エレクトリック

エレクトリック

1,650円 (税込)

8pt

1995年、雷都・宇都宮。高2の達也は東京に憧れ、広告業の父はアンプの製作に奮闘する。父の指示で黎明期のインターネットに初めて接続した達也は、ゲイのコミュニティを知り、おずおずと接触を試みる。轟く雷、アンプを流れる電流、身体から世界、宇宙へとつながってゆくエレクトリック。新境地を拓く待望の最新作!

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エレクトリック のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年08月31日

    短編で川端康成文学賞の受賞経験のある著者。そして今回は芥川賞候補作品の今作。
    たしかに捉えどころがない感は川端康成の小説を読んでいるときの、それと近い。
    著者とは同い年のため、1995年の頃のバブルが弾けた後の社会のざわついている感じや、インターネット黎明期という未知のものへの期待感、それに逆行した...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年07月10日

    「デッドライン」「オーバーヒート」と進み、今回は主人公が高校生。「デッドライン」で孵化しかけて、「オーバーヒート」で蝶々になって、この「エレクトリック」はさなぎという感じ。高校生なので家族と住んでいて、そのかかわりを丁寧に描く。最後には自らを目覚めつつある性への扉に近づく。

    舞台は宇都宮。雷都に雷...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年07月10日

    まずはじめに否定しておきたいのだが、この作品の紹介で、男性同性愛者と知り合う(かもしれない)男子高校生、という記述があり、この作品はその様な事象を主な題材とした作品なのか?、と捉えてしまいそうになるが、それは作中の主人公の好奇心の一端であり、決してそれが主題では無い。

    主題、と言うか時代背景、は1...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年07月07日

    つい先日、金原ひとみさんが編んだ『私小説』で覚えたばかりの著者のことを、ポリタスの石井千湖さんが紹介していたので読んでみることに。
    小説の舞台となった時代、大きな出来事が起こったあの年のこと。激しい雷鳴やインターネットの接続音が聞こえ、土地勘のある宇都宮の景色‥当時、暮らしの中で見聞きしたニュース、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年07月02日

    ギリ幻想じゃない平成について、懐かしさと憧れを感じてしまった。エヴァをリアルタイムで触れる高校生。それらの固有名詞に一定の距離感を持ってる感じも、潔さがあっていい感じもした

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    Posted by ブクログ 2023年06月26日

    1995年、この年は本当いろんな出来事があった。
    地下鉄サリン事件、阪神淡路大震災など、目まぐるしく変わる日常のなか、本作は、そんな時代背景をもとに、東武宇都宮駅中心に物語が進んでいく。主人公達也は、父、母、妹の4人家族で高校生だ。父は、広告業で、自分で会社を経営している。ある時、父は取引先のために...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年12月12日

    うわ、難しい。勉強ができる男子高校生。実体験に基づいている部分もたくさんありそうな具体的なエピソードの数々。父の会社の動向、自分の性的傾向への疑問、ややヒステリックな母の不可解な怒りのトリガー等。一触即発のような何かが変わりそうな不穏な雰囲気が漂っている。雰囲気は好き。

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    Posted by ブクログ 2023年11月06日

    特に何と起きずに終わる。割とゆったりした話。野村さんは一体どうしたのか。父との微妙な敬愛しているが微妙な関係と揺れ動くセクシュアリティが描かれる。

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    Posted by ブクログ 2023年09月03日

    高2の頃の、子供と大人の間にある不安定な時期に感じる微細な違和感や感覚などが言語化されているように感じた。

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    Posted by ブクログ 2023年08月25日

    バラバラの部品、でも確かに一つの何かを構成するものを都度都度渡されて組み立てる。もちろん順番通りではなく、形にハマらない時は見送って次の機会を伺う。ような、全体を通してエレクトリックなもので、順次増えていく部品のような物語たち。しかし、僕には上手く組み立てることができなかった。

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