桜木紫乃のレビュー一覧

  • ふたりぐらし(新潮文庫)

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    子供のない30代の夫婦の話

    夫は映画の脚本家になることを諦めきれず定職はない。実家では母親が一人で暮らしている。
    妻は看護師として働き生活を支えながら実母との確執に悩む日々。

    夫がいつもの桜木さんの作品に出てくるクズ男だと思ってたら違うのよ笑
    妻もわたしのイメージの看護師とは違うし…

    お互いが相手に気遣いながら波風を立てないように
    暮らしている日常が、夫と妻の視点から交互に語られていきます。

    自分の至らなさに悩みながらも相手に対して不満を持つことはない。
    劇的に変化が起きることもないし。
    この空気感にイライラする人には向かない作品だな
    わたしには良作でした:.゚٩(๑˘ω˘๑)۶:.。

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    2026年01月30日
  • 蛇行する月

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     自己啓発本を読み漁っていた時期に度々出会した考えに「今を生きる」というものがありました。
    過去を後悔するでも未来を心配するでもなく、今この一瞬に集中して全力で生きること。
    順子ってこの典型なんだと思う。
    今更変えられない過去を嘆くでもなく、心配したところでやって来てしまう未来に過剰に怯えることもない。ただ、今を全力で生きている。
    そしてないものを数えるのではなく、あるものに目を向け感謝する。
    だから彼女は死を前にしても「幸せだ」と言いきってしまう。
    高校の同級生や順子の親はどうしても幸せをステータスや世間体で測ってしまうので、順子の“幸せ”が理解できない。仕事、パートナー、収入…ないものを数

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    2026年01月27日
  • 家族じまい

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    ネタバレ

    猛夫とサトミは80代の夫婦。
    毎日母に電話をする次女の乃理が、母の異変に気付いた。
    父に問いただし、母が認知症になったことを知った乃理は、実家とほとんど連絡を取ろうとしない姉の智代にそれを伝えた。

    猛夫は腕のいい理容師で、中学を卒業した智代を進学させずに自分の跡取りとして修業をさせた。
    しかし山っ気の強い彼は、うまい話に手を出して、結果自分の店を手放す羽目になる。
    はしごを外された形になった智代は、それを気に実家と距離を置く。
    母が認知症になったからといって、今更当てにされても…と思う。

    もう、智代の逡巡が刺さりまくり。
    私が中卒ではないし、後を継ぐ親の財産もないけれど、長女としての責任を

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    2026年01月26日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    ネタバレ

    正直、最初の3分の2は、よくわからなかった。

    端的に言うと、読み進めるのが辛かった。

    ちっとも話が見えないから。

    でもその後、そう狂言誘拐のあたりから、面白くなってきた。

    序章で主人公が自殺する場面から始まるから、どんな展開かとハラハラしてたけど。

    一応ハッピーエンドと言えなくもないラストに、少しだけ胸を撫で下ろした。

    2件の殺人。宜なるかな。必然とも言える成り行き。

    自分が彼女の立場でも、同じことをしてしまうかも?と思えるほど、真に迫ってた。

    最初でグッとつかんで、中盤もたせる作りとは思ったが、もう少し何か捻りが欲しかった。

    なので星1つ減らします。

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    2026年01月22日
  • 二周目の恋

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    群を抜いて一番面白かったのは
    「深夜のスパチュラ」

    手先不器用&料理苦手族の方は大共感してくれると思う笑。

    双子の「兄弟以上恋人未満」の話だったり
    同性愛の話もあったりするので
    単調な「純粋な異性愛」の話だけじゃないのもおすすめポイント。

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    2026年01月18日
  • ワン・モア

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    やっぱり桜木紫乃の文章が好き。
    はじめの章の美和が強烈だったが決して嫌いではなく、私の大好きな連作短編集なので一気読み。
    桜木紫乃らしく、そこここに死の影が漂ってるのだが、最後はみんなでバーベキュー。
    登場するペットは犬。なんでネコじゃないのかと思ってたけど(ネコが好きなので)、夫婦で散歩するとか里親同士が犬連れで集まってBBQとか、こういうことができるのはやっぱり犬だよね。
    私の推しキャラは、拓郎ちゃんと店長。いい人そう。

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    2026年01月11日
  • 人生劇場

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    小心なのに虚勢を張る。欲しいとなれば後先見ずに突っ走る昭和の男。『人生劇場』の主人公、猛夫(タケオ)の名を見て「ホテルローヤル」や「家族じまい」を思い出した。

    昭和13年の室蘭で、新川彦太郎とタミの間に生まれた次男の猛夫。「馬鹿タケ」と呼ばれ居場所のない猛夫を伯母カツが引き取り育てる。

    戦争で皆が貧しかった時代。
    鉄の町を襲った砲弾の雨。
    敗戦後の町で生きる人々。
     
    桜木紫乃さんがご自身の父親をモデルにしたフィクションで、巧みな人物描写が光る。
    理容師を目指した猛夫の挫折。やっと叶えた夢の城で妻の頬を叩くしようもない男と、そんな男の人生に巻き込まれていく女たち。生きる希望を託し春生と名づ

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    2026年01月07日
  • ホテルローヤル

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    ラブホをめぐるショートストーリー。
    章が進むと過去に繋がり、人や出来事も
    繋がってくる。
    ラブホの中で働く人々や、作った人の思い、
    それを引き継ぐ娘、客、それぞれの事情や思いを
    面白く読んだ
    寺の嫁に話、星を見ていたのミコが印象的。
    ミコのように働き者で素直な人になりたい

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    2026年01月03日
  • 二周目の恋

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    お気に入りの話
    1「カーマンライン」一穂ミチ
    2「最悪よりは平凡」島本理生
    3「海鳴り遠くに」窪美澄

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    2025年12月24日
  • ホテルローヤル

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    ネタバレ

    ラブホテルというある種裏の世界が舞台なのに、そこに関わっている人達はあくまでもごくごく普通の人達なのが印象的でした。そこにいるのはただの利用客であり、働く人であり、経営者であるという点では、ラブホテルもただの一施設に過ぎないんだなと思いました。ラブホテルの掃除婦が主人公の「星をみていた」が、彼女の人生の苦労を思わせてじーんと響きました。

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    2025年12月21日
  • 情熱

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    はじめての桜木紫乃。
    6つのお話が収録されており、前半は、うーん…と思っていたのですが、"らっきょうとクロッカス"、"情熱"を読んで、これは新しい官能小説なのではないか?エッロ!!と思い、最後まで興味深く読み終えました。
    調べてみると、やはり、新官能と言われるジャンルなんですね、納得です!!

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    2025年12月21日
  • 氷平線

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    思うに任せぬ人生を歩女性の切ない話。雪虫のフィリピン人女性、幼馴染、夏の稜線の都会から来た女性、「深奥」に潜む熾火のようなものを通して、女の幸せとは何かを考えさせられる。
     

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    2025年12月21日
  • 情熱

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    俳句を想定するほどギリギリまで削ぎ落とした文章。文学的な修辞も嫌みになっておらずうまいなあと感じた。

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    2025年12月17日
  • ホテルローヤル

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    廃墟になったラブホテルを舞台に、そこに積み重なった人間ドラマを少しずつ遡っていく構成が印象的でした。
    短編ごとに時代が逆流するように進んでいくので、読みながら「この場所にはどんな人生があったのだろう」と覗き見している感覚になります。

    地方を旅するときに、車でラブホテルの廃墟を通り過ぎることありますが、これまではただ通り過ぎるだけの建物にも、実は多くの人の孤独や愛情が刻まれているのかもしれないと思うと胸に迫るものがありました。

    物語の中でホテルが廃業するきっかけとなる出来事に触れたとき、断片がつながって「そういうことか」と腑に落ちる瞬間があり、胸がキュッと締め付けられました。

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    2025年12月16日
  • ホテルローヤル

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    時系列が現在から過去へ。
    現在廃となっているラブホを舞台に語られるそれぞれの登場人物の、「いま」。
    タイムマシン感覚で、過去に流れている中で、「あ、この人」と、徐々に明らかになっていき、最終的に繋がる。
    単純に現在から過去への流れなのですが、読み終えたあと、逆から読んでみたいなと思いました。
    好きな作品です。

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    2025年12月15日
  • 二周目の恋

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    綿矢りささんの「深夜のスパチュラ」は、現代っぽくて入ってきやすい。でも文章が続いていて読みにくい。主人公がかわいい。
    一穂ミチさんの「カーマンライン」は、表現できないけれど良さがあって好きだと思った。双子って素敵だなあ。
    遠田潤子さんの「道具屋筋の旅立ち」は、いかにも昭和的な男と、女の話で最初は嫌だなあって読んでた。でも、八角魔盤空裏走(はっかくのまばん、くうりにはしる)という言葉を聞いてからの優美の自分自身と向き合っていく姿が清々しかった。最後の誠とのシーンがなんかいいなあって。
    窪美澄さんの「海鳴り遠くに」は、紡がれている物語の雰囲気がなんだか好きだなあ。最後ちゃんと結ばれてよかった。

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    2025年12月02日
  • ふたりぐらし(新潮文庫)

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     桜木さん作品の男性といえば、DV気味のクズ男かヒモ男(口が悪くてすみません…)が多いのですが、今回は違いました。

     頼りない男性が描かれているのですが、桜木さん作品にしては珍しくほっこりするお話でした。

     私的には実家をリフォームして暮らし始めるあたりがなんだか温かく優しい気持ちになりました。

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    2025年11月30日
  • それを愛とは呼ばず

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     面白かったです。最後の展開は読めず、驚きました。
     亮介と紗希、それぞれが相手をどう感じているのか、各章交互に明らかになっていく。
     ずっと擦れ違い続け最後は…。

     廃墟同然のマンションのシーンは情景が目に浮かび、なかなか怖かったです。
     このお話はどのジャンルになるんだろう…。

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    2025年11月29日
  • 誰もいない夜に咲く

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    寄せては返す波のような欲望に身を任せ、どうしようもない淋しさを封じ込めようとする男と女。
    安らぎを切望しながら寄るべなくさまよう孤独な魂。
    とても素敵な角川の紹介文、引用させていただきます。
    そんな人々の“どうしようもなさ”と“それでも生きていく姿”を、北海道の風景に託して叙情豊かに描き出す七つの短編。

    「波に咲く」
    中国人妻との静かな生活を守ろうとする畜産業の青年。寂しさを封じ込めているのは日本の女だけではない。青年にも言葉にならない悲しさがあるのが見えてくる。

    「海へ」
    クズ男に貢ぎ、身体を差し出す女。
    やがて 彼女は彼らを捨てて離れていく。
    “ん、それが良い”と思える、ささやかなカタ

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    2025年11月28日
  • ヒロイン

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    かなり分厚い本だけどおもしろい。

    《どこで間違ったわけでもない。へまはしたけれど、それが岡本啓美の選択だった。》

    一度道を踏み外すと、こうも外れた道ばかりを選んでしまうのか。

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    2025年11月23日