄いね。
付録に、現代思想的な文章の読み方のコツが記載さらている。
「細かいところは読み飛ばす。一冊を最後まで通読しなくてもいい。」を読んで少し救われた気分になる。

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2025年07月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 「現代思想」とは、1960年代〜90年代を中心に主にフランスで展開された「ポスト構造主義」哲学の別名である。本書は、主にジャック・デリダ、ジル・ドゥルーズ、ミシェル・フーコーという3人の哲学者が打ち出した概念を振り返ることを通して、現代思想の潮流をざっくりと掴むことに主眼を置いている。全体的に読みやすい構成で、著者自身が本書を「入門のための入門」と位置付けている通り、この本を出発点として現代思想に関する様々な書籍に接続できる、そんな良書である。本文中におすすめの入門書を記載してくれている点も親切だ。
 さて、少しだけ内容に触れておく。本書によると、現代思想を捉えるうえで最も重要なキーワードは「差異(difference)」である。これに対立する言葉は「同一性(identity)」だが、現代思想では、"差異を強調し、一つの定まった状態ではなく、ズレや変化が大事だと考える"。ここで押さえておくべき点は、現代思想は決して同一性を否定しているわけではないということだ。我々はつい物事を二項対立的に捉え、どちらか一方が"正しい"と結論付けがちだが、現代思想は差異と同一性という対立概念を"脱構築"することによって、我々の思考を次のステージへ連れて行ってくれる。私は本書を初めて読んだとき、現代思想は東洋的な思考の仕方に近いという印象を持った。東洋には古来より、二項対立に還元されない思考法がずっと根付いている。それを編集工学者の松岡正剛は、「別用の可能性(contingency)」や「デュアル・スタンダード」という概念で表現した。あるいは、西田幾多郎の「絶対矛盾的自己同一」も近いニュアンスを持っているだろう。
 このように、本書は我々自身について考えるうえでも重要な示唆をもたらしてくれる。今世界には、解決すべき重要な問題が山積しているが、現代思想的な思考法は、有効な解決策を見出す鍵になるのではないかと感じた。

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2025年07月06日

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