桜木紫乃のレビュー一覧

  • 異常に非ず

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    久しぶりの桜木作品。
    発売日のサイン会で桜木紫乃先生にお会いできた。
    少しだけお話できる時間をとってくださった。
    わたしは緊張しすぎて上手く話せず、大好きな作品「ブルース」の影山博人に惚れました。といきなり言った。それでも先生は優しく、「いつもだらしない男ばかり書いてたから、たまにはいい男を書いてみたかったのよ」とおっしゃった。またあんな過激なものが好きなのねとも。おだやかで気さくな方だった。
    異常に非ず、、淡々と語られる犯罪に至るまでの日々。良いことが一つもない人生を生きた親子の哀しみなのか寂しさなのか諦めか、何とも言えない空気が全編にわたって感じられる。すべてをなくし何もない男は、大きな事

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    2026年07月12日
  • 異常に非ず

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    1979年1月、大阪の三菱銀行の支店に男が侵入し、強盗を試みた末に警官2人と行員2人を猟銃で射殺して立てこもる事件が起きた。犯人の梅川昭美(30)は42時間の籠城の後、警察に射殺された。日本犯罪史上に残る極めて重大な事件だった。
    この事件を題材にした作家の桜木紫乃さんの最新作「異常に非(あら)ず」が新潮社から4月に刊行された。
     桜木さんはかつて事件を取材した元毎日新聞記者との話が、本書を書くきっかけになったという。毎日新聞は事件後、梅川の生い立ちから籠城、射殺までを追った連載記事「破滅」を載せた。その連載をもとに全文をあらたに書き下ろした「破滅 梅川昭美の三十年」(毎日新聞大阪社会部編、19

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    2026年07月11日
  • 異常に非ず

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    「オレは精神異常やない。道徳と善悪をわきまえんだけや。」
    実際に起きた昭和54年の三菱銀行人質事件をモチーフとした小説。

    射殺された犯人の生い立ちを取材する新聞記者たち。四国の実母、前の愛人。
    同世代の記者が自分と同じような生い立ち、時代背景からオーバーラップしていく犯人の人生。事件そのものより、犯人の周りの人物の描写がほとんど。

    「あいつは異常やない。事件の芽になるもんを突き止めなかったら、ブンヤの看板が泣くで」
    骨のある取材をする新聞記者がまだ存在した時代への壮大なオマージュ。

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    2026年07月08日
  • ラブレス

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    物語は、音信不通だった母・百合江の昏睡現場から始まります。理恵が従姉妹の小夜子と訪ねた町営住宅で、老衰した百合江が握りしめていたのは「杉山綾子」という名の位牌。理恵は、叔母の里美に促されてその位牌の謎を知る人物を訪ねていきます。ミステリーのような導入ですが、本書は百合江の生き様を描きながら「愛」の形を炙り出す物語です。
    北海道の開拓村で生まれた百合江は、奉公先を飛び出し、夢を追い旅一座に弟子入りします。一座が解散すると、百合江は弟弟子の宗太郎と深い仲になり綾子という娘を授かりますが、宗太郎は姿を消してしまいますーーーー

    百合江や妹の里美、そして母のハギは苦労します。ハギに至っては文盲でルコー

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    2026年06月30日
  • 氷の轍

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          他ト我 北原白秋

         二人デ居タレドマダ淋シ、
         一人ニナッタラナオ淋シ、
         シンジツ二人ハ遣瀬ナシ、
         シンジツ一人ハ堪エガタシ。

    冒頭に書かれているこの白秋の詩で物語が始まる。
    もうわたしは曇天の暗い北海道に迷い込む…
    期待を裏切らない桜木ワールドの幕開けだ!!


    この作品は前作「凍原」の第二弾であり、北海道警釧路方面本部シリーズです。

    主人公を変え、一作目のバディだったキリさんが今作の主人公と組むといった設定です。
    キリさんがサポートしながら主人公の女性刑事が成長していくのも物語の重要ポイント。

    事件は北海道の海で発見された身元不明の老

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    2026年06月24日
  • 異常に非ず

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    ネタバレ

    昭和54年の銀行立てこもり事件をモチーフにした作品。凶悪な犯人の男に焦点を当てつつ、その母親と、男の元交際相手の女の人生をたんねんにつづったフィクションだ。四十路でうまれた念願の男児がどんどん粗暴に、荒れていくさまをどうしようもなくなすがままにせざるを得なかった母親。男は重大な犯罪をおかした後に親元をはなれた。大阪へ出て女に会う。母親、女の人生を狂わせながら破滅する男。男の振る舞いにときに目をそむけたくなる。著者の筆致、関西弁の巧みさでぐいぐい読ませる。舞台回しは記者たち。いい味を出していた。

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    2026年06月22日
  • 家族じまい

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    どんな話なのかな〜と読み始めた。
    人物ごとに章があって、どれもやはりちゃんとおもしろいと思った。すごいなぁ。

    認知症は辛い。

    これから先の親のこと、自分のこと、夫婦のこと、子どものこと、いろんなことが頭に浮かんできて、考えさせられる。不安になるねぇ。

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    2026年06月10日
  • 異常に非ず

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    さすが直木賞作家 うまい!の一言 随所に散りばめられる心に沁みる感情表現 そう来たか! 読みながら 筋書きを追いながら ついメモをしたくなる箇所あり
    社会の底辺に生きる人々たち どうやっても這い上がれないと悟った時 人はどう生きるのだろうか 深く考えさせられた本だ

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    2026年06月07日
  • 蛇行する月

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    がむしゃらに純粋に生きる順子。
    周りはバカにしたり下に見ているのに、何故かそう感じている自分自身に寂しさや虚しさを感じる友人たち。
    目に見える分かりやすいものが幸せとは限らなくて、自分の幸せの定義は自分が決める軸を無理せずに貫いている。
    いくつになろうと、その順子の姿を見て周りが1歩踏み出して行く姿が勇敢で素敵でした。

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    2026年06月03日
  • 異常に非ず

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    ネタバレ

    1979年「三菱銀行人質事件」主犯の花川清史、当時30歳。母カヨは73歳、戦前生まれ身売りされる時代に育った事で体は丈夫だが無学、と繰り返す。花川清史と暮らしていた亜紀はカヨをちっさいおかあさんと慕う。二人とも暴力ヒモ男から縁を切れない共通点を持つから、だけではない結びつきを感じた。事件も、カヨの人生も、亜紀の人生も、ブンヤの近藤、清史と同い年の海原将志も。誰一人幸せな人がいない本を書くには、桜木紫乃以外にはいない。今回の作品はずっしりキツイ読書時間だったがさすが!の素晴らしい作品。破滅-梅川昭美の三十年も読む予定。

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    2026年05月29日
  • 青い絵本

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    最初ページを開いた時は「スカスカだな」と思った。行間が思いの他取り過ぎてるのだ。タレント本に多いパターンで桜木紫乃さんどうしたの、と不思議だった。
    五篇全ての作品を読み終えて知った。この行間は計算されたものであったのだった。いずれの作品も読みごたえがあったが、表題の「青い絵本」にはより深い感動を覚えた。

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    2026年05月25日
  • 異常に非ず

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     銀行人質立て籠り事件の詳細が描かれているものと思っていたが、事件そのものについては全くと言っていいほど触れられておらず、犯人、その母、その愛人、事件の背景を追う記者達とその家族が複合的かつ丹念に描かれた力作。
     章立てがなされていないのは、若干読みにくい。

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    2026年05月21日
  • 異常に非ず

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    読み終わったあとでこれが実際に起こった事件をモチーフにしていると知った。
    事件自体よりも、清史の生きにくさがすごく痛々しかった。遅くに生み目の中に入れても痛くないほど可愛がった母親の苦悩や、8年一緒に過ごした亜紀の追い詰められた感じが、読後もどんよりと頭の中に残る。

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    2026年05月20日
  • 異常に非ず

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    実際に起きた三菱銀行人質事件の犯人梅川昭美を題材にしているので、小説というよりも脚色あるノンフィクションの趣のある小説だった。

    「他人の痛みに無頓着で、いま自分がどう見えるかばかり気にしている」という花川清史を表す言葉が犯人像として印象に強く残る。
    直接的に犯人を描かず、母親と愛人から犯人清史の渇望や焦燥感を浮かび上がらせ、それぞれに息詰まった厳しさに逃げ道を失わせる。

    桜木紫乃作品としてはかなりハードな内容ではあるが、犯罪者の母親と愛人という女性の描き方が秀逸である。
    また、新聞記者の近藤も良かった。

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    2026年05月20日
  • 異常に非ず

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    文中の近藤こと近藤勝重さん。懐かしい名前が巻末の著書の献辞にあった。いまは無い名物番組TBSラジオ「荒川強啓デイ・キァッチ!」のコメンテーターや川柳選者として大好きな人物であった。あの近藤さんの大阪時代がいきいきと活写されていて、主題と合わせて感慨深く読んだ。

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    2026年05月16日
  • 裸の華

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    自分にとって忘れられない一冊に出会えたという確信がある。気概に溢れ、今を今と割り切るさっぱりとした心を持っている登場人物たちがみな本当にかっこいい。私は禁欲的な生活をしている女性に(現実でもフィクションでも)とても憧れるので、自分の背筋もすっと伸びるようだった。物語の閉じ方も美しい。すべてを読者の想像に任せるのではなく、書くべきところまではきちんと書ききって、いつまでも心の中に余韻を残してくれた。映像化したらどんな深みが出るだろうと思う。期待したいしたいし、桜木さんの作品をこれからも追い掛けていきたいと強く思った。

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    2026年05月12日
  • ラブレス

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    友人に薦められ、というか、読んでみてと持って来てくれて……初・桜木紫乃さん
    最後の場面にぐぐっとくるから、と涙目で言われ、楽しみに読み始めました

    我慢強くたくましいオンナたち、そしてその周りのクズオトコ(その1、その2、その3……)、昭和といえどもこれはないだろう、と思われる環境や言動……
    私はとにかく、終始にわたってオンナたちの強さが心に残った

    そしてぐぐっときました、ゾワっときました、あの場面でのあのセリフ……スポットライトが当たっている2人の姿が浮かんだ
    余韻が長引く本でした

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    2026年05月08日
  • ヒロイン

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    ネタバレ

    サイン会で買って2年半ぐらい積んでたけど7月に文庫化するようだから慌てて読んだ。
    積んでたのを後悔するぐらい面白かった。

    訳も分からないまま追われる身になった主人公。
    周りに気づかれるのではないかと常にビクビクしながら暮らしていくのは息が詰まりそうになった。
    とはいえ優しい人や変わった人もいて教団にいた時より幸せだったのではないかと思えるほど。
    色んな人と出会って別れていくなかでどんどん本来の自分がなくなっていく虚ろさもあり読むのが止まらなかった。
    なぜこうなってしまったのか、いつまでこうしていくのか自問する主人公はそのまま読者の自分にも返ってくる感じがした。
    夢中で読んだけど、読後感は手か

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    2026年05月06日
  • 人生劇場

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    常に刺激を求めていく猛夫。理容師として大会での優勝を目指したかと思えば挫折。パンチパーマを北海道では先駆けて導入するも上手くいかず、遂には理容師を辞め、ラブホテル経営にまで手を出してしまう。嫁や子に手をあげるのは全く共感出来ないが、行き当たりばったりの様でも彼にしたら、その時はそうするしか無かったのだろう。まるで「横山やすし」だ。「ラブレス」「人生劇場」と読んだので「ホテルローヤル」も読まねばな。

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    2026年04月24日
  • 蛇行する月

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    自分の幸せとは何かを考えさせられる本になった。
    自分も他人と比較する癖があり、そこで優越感であったり、自分を卑下するなど、相手によって感情をコントロールされている。
    なので、この本の順子のように自分の幸せという核を知り、自分で自分の感情をコントロールしたいと感じた。

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    2026年04月19日