桜木紫乃のレビュー一覧

  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から
    電車のお話は馴染みが深くて
    卒論で観光列車について書いた私には
    まず題材がたまらなく感じた

    本のデザインも素敵だなぁと思ったら
    吉田篤弘さんが関わっていて
    あったかい気持ちになった

    特に好きだったのは
    小山薫堂さんの旅する日本語
    とても綺麗だった
  • 家族じまい
    墓じまいならぬ家族じまい。

    家族の形について考えることがあり
    タイトル買いしてしまった小説。

    自分の身にいつ起きてもおかしくないリアルさがあった。

    299ページ(文庫)
  • 裸の華
    桜木さんの作品の傾向から、この人が裏切るのかな?と途中で何度か予想しましたが、酷い人は出ず良い人達ばかりで読み終えてホッとしました。お店を閉じるという展開に寂しさを感じましたが、ノリカの踊り続けるという決断には感服しました。また桜木さんの作品読みたいです。
  • 裸の華
    よい本だった。若い時は「恋人」「友達」「先輩と後輩」みたいなわかりやすい関係に集約されるけど、歳とると色んな関係性があるよなって改めて認識させられた。
    何かを始めるにも、何かを終わらせるにも勇気をもらえる本。
  • ホテルローヤル
    北海道釧路の女性作家。直木賞受賞作品。
    ラブホテルの末路から始まり、段々と過去に遡って書かれている。
    夢を持って始めたホテルだが、徐々に暗雲が立ち込め、やがて朽ち果てていく。そこに何人もの人の生き様、寂しさが漂う。
    全7話で書かれている。別々の人間、時代も違うのに、物悲しさ、優しさは共通。このうち「...続きを読む
  • ラブレス(新潮文庫)
    タイトルに惑わされてはいけない
    愛いっぱいの百合江だったのだ、と。
    北海道開拓村の貧困家庭で育った一人の女性の一生。
    壮絶なのに、カラリとした生き様がすごい。
    小池真理子氏の解説が素晴らしく、心に沁みる
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から
    豪華寝台列車の「ななつ星」を題材に5人の作家と糸井重里さん、小山薫堂さんが物語や想いを綴る。寝台列車はセンチメンタルな気持ちになる。闇夜を走り抜ける中、人は過去を思い出し、その時にしかできない話しをし、解決できなかった想いを投げかける。5つの物語はどれも労りがあり、癒しもある。旅(ななつ星は旅という...続きを読む
  • ホテルローヤル
    Twitterのお題箱で以前オススメされていたのをきっかけに読んだ。「ホテルローヤル」というラブホテルに関連した7つの短編が収録された直木賞受賞作品だ。話はすべてそれぞれ1つの話として楽しめるのだが、構成としては最初の「シャッターチャンス」から最後の「ギフト」まで現在から過去の話に戻っていく形式にな...続きを読む
  • ホテルローヤル
    日常と非日常の中間に存在しているようなラブホテルを舞台に、現在から過去へ進んでいく物語は斬新だった。

    ラブホにやってくる一組一組にそれぞれの人生と物語がある。その一部を切り取ってくれた作品。
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から
    死ぬまでにしたいことの一つ、豪華クルーズトレインの旅を、豪華執筆陣のアンソロジーで擬似体験。「ななつ星」をめぐる7編、どれもいい話だった。中でも印象に残ったのは、ラストが切ない、井上荒野さんの「さよなら、波瑠」と、母娘リモート旅が和む、川上弘美さんの「アクティビティーは太極拳」。老春、相生、家苞et...続きを読む
  • 孤蝶の城
    あたしはあたし
    自分部の部長
    いつも自分自身を鼓舞する姿勢がヘタレの自分には眩しくて励まされる
    「緋の河」のブレない秀男がこの作品で揺れる様が迫ってきたけど、中盤だるんだのが少し残念。だが、やはり、秀男=カーニバル真子のエネルギッシュな生き方は賞賛に値する
  • 星々たち
    育った家庭環境がその人の性格、とくに性愛に関する傾向によく反映しているなあ、という印象。
    生きづらそう、とは思ったが、それは私の価値観で彼女たちの人生を生きたらの話であって、彼女たち自身は至って自然に道を歩いているのだと思う。
  • ホテルローヤル
    釧路の湿原脇の国道から細い道へ入り、ホテルローヤルを舞台にした短編集。暗い日常から少し遠ざかり数時間を描いたバブルバスがよかった。2人を取り囲む日常は目を伏せたくなるけれども、最後に信号の向こうでパート募集してるの、と前向きな言葉を並べたところが温かくなった。
  • 蛇行する月

    女性作家による、女性を主人公にしたオムニバス形式の小説です。各章の主人公は、仕事、パートナー、親から継いだ店、ダメ母性分など、何かを抱え、もがきながらも幸せを見つけようとします。きっかけになるのは順子という女性の過酷ながらも真っ直ぐな生き方。最終話の主人公は順子に問います、幸せなのかと。この会話に...続きを読む
  • 砂上
    「ケチは生き方、せこさは性分」
    「屈託とか葛藤とか、簡単な二次熟語でおさまらない話が読みたいんですよね」

    舞台が江別 珍しいな~とおもいつつホテルローヤルに続いて手に取った一冊。本当は前回書店に行ったときも気になったんだけど、読むのを延期しておいた作品でした。小説を書く40歳女性、柊令央を取り巻く...続きを読む
  • 孤蝶の城
    「あたしはあたし、男でも女でもない。出来る事をやるだけだ」。

    2019年に刊行された『緋の河』の第二部にして完結篇。
    主人公の秀男に、前作を上回る覚悟を感じた一冊だった。

    一つ間違えば命に関わるモロッコでの性転換手術。
    業界に生き残る為に身を削り、時には自ら情報を作り上げメディアに売る。

    偽装...続きを読む
  • それを愛とは呼ばず
    大好きな作家さんです。
    桜木紫乃さんのミステリーは、一般的なミステリーと呼ぶ作品とは違う世界観でした。
    人間の心のミステリーを描いているような感じでした。
  • 光まで5分
    流されて竜宮城。 ツキヨがいるのは、幸せや希望の光が届かない海の底。 「どんつき」まで来てしまった人は暴力とお金の支配に無抵抗。 共感や救いなんて、初めから終わりまで一切ない。 それでも、玉手箱の煙を吸えば月夜の光を浴びるまで5分とかからない。
  • 氷平線
    どの話も静寂と暗さとどうしようもないしがらみ?みたいなものが漂っていて、決して幸せにはなれなくて…。でも読み応えがあって個人的には好みでした。
  • 孤蝶の城
    生まれ持った身体から変化を遂げるというのは、なんて難しいことなのか。
    秀男はペニスも取り膣も造って、見た目は完全に女性になったが、それでも本当の女性ではないし、自分が女性になりたい訳ではないことも自覚している。じゃあなんで手術したのかと言われれば、「ノリ」と答える秀男の姿を勝手に想像してしまう。

    ...続きを読む