桜木紫乃のレビュー一覧

  • ワン・モア

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    特に今回のお話は、美和をはじめ、かなり芯のずしんとした強い女性が多いが、どのひとも可愛さがある。一人ひとり登場するごとに人物に色や形が増していき大きな物語となった。少し大袈裟だが曲「ボレロ」を感じた。
    最後のワンちゃんまで加わる大集合には、好き嫌いが分かれるようだが、自分はとても好き。みんなのワンモアが積み重なっている。それにしてもものすごく上手い。
    このところ桜木さん作品が多くなり、一旦休憩します。

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    2018年04月13日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    引き込まれた。節子の少女時代、母親との関係、幸田・澤木それぞれへの思い、愛したくて愛されたくて、思いが溢れて読んでて苦しくなる。でもこの歌のように凛とした硝子の葦のようだ。
    佐野親娘、梢との関わりかたが、時を過ごすうちに人間味が増して描かれ少しほっとしてしまった。
    帯広のベーカリーの場面は「絶叫」と重なった。
    読書途中で、WOWOWのドラマを観てしまったが為に、キャストがドラマのイメージで読んでしまったのが残念。ドラマはドラマで原作を損なわず、また良かったと思うが。
    それにしても、桜木紫乃さん、読むほどにどんどん好きになってしまう作家だ。(好き嫌い両極端かも)

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    2018年03月27日
  • それを愛とは呼ばず

    K

    ネタバレ 購入済み

    ゾッとした

    この年代の作者が好む、男性像や女性の醜さみたいなものがあると思う。ジャンルを確認せずに読んだので、読んだ後にしばらく背筋が冷え切っていた。ミステリーと呼ぶにはミステリーではなく、ホラーと呼ぶにはホラーでもなく。
    ただただゾッとします。

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    2018年03月11日
  • ブルース

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    いつもの桜木紫乃とはちょっと違う。
    桜木紫乃が描く塗れ場は 全く色がなく ラブシーンを書かせたら こんな下手な作家はいないといつも思っていた。だけど ブルースは どの話も色がある。
    桜木紫乃が描く話には 男女問わず 好感を持てる人が登場しない。好きになれないから 感情移入できない。それでも読ませるのだから それはそれで相当な腕だといつも思っていた。
    だけど 影山博人は魅力的だ。非情だったり 優しかったり そのときどき いろんな顔をみせるけど それこそカメレオンのように どの顔も魅力的だ。
    なぜ まちこなんだろう。関係とタイミングで言えば 圭の方が自然な流れじゃない?と思うけど 圭じゃ 博人のそばにいるには 弱くて優しすぎるのか。
    まちこは博人に似てるのかな?それにしても ここまで家族になれる?最終話がちょっとゴーインな気はするものの 読後感が良いのも ちょっと今までと違う。
    変わらぬものは しぶとく たくましい北のオンナたち。
    そして釧路の湿った空気。

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    2018年01月28日
  • 誰もいない夜に咲く

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    桜木紫乃シリーズもこれで一旦休憩にしようと思う。『ホテルローヤル』よりはこちらが好みかも。
    「誰に何を言われても構わないと思ったら、怖いことなんかなくなる。人は逃げてもいいんだって、」風の女より
    「石のような頑固さが敵を作り、あくの強さは根強い支持者を生んだ」絹日和より

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    2017年07月09日
  • ワン・モア

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    美和、問題ありの医者の危ない恋から始まる物語。美和は自分の信念に基づき行動する。白い目で見られても後ろ指さされても自分が信じた道を歩く。大切なことは何かを分かっている。だからかっこいい。美和を中心にいろいろな人物が関わり合ってくる連作短編集。佐藤店長の話はどうなることかと。あと赤沢さんのけじめ。そして鈴音が捨て身で拓郎にぶつかっていった結果。どれも良かった。泣かされた。登場人物が全員集合する最終話。人生はまだまだ続く、問題もあるだろう。けれどなんとかなる。希望を捨てずに前に進めば。そんな気持ちになる一冊。

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    2017年06月03日
  • 無垢の領域

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    純香と龍生の母、それぞれの家庭が持つ闇の部分をうまく表現している。

    最後がすごい純香からの龍生へのプレゼント!
    こんな展開があるなんて!!!

    桜木紫乃のすごさを見た。

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    2017年05月16日
  • 風葬

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    桜木紫乃の真骨頂である。男女の想いはもちろんのこと、いくつもの親子の姿が凝縮されている。サスペンス風にドラマが進んでいく中で、それぞれの後悔、哀惜、失望が色濃く映し出されていく。胸の痛みが取り除かれることはなく、過去は交差しないままに未来は日常を紡ぎ続ける。ただ風景を切り取った最後の2行にとんでもなく心を揺さぶられる。まさに風葬なのだ。この感情を呼び起こせるこの小説は名作である。

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    2017年05月01日
  • ワン・モア

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    ネタバレ

    連作短篇集。「十六夜」と「ワンダフル・ライフ」が好き。犬じゃない方のすばるは結局みつからないままだろうか?どうなったか気になる。短編を読み進めるごとに、美和の人物像がどんどん人間臭くなっている気がする。
    余命が短いとわかった時側にいて欲しい誰かがいることだけでも幸せだと思う。生まれた子犬を託すことで託した相手に幸せでいることを約束させる行為はエゴなんだけど、愛を感じる。

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    2017年04月14日
  • 無垢の領域

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    覚悟はしていたけど、
    重く苦しく悲しかった
    それでも、桜木さんの小説は
    読もうと思わせてくれる力強さがある
    純香を思う、気持ちや葛藤
    寝たきりの母親と息子の静かな駆け引き
    なみだがとまらなくなりながらも
    ゾッと背筋が寒くなったりして
    人の心の奥底のこわさが辛かった

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    2016年02月08日
  • ワン・モア

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    桜木紫乃って最初はそんなに好きじゃないと思ってたけど だんだん好きになるかも。この人って文章がうまいだけじゃなくて ひとの造形がうまいっていうか。これはこの人のなかでも1番のハッピーエンドって感じだけど そこが好き。

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    2018年07月01日
  • ワン・モア

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    桜木紫乃さんの本はこれで7冊目。
    これまで読んだ6冊の中では【蛇行する月】に☆5つをつけていて、そのレビューにも”この本が一番好み”とかいています。
    が~!
    訂正です。
    この【ワン・モア】が一番好きです。

    医師の柿崎美和は安楽死事件を起こしたため、離島に左遷される。
    高校時代から問題児の美和は離島でも、自分の生き方を変えようとせず、元競泳選手の昴と不倫関係になる。
    そんな美和のものに、高校時代からの同級生で医師の滝澤鈴音から「癌で余命宣告を受けている」との連絡が。
    離島から鈴音のもとに帰る美和。
    そんな二人を取り巻く人たち。
    それぞれが抱える人生。
    いろんなことがあって、いろんなことに傷つくけれど…

    来年はもっと桜木さんの本を読んでみよう!
    そう思わせてくれた一冊です。

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    2015年12月19日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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     女性はミステリアスなほうが魅力的だと男性は言う。
     けれども、それは「男性にとって理解しうる範囲のミステリアス」なんだろうなと思った。

     ヒロインの節子は、この物語の主軸であり最大の謎なのだが、もう怖い怖い。節子のやることなすことは、男性にしてみれば、恐ろしいことばかりなのだ。
     節子それ愛やない、情やって言いたくなる。

     この本と直接の関係が無いけれども、「つまをめとらば」で男性作家の描く「怖い女」を知り、「田舎の紳士服店のモデルの妻」で女性作家の描く「普通のヒロインの奥深さ」を知り、そしてこの作品である。
     われながらタイミングが見事だ。

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    2015年09月29日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    「ホテルローヤル」で、すっかり桜木紫乃作品の虜になった。
    恋愛小説だと思い読み進むたら、あら?
    ミステリーでした。
    最後に進むまで、気が付かなかった。
    殺人事件→犯人はだれ?
    なんて単純な話ではない。
    誰にでもある闇を綺麗に書く桜木紫乃さんは、すごい作家さん。
    そして、舞台はぶれずに北海道。
    ますます、桜木紫乃作品を読みたくなりました。

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    2015年10月04日
  • 誰もいない夜に咲く

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    壮絶なのに醒めている。不思議な印象が残る作品群。
    全て北海道の街が舞台の短編集。
    雄大で美しい風景…ではなくて、過疎が進んだ雪深い田舎や、寂れた漁師町、うらぶれた夜の街、などが主な舞台で、だからこそ寒々しくてリアル。

    桜木紫乃さんて直木賞をとった時に実家がラブホテルだったって言ってて気になってたけれど、その環境が、男女の肉欲をこんな風に醒めた感じで描くきっかけになったのだろうかと考えたりした。
    言ってしまえばどうしようもないダメ男とずるずる付き合ってしまう女が何人か出てくるのだけど、そのわりに溺れてるような雰囲気はなくて、醒めた諦めみたいなものに包まれてるから。

    それぞれ印象に残ったからひとつを選びにくい。挙げるとすれば「海へ」と「根無草」かな。
    切ない。胸が痛い。そして女は強い。

    北海道、男女の肉欲、貧しさ、というワードから、佐藤泰志の小説と雰囲気が共通するような気がする。
    暗部がひとつもない人生を歩んでる人はほとんどいない。
    ふわっとしててどこか現実離れしている物語も好きだけど、同じくらいこういう胸が軋むような生々しい物語も好き。

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    2015年07月16日
  • ワン・モア

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    まだ、直木賞受賞作も読んでいない私ですが、今まで読んだ桜木さんの作品の中では、これが一番好きです!
    巻末にあった北上さんの解説によると、この作品から桜木さんの第2ステージが始まるとか……その評価も頷ける作品だと思います。
    死がモチーフになっている連作長編なのに、重すぎず、どこか爽やかで優しい印象すら受けました。
    最初の美和さんが主人公の「十六夜」だけは、今まで読んできた桜木さんの作品らしい、やるせなさを感じ後味の悪さが残ったのですが、次の「ワンダフル・ライフ」最後の方の別れた夫を玄関で見送る場面で、ガツンとやられ、「ラッキー・カラー」のベテラン看護師さんには頑張れと内心で励まし、そして「ワン・モア」の最後のバーベキューの場面では、気になっていたトキワ書店の店長さんのその後を知ることができて、みんなで子犬のの誕生会をする平和な様子にじんわりと涙ぐみました。
    あまり正面から「頑張れ」と言われるのも辛い、この作品には、押しつけがましくない前向きさを貰えた気がしました。

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    2015年06月21日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    解説には、削れるところはバッサリ削ったと。確かにそんなに厚くはないけど、厚さ以上の読み応えがあった。

    夫は母親の元愛人で、ラブホテル「ホテルローヤル」の経営者。その夫が自損事故で意識不明。またガンでもともと余命数ヶ月だったことが分かる。
    夫の継子の捜索、句会仲間のDV、税理士との関係、ホテルの経営といろんな綻びが出てくる。

    節子、倫子、まゆみちゃんは最後まで逃げ切ったのだろうか。たぶん、あの3人なら逃げ切れるだろう、って思えるくらい狡賢さが印象に残った。

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    2015年06月05日
  • ワン・モア

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    初めて読んだ桜木紫乃さんの作品。
    高校同級生の美和と鈴音と八木君。3人は医師になるのを目指すも、八木君は夢を諦め放射線技師の道へ。3人は一度再会するも離れ離れに。鈴音に癌が見つかり、3人は再び再会へ。
    登場人物は皆かっこよくて、どんどん続きを読みたくなった。終盤はちょっとハッピーエンド過ぎかな、とも思ったけど、他の作品も読んでみよ。

    2017/04/24再読。

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    2017年04月25日
  • 異常に非ず

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    三菱銀行人質立てこもり事件がベース。
    昭和の香りが濃く、ハードボイルド。
    読んでいるうちに脳内で、劇画調のアニメで物語が再生された。
    犯人の母親は子どもの頃に売られるも、不美人すぎて値切られる。内縁の妻は綺麗だけれど、それゆえの苦労が後をたたない。

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    2026年10月10日
  • 人生劇場

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    作者・桜木紫乃さんの父親がモデルの半生記。想像を超えた凄まじい男性ですが、作者は「北海道には珍しくない。集まりがあれば4人に1人位はこういう人がいた」とおっしゃる。

    確かに昭和時代は「芸のためなら女房も泣かす」的な人はいましたし、家族に暴力を奮ってもDVなんて言われなかったですよね。

    そしてそんな男を甘やかに支えてしまう女たちもいた‥‥それが、カツと駒子。

    慈悲深くて聡明で色香があって、実にカッコいい。二人の女性たちの一つ一つ言動がこの作品の価値を高めている気がします。

    作者は「親の生き方を肯定していくことが娘の仕事。性愛を含めて父を描ききった」というだけあって、その覚悟と冷徹な目は、父親の人生を劇場のスポットライトのように眩しく照らしています。

    ※Audibleで。

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    2026年10月08日