桜木紫乃のレビュー一覧

  • 氷平線

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    男と女の物語。道東という地域はその土地に根をおろすことができれば、自然も豊かで食べ物はうまい。娯楽は少ないがないわけではない。だけど、一方で目に見えない檻のようなしがらみはある。3代遡れば何かしらの期待を胸に抱いて入植した同郷者。それでも道東にたどり着いたということは推して知るべし。たどり着いたとしても同様だ。先祖のつながりは本州に比べれば薄いかもしれないが、息苦しさはどこかにある。だけど、苦しいだけではない。束の間の幸せや淡い希望を抱いて、生きていくしかない。男も女も強かに愚直に愛を囁く。

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    2025年01月19日
  • 青い絵本

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    絵本って言葉が少ない分、心の奥にすっと入ってくる気がする。だから、大人になってから絵本を読むのも、子どもの時とはまた違った楽しみ方があって良い。
    そんな大人の絵本にまつわる短編集が5つ。好きだったのは「卒婚旅行」と「青い絵本」。
    「卒婚旅行」はひたすら晴美の気持ちに共感。
    「青い絵本」は美弥子の描いた青い絵を想像しながら…青って、確かに喜びも悲しみも表現できる色なのかもしれない。

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    2025年01月17日
  • 青い絵本

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    短編集5篇
    別れや再出発とそれぞれの1篇に象徴するような絵本のコラボ。手にとって読んでみたくなるような絵本が心に残る。息子の元へと列車に飛び乗った書店員の「鍵」が良かった。

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    2025年01月11日
  • 星々たち 新装版

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    昭和から平成。
    咲子 千春 やや子 
    最後の章がこの物語を語るのか、いや、そうではないのか。
    登場人物の生きてきた道のりが、幸せが少ない。人生なんてそんなものかも知れない。
    寒い北海道の地にあって、それは温もりが増すことはなくとにかく底冷えするような物語。
    だからこそ一気に読んでしまった

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    2024年12月30日
  • 青い絵本

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    好きな話は「卒婚旅行」、印象が強かったのは表題作の「青い絵本」だった。卒婚旅行はその後の2人の生活、関係が気になる。青い絵本は読んでいる最中にいろいろな青をイメージした。

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    2024年12月13日
  • 蛇行する月

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    高校時代に同じ図書部に所属していた、4人の女性の卒業後を中心に話は展開する。これは、私のような男が読むものでなく、女性が読むものだなあというのが1番の感想。
    とにかく暗い話しで、登場人物は関わりたくない人間ばかり。あまり、読んだ事のない切り口だったので新鮮だった。

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    2024年12月09日
  • 青い絵本

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    セラピスト、書店員、作家、編集者など人生の岐路に立つ女性たちのそばにある絵本。それぞれの人生と深く関わる絵本と彼女たちの来し方行く末を描く5つの短編。

    年齢的に近い女性たちが多いからか、読んでいて人生後半での迷いや諦め、これまでの人生への想いなど様々な感情が湧き起こった。
    作者の端正で乾いた文章がそういった思いを決して感情的にではなくなぞってくれて心地いい。

    ただ、その分長編の時と比べるとやはりあっさりし過ぎていて少し物足りなく思った。
    やはり桜木さんは長編がいいな。

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    2024年12月07日
  • 家族じまい

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    人ごとではいられない、親の老化、介護。

    それぞれの登場人物の正直な心情が語られる点は好み。
    ただこの先どうなるの?というところで終わってしまった
    章が多く、やや不完全燃焼だった。

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    2024年12月06日
  • 家族じまい

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    自分自身も親とは距離を置きがちですが、忘れられるとどうだろう。楽になる気持ちは分からないでもないです。

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    2024年11月22日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    贅沢な列車に、贅沢な名前の並ぶ小説

    それぞれの物語がとてもあたたかい気持ちになる

    そこに乗車するそれぞれが
    何らかの思いを一緒に乗せて旅に出る

    誰かを大切に思って
    大切な人を誘って
    願い叶わなかった列車の旅になっても
    「その人を思い出すこと」が供養にもなる

    1話目の
    さよなら、波瑠/井上荒野
    一見、芯もあって強くて…こういう人の気持ちが
    苦しくて苦しくてね
    思わず感情移入、涙が出た

    糸井重里さんの
    「帰るところがあるから、旅人になれる」
    当たり前なんだけど
    そんなふうに考えたことなかったからね
    さすがだな、
    糸井さんの言葉だな、って思った

    静かな気持ちで読めるキレイな本でした

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    2024年11月19日
  • 谷から来た女

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    アイヌ民族の血を引く一人の女性と関わっていく人々の連作短編小説。
    赤城ミワというアイヌの血を引く女性。とってもストイックで確固たる自分を持っている。しかし、他人には掴みきれない。
    必要以上に民族を意識しているようにも思える。遊びがなくて辛い人生にも思える。ちょっとヒリヒリする小説。
    アイヌ民族を改めて知る機会にもなった。

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    2024年11月16日
  • 谷から来た女

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    アイヌの血を引く孤高のデザイナー赤城ミワ。
    人嫌いではないのに、どこか人とは一線ひいているような雰囲気。ひけらかす訳ではないけど、溢れ出してしまう才能。唯一無二の存在であるミワという人物の今、昔…色々な時代が描かれている。
    物語は静かに進んでいくのに、奥底に熱い血が流れているような不思議な感覚がした。
    「無事に、生きなさい」はアンソロジーで既読。

    ミワのモデルとなったのは実在のデザイナー貝澤珠美さん。インタビューを拝見すると、ミワより柔らかな雰囲気で自然体の素敵な方。
    アイヌ文化は全然詳しくないけど、単純に作品を見て素敵だなと興味を持った。

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    2024年10月29日
  • 星々たち 新装版

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    シングルマザーの娘として、自らも北海道内を放浪する主人公の孤独と愛と、そのまた娘が成人するまでの苦労を描く。そういう話ってあるのよ、と昔から聞くような内容ですが、最後まで読みましょう。

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    2024年10月26日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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    病院に入院中、院内のコンビニで購入。
    本当に令和に刊行されたの?と思うくらい、昭和。舞台も昭和。境遇は最悪、男女の仲もドロドロ。しかし義理人情に溢れた世界。自分はあまり触れたことがないタイプの作品。自分の親世代のドラマとかではよくある世界だと思う。
    自分が好きになるだろうと想像ができる作品ばかり読んでいると、自身の好きの世界を狭めてしまう気がしたので、あまり興味がなかった本作を読んだ。
    自分の興味がそれなりに広がったと思う。

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    2024年10月13日
  • ふたりぐらし(新潮文庫)

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    帯には1日1編で10日かけて…と書いてあったが、結局4日で読み終える。桜木紫乃は「砂上」に続いて2冊目。共通してるのは舞台が北海道で現実離れしたハッピーもなく、アンハッピーもない落ち着いた作風。そんな暮らしの中、夫婦とは?を両者の視点を交互に描いた良作。

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    2024年10月01日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    川上弘美さん、三浦しをんさん、糸井重里さんと好きな作家さんのラインナップに惹かれて手にとった。本のデザイン素敵だなーと思ったら、クラフト・エヴィング商會だった。
    九州の豪華寝台列車「ななつ星」にまつわるお話。寝台列車の旅って憧れがあるけど、なかなかなお値段。それでも抽選になるぐらいだから、きっと素敵なんだろうな。
    途中のイラストも小山薫堂さんの「旅する日本語」も素敵で、眺めているだけでほわっとした気分になった。

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    2024年09月30日
  • 谷から来た女

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    アイヌの出自をもつアイヌ紋様デザイナー 赤城ミワ。
    彼女と繋がりのあった人たちの視点からの連作短編集。
    1人の女性を、他者目線で断片的書いた桜木さんの連作短編というと、「蛇行する月」や「星々たち」などもあって、桜木さん、こういうのが好きなんだろうな・・って思う。
    ただ、ワタシの読解力がないせいか、結局どんな人物なのかよく分からないんだよね。今回も、なんだかよく分かんなかったなぁ。もともとこれまでアイヌ関係の方に出会ったこともないし、アイヌの知識も全くないしなぁ。ピンとこないんだよね。

    それから、桜木さんの表現が文学すぎるというか美しすぎまして、ワタシの脳内ではうまく思い浮かべられません。1か

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    2024年09月28日
  • 二周目の恋

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    7人の短編。初めて読んだ波木銅の「フェイクファー」が意外に面白かった。学生時代のサークル「ミッシング」で着ぐるみを作ったり着たりして楽しんだ頃と仲間たちの話し。
    「裁縫は暴力の逆だから好き」と言う発想も面白かった。

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    2024年09月28日
  • 砂上

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    淡々と生きる人たち。誰にでも闇があるのだろうかと思わせる。大層なことも小さなことも何でもないかのように大差なく描かれる。この、編集者さん主人公の話を読みたい

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    2024年09月17日
  • 砂上

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    16歳で美利を産んだ令央、事情をひと言も聞かずに自分の娘とした母、ミオ。この女3代の物語を令央は小説に書く。何度も何度もダメ出しをする辣腕編集者の小川乙三。この小川さんの小説論はそのまま桜木さんの小説論なんだろう。一気に読み終えたけど深い一冊

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    2024年09月15日