無垢の領域

無垢の領域

693円 (税込)

3pt

道東釧路で図書館長を務める林原を頼りに、25歳の妹純香が移住してきた。生活能力に欠ける彼女は、書道の天才だった。野心的な書道家秋津は、養護教諭の妻伶子に家計と母の介護を依存していた。彼は純香の才能に惚れ込み、書道教室の助手に雇う。その縁で林原と伶子の関係が深まり……無垢な存在が男と女の欲望と嫉妬を炙り出し、驚きの結末へと向かう。濃密な長編心理サスペンス。

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無垢の領域 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    桜木紫乃にはまりつつある。
    中年の男女がメールの行間を読んだり嫉妬したり絶望してたり、じめっとしてるけどリアルな人間模様の作品。このまま終わっていくと思ったら、中盤とラストで2段階の衝撃にやられた。秋津のその後が知りたいような知りたくないような。
    発達障害で、若く純真無垢な純香を介して、周りの大人た

    0
    2022年01月24日

    Posted by ブクログ

    純香と龍生の母、それぞれの家庭が持つ闇の部分をうまく表現している。

    最後がすごい純香からの龍生へのプレゼント!
    こんな展開があるなんて!!!

    桜木紫乃のすごさを見た。

    0
    2017年05月16日

    Posted by ブクログ

    覚悟はしていたけど、
    重く苦しく悲しかった
    それでも、桜木さんの小説は
    読もうと思わせてくれる力強さがある
    純香を思う、気持ちや葛藤
    寝たきりの母親と息子の静かな駆け引き
    なみだがとまらなくなりながらも
    ゾッと背筋が寒くなったりして
    人の心の奥底のこわさが辛かった

    0
    2016年02月08日

    Posted by ブクログ

     うわ〜…面白かったです。
    他の方々の評価は、低めな印象でしたが、十分に面白かったと思います。

     じっとりした展開で、秋津親子にはずっと嫌悪を感じながら読みました。最後の展開も、あ、なるほど…と納得。伶子さんが秋津と離婚したら、幾分気持ちがスッキリするのに…とモヤモヤ。でも、最後の展開が周囲に発覚

    0
    2025年11月20日

    Posted by ブクログ

    結末は終わりではなく、始まりである。

    思えば、この作品においてはすべてがそうかもしれない。
    何かが終わること、それは取りも直さず、何かの始まりとまったくの同義なのだ。

    全体の作りとしては、上質な、けれどももどかしい、大人の恋愛である。
    大人の恋愛と本来は相反するプラトニックな愛と交流が(途中まで

    0
    2020年06月30日

    Posted by ブクログ

    本のタイトルにピッタリの話。無垢の領域がひたひたと広がり周りを侵食していく。桜木紫乃さんの人の心の動きを丁寧に書いてるところが好き。しかし呆けてる事を装いながら生活するほどの念、欲望って末恐ろしいわ。。

    0
    2018年11月29日

    Posted by ブクログ

    桜木さんらしい抑えた筆致は林原兄妹と秋津夫妻が出会ったことで、何かしら不幸なことが起こることを最初から予感させる。信輝、伶子、龍生の悩み揺れる心理描写に、いつ不幸が起こるのかと身構えながら読んでいる部分がありました。若干引っ張りすぎで冗長かなとも思えますが、1か所だけ純香の視点を入れたのは効果的だっ

    0
    2016年05月31日

    Posted by ブクログ

    大人の男と女、ある時は自ら共鳴し、そしてある時はすれ違う。そんなどうしようもない、滑稽ですらある交わりが一人の純粋無垢な女性を媒介にして饒舌に語られる。ちょっとした心の揺らぎや迷いを掬い上げる言葉の数々が鋭く迫ってくる。

    0
    2016年04月17日

    Posted by ブクログ

    違う人間の価値観で作られる違う人生が混ざり合う物語。
    小説は1つの事件に全員が巻き込まれる形式が多いけど、この作品はそれぞれに事件がある中で全員がゆるく絡み合い、人生、という感じがした。

    自分の卑屈さを紛らわすために、より惨めになりたい気持ち。
    自分の冷たさに気づかないように傷を求める気持ち。

    0
    2024年07月24日

    Posted by ブクログ

    北海道の地方を舞台に鬱屈した想いを抱えた三者三様な登場人物による愛憎劇とでも言おうか
    主要登場人物3人誰もが煮え切らず共感はしにくいが、ストーリーとしては読ませる

    0
    2021年11月15日

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