あらすじ
人生の闇と光を炙り出す。桜木ワールドを凝縮した傑作
奔放な実母・咲子とも、二度目の結婚で産んだ娘・やや子とも生き別れた塚本千春という女。
昭和から平成へと移りゆく時代、血縁にとらわれず、北の大地をさすらう千春は、やがて現代詩の賞を受け、作家を夢見るが……。
千春の数奇な生と性、関わる人々が抱えた闇と光を、研ぎ澄まされた筆致で炙り出す珠玉の九編。直木賞作家・桜木紫乃の真骨頂!
新井見枝香さん(エッセイスト・踊り子)激賞!
「桜木紫乃は、その小説にどうしても必要な言葉しか残さない。だから私は、一言一句漏らすまいと、かじり付くようにして読む。」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
連作短篇集9篇
母、娘3代にわたる物語。咲子の男運のなさ、千春の欠けた心と母への思慕、やや子のまっすぐな逞しさが出会う人たちと混ざり合う。最後の方の案山子の章で物語の二重構造に驚くが、登場人物がそれぞれ自分らしく生きたことが嬉しい。
Posted by ブクログ
すごくリアルだったし、なんだか人生を追体験しているようで胸が苦しくなった。でも最後はこんなしんどい中でも救われるような作品だった。とても内容が濃く、印象深い作品。
Posted by ブクログ
気持ちの良い話しではない。一人の女性の一生か半生を他人の視点を元に描いていて読み応えはある。読み応えでも・・ないか、人生を描いてる割には重くもない。終始、客観的なのだ。千春もやや子も、そして通り過ぎていった方々も。星々たちというタイトルの意味は分からなかった。
Posted by ブクログ
昭和から平成。
咲子 千春 やや子
最後の章がこの物語を語るのか、いや、そうではないのか。
登場人物の生きてきた道のりが、幸せが少ない。人生なんてそんなものかも知れない。
寒い北海道の地にあって、それは温もりが増すことはなくとにかく底冷えするような物語。
だからこそ一気に読んでしまった