【感想・ネタバレ】星々たち 新装版のレビュー

あらすじ

人生の闇と光を炙り出す。桜木ワールドを凝縮した傑作

奔放な実母・咲子とも、二度目の結婚で産んだ娘・やや子とも生き別れた塚本千春という女。
昭和から平成へと移りゆく時代、血縁にとらわれず、北の大地をさすらう千春は、やがて現代詩の賞を受け、作家を夢見るが……。
千春の数奇な生と性、関わる人々が抱えた闇と光を、研ぎ澄まされた筆致で炙り出す珠玉の九編。直木賞作家・桜木紫乃の真骨頂!

新井見枝香さん(エッセイスト・踊り子)激賞!
「桜木紫乃は、その小説にどうしても必要な言葉しか残さない。だから私は、一言一句漏らすまいと、かじり付くようにして読む。」

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Posted by ブクログ

audible⭐︎
良かった〜。
物語は暗い、けどその先に光がみえるような…そんな想像ができた。
千春が常に9篇に登場するも、千春の話が濃いく描かれているわけでもない。
千春の歩んでいる背景を想像しながら…
星々たちが照らしてくれるであろう♡
そんな気持ちになった。

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2026年01月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

北海道の雪のようにしんしんと仄暗く心に積もってくような小説だった。どの主人公もどこか暗い過去を抱えていて、読んでテンションの上がるものではなかったけど、さまざまな人生を肯定してくれる感じ。

ひとりワルツ:いつまでも恋する乙女の自分に溺れて娘のことを見れてなくて都合いい母に終始苛立ち。

渚のひと:本当に苦しくて読むのに精神が削られた。圭一は最低の息子で、両親が仕送りのために切り詰めた生活をしていることに気付けていないのも、外の豊かな生活に慣れちゃって色んな感覚が生家からズレていっているのも、本当に嫌だった。とてもリアルで、何より自分にも近しいところがあると感じてしまったから。本当に好き勝手生きてきて、倹約家な両親に今すぐ感謝しないと、と思う。

「かあさん、うちってワイングラスとか、なかったっけ」「わたしたち、普段こんな高級なお酒飲まないもの」「高級ってなんだよ。こんなワイン、高いうちになんか入らないよ」  圭一が笑いながら自分のコップに赤ワインを注ぐ。育子はそっと夫を窺った。息子が注いでくれたワインを見ている。圭一が「乾杯」と言ってコップを持った。夫婦ふたりとも、息子につられて赤ワインを目の高さに持ち上げた。

隠れ家:後段の話であさひがお店を開けたのだとわかって安心した。この小説の語り部の中でもっとも不憫なのに卑屈にならず懸命・堅実に生きていて応援したくなった。待ち続けていたのに、いなくなってしまった浩二を憎く思うけど、あさひの心の内を知って一緒にいない方がいいと判断できる浩二だからこそ、あさひは心惹かれたのかなと。だからハッピーエンドなのだと思いたい。

月見坂:クレーマーの母に苛立ち、そんな母を止めもしない無責任で無関心な晴彦にも、そしてそんな晴彦とやすやすと結婚してしまう千春にも苛立った。でもクレームも愚痴も右から左に流せる晴彦のような人がこの社会には必要だよなあ。結局母を助けたのは晴彦の人生にとって良かったのだと思う。

トリコロール:和雄の心のうちを根本的には理解することができなくて、それを分かりながら一緒にいる桐子と和雄の関係性も含めて、とても繊細なものを扱う小説だなあとしみじみ思えた話だった。自分の「性分」と向き合う桐子とやや子とのお風呂のシーンが印象的で、桐子といて初めて泣き出すやや子の生命力を、美しいと思った。

逃げてきました:主人公の巴五郎自体は嫌い。自分の立場や名声に対するプライドと欲望ばかり感じる小説だったから。でもそんな人間味ある巴だからこそ、今まで全く読めなかった千春の、内に秘めたどこか暴力的な…荒削りな一面が際立って見えたからすごいな。

冬向日葵:寒さでこちらがかじかんでくるようなお話だった。「ひとりワルツ」では見えなかった咲子の良さがよく表れている。最後まで男と共に生きる人生だったんだね。チューさんが良い人でよかった。
「咲子への、よい土産になる。」と思って受け取り、「ポケットに入れた千春の本が、忠治の体に暖をくれているようでもあった。咲子が喜ぶだろう。それしか思い浮かばない。」と本を大事に持ち帰ったチューさんの優しさが、報われなかったことが辛くて仕方ない。でもこんな生活でも仕方ないのかもと傍目でも思うような、業を抱えた2人だから、最後咲子の亡骸の隣で春を待つチューさんの姿は慈愛に満ちたハッピーエンドなのかもね。

案山子:顔から硝子の破片を取り出す千春の描写が編集者の目を通じてとても神秘的に感じて、何度もじっくりと読んでしまった。取り出した後に眠ってしまうのも。
千春の容姿で胸に触れなかったのは保徳が初めてではなかろうか。この人の欲望があくまで千春の内面や来し方に向かっていったという編集者としての純朴さが表れているようでなんとなく、安心した。このお話が、千春のモデルがどこかにいるような感覚と不思議な現実味を与えている気がして好きだった。母の死を知らずに母を頼ろうとする千春が不憫で不憫で…

やや子:このお話で終わったことで暗い小説の中に希望が灯された感じがする。「薄情」と表現されているけど「かかとの後ろには、常に道がないのがいい。」と言い切る、やや子のあっけらかんな感じが読んでてとても気持ち良い。
そしてそんなやや子を認めてくれる昭彦やその母、そして知子の存在が全部未来への希望として繋がった感じがする。

長く書きすぎた!結果的に満足度の高い小説だったな。

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2026年08月16日

Posted by ブクログ

 第3章まで、読んだきり積読になっていました。昨日から再開し、あとはスルスル読めました。

 親子三世代の物語。桜木さんらしい暗さ漂う作品。時代がどんどん現代になっていく過程で、咲子は千春はどうなったのか明らかになっていく。

 千春がメインに出てくる章が特に面白かったです。

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2026年06月22日

Posted by ブクログ

連作短篇集9篇
母、娘3代にわたる物語。咲子の男運のなさ、千春の欠けた心と母への思慕、やや子のまっすぐな逞しさが出会う人たちと混ざり合う。最後の方の案山子の章で物語の二重構造に驚くが、登場人物がそれぞれ自分らしく生きたことが嬉しい。

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2024年12月25日

Posted by ブクログ

すごくリアルだったし、なんだか人生を追体験しているようで胸が苦しくなった。でも最後はこんなしんどい中でも救われるような作品だった。とても内容が濃く、印象深い作品。

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2024年12月05日

Posted by ブクログ

気持ちの良い話しではない。一人の女性の一生か半生を他人の視点を元に描いていて読み応えはある。読み応えでも・・ないか、人生を描いてる割には重くもない。終始、客観的なのだ。千春もやや子も、そして通り過ぎていった方々も。星々たちというタイトルの意味は分からなかった。

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2025年06月23日

Posted by ブクログ

昭和から平成。
咲子 千春 やや子 
最後の章がこの物語を語るのか、いや、そうではないのか。
登場人物の生きてきた道のりが、幸せが少ない。人生なんてそんなものかも知れない。
寒い北海道の地にあって、それは温もりが増すことはなくとにかく底冷えするような物語。
だからこそ一気に読んでしまった

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2024年12月30日

Posted by ブクログ

シングルマザーの娘として、自らも北海道内を放浪する主人公の孤独と愛と、そのまた娘が成人するまでの苦労を描く。そういう話ってあるのよ、と昔から聞くような内容ですが、最後まで読みましょう。

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2024年10月26日

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