桜木紫乃のレビュー一覧
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廃墟になったラブホテルを舞台に、そこに積み重なった人間ドラマを少しずつ遡っていく構成が印象的でした。
短編ごとに時代が逆流するように進んでいくので、読みながら「この場所にはどんな人生があったのだろう」と覗き見している感覚になります。
地方を旅するときに、車でラブホテルの廃墟を通り過ぎることありますが、これまではただ通り過ぎるだけの建物にも、実は多くの人の孤独や愛情が刻まれているのかもしれないと思うと胸に迫るものがありました。
物語の中でホテルが廃業するきっかけとなる出来事に触れたとき、断片がつながって「そういうことか」と腑に落ちる瞬間があり、胸がキュッと締め付けられました。
毎 -
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綿矢りささんの「深夜のスパチュラ」は、現代っぽくて入ってきやすい。でも文章が続いていて読みにくい。主人公がかわいい。
一穂ミチさんの「カーマンライン」は、表現できないけれど良さがあって好きだと思った。双子って素敵だなあ。
遠田潤子さんの「道具屋筋の旅立ち」は、いかにも昭和的な男と、女の話で最初は嫌だなあって読んでた。でも、八角魔盤空裏走(はっかくのまばん、くうりにはしる)という言葉を聞いてからの優美の自分自身と向き合っていく姿が清々しかった。最後の誠とのシーンがなんかいいなあって。
窪美澄さんの「海鳴り遠くに」は、紡がれている物語の雰囲気がなんだか好きだなあ。最後ちゃんと結ばれてよかった。 -
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寄せては返す波のような欲望に身を任せ、どうしようもない淋しさを封じ込めようとする男と女。
安らぎを切望しながら寄るべなくさまよう孤独な魂。
とても素敵な角川の紹介文、引用させていただきます。
そんな人々の“どうしようもなさ”と“それでも生きていく姿”を、北海道の風景に託して叙情豊かに描き出す七つの短編。
「波に咲く」
中国人妻との静かな生活を守ろうとする畜産業の青年。寂しさを封じ込めているのは日本の女だけではない。青年にも言葉にならない悲しさがあるのが見えてくる。
「海へ」
クズ男に貢ぎ、身体を差し出す女。
やがて 彼女は彼らを捨てて離れていく。
“ん、それが良い”と思える、ささやかなカタ -
Posted by ブクログ
道東・釧路で『ホテルローヤル』を営む幸田喜一郎が交通事故で意識不明の重体となった。年の離れた夫を看病する妻・節子の平穏な日常にも亀裂が入り、闇が溢れ出すーー。彼女が愛人関係にある澤木とともに、家出した夫の一人娘を探し始めると、次々と謎に直面する。短歌仲間の家庭に潜む秘密、その娘の誘拐事件、長らく夫の愛人だった母の失踪……。驚愕の結末を迎える傑作ミステリー。(解説・池上冬樹)
いや〜面白かったです(*´∇`*)
節子が火災で死んだところから始まるんですけどね
男と女のドロっとした話も、桜木さんが書くとどこか渇いた文章で淡々としていて
それがすごく良い♪
中盤からミステリー感が増し増しでラストま -
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Posted by ブクログ
思い出して、思い出して、忘れて行くこともある──
釧路で書道教室を営む夏紀は、軽い認知症を患った母がつぶやいた、聞き慣れない地名を新聞の短歌の中に見つける。
父親を知らぬ自分の出生と関わりがあるのではと、短歌を投稿した元教師の徳一に会いに根室へ。ひとつの短歌に引き寄せられた二人の出会いが、オホーツクで封印された過去を蘇らせる……。
面白かった〜
徳一は教師時代に受け持った女生徒への後悔と懺悔を胸に抱えて生きてきました
夏紀が訪ねてきた事で過去の出来事を息子と共に探っていくんだけど…
徳一、息子、夏紀…それぞれの心情が丁寧に描かれてて良いの♪
曇天のオホーツクと過去を探っていくミステリー