桜木紫乃のレビュー一覧

  • ラブレス(新潮文庫)

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    ネタバレ

    久しぶりに小説を読んで涙が溢れた。

    百合江と里美、理恵と小夜子、最初は誰がなんだか関係がよくわからなかったけど、みなさんそうみたいで安心した。人に勧めるときは最初にこの4人の説明だけしておきたいと思った。

    物語は杉山百合江の生涯を描いた大河小説って部類らしい。それがまぁ、あまりにも苦しくて苦しくて、気分が落ちてる時は読まない方がいい。元気な時でもパワーは持っていかれる。
    一生懸命読めば百合江が報われるんじゃないか、幸せになれるんじゃないかと信じて読み進めるけど、辛い経験しすぎ。多くは望んでいないはずの百合江なのに、なぜこんなに報われないものか。
    そう思って読んで、ラストシーンで涙がこぼれた

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    2025年12月12日
  • 氷平線

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    やっぱり好きだ!
    この曇天のような灰色で息苦しい、そして覗き見しているような生々しい背徳感。そんな桜木紫乃作品を無性に読みたくなった。

    6話短篇集は全部、北海道が舞台。
    ご出身の釧路だけでなく、十勝やオホーツク海の入江の町など。『雪虫』がデビュー作。

    閉鎖的な場所に留まる人、土地を捨てる人、行き場のない人。どの作品も完成度高い。哀しいけど逞しくもある男女の物語に、溺れそうになった。
    今年の上位に入る!

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    2025年12月12日
  • ホテルローヤル

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    ホテルローヤル・‥それぞれの短編が過去に遡ってゆく‥
    不思議で目が離せないそれぞれの人々。
    せんせぇ・・・の二人がここで‥‥
    不思議な穏やかさでそのまま静かに終わりました。

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    2025年12月10日
  • 人生劇場

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    桜木柴乃の小説には、不思議と引かれて読み進めてしまう魔力がある。猛夫、里美、駒子。猛夫を中心とした三人の生きざまに最後にはホロリとさせられる。

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    2025年12月09日
  • ホテルローヤル

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    初読み作家さん。Instagramで広告で出てきて気になったので読んでみました。
    時系列が現在~過去なので、次は章を逆にして読んでみたいな。
    静かな寂しい感じの本でした。人間ドラマで読みやすかったです。

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    2025年12月04日
  • 二周目の恋

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    ネタバレ

    かなりおもしろかった。個人的に好きだったのは最初のバーの男との話、お母さんに食べ物は残すなと言われて大食いを強制されてた女性の話、最後の海の同性愛の話でした。

    短編ものなので面白い話と面白くない話と私には共感できないな、と感じる話もありましたが、どれも楽しく読むことが出来ました。
    読みやすくわかりやすい読み物でとても良かったです。読み終わったあと、好きな人に会いたくなりました。

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    2025年11月30日
  • 氷の轍

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    面白かった。釧路を含め北海道を舞台にしたミステリー第2作目。

    シンジツ一人は堪へガタシ

    自分にも染みる。

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    2025年11月23日
  • 彼女たち

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    写真と絡み合う言葉がエモく切なく、孤独を溶かしてくれる。
    そんな本でした。


    コーヒーミルクに、ほんの少しの塩。
    きっと甘さだけでは人は慣れてしまうから、
    ほんの少しのアクセントを足すことで甘さが引き立つ。
    その時に、私は今幸せなんだと感じられるのかもしれない。

    女だからとか若いからとか、そんな簡単な言葉では片付けられない想いを、抱え人はきっと生きているから。
    たまには、自分をしっかり甘やかし自分と、会話しながら生きていきたい。

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    2025年11月15日
  • ヒロイン

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    渋谷毒ガス散布事件。指名手配された岡本啓美。名を変え他人を演じ続ける。
    心情を訴えかけるような書き味。共感できるかはさておき心を動かされる場面が多くあった。

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    2025年09月16日
  • 人生劇場

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    身勝手過ぎる猛夫の生き方に、巻き添えを食った妻娘らが痛ましい。また駒子も昔の情に絆され、波乱万丈の生涯を余儀なくされる。理容師の腕を磨き、家族を扶養し、弟子を育成し、師匠の恩に報いることが重荷だったのだろうか。いずれにせよ、暴力的な長兄一郎に近い、無謀な人生劇場に幕を下ろした猛夫。行間から哀しみが立ち昇るほどの素晴らしい筆致だった。

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    2025年09月06日
  • ラブレス(新潮文庫)

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    直木賞受賞の「ホテルローヤル」しか読んだことがなかったこともあって購読。
    人に薦めるのは「ホテルローヤル」だとしても、ずっと溺愛するのは今作だと思った。

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    2025年09月06日
  • ラブレス(新潮文庫)

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    ネタバレ

    すごい!これは一つの伝記のような物語。冒頭から引き込まれるタイプの話では無いけど、百合江と里実の幼い頃からの話を読んでいるうちにのめり込み始め、時々ある現代の描写に戻ってくると誰が誰の娘だっけ?この男性は?と確認しに戻り、また先を読み続ける。彼女の数奇な運命、親も含めた周りのひどい人たち。

    タイトルのラブレス、愛されない、愛のないというのは誰を指しているのか。心当たりが多すぎて…百合江と里実の親、宗太郎から綾子、高樹親子、里実から小夜子そして、ハギ

    百合江は許し、里実は許さないタイプ、姉妹のコントラスト、小夜子と理恵、そしてそれぞれの姉妹、絹子と綾子。理恵とババの関係、よかったな。そこから

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    2025年09月04日
  • 情熱

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    沁みる、沁みる。
    それぞれ独立した6つの短編、「兎に角」「スターダスト」「ひも」「グレーでいいじゃない」「らっきょうとクロッカス」「情熱」。一つの短編を読み終えるたびに、しばらく余韻に浸りたくなり、次の短編へとページをめくる手が止まります。
    桜木作品には『ホテルローヤル』をはじめ、「血」「業(ごう)」「因縁」「宿命」といったキーワードが思い浮ぶものが多いですが、主に60代前後、熟年から老境にさしかかる男女を扱ったせいでしょうか、この作品では、そういったドロドロとした関係性は少なく。もちろん全体を通して暗調で、突き抜けるような解放感はありませんが、柔らかな感じの作品集です。
    特に気に入ったのは「

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    2025年08月27日
  • 青い絵本

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    絵本が介在するとても素敵な短編集。
    ひとつひとつ優しく描かれていました。
    「卒婚旅行」「いつもどおり」「青い絵本」がとても良かった。

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    2025年08月26日
  • 情熱

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    ネタバレ

    2025/05/17予約1
    「グレーでいいじゃない」過去の作品に出てたあの人に再開できて、嬉しくなる。白黒つけないグレーをあえて選ぶことができるのがおとな。目指しているけど、なかなかできないな…
    「らっきょうとクロッカス」これも白黒つけたい、100点満点しか選べない裁判所勤務の女性が初めて挫折感を味わう。
    人生そんなことばっかり、そこでどちらを見て進んでいくか、年齢とともに損得だけでは動けなくなってくる、それがよくわかる短編集。

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    2025年07月27日
  • 青い絵本

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    もう若さはないが1日1日をただ出来る事をしてきた女性達がこの本の主人公 そしてそこには一冊の絵本が出てくる 表題になっている「青い絵本」文と絵が重なっていく様子に涙がでた 

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    2025年07月13日
  • 青い絵本

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    絵本がつなぐ人の思いを描いた短編集。
    桜木さんの文章は、読者の想像の余地をちょうどよい具合に残してくれていて、なんというか絵画みたいだな(美術のことは全く分からないけど)と常々思っていたけど、それをより強く感じた。
    親との関係や家族の死や、いろんなことが理由で立ち止まらざるを得なかった人たちが、時間をかけて自分を足止めさせていたことに向き合い、再び歩き出していく。
    そんなストーリーになんだか励まされているような気持ちになれた。

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    2025年07月10日
  • ホテルローヤル

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    7篇のショート短編集。
    最初の話で、舞台であるホテルローヤルはすでに廃業し、廃墟となっていることが示される。時代が逆戻りする構成で、読み進むにつれて、ホテルローヤルに関わってきた人たちのドラマがひとつずつ語られる。

    自分は一人旅が好きで、旅先ではよくホテルの廃墟を見てまわる。
    当たり前だが、どの廃墟にも、人が住み、人が訪れ、毎日さまざまな出来事があったはず。今は誰もおらず、建物も朽ち果てている。そんな事を考えながら廃墟を見ると、何もかも終わってしまうのだなあ、でも、その時々でそれぞれの物語があったのだなあ、と考える。それぞれの物語の中では、それぞれの人が主人公だったのだろう。

    この作品でも

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    2025年07月09日
  • ヒロイン

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    すごく良かった。
    良かったという表現は不適切かもしれないが、すごく素晴らしい作品だった。
    地下鉄サリン事件がモデルになっている作品であり、かなりセンシティブなテーマを取り上げている。
    読む人によっては不快感を抱くかもしれない。
    また、無実であるにも関わらず何故逃げ続けるのか不思議に思う人もいるかもしれない。
    さっさと出頭すればいいじゃん、と。
    いやいやいや...そんなこと冷静に考えられる精神状態なら最初からカルトに心酔しないんだわ...
    逃亡生活の中で出会う多くの人々のバックグラウンドを丁寧に描いていて読み応え抜群だった。
    この作品の心理描写の表現、とても好き。
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    2025年06月24日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    この小説を読んで、YouTubeで動画見ました!
    素敵な寝台列車でした!
    私もいつか未来の旦那さんと泊まってみたいなと思いました!

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    2025年06月13日