桜木紫乃のレビュー一覧

  • ホテルローヤル

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    廃墟になったラブホテルを舞台に、そこに積み重なった人間ドラマを少しずつ遡っていく構成が印象的でした。
    短編ごとに時代が逆流するように進んでいくので、読みながら「この場所にはどんな人生があったのだろう」と覗き見している感覚になります。

    地方を旅するときに、車でラブホテルの廃墟を通り過ぎることありますが、これまではただ通り過ぎるだけの建物にも、実は多くの人の孤独や愛情が刻まれているのかもしれないと思うと胸に迫るものがありました。

    物語の中でホテルが廃業するきっかけとなる出来事に触れたとき、断片がつながって「そういうことか」と腑に落ちる瞬間があり、胸がキュッと締め付けられました。

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    2025年12月16日
  • ホテルローヤル

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    時系列が現在から過去へ。
    現在廃となっているラブホを舞台に語られるそれぞれの登場人物の、「いま」。
    タイムマシン感覚で、過去に流れている中で、「あ、この人」と、徐々に明らかになっていき、最終的に繋がる。
    単純に現在から過去への流れなのですが、読み終えたあと、逆から読んでみたいなと思いました。
    好きな作品です。

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    2025年12月15日
  • 二周目の恋

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    綿矢りささんの「深夜のスパチュラ」は、現代っぽくて入ってきやすい。でも文章が続いていて読みにくい。主人公がかわいい。
    一穂ミチさんの「カーマンライン」は、表現できないけれど良さがあって好きだと思った。双子って素敵だなあ。
    遠田潤子さんの「道具屋筋の旅立ち」は、いかにも昭和的な男と、女の話で最初は嫌だなあって読んでた。でも、八角魔盤空裏走(はっかくのまばん、くうりにはしる)という言葉を聞いてからの優美の自分自身と向き合っていく姿が清々しかった。最後の誠とのシーンがなんかいいなあって。
    窪美澄さんの「海鳴り遠くに」は、紡がれている物語の雰囲気がなんだか好きだなあ。最後ちゃんと結ばれてよかった。

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    2025年12月02日
  • ふたりぐらし(新潮文庫)

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     桜木さん作品の男性といえば、DV気味のクズ男かヒモ男(口が悪くてすみません…)が多いのですが、今回は違いました。

     頼りない男性が描かれているのですが、桜木さん作品にしては珍しくほっこりするお話でした。

     私的には実家をリフォームして暮らし始めるあたりがなんだか温かく優しい気持ちになりました。

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    2025年11月30日
  • それを愛とは呼ばず

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     面白かったです。最後の展開は読めず、驚きました。
     亮介と紗希、それぞれが相手をどう感じているのか、各章交互に明らかになっていく。
     ずっと擦れ違い続け最後は…。

     廃墟同然のマンションのシーンは情景が目に浮かび、なかなか怖かったです。
     このお話はどのジャンルになるんだろう…。

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    2025年11月29日
  • 誰もいない夜に咲く

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    寄せては返す波のような欲望に身を任せ、どうしようもない淋しさを封じ込めようとする男と女。
    安らぎを切望しながら寄るべなくさまよう孤独な魂。
    とても素敵な角川の紹介文、引用させていただきます。
    そんな人々の“どうしようもなさ”と“それでも生きていく姿”を、北海道の風景に託して叙情豊かに描き出す七つの短編。

    「波に咲く」
    中国人妻との静かな生活を守ろうとする畜産業の青年。寂しさを封じ込めているのは日本の女だけではない。青年にも言葉にならない悲しさがあるのが見えてくる。

    「海へ」
    クズ男に貢ぎ、身体を差し出す女。
    やがて 彼女は彼らを捨てて離れていく。
    “ん、それが良い”と思える、ささやかなカタ

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    2025年11月28日
  • ヒロイン

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    かなり分厚い本だけどおもしろい。

    《どこで間違ったわけでもない。へまはしたけれど、それが岡本啓美の選択だった。》

    一度道を踏み外すと、こうも外れた道ばかりを選んでしまうのか。

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    2025年11月23日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    道東・釧路で『ホテルローヤル』を営む幸田喜一郎が交通事故で意識不明の重体となった。年の離れた夫を看病する妻・節子の平穏な日常にも亀裂が入り、闇が溢れ出すーー。彼女が愛人関係にある澤木とともに、家出した夫の一人娘を探し始めると、次々と謎に直面する。短歌仲間の家庭に潜む秘密、その娘の誘拐事件、長らく夫の愛人だった母の失踪……。驚愕の結末を迎える傑作ミステリー。(解説・池上冬樹)

    いや〜面白かったです(*´∇`*)
    節子が火災で死んだところから始まるんですけどね
    男と女のドロっとした話も、桜木さんが書くとどこか渇いた文章で淡々としていて
    それがすごく良い♪
    中盤からミステリー感が増し増しでラストま

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    2025年11月20日
  • 無垢の領域

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     うわ〜…面白かったです。
    他の方々の評価は、低めな印象でしたが、十分に面白かったと思います。

     じっとりした展開で、秋津親子にはずっと嫌悪を感じながら読みました。最後の展開も、あ、なるほど…と納得。伶子さんが秋津と離婚したら、幾分気持ちがスッキリするのに…とモヤモヤ。でも、最後の展開が周囲に発覚すれば、さすがに伶子さんも見限るのかな?

     私的に、嘉史にも、もう少しスポットを当てて、心情を描いて欲しかったなと思いました。

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    2025年11月20日
  • ブルースRed

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     前作より続編。偉大なる父を亡くし、その後を継ぐ義理の娘の莉菜の人生を描いている。

     話はハードボイルドで、裏の世界が描かれている。淡々と歳月が進み、余計な文章はなく、読みやすく、面白かった。

     前作より、終始暗いが、その暗さが好きで、くせになる。

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    2025年11月18日
  • 起終点駅

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     一話一話が重く、深いお話でした。

     ただ、少し物足りなさ感じ、それぞれ長編で読んでみたいと思いました。

     桜木さん作品、まだまだ読み進めます。

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    2025年11月13日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    どの作品もさくっと読めるけど、登場人物の人生と重ねて考えられる余韻があった。私はななつ星に誰とどんなときに乗りたいだろうと考えた。

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    2025年11月09日
  • 氷の轍

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     面白かったです。前作の主人公もポツポツと出てきて嬉しかったです。

     犯行動機はうん…たしかに…と納得。良かれと思っても他人にとっては迷惑で…。歳を重ねると自分の考え方を変えるのは難しいですよね。

     桜木さん作品、このままの勢いで次に進みます。

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    2025年11月09日
  • 人生劇場

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    桜木さんの作品は根底に暗いものが漂っている。
    誰のせいでもなく、ただそこにあって、そこに生まれ落ちた人が宿命のように背負わされるもの
    その不条理に涙が出てくる。
    あちこちにぽこっと落とし穴があって、はまらずにすむ人と、はまってもがきまくる人と、その違いはなんだろうか。
    夫婦は自分で選んだから責任はあるとして、親や兄弟は自分では選べないのに、しがらみから逃れられず、諦めなのか許せるようになるのは、自分自身も様々な人生経験を積んだ後なのだと思うと、なかなかしんどいな。

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    2025年11月09日
  • 誰もいない夜に咲く

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    7つの短編集
    どの話も女が強かに生き抜いている
    男に騙され流されているようで、実は自分の足で踏ん張って生きている女達
    行ったことのない北海道の情景が目に浮かぶような文章はさすがです
    これぞ桜木紫乃って感じ♪

    北海道を描き続けている桜木作品はどれも似ていて飽きちゃう?って方もいるけど
    わたしはこのまま北海道にこだわって描き続けて欲しいと思ってます_φ(・_・


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    2025年11月07日
  • ホテルローヤル

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    全体的に寂れててジメッとした雰囲気が漂う ホテルにまつわる連作短編集 時系列が通常とは逆で、廃墟となったホテルローヤルから始まり、終盤はホテル開業前まで時間が遡って描かれていく。ギリギリの生活をしている登場人物ばかりで、非現実感やそういった世界の恐怖なども感じる。どこか物悲しさが漂うが、不思議と引き込まれる作品だった。

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    2025年11月06日
  • 情熱

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    帯にある3作品ではない2作品が好き。
    「グレーでいいじゃない」で、最後に亡くなった相棒の母が弾く「ストレンジャー」の演奏の音が聴こえてくる気がした。
    「らっきょうとクロッカス」1人で50過ぎまで目的に向かって目標を達成しながら完璧に生きてきた女性が、ささやかな出会いで穏やかで幸せな生き方を手に入れる、その語り口が、なんか、沁みた。

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    2025年11月03日
  • ホテルローヤル

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    辛い。
    この人の取り上げる人たちのギリギリ感はいつもきつい。
    上手な分、目を背けたくなる。
    「えっち屋」「バブルバス」で少し息ができる。

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    2025年11月03日
  • 風葬

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    思い出して、思い出して、忘れて行くこともある──

    釧路で書道教室を営む夏紀は、軽い認知症を患った母がつぶやいた、聞き慣れない地名を新聞の短歌の中に見つける。
    父親を知らぬ自分の出生と関わりがあるのではと、短歌を投稿した元教師の徳一に会いに根室へ。ひとつの短歌に引き寄せられた二人の出会いが、オホーツクで封印された過去を蘇らせる……。


    面白かった〜
    徳一は教師時代に受け持った女生徒への後悔と懺悔を胸に抱えて生きてきました
    夏紀が訪ねてきた事で過去の出来事を息子と共に探っていくんだけど…
    徳一、息子、夏紀…それぞれの心情が丁寧に描かれてて良いの♪

    曇天のオホーツクと過去を探っていくミステリー

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    2025年11月01日
  • 情熱

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    「情熱と分別のあわいに揺れるあなたへ」という帯書きだが、タイトル作の『情熱』よりも、他の『兎に角』に特に惹かれました。

    どの作品も、還暦過ぎた主人公たちの諦念や枯れ感がいい具合に醸し出されていて、安心して読めました。

    桜木さん、これからも是非この路線で頑張って欲しいです。

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    2025年10月29日