桜木紫乃のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
原作の世界観そのままでした…!
もんでん先生は雪人でもコミカライズされてて、そちらももちろん素晴らしかったし、ご自身の原作漫画も本当に傑作揃いなので、こりゃ絶対間違いない!とは思ってましたけど、なかなかに気力を使いそうなので購入してから読むまでちょっと心の準備が必要でした笑
感想はもう…何も言うことはありません!
早くもヒロトロスです… -
すげえ。
原作の桜木紫乃はウィキによると「北海道釧路出身。中学生の時に原田康子の『挽歌』に出会い文学に目覚める。2人目の子供を出産直後に小説を書き始め、原田康子も所属した文芸誌「北海文学」の同人として活動。2007年に『氷平線』で単行本デビュー。作品のほとんどは北海道、特に釧路市近辺を舞台としている。「新官能派」のキャッチコピーでデビューした性愛文学の代表的作家であるが、人間の本能的な行為としての悲哀という描き方であり、過激さは低い。実家は理容室であったが、15歳のときに父親が釧路町に「ホテルローヤル」というラブホテルを開業し、部屋の掃除などで家業を手伝っていたという経験が性愛への冷めた視点を形成したと
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あなたは「氷平線」というものを見たことがあるでしょうか?
当たり前でしょ、海に行けばいつでも見れるよ!と思ったあなた、もう一度「 」の中をよーく見てみてください。これは”水平線”ではありません。「氷平線」と最初の一文字が『氷』という字になっているのがポイントです。えっ!それって何?なんて読むの?はい、そうですよね。これは「氷平線(ひょうへいせん)」と読むようです。そう、それは、”水平線のように広がる氷の大地”を指す言葉。”凍てついた海と空の境をなす”というそんな線が冬のオホーツクの海で見ることができるのだそうです。一面凍ったオホーツクの海。『息をしていると、胸が凍りそう』という『気温はお -
Posted by ブクログ
ネタバレ読むうちにだんだんいたたまれない気持ちになっていく。私は本多勝一の「北海道探検紀」に書かれた、昭和初期から戦後における、道東、オホーツク地域の開拓地を思い出していた。高度成長期の日本の都会で暮らしていたものには想像もつかない、ランプと薄板一枚の家の内側で、厳冬期を超す人々の姿が、そこにはあった。突然牛は死に、畑の作物は一夜で収穫不能になる。借金もある。
百合江が暮らしていたのはそういう場所だった。歌うことを夢見て、どん底の家庭から逃げ出すが、残された里実とて、地獄だったろう。しかし里実も、絶望的な現実を打開すべく、自ら立ち向かっていった。二人は離れていても消息を告げ合いながら、それぞれの人生を -
Posted by ブクログ
運命には従いすぎなくとも、逆らいすぎなくともいいのかなと思えた。もっと流されるでもいいし、選んでもよいのだな。
人にはやっぱり、「あの出来事があったから、今のわたしがある。」みたいなことが、ひとつやふたつはあると思う。
色んな人間が居たけど、性格というか人格というか。みながみな、色んな環境下で色んな経験を積んでできあがった者だから、そりゃあうまくいったりいかなかったり、人生のタイミングとかもあるしなって思った。
わたしのばあちゃんも波乱万丈の人生だったようだけど、詳しくは知らないから、昔のばあちゃんを知ってる人に、話を聞いてみたくもなった。(小説には書かないけど!)
今のわたしは昔が想像できな -
Posted by ブクログ
久しぶりの桜木紫乃。
ベストワンと言いそうになるけど なんかもう一冊すごい好きなのあった記憶が。
でも間違いなく わたしの中の桜木紫乃ベストスリーに入る。
途中 胸が痛くなるほど切ない場面はいくつかあるものの 全体として明るい仕上がり。こんな明るい桜木紫乃は初めてかも。明るいというか 軽やかさを感じるというか。ある時期から描く世界に色がついてきたのは感じてたケド それが加速した感じかな。
まぁ 明るい中に 底無しの闇はあるけど 笑。
でも 明暗のコントラストというより もっと近い感じ。うまく言えないけど コントラストって わたしの中では 色相で言うと補色みたいに対極にあるイメージなんだけど こ