プロフィール
- 作者名:桜木紫乃(サクラギシノ)
- 性別:女性
- 生年月日:1965年04月01日
- 出身地:日本 / 北海道
- 職業:作家
北海道釧路東高等学校卒。2007年に『氷平線』で単行本デビュー。主な作品には『雪虫』、『霧灯』、『ラブレス』などがあり、数々の賞を受賞している。2013年『ホテルローヤル』で第149回直木賞受賞。
配信予定・最新刊
作品一覧
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-『ラブレス』『ホテルローヤル』等、家族の光と闇を描き続ける直木賞作家・桜木紫乃のルーツ! 夢に生き、夢に死ね―― 昭和の北海道。 己の城を求め、男は見果てぬ夢を追う。 【著者コメント】 書きながら改めて、生きることは滑稽だと感じました。 滑稽でいいと思うところまで、書けた気がします。 やせ我慢人生を歩いてきたすべての先人に、愛を込めて――人生劇場。 何もかもが赤く染まった鉄鉱の町・室蘭。 四人兄弟の次男に生まれた猛夫は、兄にいじめられ、母には冷たくあしらわれながら日々を過ごしていた。 心のよりどころは食堂と旅館を営む伯母のカツ。やがて猛夫はカツのもとで育てられることになる。 中学卒業後、理容師を目指し札幌に出た猛夫だが、挫折して室蘭に帰る。 常に劣等感を抱えるようになった猛夫は、いつか大きくなって皆を見返してやりたいと思うように。 理容師として独立、ラブホテル経営と、届かぬ夢だけを追い続けた男の行く末は。 自身の父親をモデルに、直木賞作家・桜木紫乃が北の大地で生きる家族の光と闇を描く。 【目次】 一章 鉄の町 二章 修業 三章 別れ 四章 長男 五章 夫婦 六章 闘い 七章 新天地 八章 落城
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3.8岐路に立ち、惑う人々に贈る 喪失と再生の記憶。 この物語は、あなたの明日をやさしく照らす―― 絵本作家として活躍する高城好子はかつて美弥子の継母だった。 漫画家のアシスタントを生業とする美弥子は、旅の誘いを受けて再会した好子が余命幾ばくもないと悟る。 共同制作したいという好子の望みを叶えるため、 “母”と“娘”は湖畔のホテルで絵本『あお』の構想を深め合う……(「青い絵本」)。 作家、編集者、セラピスト、書店員――さまざまな形で絵本に関わる人々が、絵本を通じて過去と対話し再生する姿を、静謐な筆致で紡ぎ出す。 表題作ほか全5話収録、短編の名手が、人生の光と影を描いた珠玉作品集。
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3.7誰にも負けなかった釧路の女が、最後に守りたかったもの 釧路の街を裏社会から牛耳る影山莉菜は、ある青年を代議士にしようとしていた。人を裏切り、裏切られてきた女が最後に見た景色とは。 父の死という重い十字架を背負った女・影山莉菜は釧路の街を裏社会から牛耳っていた。亡父である博人の血をひく青年を自らの後継者とするため、代議士への道を歩ませようとする。だが、かつてのやり方では街を支配できなくなり、後継ぎとなるはずの青年も……。裏切りに直面した彼女が、人生の最後に見た景色とは。解説・宇垣美里 ※この電子書籍は2021年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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-終点はやがて、始まりの場所となる――。人生の終わりに向かう男女が、果ての街で出会い、分かち合ったものは。直木作家の代表作! 愛する女性を失い、己を罰するように生きてきた鷲田完治。国選弁護人として静かに暮らす彼の前に、弁護を担当した椎名敦子が現れる。ある人を捜してほしいという。個人の依頼は受けないはずだったが、寄る辺のない彼女の人生を知り、やがて完治の心は動き始める(表題作「起終点駅」)。北海道に生きる人々の孤独と光を描いた名篇集。 解説は本屋大賞作家・町田そのこ氏! 24年5月から桜木紫乃、4作連続刊行! 第一弾『凍原』、第二弾『氷の轍』に続き、本作『起終点駅 ターミナル』、8月『霧』と続きます。
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4.0新たな刑事の名は、大門真由―― 寒風吹きすさぶ釧路の海岸で他殺体が発見された。被害者は札幌の元タクシー運転手・滝川、八十歳。生涯独身で身寄りもなく、自宅からは北原白秋の詩集『白金之独楽(はっきんのこま)』が見つかる。先輩刑事の片桐とともに捜査にあたる真由は、孤独な老人が最後に縋ろうとした恋心を糸口に、事件を紐解いてゆく。 直木賞作家が放つ長編ミステリー、北海道警釧路方面本部シリーズ第2弾! 解説は本作をドラマ化した映画監督の瀧本智行氏! 24年5月から桜木紫乃、4作連続刊行! 第一弾『凍原』、第二弾『氷の轍』に続き、7月『起終点駅 ターミナル』、8月『霧』と続きます。
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3.6「わたしの背中、こわいですか」気高く生きる女との邂逅を描いた大人の物語 アイヌ紋様デザイナー・赤城ミワ。 彼女といると、人は自分の「無意識」に気づいてしまう。 自分の気持ちに、傷ついてしまう――。 そして、彼女は去ってゆく。忘れられない言葉を残して。 桜木紫乃の真骨頂、 静かに刺してくる大人の物語。 (収録作) 「谷から来た女」…2021年。大学教授の滝沢は、テレビ局の番組審議会でミワと出会う。大人の恋愛を楽しむ二人だったが…。 「ひとり、そしてひとり」…2004年。アクセサリーショップとセクシーパブで働く千紗は、夜のすすきのでデザイン学校の同期・ミワと再会する。 「誘う花」…1999年。教育通信の記者・譲司は、取材で出会ったミワの弟・トクシがいじめられていることに気づく。 「無事に、行きなさい」…2015年。レストランシェフの倫彦は、ミワとの将来を信じながらも、どこか遠さを感じている。 「谷へゆく女」…1982年。母を亡くした中川時江は、高校卒業と同時に、文通相手の赤城礼良を頼って北海道へ向かう。 「谷で生まれた女」…2023年。北海道テレビプロデューサーの久志木は、ミワのドキュメンタリーを撮影するが…。
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4.2「あんた、葬式来る?」博打うちだった父の訃報を聞いても、キャバレーの下働きで糊口をしのぎ、廃屋のような寮に帰って寝るだけの章介の生活は何も変わらなかった。しかしこの年末は、キャバレーに出演する3人の芸人が、1か月共に寮で暮らすという。手品ができないマジシャンに女言葉の男性歌手、年齢不詳の踊り子。苦労の多い人生を送りながらも毎夜フロアを沸かせる3人に囲まれ、やがて章介は「淋しい」という感情を思い出していく――。舞台で出会った4人の共同生活が、1人の青年の人生を変えてゆく。 『家族じまい』『ホテルローヤル』の桜木紫乃が贈る、著者史上一番笑って泣ける”家族”小説。
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3.6\「泣いてしまった!」と共感の声が続々/ 直木賞作家と人気写真家が贈る 心に寄り添うフォトストーリー ・みんなさまざまな「いま」を乗り越え、「よく生きる」道を歩んでいるのです。五十代の私もそんな『彼女たち』のひとりなんだ。今日を楽しみ、笑って明日を迎えたらいい―。(おーちゃん) ・今、入院生活を送っています。天井を見上げる日々のなか、何気ない日常の匂いを思い出し、優しい気持ちになりました。元気をくれたこの本を、誰かにプレゼントしたい。そんな優しさの連鎖が続くといいな。(あおい) 人間関係につまずき、ひとりぼっちを選んだイチコ。「自分のために、納得ゆくまでやってごらんよ」のことばに背中を押されて生き方の舵を切り直した彼女は、一匹の猫との出会いで新たな感情を手に入れる。イチコ、モネ、ケイ。年齢も生い立ちも異なる三人の女性の物語。それぞれやっかいごとを抱える彼女たちの人生は、とある喫茶店でかすかに交わる。店でひととき過ごしたあと訪れる、ささやかだけれどたしかな変化とは。 ひたむきに、今を生きるあなたに届けたい。読んだあと誰かに贈りたくなる一冊。 * 中川さんの作品集をはじめて開いたとき、「きれいな空をもった人だな」と感じました。空に誘われ、大切な友人を想いながら書いていたら、贈りたい人の顔がたくさん浮かぶ一冊になりました。私も光を求めて生きる「彼女」のひとりでした。 (桜木紫乃) 紫乃さんの切り取る「彼女たち」の日々。それぞれの目に映る色や光を思いました。今日も赤く暮れていく空の下、彼女たちは自分の歩幅で進んでいるのでしょう。わたしは、どんなふうに歩いていこうか。今日をどう、始めようか。気づけばわたしも「マサコ」として、この物語の中で息をしていました。 (中川正子)
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3.6現代人気作家7人の豪華恋愛アンソロジー 恋という言葉では到底つつみきれない、たくさんの感情と人生のシーン。 第一線の現代人気作家たちの手で紡がれる、繊細で豪華なアンソロジー! 島本理生『最悪よりは平凡』 特別な名を持つ平凡な容姿の私。唯一無二の存在になるにはどうすれば。 綿谷りさ『深夜のスパチュラ』 バレンタインに手作りチョコを!壮絶な一夜の奮闘の結果は? 波木銅 『フェイクファー』 大学の手芸サークルで知った着ぐるみの魅力。数年後…… 一穂ミチ『カーマンライン』 日米で分かれて育った双子のケントとアサミが19歳で再会した。 遠田潤子『道具屋筋の旅立ち』 容姿に関して隠したい過去を持つ優美は、初めての彼氏の言いなり。 桜木志乃『無事に、行きなさい』 アイヌの人気デザイナー・ミワと、シェフの男。レストラン改装を境に二人は。 窪美澄 『海鳴り遠くに』 夫を亡くし海辺の別荘地ですごす私は、彼女に出会ってしまった。
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3.8霧たちこめる釧路で生まれ、貧しく苛烈な少年時代を経て、男は、自らの過剰な指を切り落として、夜の支配者へとのし上がる──。 男の名は、影山博人。 最初の物語は、没落した社長夫人が、かつて焦がれた6本指の少年の訃報を新聞に見つけるところから始まる。 同衾した女をみな翻弄し、不意に姿を消してしまう正体不明の男であり、故郷に戻った後、暴力で容赦なく人を支配する黒い権力者。 不思議な魅力あふれる影山の、15歳、19歳、27歳、32歳、そして、40手前から52歳までの8つの時期を、時々に出会った女による語りで構成。 ――はたして、影山博人は、外道を生きる孤独な男なのか? それとも、女たちの「夢」の男なのか? 影山と関係するそれぞれの女たちは皆何かしら困窮している。死別で、離婚で、借金で……誰かや何かにすり減らされてひりひりと痛むような乾いた心を持っている。(中略)そこにある程度の「まっとう」を手に入れ、今もなお貪欲に模索している影山が現れる。ひかれない訳がない。(中略)もしかすると、影山の指が六本なのは、より多くの困窮にあえぐ者にチャンスを与えるために余分に備わったのではないかとすら思う。 (壇蜜・解説より) デビュー10周年の著者による、新境地にして、釧路ノワールの傑作! 「謎」の男をめぐる、八人の女たちの物語。 ──俺には、白と黒しか要らないんだ
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3.3小説誌の雄『オール讀物』編集部がお贈りする、文藝とエロスの豪華絢爛コラボレーション! 近年オール讀物が掲載した、性とエロスの香り漂う創作や特集記事を再編集し、一冊にまとめたのがこの『エロスの記憶』です。まずは創作。小池真理子、桐野夏生、村山由佳、桜木紫乃、林真理子さんの女性作家陣が妍を競う一方で、野坂昭如、勝目梓、石田衣良、山田風太郎という重量級の男性作家陣も、練達の筆でときに熱く、ときにねちっこく性を描きます。 特集記事は、女優の岸惠子さん、サッカー元日本代表監督フィリップ・トルシエ氏、池田満寿夫・佐藤陽子夫妻といったバラエティ豊かな人選。渡辺淳一×弘兼憲史、東海林さだお×鹿島茂など対談も充実。「飛田新地の『写真屋』」(井上理津子)、「『フランス書院』の秘密」(北尾トロ)など、性の深淵に肉薄するルポものも満載です。 かつて小説雑誌が全盛だった昭和40年代、その一翼を担ったのが他ならぬ官能特集でした。それから半世紀近く経ちましたが、いかなる世であっても男女の仲に秘められた情理を描くのが小説の真髄。本書には、歴代オール讀物編集部がエロスの深淵を追求してきた、その熱気が横溢しています。『エロスの記憶』、どうぞお楽しみください!