桜木紫乃のレビュー一覧

  • ラブレス(新潮文庫)
    ただただ、ありがとうの言葉で胸いっぱいになるような素晴らしい作品だと思います。
    「ラブレス」のタイトルにこれほど大きな物語をイメージしていなかったので結末で心が揺さぶられました。
  • ブルース
    生と性への執着と欲望が濃縮されている。

    北海道の釧路の下町で、地を這うような暮らしをしていた、影山博人。
    6本指、美しい風貌、それを活かし男娼をして生き抜くしかなかった青年期。

    彼を巡る女性たちから見た8話の連作短篇集。終始、博人の目線で語られることはないのに、彼の人生を知ることとなる。

    暗く...続きを読む
  • 風葬
    桜木紫乃さんの作品は情景の描写が丁寧で、大好きな北海道の風景を思い描きながら読めるのが好きです。
    ルイカミサキ、探してみたくなりますね。
  • ラブレス(新潮文庫)
     1人の女性の壮絶な人生を描いた小説。

     色々な出来事があってたくさん苦労してそれでも前を向いて生きる主人公の姿に夢中になって読みました。
    出てくる男性達はほぼ皆、ろくでなしでしたが女性達は色んな意味ですごかった。

     タイトルからは想像できない内容でしたが、良い意味で予想外ですごく面白かったです...続きを読む
  • ラブレス(新潮文庫)
    読む手が止まらなくなった。

    それぞれに筋のある女たちの物語だ。
    北海道の気候がよく絡む。
    芸は身を助ける。

    勢いで読んだがもう一度読み返す。

    以下引用

    からりと明るく次の場所へ向かい、あっさりと昨日を捨てる。捨てた昨日を惜しんだりしない。
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

    タイトルに惹かれて

    読みながら、何回か笑ってしまいました。
    とても素敵な作品でした。
    ありがとうございました。
  • 星々たち
    生き辛そうな母娘孫3世代の物語。
    でも、当人たちは淡々と逞しく生きて生ききったように思った。
    桜木紫乃さんの本は、どんな人をも肯定してくれていて、重苦しい話も不思議と心穏やかに読める。


    心に残った一文-------
    『優しく捨て合う関係や、愛情という呪いのような押し付けを欲しないことを、わかって...続きを読む
  • 孤蝶の城
    「緋の河」続編。

    いや〜、「緋の河」も良かったし、渾身作だと思ったけど、これはそれ以上の覚悟と迫力に満ちていて、グイグイ迫ってきて、圧倒されっぱなしで、読んでいるこっちも疲労困憊って感じになりながらも、一気に読まざるを得ないという、ね www

    自由を手にするのって、いつでも闘いが必要なのね。
  • 孤蝶の城
    緋の河の続編。
    女の体を手に入れたあとの物語。
    お母さんさんが見に来てくれた場面や最後また強く生きる決心をした場面で涙がでた。
    桜木紫乃作品は色がついている情景が白黒〜セピアな色で描画されているように見えてとても美しい。
  • 孤蝶の城
    『緋の河』に次ぐ秀男ことカーニバル真子の物語。「なりかけ」と揶揄されながらもしぶとく生きた幼い日、だんだんと自分らしく生きていく道を見つけていく前作に比べると、モロッコでの性転換手術から始まる今作の秀男は、それなりの立場もお金も得て落ち着いてしまっている感じ。暗中模索していた前作のほうがストーリーに...続きを読む
  • 裸の華
    『ストリップ』『ストリッパー』というものに対しての見方というか考え方が変わる。もちろんこれは小説だから、現実は違うところもあるだろうけど・・・真摯に生きてる人はもうそれだけで美しい。
  • 孤蝶の城
    シビれた。カルーセル麻紀さんがモデルの続編。前作の『緋の河』は思ったより大人しめだな、という感想だったが今作はパンチ効いてた。しょっぱなから壮絶な性転換手術。痛い・辛いで読み手のこちらも悶絶。常に威勢よく、ハッタリかましながら話芸とダンスとストリップで芸能界を生き抜くカーニバル真子。先のことは考えな...続きを読む
  • ラブレス(新潮文庫)
    「ラブレス」なんて横文字のタイトルだから現代が舞台かと思ったらある種、連続テレビ小説のような女の一生ものだった。そしてとにかく面白かった。
    冒頭ではまるで自業自得で生活保護を受けながら寂しくいまわの際を迎えているかのように描かれていた百合江だったけど、ずっとその人生を読んでいくと全然そんなことなくて...続きを読む
  • 孤蝶の城
    2022/05/18リクエスト 2
    ★10

    モロッコでカーニバル真子(英男、カルーセル麻紀)は日本で初めて「女の体」を手に入れた。
    前作の「緋の川」での、カーニバル麻紀の人生を描いた、と簡単に言うには重すぎる話。

    あたしは偽物の女なんかじゃなく、あたしの本物になりたい。本物のあたしになれるよう鍛...続きを読む
  • 緋の河(新潮文庫)
    釧路に生まれた秀男は小さい頃から色白 小柄かわいい子供だった。
    小学生になった頃から(女に成りかけ)とからかわれながら小 中と育ったいつも強い男を味方につけるため中学の頃から身に付いてた「自分を守るため」初恋の人が東京の相撲部屋に入った心の支えがなく成ったが母と姉が助けてくれた、家出をし大変な道...続きを読む
  • ホテルローヤル

    全体を読むと

    一つ一つの物語がそれとなくつながっていて、時間の流れもさまざまで、それが読者にその間の出来事を想像させる。そんな全体の構成はすごいと思う。
  • ふたりぐらし(新潮文庫)
    元映写技師の信好と看護師の紗弓の物語。
    結婚したはいいが信好に定職はなく経済的に紗弓に支えられている。
    色んな出来事の中で2人が成長していく様子が窺える。
    しっかりとした愛情を育てている2人にこちらも幸せになれました。
    読んでいてホッとしたり共感できる場面もたくさんありました。
  • 風葬
    あなたは、自分が何者であるかと考えたことはないでしょうか?

    人は父親の精子と母親の卵子が受精することによってこの世に生を受けます。あなたにも私にも生物学的には必ず父親と母親が存在します。これは万人にとって共通です。そんな父親と母親が誰であるか、それを証明するものが『戸籍謄本』です。中学生の時だった...続きを読む
  • 砂上
    小説家が書く小説家の話。痛烈な編集者の言葉が面白い。小説家としてデビューするって厳しいんだな。他の桜木紫乃の作品と比べると少しカラーが明るめな感じがした。
  • 氷平線
    北海道で生きる女性の6つの物語。
    雪深い土地ならではの静かな強さが前面に出ている。
    性的描写も、イヤラしくなりすぎず、けど淡白になりすぎず。
    静かに激しいとてもドラマティックで、あっという間に読み終えた。すごくよかった。