桜木紫乃のレビュー一覧

  • ワン・モア

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    問題を起こして僻地に出向になった医師。母の理想になることを求めすぎて大切な人を失った医師。彼氏にDVを受けた元バイトを匿う店長。患者からの告白に淡い期待をしてしまうベテラン看護師。経済的理由で医学部進学を諦めたことを引け目に感じ続ける技師。それぞれの人生の綻びを紡ぎ直す話。

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    2024年11月03日
  • ブルースRed

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    桜木紫乃『ブルース Red』文春文庫。

    『ブルース』の続編。『ブルース』は極貧の中から這い上がる影山博人という孤独な男と、彼に溺れる女たちの姿を描いた連作短編集だったが、本作では影山博人の娘の莉菜を主人公に釧路の街で父親の影を追う独りの女の熱い生き様を描いている。

    本作は、ワルい女を演じる独りの女性を主人公にしたハードボイルドのような風合いの不思議な小説であった。著者は敢えて意識してなのか、端々で多くを描かず、読んでいると逆にその描かれない部分に想像が膨らんでいく。

    タイトルの『ブルース』のような小説ではなく、古いジャズの雰囲気が全編に漂う骨太の小説である。主人公の影山莉菜は街を支配する

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    2024年08月21日
  • 谷から来た女

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    1人のアイヌの女性をめぐり時代ごとに人々が翻弄され、成長する物語。
    上手にアイヌの文化が盛り込まれていると感じた。
    登場人物たちが作品と出会った時の感動を読者である私もヒシヒシと感じた。

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    2024年08月17日
  • 谷から来た女

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    ネタバレ

    現代におけるアイヌとは何か、に対する答えが、この中に見え隠れしている。それはアイヌに少しでも関心がない人には見えてこないかもしれない。

    シサムの間に入っていても見かけがアイヌらしくないからと言われる、デザイナーの赤城ミワ。アイヌ紋様をモチーフにしたデザインを手がけて世界に知られるようになるが、伝統的なものを踏まえつつ、自身でデザインをオリジナルにしていく。

    アイヌとして育ち、アイヌの文化をもつミワのバックボーンは、シサムの男にはない。彼らはミワにある種の怖れを抱くが、それは彼らの自信を喪失させるし、自尊心を奪っていく。

    女たちは違う。専門学校で一緒だった千紗、九州から文通相手に会いに北海

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    2024年07月29日
  • 家族じまい

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    ネタバレ

    介護の入り口の現実。
    身につまされすぎてどの登場人物にも共感と同情と批判と許容とがないまぜになったなんとも言えない感情がわく。

    さて、自分が親に対してどうするのか。どうしたいのか。自分はどうされたいのか。向き合わずに歳をとるのはもう逃げでしかない。

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    2024年05月11日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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    今年のベスト10ランクイン候補!
    この、物哀しいのに明るい、そして前に進んでいく話、大好きだ♡
    桜木紫乃作品は3冊目、初の明るい作品。

    舞台は作者出身地の釧路のキャバレー『パラダイス』 
    主人公はそこで下働きをしている青年:章介。
    パラダイスに年末年始のショータレント3人がやって来る。

    北東の果ての凍てつく土地の哀愁と、いろんな人生を背負った人たち。
    タレント達と共同生活をする内に、章介も成長していくのだ。

    ブルーボーイという表現を初めて知った。シャンソン歌手やストリッパー、マジシャンの海千山千の人生論に唸った。

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    2024年04月04日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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    久しぶりの桜木紫乃に、あぁやっぱり私が読みたい作家だと思っていたのに、しばらく進むと桜木紫乃を読んでいるということを忘れてしまいました。まるで高殿円の『グランドシャトー』を読んだときと同じ高揚感に駆られる。

    博打のためなら女房も売るような人でなしの父親が死に、母親とも離れてキャバレーに勤める章介。わずかな喜怒哀楽を表す場面もなかったような日々が、ドサ回りの芸人3人とひと月共同生活を送るうちに変わります。

    楽しくて、切なくて、永遠に読み終わりたくない気持ちに。北の国のキャバレーの話も最高だ。人生って、悪くない。

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    2024年03月25日
  • 家族じまい

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    老いた老夫婦の家族とその周辺を巡る連作短編集

    以下、公式のあらすじ
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    「ママがね、ボケちゃったみたいなんだよ」。
    突然かかってきた、妹からの電話。
    両親の老いに直面して戸惑う姉妹と、それぞれの家族。
    認知症の母と、かつて横暴だった父……。
    別れの手前にある、かすかな光を描く長編小説。
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    認知症になったサトミと、夫の猛夫
    その家族や関係者の女性5人の視点で描かれる連作短編集

    猛夫は本業の理容師の傍ら様々な商売に手を出しては借金を重ね、家族に対して横暴な態度を振る舞ってきた

    そんな両親とは駆

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    2024年03月13日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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    「ボンと師匠とソコ•シャネルとひとみさん」
    ギャンブル好きの父親 苦労させられる母親の姿を見て育った章介。幼少期家族との思い出も…。
    言われるがまま人情薄く気がつけばヒモと思われても仕方がない生活。そんな彼がパラダイスに雇われたタレント個性豊かな3人と出会い賑やかな生活で人との出会い、別れが近づく寂しさを感じる短い期間で体験した素敵な思い出。

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    2024年03月07日
  • 家族じまい

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    読み終わった後心がヒリヒリして、意味もなく夜中の川沿いを歩いてしまった。
    でもつらいだけではなくて心も温まるような本だった。

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    2024年03月05日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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    自分の中の色々な感情が重なるし交差するし、
    とにかくパラダイスに関わりたい気持ちになる。
    長くもないのに濃すぎる思い出。

    ふと気になって、まぁ買ってみるかくらいで買ったのに、こんなに良いとは、、、、

    結末は寝る前の時間に読んでほしい。

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    2024年03月01日
  • 二周目の恋

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    恋愛小説のアンソロジー。
    著者ラインナップが『一穂ミチ・窪美澄・桜木紫乃・島本理生・遠田潤子・波木銅・綿矢りさ』こんなの全員海老の天ぷらじゃん。海老天しかない天丼じゃん…。
    私はれんこんの天ぷらが一番好きだけど。文芸誌の恋愛特集のために書き下ろされた作品をまとめたもの。
    どれもほんとーーーによかった。全部好き。
    なんか恋愛ってどうしても自分の生きてきた環境から受け取った価値観がインストールされて、それがよくも悪くも作用してるよなあと読んでいて思うのだった。
    あとけっきょく他人と深く向き合うことは自分と深く向き合うことでもあって、そらつらいわあ…。
    ヒリヒリしてて苦しくて、でも文字からそれを体感

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    2024年01月29日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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    昭和の日本。
    激しいのに何の規制もない日々。
    人は一人ではないと。なんだか温かい気持ちになる。三島さんの後書きに企画があったように映画化を楽しみに、一人配役を妄想(笑)

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    2024年01月23日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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    ネタバレ

    俺と師匠とブルーボーイとストリッパー
    タイトルのメンツでの奇妙な共同生活が心地よかった。

    難しいお節介も彼ら(彼女ら)には嫌味がなく、
    かといって深入りしすぎない。
    いつの間にかこの生活があと少し続くことを願いながら読んでいた。

    実写化への熱量あふれるあとがきも良かった。
    いつか観てみたいな。

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    2024年01月22日
  • 蛇行する月

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    久しぶりに心がヒリヒリするような物語でした。
    女って、女性って、人って、と。
    どうにももてあましてしまう自分の気持に何を幸せと思うのか。
    その答えを早くに見つけた相手と自分を比較し、改めて自分の幸せを気持ちを考える女性達。
    選んだ道を正解とし幸せを作っていく事が幸せになる事だと分かっていても難しい。

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    2024年01月14日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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    最高です!いやホントおもしろかった!
    切なくて幸せで悲しくてほっこりする間合いが秀逸
    久しぶりに本を読んで笑い声と涙が出た
    スパイスの効いたロックでシャンソンなブルース

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    2024年01月07日
  • ワン・モア

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    何故か読む度に好きになってしまうのですよ、桜木紫乃さんの世界を♡
    ハナマル急上昇中の彼女の作品、次は何を読もうか時間をじっくり掛けて吟味した結果『ワン・モア』に決定
    期待した通りとても味わい深い時間を堪能させていただきました

    本書は大人の恋愛、それぞれの人生が
    色濃く描かれた連作長編です
    一話目の『十六夜』は主人公の柿崎美和のやるせない桜木紫乃さんらしい話ですが、二話目以降は趣きが変わって行き、それぞれ語り手が変わります

    嬉しい事にどの話にもどっぷりしっかり浸わせてもらい、人間臭いドラマに夢中になってしまいました
    解説にもあるのですが、本書の中で心の内が語られていない柿崎美和
    多くを語らな

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    2024年01月07日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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    桜木紫乃『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』角川文庫。

    ちょっと変わったタイトルの1人の青年の再生の物語。ラストの余韻が素晴らしい。

    人生というのは山あり谷あり。すんなりと山を登り切れないのが人生だ。静かに暮らそうとしても波風は必ず起きる。それが家族のことだったり、家庭のことだったり、仕事のことだったりと。しかし、何があっても家族の支えがあれば、大概のことは乗り切れるものだ。そして、そういう困難を乗り切る度に人は強くなれる。


    昭和という古き善き時代の北海道が舞台。

    母親から博打打ちの父親の訃報を聞いても、キャバレーの下働きで糊口を凌ぎながら、廃屋のような寮に帰って寝るだけという名

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    2024年01月04日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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    身を切るような北の地の寒さの中、諦観と無自覚な寂しさを抱えて日々を過ごす主人公。
    マジシャンとブルーボーイにストリッパーという、個性の強い面々との出会いと、思いがけず始まった共同生活が、少しずつ冷えた日常をあたためていく。見守るような気持ちで読んだ。

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    2023年12月29日
  • 二周目の恋

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    読んでみたいけど、なかなか手が伸びなかった作家さんばかりのアンソロジー。思わず買ってしまった。

    『最悪よりは平凡』 島本理生
    主人公の和田魔美ってどんな女性なんだろうか?会ってみたいと思った。とても魅力的らしい。読んでて、真面目でしっかりとした女性だと思うんだけど、なぜか下心がある男ばかり寄ってくる。本人はそんなつもりは全くないのに。身体が魔性の女みたいに言われてるし。最後はいい感じに終わって良かった。

    『深夜のスパチュラ』 綿谷りさ
    バレンタインデーは恋する女子にとっては戦いだねって改めて思った。主人公の可耶ちゃんがチョコを買いに行くところから渡すまでの奮闘が読んでて面白かった。ガトーシ

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    2023年12月21日