桜木紫乃のレビュー一覧
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「兎に角」60年振りに再会した同級生と、自分ならどんな言葉を交わすだろう…淡い夢物語がシャボン玉のようにポッと浮いてプチンと消える。「ひも」70代ホストの登場に驚く!さらに”ボケたら関係解消”が条件の美容師のひもだという。70代で、こんなに豆に動けるのは愛情のたまものではないのかと、ほっこりと感動。「グレーでいいじゃない」厳しいピアノ教師に育てられた息子とその母との関係。昔の母は、”背中を読め”と本音なんて見せなかった!「スターダスト」久し振りに、コルトレーンの”スターダスト”を聴いてみた。みんな優しい。短編集。中年と呼ばれる事にもとうに慣れ、体力的にも心の有り様にも、淡白になる男と女の物語。
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二人暮らしの夫と妻 交互の視点で描かれた連作短編集。
『ふたりぐらし』というタイトルに
同じ身の上として食指が動いた。 ただ 私の場合はプラス 猫一匹とときどき義母だけれど。
定職に就かず脚本家の夢を追う不惑の夫・信好とそれを支える看護師の妻・紗弓 三十五歳。
信好の胸中は常に自尊心と妻への遠慮でせめぎ合っている。一方 紗弓は収入の大部分が生活費に消えてしまい ごく近い将来さえも見えないという不安を抱えている。
家計のやりくりもさることながら、
お互い 相手を傷つけないように そして自分も傷つかないようにと気持ちのやりくりも大変そうだ。
本書には様々な形の “ふたり” が出て -
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開拓小屋で育った百合江の生涯 妹と自分達の娘の人生 父の卯一はいつも酒ばかりを飲み、母は何も言わない人になり、中学を出て牛舎の仕事ばかりさせられる弟たち、家族は貧乏から脱出する事はできなかった。昔は皆こんな時代だったかも。ただ最後まで百合江を思う人がいた。石黒だ。男はその場を過ぎると逃げる。だが、石黒だけは最後までゆりえを大切に思っていた、人は育った環境に大きく左右されるのかこの本を読んでそう感じた。ただ昨日を捨てる事はできないダブレスとは「愛がない 愛情を感じない。愛されない。冷たいと言った意味」百合江はラブレスのような人だったのかな、桜木紫乃の本は本当に飽きが来ない。
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高校の同級生だった二人の女医を軸に、不器用な男女の関係を描いた連作短編集。
「十六夜」
過去のトラブルを背負い、離島の診療所に勤める女性医師。
彼女は社会を恨むことも、自分を省みることもなく、ただ淡々と生活している。贖罪も再生もなく、あるのは日々をやり過ごす身体。
島の男との恋が海の飛沫のように。
「ワンダフル・ライフ」
母親に請われ、個人医院を開業した女性医師。
自分にも他人にも厳しかった父を亡くしたあとも、彼女は毅然とした母の「良い娘」であり続ける。人生の最期に、彼女は恋した人を求める。
「おでん」
前作で描かれた、個人医院の家。
その建物が売りに出され、次の人生へと受け渡されていく -
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子どものいない夫婦の日常が、淡々と描かれています。仕事を選び働かない夫が出てきますが、家事はしますし、妻も生活優先で給与の安い勤務先に転職した過去があります。
経済的には厳しいけれども、相手を批判せず、互いに認めながらも、どこか言い出せない秘密がある。そんな夫婦の話。
結婚は当人同士の話ではあるけれども、互いには育ててくれた親があって、それがどんな親であれ、関係ないとは割り切れない当人たちの気持ちが丁寧に描かれています。
家族を想う言葉が、ストレートすぎれば反発を招き、気遣いが過ぎれば重くなる。縁の切れない家族との付き合いは他人よりも難しい。
切なく優しい大人向けの話でした。 -
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ネタバレ桜木紫乃ならでは、という筋立て。釧路の高校で図書部だった女子高生4人がそれぞれたどる人生を描く。
国語教師に恋し、官舎に押しかけ愛を告白した女子高生時代。時は流れ同じ国語教師と結婚したのは別の図書部員だった。
就職した和菓子店の職人と駆け落ちした順子。職人は店主である妻の前から、身ごもった順子とともに北海道から東京へ逃げる。時は流れ失踪宣言がなされ、順子はこの世に存在しなくなった夫と、その間にできた子と暮らし…苦労の末、これから、というところでまだ40代なのに不治の病にかかった順子。
再会した別の部員に順子が言う。「子どもの目が見えなくなる。私の角膜を移植して、息子が、その目でいろいろな -
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子供のない30代の夫婦の話
夫は映画の脚本家になることを諦めきれず定職はない。実家では母親が一人で暮らしている。
妻は看護師として働き生活を支えながら実母との確執に悩む日々。
夫がいつもの桜木さんの作品に出てくるクズ男だと思ってたら違うのよ笑
妻もわたしのイメージの看護師とは違うし…
お互いが相手に気遣いながら波風を立てないように
暮らしている日常が、夫と妻の視点から交互に語られていきます。
自分の至らなさに悩みながらも相手に対して不満を持つことはない。
劇的に変化が起きることもないし。
この空気感にイライラする人には向かない作品だな
わたしには良作でした:.゚٩(๑˘ω˘๑)۶:.。 -
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自己啓発本を読み漁っていた時期に度々出会した考えに「今を生きる」というものがありました。
過去を後悔するでも未来を心配するでもなく、今この一瞬に集中して全力で生きること。
順子ってこの典型なんだと思う。
今更変えられない過去を嘆くでもなく、心配したところでやって来てしまう未来に過剰に怯えることもない。ただ、今を全力で生きている。
そしてないものを数えるのではなく、あるものに目を向け感謝する。
だから彼女は死を前にしても「幸せだ」と言いきってしまう。
高校の同級生や順子の親はどうしても幸せをステータスや世間体で測ってしまうので、順子の“幸せ”が理解できない。仕事、パートナー、収入…ないものを数 -
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ネタバレ猛夫とサトミは80代の夫婦。
毎日母に電話をする次女の乃理が、母の異変に気付いた。
父に問いただし、母が認知症になったことを知った乃理は、実家とほとんど連絡を取ろうとしない姉の智代にそれを伝えた。
猛夫は腕のいい理容師で、中学を卒業した智代を進学させずに自分の跡取りとして修業をさせた。
しかし山っ気の強い彼は、うまい話に手を出して、結果自分の店を手放す羽目になる。
はしごを外された形になった智代は、それを気に実家と距離を置く。
母が認知症になったからといって、今更当てにされても…と思う。
もう、智代の逡巡が刺さりまくり。
私が中卒ではないし、後を継ぐ親の財産もないけれど、長女としての責任を -
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ネタバレ正直、最初の3分の2は、よくわからなかった。
端的に言うと、読み進めるのが辛かった。
ちっとも話が見えないから。
でもその後、そう狂言誘拐のあたりから、面白くなってきた。
序章で主人公が自殺する場面から始まるから、どんな展開かとハラハラしてたけど。
一応ハッピーエンドと言えなくもないラストに、少しだけ胸を撫で下ろした。
2件の殺人。宜なるかな。必然とも言える成り行き。
自分が彼女の立場でも、同じことをしてしまうかも?と思えるほど、真に迫ってた。
最初でグッとつかんで、中盤もたせる作りとは思ったが、もう少し何か捻りが欲しかった。
なので星1つ減らします。 -
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小心なのに虚勢を張る。欲しいとなれば後先見ずに突っ走る昭和の男。『人生劇場』の主人公、猛夫(タケオ)の名を見て「ホテルローヤル」や「家族じまい」を思い出した。
昭和13年の室蘭で、新川彦太郎とタミの間に生まれた次男の猛夫。「馬鹿タケ」と呼ばれ居場所のない猛夫を伯母カツが引き取り育てる。
戦争で皆が貧しかった時代。
鉄の町を襲った砲弾の雨。
敗戦後の町で生きる人々。
桜木紫乃さんがご自身の父親をモデルにしたフィクションで、巧みな人物描写が光る。
理容師を目指した猛夫の挫折。やっと叶えた夢の城で妻の頬を叩くしようもない男と、そんな男の人生に巻き込まれていく女たち。生きる希望を託し春生と名づ