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Posted by ブクログ
人それぞれいろんな事情ってのがある。離婚したことにも、財産を失ったことにも、借金をしたことにも、教え子とともに命を絶ったことにも。後になってから 表層的な結果だけを見て 批判を加えることは誰にでもできる簡単なこと、だけれど、それは同時に一種の暴力だ。たとえ他者から見て 理性を欠いた、不可思議な、あるいは異常な成り行きを選んでいても、その当事者からすれば その時、その場所で、その状況においては他に選択の余地がなかった、最良の選択だったということもあり得るのだ。人生の成功以上に 失脚・零落にもその背後には 芳醇な人生のドラマがある。「人生はチョコレートの箱、開けて食べてみなくちゃ味は分からない」(映画 フォレスト・ガンプ) 他者の人生を安易に批判せず、決めつけず、そこにどんな深い味わいがあるのかと想像する人になりたい。
全体を読むと
一つ一つの物語がそれとなくつながっていて、時間の流れもさまざまで、それが読者にその間の出来事を想像させる。そんな全体の構成はすごいと思う。
Posted by ブクログ
釧路にあるラブホテル「ホテルローヤル」を舞台に、世界の隅っこで生きる人の物語が、短編が進むごとに時間を遡りながら展開します。
私が読んだ文庫本は、この本のサムネとは違っていて、大きなベットの上で女の人が膝に頭をつけて体育座っているものです。
窓からは日が差していますが、なんとも物悲しい表紙です。
この物悲しさが短編に共通する寂しさ、虚しさ、鬱々とした雰囲気にぴったり合っています。
大吉が仕事や自分の家族、愛人を丸ごと抱えるつもりで始めたホテルローヤルが、最終的に冒頭の短編では廃墟となっているのが虚しくて、人生の盛りや陰りを感じられ、なんともいい感じでした。
桜木紫乃さんと言えばタミヤTシャツ姿が思い浮かぶのですが、その桜木さんからこういう物語が生まれるのがまた面白いです。
Posted by ブクログ
廃墟になったラブホテルを舞台に、そこに積み重なった人間ドラマを少しずつ遡っていく構成が印象的でした。
短編ごとに時代が逆流するように進んでいくので、読みながら「この場所にはどんな人生があったのだろう」と覗き見している感覚になります。
地方を旅するときに、車でラブホテルの廃墟を通り過ぎることありますが、これまではただ通り過ぎるだけの建物にも、実は多くの人の孤独や愛情が刻まれているのかもしれないと思うと胸に迫るものがありました。
物語の中でホテルが廃業するきっかけとなる出来事に触れたとき、断片がつながって「そういうことか」と腑に落ちる瞬間があり、胸がキュッと締め付けられました。
毎日、うまくいかないこと・納得いかないこと沢山ありますが、前を向いて頑張ろうと思いました。
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