桜木紫乃のレビュー一覧
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帯は、
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あなたなら、
この旅に誰と出かけますかーー?
豪華寝台列車「ななつ星」をテーマに
7人の人気作家が紡ぐ「旅と人生」
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小説5編と随想2編が収められています。
表紙の暗闇のなかの流れ星と、
車窓から漏れる灯りが素敵で。
以前、文学YouTuberの寝台列車のなかでひたすら読書する動画を見たことがありますが、列車とか旅は非日常感があってドキドキワクワクしますね。
列車をテーマにしても、オーソドックス(私の中では熟年夫婦やカップル)な物語だけでなく、友情や幽霊が出たり、感染症の流行で乗車が叶わなかった親子がいたり、糸井重里さんや、小山薫堂さんの随想だったり、とても新鮮で贅沢な一冊です。
ボリュームも少なく、雑誌をめくるような気分で読むことができました。 -
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ネタバレ「ケチは生き方、せこさは性分」
「屈託とか葛藤とか、簡単な二次熟語でおさまらない話が読みたいんですよね」
舞台が江別 珍しいな~とおもいつつホテルローヤルに続いて手に取った一冊。本当は前回書店に行ったときも気になったんだけど、読むのを延期しておいた作品でした。小説を書く40歳女性、柊令央を取り巻く関係が母親の死をきっかけに大きく変化していくお話。彼女が16歳で産んだ娘を、妹として育てる母親。彼女の人生を小説として表すために、令央はミオ(母親)の人生を追っていく。
「一人称じゃなく三人称で書く」自分の人生も嘘で覆い、作家に作品を描かせる編集者、小川乙三がなかなかインパクトがある。言語力堪能な彼女の言葉は、令央と同じように読んでいる私もうーんと悩まされたりと考えさせられたりするものばっかり。物を、文章を、産み出す苦しみを主軸において主人公を取り巻く環境について軽快な書き口で表していた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ生活能力には欠けるけれど書道の天才である林原純香が、民間に運営を委託されその館長となっている兄の元にやってきて起こす、周りへの人々の心のさざ波をえぐり出した問題作。書道家の秋津龍生はなかなか書道界で力を認められず、妻であり養護教員の怜子に経済的に支えられていたが、純香の件で林原館長に相談を受けてから男女の関係を持つ。秋津は純香の天才さに衝撃を受けつつ、そばに置くことを望んで自分の書道教室の教師として迎え入れる。林原館長には純香も馴染んでいる里奈という彼女がいるが結婚までは考えていない。秋津の母は、もうろくしているのか正気なのか定かではない状況。こうした人たちが抱える静かな嫉妬と羨望を、林原純香はそれぞれに気づかせていく。無垢である恐ろしさはそこにある。そして純香の急死。そこで人々の心のさざ波は薄らいでいく。
章ごとに主人公が違ったりして話の深みに入りにくいが、読み進めていくとざわざわとした心持ちになっていくところがこの小説の怖いところか。一度読んだだけでは、その深みに存在する「何か」を読み取るのは難しいかも知れない。自分も、その「何か」を探りあぐねて読み終わった。ジャンル的にはサスペンスらしいが、この作家の作品としては必ずしも成功作とは言えないのかも知れない。 -
Posted by ブクログ
『ラブレス』(新潮文庫、2013)が面白かったので立て続けに同じ著者の小説を読んだ。こちらもなかなか。
影山博人という両手両足の指が6本ある男の人生が、人生のそこここでかかわりのあった数人の女たちの視点を当てながら描かれる。顔がよくてセックスもうまかったみたいだけど、悲しい生い立ちを背負ってダークな仕事に身を染めてという人生は決して魅力的には思えない。北海道内でほぼ話がまとまっているのでスケール感もそんなに大きくない。でも、北海道が舞台というのが効いていると思う。自分にとっては現実離れした奇譚があたかもあり得そうで、ちょっと幻想的な気分を伴いながら読んだ。