桜木紫乃のレビュー一覧

  • 無垢の領域

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    覚悟はしていたけど、
    重く苦しく悲しかった
    それでも、桜木さんの小説は
    読もうと思わせてくれる力強さがある
    純香を思う、気持ちや葛藤
    寝たきりの母親と息子の静かな駆け引き
    なみだがとまらなくなりながらも
    ゾッと背筋が寒くなったりして
    人の心の奥底のこわさが辛かった

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    2016年02月08日
  • ワン・モア

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    桜木紫乃って最初はそんなに好きじゃないと思ってたけど だんだん好きになるかも。この人って文章がうまいだけじゃなくて ひとの造形がうまいっていうか。これはこの人のなかでも1番のハッピーエンドって感じだけど そこが好き。

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    2018年07月01日
  • ワン・モア

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    桜木紫乃さんの本はこれで7冊目。
    これまで読んだ6冊の中では【蛇行する月】に☆5つをつけていて、そのレビューにも”この本が一番好み”とかいています。
    が~!
    訂正です。
    この【ワン・モア】が一番好きです。

    医師の柿崎美和は安楽死事件を起こしたため、離島に左遷される。
    高校時代から問題児の美和は離島でも、自分の生き方を変えようとせず、元競泳選手の昴と不倫関係になる。
    そんな美和のものに、高校時代からの同級生で医師の滝澤鈴音から「癌で余命宣告を受けている」との連絡が。
    離島から鈴音のもとに帰る美和。
    そんな二人を取り巻く人たち。
    それぞれが抱える人生。
    いろんなことがあって、いろんなことに傷つく

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    2015年12月19日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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     女性はミステリアスなほうが魅力的だと男性は言う。
     けれども、それは「男性にとって理解しうる範囲のミステリアス」なんだろうなと思った。

     ヒロインの節子は、この物語の主軸であり最大の謎なのだが、もう怖い怖い。節子のやることなすことは、男性にしてみれば、恐ろしいことばかりなのだ。
     節子それ愛やない、情やって言いたくなる。

     この本と直接の関係が無いけれども、「つまをめとらば」で男性作家の描く「怖い女」を知り、「田舎の紳士服店のモデルの妻」で女性作家の描く「普通のヒロインの奥深さ」を知り、そしてこの作品である。
     われながらタイミングが見事だ。

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    2015年09月29日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    「ホテルローヤル」で、すっかり桜木紫乃作品の虜になった。
    恋愛小説だと思い読み進むたら、あら?
    ミステリーでした。
    最後に進むまで、気が付かなかった。
    殺人事件→犯人はだれ?
    なんて単純な話ではない。
    誰にでもある闇を綺麗に書く桜木紫乃さんは、すごい作家さん。
    そして、舞台はぶれずに北海道。
    ますます、桜木紫乃作品を読みたくなりました。

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    2015年10月04日
  • 誰もいない夜に咲く

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    壮絶なのに醒めている。不思議な印象が残る作品群。
    全て北海道の街が舞台の短編集。
    雄大で美しい風景…ではなくて、過疎が進んだ雪深い田舎や、寂れた漁師町、うらぶれた夜の街、などが主な舞台で、だからこそ寒々しくてリアル。

    桜木紫乃さんて直木賞をとった時に実家がラブホテルだったって言ってて気になってたけれど、その環境が、男女の肉欲をこんな風に醒めた感じで描くきっかけになったのだろうかと考えたりした。
    言ってしまえばどうしようもないダメ男とずるずる付き合ってしまう女が何人か出てくるのだけど、そのわりに溺れてるような雰囲気はなくて、醒めた諦めみたいなものに包まれてるから。

    それぞれ印象に残ったからひ

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    2015年07月16日
  • ワン・モア

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    まだ、直木賞受賞作も読んでいない私ですが、今まで読んだ桜木さんの作品の中では、これが一番好きです!
    巻末にあった北上さんの解説によると、この作品から桜木さんの第2ステージが始まるとか……その評価も頷ける作品だと思います。
    死がモチーフになっている連作長編なのに、重すぎず、どこか爽やかで優しい印象すら受けました。
    最初の美和さんが主人公の「十六夜」だけは、今まで読んできた桜木さんの作品らしい、やるせなさを感じ後味の悪さが残ったのですが、次の「ワンダフル・ライフ」最後の方の別れた夫を玄関で見送る場面で、ガツンとやられ、「ラッキー・カラー」のベテラン看護師さんには頑張れと内心で励まし、そして「ワン・

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    2015年06月21日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    解説には、削れるところはバッサリ削ったと。確かにそんなに厚くはないけど、厚さ以上の読み応えがあった。

    夫は母親の元愛人で、ラブホテル「ホテルローヤル」の経営者。その夫が自損事故で意識不明。またガンでもともと余命数ヶ月だったことが分かる。
    夫の継子の捜索、句会仲間のDV、税理士との関係、ホテルの経営といろんな綻びが出てくる。

    節子、倫子、まゆみちゃんは最後まで逃げ切ったのだろうか。たぶん、あの3人なら逃げ切れるだろう、って思えるくらい狡賢さが印象に残った。

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    2015年06月05日
  • ワン・モア

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    初めて読んだ桜木紫乃さんの作品。
    高校同級生の美和と鈴音と八木君。3人は医師になるのを目指すも、八木君は夢を諦め放射線技師の道へ。3人は一度再会するも離れ離れに。鈴音に癌が見つかり、3人は再び再会へ。
    登場人物は皆かっこよくて、どんどん続きを読みたくなった。終盤はちょっとハッピーエンド過ぎかな、とも思ったけど、他の作品も読んでみよ。

    2017/04/24再読。

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    2017年04月25日
  • 異常に非ず

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    義弟は良い人だろー。悪いひととは書かれてないけど。人殺しのお葬式仕切ってくれただけでも偉いぞ。感想そこ?

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    2026年06月12日
  • 異常に非ず

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    実話をベースにした461頁の長編を3日掛けてじっくり読み終えた。

    昭和54年の『三菱銀行人質事件』を元に描かれた本作。

    銀行に立て籠もった犯人は当時30歳。
    4人を殺害し説得に駆けつけた母との対話を拒んだまま射殺された男は、なぜ凶行へと向かったのか。

    母と元恋人、二人の証言から少しずつ浮かび上がるのは、無学な母、絶えずつきまとう貧困、逃れようのない生育環境の影。

    時代のせいだけでは片づけられないが、その歪みはあまりに深い。

    理不尽を憎み続けた末に破滅へ向かった彼の人生を追いかけても、胸に残るのはただ虚しさだけだった。

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    2026年06月09日
  • 異常に非ず

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    事件そのものではなく
    ひとりの男を
    凶悪犯罪へ駆り立てたものは
    いったい何だったのか
    その背景を地道にたどっていく
    新聞記者たちが静かに熱かった。
    そして
    時代や社会や生まれなど
    自分ではどうしようもないことを
    言い訳にしなければ
    生きられなかった犯人とその母親の
    いたたまれなさ、苛立ち、怒り
    他人に己を見せられない弱さ…
    そんなものを感じた。

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    2026年06月09日
  • 人生劇場

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    なんだよおまっ!ッチっ!クソが!
    って思いながら読んでた。は?知らねーよ不幸になってろよって思うけれども、不幸になれば嫁が不憫で。別れてやってくださいって頭下げたくなっちゃうよ。なにが人生劇場だよ、孤独孤独と言いつつなんでこんな奴には共に生きてくれる人がいるんだよ、所詮兄さんと同じ遺伝子だろ(自分の思考が酷すぎて信じられないアワアワ)

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    2026年06月01日
  • 異常に非ず

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    タイトルだけ見たらどんな本なのか全く分からず。この事件を知らなかったが、実際に起きた事件がもとになっているようだ。花川という男とその母の生涯。主人公はむしろ母親かな。こういう史実に基づいた話は好きなので面白かったです。分厚いです、一週間毎晩少しずつ読んで読み終えました。

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    2026年05月30日
  • 緋の河(新潮文庫)

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    秀男の人生を生きた感じがしました。
    秀男は私にないものをたくさん持っていて、すごく憧れました。芯の強さ、真っ直ぐさ、行動力、見習いたいと思うところがたくさんでした。途中すごく短期になって誰とでも喧嘩してしまう事もあったけど、最後まで女性として格好良かった。

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    2026年05月29日
  • 異常に非ず

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    昭和54年、銀行で起こった立てこもり事件で4人を殺したのち射殺された男は、自分は異常ではないという言葉を残した。犯人死亡によりその動機も何もわからない事件を掘り下げる取材を行う新聞記者の海原は、犯人の花川と同い年。その世代独特の生きづらさに共感しつつも、なぜ花川が凶行に至ったのかを追求するため、花川の半生を深掘りしていく。重厚な読み心地の作品です。
    実際にあった事件を題材にした物語ですが、大きな事件であるにもかかわらず事件自体についてはほぼ語られていません。あくまでも主題は花川の人生であり、しかし彼の動機がいったい何だったのかということも謎のまま。読者の想像に委ねられている印象が強いです。

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    2026年05月28日
  • 異常に非ず

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    1979年、大阪で起きた「三菱銀行人質事件」。犯人は行員・警察官の4人を射殺し、裸にした女子行員を人間バリケードにして42時間立てこもった末、突入した機動隊によって射殺されます。本作は、事件後、犯人像を明らかにすべく新聞社の記者たちが、犯人の生い立ちから犯行に至るまでを調査する姿を描いたフィクションです。
    なお、本書のタイトル『異常に非ず』は、犯人が語った「オレは精神異常やない。道徳と善悪をわきまえんだけや」という言葉に由来し、作中に登場するノンフィクション本の題名でもあります(実際に出版された書名は『破滅―梅川照美の三十年』)。
    どうもこのタイトルに引きずられ、本作の主人公は犯人・花川清史(

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    2026年05月26日
  • ラブレス

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    好きか、嫌いかと問われれば。
    あんまり好きな物語ではないかな。
    あまりにも現実的ではないし、自分だったらこんな生き方出来ないと思うし。

    んー。
    なんて感想を書いたらいいのかわからない。
    よく、こんな人生を書き切ることができるなって。
    作者の人生そのものなのかな?
    フィクションだとして、どこからこの話の着想を得たのか。

    作り込まれた良い作品であることは間違いない。
    けど、あまりにも切ないよなぁ。

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    2026年05月26日
  • 蛇行する月

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    釧路の高校を卒業してすぐ、年の離れた男と駆け落ちした順子。
    彼女はいつだってひたむきで、時に危ういほど直情的に突き進み、そして今、貧しさのなかで「とても幸せだ」と言う。

    この物語の凄みは、順子本人の波乱万丈さ以上に、彼女と交わり、揺さぶられていく女たちの「様々な生き様」のリアルさにある。
    順子の眩しいほどの「幸せ」に触れたとき、彼女たちの心に去来するのは、純粋な祝福だけではない。羨望、蔑み、嫉妬、自己嫌悪、そして自身の抱える生活の歪み…。
    順子というひとつの強い光によって、彼女たちの隠したかった孤独や葛藤が、容赦なく照らし出されていく。
    満ちては欠け、時に歪んだ軌道を描く月のように、彼女たち

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    2026年05月22日
  • 異常に非ず

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    大変な労作で面白かった。

    あの異常犯罪の犯人の「真実」の物語ではない。もちろんノンフィクションを下敷きにしたフィクションなので「真実」には辿り着けない(辿り着かない)のは当然ではあるが、主人公は犯人の母と、情人と、取材する記者たち。
    社会に媚びる生き方しかできなかった人間が社会に復讐をする、という大きな骨組みの上にに、母の情、愛人としての情、そしてその情にこそ真実が隠れていると迫る記者の思いが物語として語られる。
    息も継がせぬ勢いで様々にゴツい情念が次から次へと現れて、それを書き切った筆者の凄さに感服するとともに、作者の世界観を顕現させるのに「良いネタ」を見つけたなあ、と思ったのが正直なとこ

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    2026年05月10日