桜木紫乃のレビュー一覧

  • 青い絵本

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    人生をどのように締めくくるか。

    絵本に纏わる5つの短編集です。
    小さい時にはもちろん絵本は読みましたが、自分が好きな絵本はなんだったろうと思いました。

    各短編は短い言葉(絵本の内容)をどのように捉えるか。
    哲学的でもあり深い内容だった気がします。

    個人的には、やはりタイトルの「青い絵本」でしょうか。
    青って色々な青がありますが、いろいろな感情の青があると思うと深いです。

    心にそっと触れられた気がする小説でした。

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    2025年02月12日
  • 青い絵本

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    絵本に纏わる5つの短編集。

    さまざまな形で絵本に関わる人々が、絵本を通じて過去と対話し再生する姿を描いている。

    絵本は、短いことばでいちばん伝えたいことを表現していると思う。
    その1行に込められた思いが、今の自分の心に届いたときに感動し何度も読み返す一冊となる。
    そんな絵本を誰もが持っているのだろう。


    卒婚旅行〜大人のための絵本読み聞かせに出会ってから絵本セラピストの資格を取得していた妻に読んでもらったのは『ほら、みて』。

    なにもない一日〜やや子が朗読する短編小説の話から義母が昔、夫に読んであげた記憶があった絵本が『だいすき だいすき』。

    鍵key〜小説家の夫を亡くし、閉店するまで

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    2025年02月02日
  • 氷の轍

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    生きていく場所、生きることの難しさ、言葉にするまで時間がかかる事 人間の一生の仕事は生きて死ぬこと。そんな感じの物語の気がした。

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    2025年01月30日
  • 彼女たち

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    最近時々同じようなこと考えることあるなぁと思いながら読んだ。
    中川正子さんの写真の光の感じがあたたかくて良い。
    心にじんわりくる本。


    (引用)
    楽しいことを考えるのが苦手になったのは、子育てのせいじゃない。わかってる。

    今したいことは、なに?

    「わたし」という本。
    自分のページをめくる。

    深呼吸する。

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    2025年01月26日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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    普段さみしさってほとんど感じることがない感情だけど、
    主人公に感情移入して、ものすごく寂しくなっちゃった

    共感したのは、
    住む土地とか仕事とか、しがらみのない人に対して羨ましく思う気持ち。
    もちろん自分を大切にしてくれる場所があるのも
    自分が大切にしたい場所があるのも、とっても幸せなことなんだけど、
    それがない人を羨ましいと思ったことは、
    これまでにあったから、わかるわかると頷いちゃった

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    2025年01月25日
  • 青い絵本

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    ネタバレ

    人生の終焉に向かう人、
    自分の人生を見つめ直す人が
    たくさん描かれており、
    どれも儚く優しいお話だった。
    そしてそんな優しい話に寄り添う絵本の数々に、
    改めて絵本の偉大さに触れた気がした!

    特に好きな話は表題作。
    「あお」には碧や藍...本当に様様な種類があって、
    その色には悲しみのイメージがあったけど、
    実は温かさも表現できる色であることを
    主人公の母好子さんが教えてくれた。
    「あお」っていいな。とても好きな色になった…

    人生の分岐点になったらまた読みたい作品。

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    2025年01月23日
  • 氷平線

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    男と女の物語。道東という地域はその土地に根をおろすことができれば、自然も豊かで食べ物はうまい。娯楽は少ないがないわけではない。だけど、一方で目に見えない檻のようなしがらみはある。3代遡れば何かしらの期待を胸に抱いて入植した同郷者。それでも道東にたどり着いたということは推して知るべし。たどり着いたとしても同様だ。先祖のつながりは本州に比べれば薄いかもしれないが、息苦しさはどこかにある。だけど、苦しいだけではない。束の間の幸せや淡い希望を抱いて、生きていくしかない。男も女も強かに愚直に愛を囁く。

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    2025年01月19日
  • 青い絵本

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    絵本って言葉が少ない分、心の奥にすっと入ってくる気がする。だから、大人になってから絵本を読むのも、子どもの時とはまた違った楽しみ方があって良い。
    そんな大人の絵本にまつわる短編集が5つ。好きだったのは「卒婚旅行」と「青い絵本」。
    「卒婚旅行」はひたすら晴美の気持ちに共感。
    「青い絵本」は美弥子の描いた青い絵を想像しながら…青って、確かに喜びも悲しみも表現できる色なのかもしれない。

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    2025年01月17日
  • 青い絵本

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    短編集5篇
    別れや再出発とそれぞれの1篇に象徴するような絵本のコラボ。手にとって読んでみたくなるような絵本が心に残る。息子の元へと列車に飛び乗った書店員の「鍵」が良かった。

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    2025年01月11日
  • 星々たち 新装版

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    昭和から平成。
    咲子 千春 やや子 
    最後の章がこの物語を語るのか、いや、そうではないのか。
    登場人物の生きてきた道のりが、幸せが少ない。人生なんてそんなものかも知れない。
    寒い北海道の地にあって、それは温もりが増すことはなくとにかく底冷えするような物語。
    だからこそ一気に読んでしまった

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    2024年12月30日
  • 青い絵本

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    好きな話は「卒婚旅行」、印象が強かったのは表題作の「青い絵本」だった。卒婚旅行はその後の2人の生活、関係が気になる。青い絵本は読んでいる最中にいろいろな青をイメージした。

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    2024年12月13日
  • 蛇行する月

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    高校時代に同じ図書部に所属していた、4人の女性の卒業後を中心に話は展開する。これは、私のような男が読むものでなく、女性が読むものだなあというのが1番の感想。
    とにかく暗い話しで、登場人物は関わりたくない人間ばかり。あまり、読んだ事のない切り口だったので新鮮だった。

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    2024年12月09日
  • 青い絵本

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    セラピスト、書店員、作家、編集者など人生の岐路に立つ女性たちのそばにある絵本。それぞれの人生と深く関わる絵本と彼女たちの来し方行く末を描く5つの短編。

    年齢的に近い女性たちが多いからか、読んでいて人生後半での迷いや諦め、これまでの人生への想いなど様々な感情が湧き起こった。
    作者の端正で乾いた文章がそういった思いを決して感情的にではなくなぞってくれて心地いい。

    ただ、その分長編の時と比べるとやはりあっさりし過ぎていて少し物足りなく思った。
    やはり桜木さんは長編がいいな。

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    2024年12月07日
  • 家族じまい

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    人ごとではいられない、親の老化、介護。

    それぞれの登場人物の正直な心情が語られる点は好み。
    ただこの先どうなるの?というところで終わってしまった
    章が多く、やや不完全燃焼だった。

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    2024年12月06日
  • 家族じまい

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    自分自身も親とは距離を置きがちですが、忘れられるとどうだろう。楽になる気持ちは分からないでもないです。

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    2024年11月22日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    贅沢な列車に、贅沢な名前の並ぶ小説

    それぞれの物語がとてもあたたかい気持ちになる

    そこに乗車するそれぞれが
    何らかの思いを一緒に乗せて旅に出る

    誰かを大切に思って
    大切な人を誘って
    願い叶わなかった列車の旅になっても
    「その人を思い出すこと」が供養にもなる

    1話目の
    さよなら、波瑠/井上荒野
    一見、芯もあって強くて…こういう人の気持ちが
    苦しくて苦しくてね
    思わず感情移入、涙が出た

    糸井重里さんの
    「帰るところがあるから、旅人になれる」
    当たり前なんだけど
    そんなふうに考えたことなかったからね
    さすがだな、
    糸井さんの言葉だな、って思った

    静かな気持ちで読めるキレイな本でした

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    2024年11月19日
  • 谷から来た女

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    アイヌ民族の血を引く一人の女性と関わっていく人々の連作短編小説。
    赤城ミワというアイヌの血を引く女性。とってもストイックで確固たる自分を持っている。しかし、他人には掴みきれない。
    必要以上に民族を意識しているようにも思える。遊びがなくて辛い人生にも思える。ちょっとヒリヒリする小説。
    アイヌ民族を改めて知る機会にもなった。

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    2024年11月16日
  • 谷から来た女

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    アイヌの血を引く孤高のデザイナー赤城ミワ。
    人嫌いではないのに、どこか人とは一線ひいているような雰囲気。ひけらかす訳ではないけど、溢れ出してしまう才能。唯一無二の存在であるミワという人物の今、昔…色々な時代が描かれている。
    物語は静かに進んでいくのに、奥底に熱い血が流れているような不思議な感覚がした。
    「無事に、生きなさい」はアンソロジーで既読。

    ミワのモデルとなったのは実在のデザイナー貝澤珠美さん。インタビューを拝見すると、ミワより柔らかな雰囲気で自然体の素敵な方。
    アイヌ文化は全然詳しくないけど、単純に作品を見て素敵だなと興味を持った。

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    2024年10月29日
  • 星々たち 新装版

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    シングルマザーの娘として、自らも北海道内を放浪する主人公の孤独と愛と、そのまた娘が成人するまでの苦労を描く。そういう話ってあるのよ、と昔から聞くような内容ですが、最後まで読みましょう。

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    2024年10月26日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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    病院に入院中、院内のコンビニで購入。
    本当に令和に刊行されたの?と思うくらい、昭和。舞台も昭和。境遇は最悪、男女の仲もドロドロ。しかし義理人情に溢れた世界。自分はあまり触れたことがないタイプの作品。自分の親世代のドラマとかではよくある世界だと思う。
    自分が好きになるだろうと想像ができる作品ばかり読んでいると、自身の好きの世界を狭めてしまう気がしたので、あまり興味がなかった本作を読んだ。
    自分の興味がそれなりに広がったと思う。

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    2024年10月13日