桜木紫乃のレビュー一覧

  • ふたりぐらし(新潮文庫)

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    帯には1日1編で10日かけて…と書いてあったが、結局4日で読み終える。桜木紫乃は「砂上」に続いて2冊目。共通してるのは舞台が北海道で現実離れしたハッピーもなく、アンハッピーもない落ち着いた作風。そんな暮らしの中、夫婦とは?を両者の視点を交互に描いた良作。

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    2024年10月01日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    川上弘美さん、三浦しをんさん、糸井重里さんと好きな作家さんのラインナップに惹かれて手にとった。本のデザイン素敵だなーと思ったら、クラフト・エヴィング商會だった。
    九州の豪華寝台列車「ななつ星」にまつわるお話。寝台列車の旅って憧れがあるけど、なかなかなお値段。それでも抽選になるぐらいだから、きっと素敵なんだろうな。
    途中のイラストも小山薫堂さんの「旅する日本語」も素敵で、眺めているだけでほわっとした気分になった。

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    2024年09月30日
  • 谷から来た女

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    10年ほど前、心身といった気風での桜木さん作品は欠かさず読んでいた。
    とある時期から、今一つからを抜け出ない「曖昧模糊とした空気感」に中途半端を感じ、単なる読み物の域を出ない感もあって離れた。

    3年ぶりに読んだ今回のこの作品。
    モチーフ、題材ともに「アイヌの気高いリネンと歴史に培われた人格と心象風景」は、私の読み方が悪いのかもしれないが、やはりあいまいだった。
    伝わってくるものがこういった風情なのだろうか。

    ほかの作家さんの目線で見たアイヌの方々との出会いの作品とは一味違ったものがあるかと思ったが、「寝ただけの男」と三輪の間に流れた情感はてんでんばらばらで
    何か突き放した感が強すぎた。

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    2024年09月30日
  • 谷から来た女

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    アイヌの出自をもつアイヌ紋様デザイナー 赤城ミワ。
    彼女と繋がりのあった人たちの視点からの連作短編集。
    1人の女性を、他者目線で断片的書いた桜木さんの連作短編というと、「蛇行する月」や「星々たち」などもあって、桜木さん、こういうのが好きなんだろうな・・って思う。
    ただ、ワタシの読解力がないせいか、結局どんな人物なのかよく分からないんだよね。今回も、なんだかよく分かんなかったなぁ。もともとこれまでアイヌ関係の方に出会ったこともないし、アイヌの知識も全くないしなぁ。ピンとこないんだよね。

    それから、桜木さんの表現が文学すぎるというか美しすぎまして、ワタシの脳内ではうまく思い浮かべられません。1か

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    2024年09月28日
  • 二周目の恋

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    7人の短編。初めて読んだ波木銅の「フェイクファー」が意外に面白かった。学生時代のサークル「ミッシング」で着ぐるみを作ったり着たりして楽しんだ頃と仲間たちの話し。
    「裁縫は暴力の逆だから好き」と言う発想も面白かった。

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    2024年09月28日
  • 砂上

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    淡々と生きる人たち。誰にでも闇があるのだろうかと思わせる。大層なことも小さなことも何でもないかのように大差なく描かれる。この、編集者さん主人公の話を読みたい

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    2024年09月17日
  • 砂上

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    16歳で美利を産んだ令央、事情をひと言も聞かずに自分の娘とした母、ミオ。この女3代の物語を令央は小説に書く。何度も何度もダメ出しをする辣腕編集者の小川乙三。この小川さんの小説論はそのまま桜木さんの小説論なんだろう。一気に読み終えたけど深い一冊

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    2024年09月15日
  • 凍原

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    釧路湿原を舞台に物語は進む。
    17年前に突然失踪した少年と取り残された家族。姉は刑事になり、青い目をした男の殺人事件の捜査に加わる。
    敗戦後樺太から帰国した女たちの不幸な生活が重なり事件へと至っていた。
    物悲しい人生。

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    2024年09月15日
  • 霧

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    ネタバレ

    桜木紫乃さんはホテルローヤルを読んでから気になる著者の一人です。淡いカラーの表紙デザインと女の戦場と書かれた帯に惹かれて、書店で購入しました

    主人公は北海道の裕福な家の3人姉妹 次女の珠生
    珠生は息が詰まる実家を出てその暮らしを捨て、芸者になりそこで出会った相葉との恋に落ち結婚します。

    しかし相葉は稼ぎ出しますが、世の中の裏の仕事をする男でした また沢山の妾までいて、、、

    珠生とは対象に姉は政略結婚のように議員を目指す好きでもない男に嫁ぎます 妹も、、、

    とのお話です。

    珠生みたいな女性のストーリー好きです

    女には色々な人生があるなあと感じさせられました

    どの生き方が正解でも不正

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    2024年09月08日
  • ブルースRed

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    釧路の裏社会を仕切る男の死後。妻と娘が跡を継ぐと書けばハードボイルドだが、娘の心象で語られていく。残された女の哀しみ。

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    2024年08月14日
  • 谷から来た女

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    初めての作家さん。 
    赤城ミワと言うアイヌ出身の女性をメインに彼女と関わる男女6人の人生の一コマを描いた連作短編集。思想的な事があるかはわからなかった。各章のミワさんが素敵過ぎて一気読み。6話目が大失速の元凶かな。

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    2024年08月09日
  • 谷から来た女

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    アイヌを用いて、どう生きることが大切かを問う作品。

    赤城ミワという人物にまつわる6つのエピソードから成る構成が良い。
    生前、過去、現在、時間で並べないのがいいし、主人公は別にしてミワが及ぼす影響として描くのもいい。

    アイヌについての小説ではない(と思う)
    アイヌについて知りたいという人には肩透かしな気がする。

    北海道出身の桜木さんが書いているのがいい。

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    2024年08月04日
  • 蛇行する月

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    20歳以上離れた妻のいる男と、妊娠をきっかけに駆け落ちした順子を軸に
    縁の女性たちの日常を描く短編集

    全体的にどろりとした雰囲気で、曇天のイメージ。
    どうとらえればいいのかわからず、何を伝えたいのかもわからず、不思議な作品でした

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    2024年07月24日
  • 無垢の領域

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    違う人間の価値観で作られる違う人生が混ざり合う物語。
    小説は1つの事件に全員が巻き込まれる形式が多いけど、この作品はそれぞれに事件がある中で全員がゆるく絡み合い、人生、という感じがした。

    自分の卑屈さを紛らわすために、より惨めになりたい気持ち。
    自分の冷たさに気づかないように傷を求める気持ち。
    自分の狡さを隠すために、相手に委ねる気持ち。
    人間の汚い感情が丁寧に描写されていて、そこに存在する無垢が強調されていた。

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    2024年07月24日
  • 谷から来た女

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    アイヌ紋様デザイナー・赤城ミワと関わりがあった6人の男と女。彼女の生き方を目の当たりにして自分自身を見つめる彼らの内面を描く6つの連作短編。

    桜木さん独特の温度の低い文章が心地よい。
    アイヌ民族であるミワの誇りと強さが際立つ作品だけど、彼女のセリフが観念的すぎてわかったようなわからないような。いまいち心に刺さらなかったのが残念。

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    2024年07月11日
  • 谷から来た女

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    アイヌ民族、赤城ミワを軸にした6つの連作短篇集。世界中に存在する『民族という重荷』。ミワは屈せず、背中に広がるアイヌの紋様を誇りに生きる。その美しい紋様が、彼女の強さや優しさを投影しているように思えた。

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    2024年07月09日
  • 二周目の恋

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    「道具屋筋の旅立ち」
    「無事に、行きなさい」は、読んでてモヤモヤしつつ要点が掴めずにいた。
    カーマンラインはタイトルに合ってる気がした。
    ただ二週目ってなに?! 二度目ではなく二週目なのが、わからない。

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    2024年07月08日
  • 谷から来た女

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    2024/06/05リクエスト 1

    アイヌ紋様デザイナー・赤城ミワ。
    ミワが近くにいたら、どうやって付き合っていいかわからなくなると思う。
    冷静沈着、自らのアイヌ民族であることを隠すことなくプライドを持って誇り高く生きる姿はきっと同性から見ても眩しすぎる。
    20-30年後のミワを見てみたい。

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    2024年07月08日
  • 谷から来た女

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    北海道に暮らしていた時期があり、地名にアイヌ語が多く使われていたことを思い出した。
    ウポポイができる前の、ポロトコタンという施設だった時に訪れたことがあるけど、自然と共存する文化、響きが優しいアイヌ語の子守唄が印象に残っていて、今回の話にもすっと入ることができた。
    静かで深い話。

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    2024年07月08日
  • 谷から来た女

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    「谷から来た女」
    「ひとり、そしてひとり」
    「誘う花」
    「無事に、行きなさい」
    「谷へゆく女」
    「谷で生まれた女」
    6話収録の連作短編集。

    渦巻柄が描かれたアイヌ文様の装丁が目を惹く。

    アイヌの出自を持つデザイナー・赤城ミワを軸にした物語。
    時系列はバラバラだが読み進めるうちに赤城ミワという一人の女性の輪郭や姿形が浮かび上がって来る。

    様々な差別を受け続けたアイヌ民族。
    だがミワは誰かを恨むでもなく、常に凛とした態度を崩さず包容力すら感じさせる。

    ミワと関わる事で己の愚かさに気付く人々。

    人としてどうあるべきか考えさせられる一冊。

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    2024年06月25日