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「あんた、葬式来る?」博打うちだった父の訃報を聞いても、キャバレーの下働きで糊口をしのぎ、廃屋のような寮に帰って寝るだけの章介の生活は何も変わらなかった。しかしこの年末は、キャバレーに出演する3人の芸人が、1か月共に寮で暮らすという。手品ができないマジシャンに女言葉の男性歌手、年齢不詳の踊り子。苦労の多い人生を送りながらも毎夜フロアを沸かせる3人に囲まれ、やがて章介は「淋しい」という感情を思い出していく――。舞台で出会った4人の共同生活が、1人の青年の人生を変えてゆく。
『家族じまい』『ホテルローヤル』の桜木紫乃が贈る、著者史上一番笑って泣ける”家族”小説。
Posted by ブクログ 2024年04月04日
今年のベスト10ランクイン候補!
この、物哀しいのに明るい、そして前に進んでいく話、大好きだ♡
桜木紫乃作品は3冊目、初の明るい作品。
舞台は作者出身地の釧路のキャバレー『パラダイス』
主人公はそこで下働きをしている青年:章介。
パラダイスに年末年始のショータレント3人がやって来る。
北東の...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月25日
久しぶりの桜木紫乃に、あぁやっぱり私が読みたい作家だと思っていたのに、しばらく進むと桜木紫乃を読んでいるということを忘れてしまいました。まるで高殿円の『グランドシャトー』を読んだときと同じ高揚感に駆られる。
博打のためなら女房も売るような人でなしの父親が死に、母親とも離れてキャバレーに勤める章介。...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月07日
「ボンと師匠とソコ•シャネルとひとみさん」
ギャンブル好きの父親 苦労させられる母親の姿を見て育った章介。幼少期家族との思い出も…。
言われるがまま人情薄く気がつけばヒモと思われても仕方がない生活。そんな彼がパラダイスに雇われたタレント個性豊かな3人と出会い賑やかな生活で人との出会い、別れが近づく寂...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月04日
カバーに惹かれて読みました。
桜木紫乃さんの作品は「ホテルローヤル」以来。
「ホテルローヤル」があまり私にはフィットしなかったので、この作品はどうかな?と思っていたけど、良かったです!
読み始めてすぐは章介の暮らしぶりの描写から湿っぽいお話かな?と思っていたけど、ショーに出演する3人が登場して章介と...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月05日
題名に惹かれて読み始めた、初・桜木紫乃さん。読み終わりに「師匠〜」と章介の視線と重なって涙が出てしまった。
昭和の終わり、極寒の地、道東の港町にあるキャバレー「パラダイス」が舞台。
博打うちの父が亡くなりようやく解放された母から骨つぼを押し付けられ、綺麗好きなひとなら気絶しそうな寮で寝起きしている...続きを読む
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