桜木紫乃のレビュー一覧

  • 谷から来た女

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    アイヌの娘の赤城ミワにまつわる短編集だった。しんみりとした作品だった。各短編に出ている主人公のミワがなかなか出てこなかったり、時系列順になっていなかったり混乱したが、そうだこの本は短編集だったこれもありだなって思った。しかしなかなか味のある作品だった。

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    2024年06月24日
  • ふたりぐらし(新潮文庫)

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    夫と妻交互の目線で描かれる、静かに生活が降り積もっていく夫婦の物語
    ぐるりと季節がすすむたび、2人ははより「夫婦らしく」寄り添いながら生きていく
    『男と女』『理想のひと』の2作が特にすきだったな
    紗弓の母が信好にいろいろ言いたくなる気持ちも少し分かる
    主人公2人の性格が穏やかだからか、日常の些細な事件もそんなに苦しくなく淡々と進んでいく
    家族、夫婦って最小限の社会単位なんだな〜

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    2024年06月23日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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    第13回新井賞受賞作

    釧路のキャバレーで働く二十歳の青年
    ギャンブルに堕ちていた「サソリのテツ」と呼ばれていた父親は亡くなった
    葬儀にも出ず遺骨だけが彼の元へ

    家族という存在に縁が薄かった青年は
    「世界的有名マジシャン」の師匠
    「シャンソン界の大御所」のブルーボーイ
    「今世紀最大級の踊り子」のストリッパー
    どさ回りの三人と 年を越す一カ月、キャバレーの寮で同居生活
    社会からはみ出しているけれど、人としてなんだか暖かい人達
    クセは強め 人情は厚め 後味が良い三人組
    本当の家庭のような 一時の家族のような
    彼らに出会った青年は、何かを求めて釧路を出ていく

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    2024年06月18日
  • ふたりぐらし(新潮文庫)

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    リアルだなぁ実にリアル。わたしならどうするかな、と考えながら読んだ。2人で夕食の準備ができるかんけいっていいなー

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    2024年06月18日
  • ラブレス(新潮文庫)

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    読むのに時間がかかった、、。
    初めは読みづらいなと思う箇所もあり、人生のリアルさだと思うんだけど、汚さとか女性のやり切れなさとか、実家の両親のしんどさとか、田舎の付き合いとか、、男女関係とか、、。でも嫌な気持ちとかはなくって、だんだん百合江と里実の人生の続きを垣間見る気持ちですんなり読めた。
    救われない話だったけど、ラストだけはいい思い出となったんじゃないだろうか。

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    2024年06月16日
  • 家族じまい

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    地元の直木賞受賞作家なので存じてはいたが、これまで読んだことはなかった(と思っていたが「凍原」は読んだことがある)。現代文の共テ模試に使われてたのを少し読んで、心情描写が少しクセのある文体だなあ、と引っかかって、ちゃんと読んでみることに。
    結論としては、次積極的に買うことはないかな、と。年が同じくらいで、「燃え残ったものなんてあるんだろうか」とか共感できるところも多いし、心理の描き方が特に上手だなと感じるけれど…
    家族関係の設定がウェットすぎる点が入り込めなかった。道民のドライな気質風に書いてるのだろうけど、心に重しがある登場人物ばかり。まあそうでないと、物語は進まない訳で。老夫婦の道行きはオ

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    2024年06月12日
  • 彼女たち

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    体力ないときにちょうど良い量と写真
    想像していたより文量少なかった
    このカフェみたいなほっと一息つける身近な場所の存在価値は本当に高い

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    2024年06月08日
  • 蛇行する月

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    他人と比較する幸せは結局「しあわせ」に気付かないし、満足しない。
    本当の幸せは自分が測るもの。順子の健気な強さが羨ましい。

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    2024年06月06日
  • それを愛とは呼ばず

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    〈そこにあったものは「愛」だったのか? 驚愕の結末が話題を呼んだ傑作サスペンス長編。〉

    読書会課題図書
    皆さんの感想など伺いたかったけれど、体調不良で欠席。
    残念

    それにしてもこのラストは!?
    えー!
    なに?

    沙希はこれでよかったの?
    これからどうして生きていくの?

    ラスト
    「花の下に埋もれているのは、なんですか?
    それを愛と呼んではいけないのでしょうか?」

    ≪ 教えてよ 執着幸福 それは愛 ≫

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    2024年05月24日
  • 家族じまい

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    桜木紫乃さんの恐ろしさは、その土地の空気感を文章に落とし込む所だ。長女は江別、次女は函館、実家は釧路。その土地ならではの人柄や風習・慣習は確実にある。それを言葉にするのは難しい。中にいれば気が付けない。外からの目線なのに、ナチュラル。親の老後と子供の巣立ちと、おそらく更年期だって入ってくる年頃で、そういった穏やかとは言い難い日々を過剰にドラマチックに仕立てるでなく、どこの家にもおきていそうな温度で描く。他人事ではない切実さがある。墓じまいのように家族がしまえたら…そんなことを思う。

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    2024年05月05日
  • 裸の華

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    ざっくりいうと元ストリッパーがすすきのに店を出す話。
    情景や人の姿が思い浮かぶようなわかりやすい文章で読みやすい。
    夜の世界はもっと生々しい感じもするけど、なんだか綺麗にまとまった感。

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    2024年04月28日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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    辛い経験、苦労した経験が多いと人は優しくなれる。
    章介は腐る前にほんとにいい人たちに出会えたな。
    周りにもハチャメチャでわがままなのにちっとも嫌じゃない人いるなあ。
    色んな空気を読み取ってる繊細で優しい人なんだとこの本読んで思いました。

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    2024年04月24日
  • 二周目の恋

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    普段は読まない恋愛小説。
    人気作家さん7人の短編集で大人の恋愛小説。
    もちろん初めての作家さんたちでした。
    二周目の恋とは何ぞや?と思いながら読み進めて、色々な恋愛がありました。
    「最悪より平凡」が1番好きでした。

    たまには恋愛小説も良いですね。

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    2024年04月11日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    私にしては珍しく良かった

    休日午前の緩やかな時間帯の読書タイム。本書は、ギラギラしないシルバー夫婦等のななつ星とか言う高級電車旅をテーマにしたアンソロジーだ。

    冒頭の井上荒野作品、初めて良かったと感じた。苦手だったんだが、このふんわりした幽霊ものは良いな。本書一番作品かな。

    さらに、アイデアというか恩田陸作品の驚きのなぞなぞに仰天し、あまりよく知らない川上弘美作品のアイデアに脱帽。

    うん、なかなか良い休日をスタートできそうだ。

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    2024年04月07日
  • 誰もいない夜に咲く

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    自分が住む田舎町の身近な日常のすぐ隣に
    男と女の様々なドラマがひっそりと存在する
    田舎の狭いコミュニティで噂されながらも
    その土地を生きる「近所の人たち」が脳裏に浮かぶ

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    2024年03月25日
  • 氷平線

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    北海道、雪と氷に閉ざされた薄暗い中で繰り広げられる男女のドラマを6編収録。恋愛モノと言えばそうなのだが、心ときめく話は無い。恋愛と言うより、性愛である。しかしエロくはない。純文学のような読後感。

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    2024年03月16日
  • ワン・モア

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    人間の生と死とそして性は繋がっている
    登場人物それぞれのドラマの中で綴られて繋がる
    後悔するような出来事があっても
    人はそこからもう一度歩き出すことができる
    人間は意外と強い生き物

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    2024年02月29日
  • 二周目の恋

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    大人な恋だったり、
    同性愛だったり、
    どうしようもない恋だったり。
    7人の先生の作品だったので
    ゆっくりゆっくり読みました。

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    2024年02月29日
  • 二周目の恋

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    二周目の〜ということで大人の恋が多かった。
    そんな中、綿矢りささんの「深夜のスパチュラ」は可愛いかったが、オチのつき方が一捻りあって綿矢さんらしい!と思いました。一穂ミチさんの「カーマンライン」は離れて育てられたミックスツインのお話。その感情がなんなのか、説明できない、そのできなさを恋という風に描けるのは(作中でははっきり言及しませんが)さすがだな〜と。
    アンソロジー、いろんな作家さんが楽しめて良い。

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    2024年02月18日
  • 砂上

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    読み終えて小説を書くってことは、ある真実に
    たくさんの嘘を装飾して限りなく現実にみえる
    虚構を作り上げることなのかなと思いました。

    作家さん全てがこの方法で小説を書いている
    訳ではないだろうけれど、少なくとも『砂上』の
    作者である桜木紫乃さんは、話を生み出す際に
    こんなふうに話を構築していく手法を取ることが
    あるんじゃないかと感じました。

    話の中で主人公に感情の薄さが武器になると
    告げた編集者との出会いは主人公にとって
    運命的に感じましたが、編集者には別の意図が
    あって、主人公が自分に利する人間かどうかを
    様子見するために網を張られただけと考えるのは
    穿ちすぎでしょうか。

    物語の中の

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    2024年02月09日