桜木紫乃のレビュー一覧
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最初の1頁から桜木さんの世界に引き込まれる。ヒンヤリした体感。どこか乾いた淡々とした文体が肌に合う。
道東のさびれた飲み屋街の火災から始まるミステリーは途中はミステリーであることを忘れる展開。
それは、諦めと閉塞感の漂う叙情の世界。主人公節子は桜木作品に多く登場する女性にもれず、どんなことが起ころう...続きを読むPosted by ブクログ -
またお話しの数だけ、哀しいがたくましく強い女性たちが居た。自分は北海道ではないが、生まれ育った土地が厳しい季節を乗り越えなくてはならない所だから?私はこんなにも彼女たちに惹かれるのだろうか。力をもらっているのだと思う。だから読みたくなるのだ。Posted by ブクログ
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自分の出生を知りたくて、認知症になった母が呟いた岬の名前を頼りに、新聞の投稿短歌にその岬を使った作者に連絡を取った夏紀。
その出会いが彼女の出生にまつわる事実を掘り起こす。
そこには様々な悲しみや恐怖等が入り雑じった過去があった。
今までの桜木作品では一番面白かった。
2018.2.27Posted by ブクログ -
指が六本あった男を柱とした女たちの物語。そして、舞台は釧路。もうどっぷり桜木さんの世界。ウラルの相羽と霧を思い出す。影山の魅力と道東の空気、女、充分味わえました。Posted by ブクログ