桜木紫乃のレビュー一覧

  • 砂上

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    四十女の物書きがデビュー作となる「砂上」を書き上げる話。創作の様子や物書きの思考を辿れるのが初めての感覚でゾワゾワした。

    言葉にするのむず笑

    気に入った段落↓
     令央は「虚構」を信じたかった。すべて嘘に塗り替えてしまえば、己の真実が見えるはずだ。あのときなにが足りなかったのか、あの日どうすればよかったのか、あの人にどう接すれば間違わずに済んだのか。それらの答えはすべて現実ではなく再構築された虚構のなかにある。

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    2022年01月26日
  • 無垢の領域

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    桜木紫乃にはまりつつある。
    中年の男女がメールの行間を読んだり嫉妬したり絶望してたり、じめっとしてるけどリアルな人間模様の作品。このまま終わっていくと思ったら、中盤とラストで2段階の衝撃にやられた。秋津のその後が知りたいような知りたくないような。
    発達障害で、若く純真無垢な純香を介して、周りの大人たちが欲望や嫉妬でそれぞれ破滅していくようなぞくっとする一冊だった。

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    2022年01月24日
  • ラブレス(新潮文庫)

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    ミステリーとは違うのに結末が気になってあっという間に読んでしまった一冊でした!

    北海道の開拓小屋で極貧の生活を送る姉妹
    流されるまま波瀾万丈の生活を送る姉の百合江と
    堅実な計画で地道な人生を送る妹の里美
    60年にわたる姉妹の絆や
    母や家族、娘たちや夫
    人生に深く関わった人々の群像劇のような物語

    人生に苦しみ絶望感を味わいながらもそれでもなお時には小さな幸せを感じながら生きた!
    「生きる」ことの尊さを教えてもらった作品だった!


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    2022年01月11日
  • 氷平線

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    桜木紫乃さんのデビュー作です。デビュー作とは思えないほど、短編集なのに、重厚な本だと思います。単なる男女の愛だけではない、様々な感情が生まれる不思議な読後感です。オススメ!

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    2022年01月02日
  • ブルース

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    わたしやっぱり紫乃さんすきだなぁ。
    そしてこの湿度がたまらなく好きだわ。

    本棚のすみっこに『桜木紫乃』とあると気持ちが落ち着く。決して人を癒すような物語ではないのに、どうしてかわたしは救われたと思ってしまうんだよ。

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    2021年12月15日
  • ラブレス(新潮文庫)

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    全体的に暗い話なのですが、読んでるうちにどんどん物語に引き込まれていき、気がつくと1日で読んでしまっていました。オススメ!

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    2021年11月07日
  • ブルース 上

    購入済み

    引き込まれた

    ヤンジャンアプリの方で無料で読んでたのですがどんどん引き込まれて続きが気になって購入。
    もんでんあきこ先生の漫画をちゃんと読むのが初めてだったのですが
    こんな色っぽい漫画を描く方だったんだ~!と感動。
    ハードボイルドで影のある博人の渋いかっこよさ…!
    原作小説も読みたくなりました。

    #深い #切ない #カッコいい

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    2021年09月23日
  • 蛇行する月

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    自分のある環境や手にしているものに満足し、自分は幸せだと感じれる。人から見たら全然幸せそうには見えなくても、自分が幸せならこれ以上無敵なことないよね。
    「幸せ」って感じながら生きていきたいな。

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    2021年09月08日
  • ワン・モア

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    無表情で読み切ったけど、心は打ち震えた。これぞ大人の恋愛小説。恋愛のみならず友情、信頼、生と死…こよりのように細くても強い絆を感じさせた。安楽死事件を起こし離島に左遷された孤高の女性医師、美和。余命半年余りと宣告された美和の同僚医師、鈴音。美和は鈴音の病気をきっかけに島を出る決意をする。不器用な登場人物たちに共感しているわけではない。でも心がねじ切れるような気持ちにさせられるのはなぜだろう。そして想像以上に穏やかな最終章を迎え『ワン・モア』という題名が胸に沁みわたる。文字を嚙みしめるようにして読んだ。

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    2021年08月27日
  • ブルース 上

    ネタバレ 購入済み

    原作の世界観そのままでした…!

    もんでん先生は雪人でもコミカライズされてて、そちらももちろん素晴らしかったし、ご自身の原作漫画も本当に傑作揃いなので、こりゃ絶対間違いない!とは思ってましたけど、なかなかに気力を使いそうなので購入してから読むまでちょっと心の準備が必要でした笑

    感想はもう…何も言うことはありません!
    早くもヒロトロスです…

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    2021年08月26日
  • 裸の華

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    この作品は怪我で引退した元ストリッパーノリカが北海道のすすきので再起をかけて奮闘する作品です。ストリッパーなど聞いたことはあるが、どんな職業なのか、そこで生きている人たちの葛藤、生き様はどんなものなのか、この作品で感じると思います。自分が帰る場所はここしかない、ノリカの奮闘劇です。

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    2021年08月13日
  • 裸の華

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    ストリッパーとかバーレスクとかダンスとか全く無縁で生きてきたけども。。。
    なぜだか興味津々なのです、ウン。
    完全に藤原紀香さんを思い浮かべながら読んでしまいました。

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    2021年07月21日
  • ブルース 上

    すげえ。

    原作の桜木紫乃はウィキによると「北海道釧路出身。中学生の時に原田康子の『挽歌』に出会い文学に目覚める。2人目の子供を出産直後に小説を書き始め、原田康子も所属した文芸誌「北海文学」の同人として活動。2007年に『氷平線』で単行本デビュー。作品のほとんどは北海道、特に釧路市近辺を舞台としている。「新官能派」のキャッチコピーでデビューした性愛文学の代表的作家であるが、人間の本能的な行為としての悲哀という描き方であり、過激さは低い。実家は理容室であったが、15歳のときに父親が釧路町に「ホテルローヤル」というラブホテルを開業し、部屋の掃除などで家業を手伝っていたという経験が性愛への冷めた視点を形成したと

    #深い

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    2021年05月19日
  • 氷平線

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    あなたは「氷平線」というものを見たことがあるでしょうか?

    当たり前でしょ、海に行けばいつでも見れるよ!と思ったあなた、もう一度「 」の中をよーく見てみてください。これは”水平線”ではありません。「氷平線」と最初の一文字が『氷』という字になっているのがポイントです。えっ!それって何?なんて読むの?はい、そうですよね。これは「氷平線(ひょうへいせん)」と読むようです。そう、それは、”水平線のように広がる氷の大地”を指す言葉。”凍てついた海と空の境をなす”というそんな線が冬のオホーツクの海で見ることができるのだそうです。一面凍ったオホーツクの海。『息をしていると、胸が凍りそう』という『気温はお

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    2021年05月03日
  • ラブレス(新潮文庫)

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    ネタバレ

    読むうちにだんだんいたたまれない気持ちになっていく。私は本多勝一の「北海道探検紀」に書かれた、昭和初期から戦後における、道東、オホーツク地域の開拓地を思い出していた。高度成長期の日本の都会で暮らしていたものには想像もつかない、ランプと薄板一枚の家の内側で、厳冬期を超す人々の姿が、そこにはあった。突然牛は死に、畑の作物は一夜で収穫不能になる。借金もある。
    百合江が暮らしていたのはそういう場所だった。歌うことを夢見て、どん底の家庭から逃げ出すが、残された里実とて、地獄だったろう。しかし里実も、絶望的な現実を打開すべく、自ら立ち向かっていった。二人は離れていても消息を告げ合いながら、それぞれの人生を

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    2021年02月26日
  • ラブレス(新潮文庫)

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    運命には従いすぎなくとも、逆らいすぎなくともいいのかなと思えた。もっと流されるでもいいし、選んでもよいのだな。
    人にはやっぱり、「あの出来事があったから、今のわたしがある。」みたいなことが、ひとつやふたつはあると思う。
    色んな人間が居たけど、性格というか人格というか。みながみな、色んな環境下で色んな経験を積んでできあがった者だから、そりゃあうまくいったりいかなかったり、人生のタイミングとかもあるしなって思った。
    わたしのばあちゃんも波乱万丈の人生だったようだけど、詳しくは知らないから、昔のばあちゃんを知ってる人に、話を聞いてみたくもなった。(小説には書かないけど!)
    今のわたしは昔が想像できな

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    2021年02月07日
  • ワン・モア

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    ネタバレ

    「十六夜」安楽死事件を起こし離島へと左遷された内科医柿崎美和と昴。
    「ワンダフル・ライフ」美和の同級生で末期癌の滝澤鈴音と元夫志田拓郎。
    「おでん」本屋の店長佐藤亮太と坂木詩織。
    「ラッキーカラー」看護師浦田寿美子と!赤沢邦夫。
    「感傷主義」同級生八木浩一と米倉レイナ。
    「ワン・モア」志田拓郎と鈴音と父。

    其々の人生に関わる桜木紫乃らしい連作長編。
    最後はリンとその子たちで繋がっている。

    何度も込み上げる感情で、最高に面白い。

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    2021年01月28日
  • 裸の華

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    芥川賞読んだ以来、久しぶりに手に取ったけど、こういう本を書く人でしたか。。

    みんな優しくて、一生懸命で、潔くて、なんとも切ない。

    元ストリッパーの話で、時々すごい描写もあるんだけど、艶かしくて下品さが無くて、私も『小屋』に行ってノリカのダンスを見たいし、瑞穂とみのりもダンスも見てみたい。

    オガちゃんのタンバリンはグッときたなぁ。。


    そして
    何度も出てくる、
    たらこバターとチーズわかめのおにぎりが食べたくなる。

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    2020年12月05日
  • 裸の華

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    ストリッパーの物語ということで際どいシーンが随所に顔を出すけれどそれもスパイスとして凄みを増してくるのがとても不思議だった。
    札幌の景色の描写がとても素晴らしく地元民としては震えてくるほどに感動。ダンサーふたりと凄腕のバーテンの絡みもたまらないしノリカさんの心意気をどこまでも追いかけていたくなるようなお話だった。桜木紫乃さんの作品でトップにランクインしたかも。

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    2020年09月29日
  • 裸の華

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    久しぶりの桜木紫乃。
    ベストワンと言いそうになるけど なんかもう一冊すごい好きなのあった記憶が。
    でも間違いなく わたしの中の桜木紫乃ベストスリーに入る。
    途中 胸が痛くなるほど切ない場面はいくつかあるものの 全体として明るい仕上がり。こんな明るい桜木紫乃は初めてかも。明るいというか 軽やかさを感じるというか。ある時期から描く世界に色がついてきたのは感じてたケド それが加速した感じかな。
    まぁ 明るい中に 底無しの闇はあるけど 笑。
    でも 明暗のコントラストというより もっと近い感じ。うまく言えないけど コントラストって わたしの中では 色相で言うと補色みたいに対極にあるイメージなんだけど こ

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    2020年09月10日