桜木紫乃のレビュー一覧

  • ホテルローヤル
    シャッターチャンス
    一話目にしてやや難解。気の進まないことをさせてきた彼に嫌気が…という単純な話でもないような気がする。

    本日開店
    そんなことが色々暗黙に、水面下のようで公然に行われるものなのか。妻の心理的な不貞に気づけるもんなのか。現実味を持ち出すのは野暮。

    えっち屋
    結局何一つ思うようにはい...続きを読む
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー
    今年のベスト10ランクイン候補!
    この、物哀しいのに明るい、そして前に進んでいく話、大好きだ♡
    桜木紫乃作品は3冊目、初の明るい作品。

    舞台は作者出身地の釧路のキャバレー『パラダイス』 
    主人公はそこで下働きをしている青年:章介。
    パラダイスに年末年始のショータレント3人がやって来る。

    北東の...続きを読む
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー
    久しぶりの桜木紫乃に、あぁやっぱり私が読みたい作家だと思っていたのに、しばらく進むと桜木紫乃を読んでいるということを忘れてしまいました。まるで高殿円の『グランドシャトー』を読んだときと同じ高揚感に駆られる。

    博打のためなら女房も売るような人でなしの父親が死に、母親とも離れてキャバレーに勤める章介。...続きを読む
  • 家族じまい
    老いた老夫婦の家族とその周辺を巡る連作短編集

    以下、公式のあらすじ
    -------------------------
    「ママがね、ボケちゃったみたいなんだよ」。
    突然かかってきた、妹からの電話。
    両親の老いに直面して戸惑う姉妹と、それぞれの家族。
    認知症の母と、かつて横暴だった父……。
    別れの手...続きを読む
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー
    「ボンと師匠とソコ•シャネルとひとみさん」
    ギャンブル好きの父親 苦労させられる母親の姿を見て育った章介。幼少期家族との思い出も…。
    言われるがまま人情薄く気がつけばヒモと思われても仕方がない生活。そんな彼がパラダイスに雇われたタレント個性豊かな3人と出会い賑やかな生活で人との出会い、別れが近づく寂...続きを読む
  • 家族じまい
    読み終わった後心がヒリヒリして、意味もなく夜中の川沿いを歩いてしまった。
    でもつらいだけではなくて心も温まるような本だった。
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー
    自分の中の色々な感情が重なるし交差するし、
    とにかくパラダイスに関わりたい気持ちになる。
    長くもないのに濃すぎる思い出。

    ふと気になって、まぁ買ってみるかくらいで買ったのに、こんなに良いとは、、、、

    結末は寝る前の時間に読んでほしい。
  • 二周目の恋
    恋愛小説のアンソロジー。
    著者ラインナップが『一穂ミチ・窪美澄・桜木紫乃・島本理生・遠田潤子・波木銅・綿矢りさ』こんなの全員海老の天ぷらじゃん。海老天しかない天丼じゃん…。
    私はれんこんの天ぷらが一番好きだけど。文芸誌の恋愛特集のために書き下ろされた作品をまとめたもの。
    どれもほんとーーーによかった...続きを読む
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー
    昭和の日本。
    激しいのに何の規制もない日々。
    人は一人ではないと。なんだか温かい気持ちになる。三島さんの後書きに企画があったように映画化を楽しみに、一人配役を妄想(笑)

  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー
    俺と師匠とブルーボーイとストリッパー
    タイトルのメンツでの奇妙な共同生活が心地よかった。

    難しいお節介も彼ら(彼女ら)には嫌味がなく、
    かといって深入りしすぎない。
    いつの間にかこの生活があと少し続くことを願いながら読んでいた。

    実写化への熱量あふれるあとがきも良かった。
    いつか観てみたいな。
  • 蛇行する月
    久しぶりに心がヒリヒリするような物語でした。
    女って、女性って、人って、と。
    どうにももてあましてしまう自分の気持に何を幸せと思うのか。
    その答えを早くに見つけた相手と自分を比較し、改めて自分の幸せを気持ちを考える女性達。
    選んだ道を正解とし幸せを作っていく事が幸せになる事だと分かっていても難しい。
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー
    最高です!いやホントおもしろかった!
    切なくて幸せで悲しくてほっこりする間合いが秀逸
    久しぶりに本を読んで笑い声と涙が出た
    スパイスの効いたロックでシャンソンなブルース
  • ワン・モア
    何故か読む度に好きになってしまうのですよ、桜木紫乃さんの世界を♡
    ハナマル急上昇中の彼女の作品、次は何を読もうか時間をじっくり掛けて吟味した結果『ワン・モア』に決定
    期待した通りとても味わい深い時間を堪能させていただきました

    本書は大人の恋愛、それぞれの人生が
    色濃く描かれた連作長編です
    一話目の...続きを読む
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー
    身を切るような北の地の寒さの中、諦観と無自覚な寂しさを抱えて日々を過ごす主人公。
    マジシャンとブルーボーイにストリッパーという、個性の強い面々との出会いと、思いがけず始まった共同生活が、少しずつ冷えた日常をあたためていく。見守るような気持ちで読んだ。
  • 二周目の恋
    読んでみたいけど、なかなか手が伸びなかった作家さんばかりのアンソロジー。思わず買ってしまった。

    『最悪よりは平凡』 島本理生
    主人公の和田魔美ってどんな女性なんだろうか?会ってみたいと思った。とても魅力的らしい。読んでて、真面目でしっかりとした女性だと思うんだけど、なぜか下心がある男ばかり寄ってく...続きを読む
  • ヒロイン
    読み応えのある本だった
    啓美にどんどん感情移入してしまっていた
    逃げるばかりの人生の中で女の幸せも望んでしまう
    それがどれだけ周りに迷惑がかかる事かも考えないといけない
    引き返せる時はあった でも貴島の死によって引き返せなくなってしまった
    どれだけ逃げても幸せにはなれない
    せめて出所した後にジョーが...続きを読む
  • ラブレス(新潮文庫)
    私は正直に言うと、百合江さんは流されすぎ。と思ってしまいました。ゴミクズ男たちに怒り狂って復讐してやればいいのに。実の子なんだから探し出して会えばいいのに。なぜ、運命に抗わない??「しなやかに生きる」とかいえば聞こえはいいかもしれないけど、ただすべてを諦めているだけじゃないの?

    読後しばらくは、百...続きを読む
  • ヒロイン
    親によって、子どもの人生が決められる。親から物理的に離れた後もずっと離れられないと思った。何も悪くないのに指名手配され、名前も捨てて逃げ続ける人生は過酷でありながらも、誰かと生活する日々は幸せそうだった。どこかに紛れてても絶対わからない、同じ場所に留まり続けなければバレなかったと思った。それでもそこ...続きを読む
  • 彼女たち
    綺麗な本です。
    この本を読む時は、安心感が手の届く先にある時が良いかな。

    例えば、心許せる人の隣りで。飛行機の中でも、電車でも、部屋でも。

    自身の弱さと、でも、なんとかなるかって、
    そんなバランスが感じられたりするかな
  • ヒロイン
    ボリュームのある作品だったが最後まで引きつけられた。

    主人公 岡本啓美は「光の心教団」の引き起こした渋谷駅での毒ガス散布事件に関わった人物として指名手配される。
    逃亡を続けた17年…

    設定が現実にあったオウム真理教のテロ事件に似ているが、
    本作はあくまでもフィクションである。
    そのぶん、物語は大...続きを読む