桜木紫乃のレビュー一覧

  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    うらぶれた飲み屋街、寂れた漁港、ラブホテル、愛人、幼い頃の虐待・・・など暗いイメージの世界観に、こういうの無理だと思いながらも止まらなかった。
    こういう小説もたまにはいいか。

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    2018年08月06日
  • ワン・モア

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    ネタバレ

    短い作品なのでサクッと読める。
    読後感は良い。


    生きることの辛さと、前を向くことをしみじみ作品から感じた。

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    2018年08月05日
  • それを愛とは呼ばず

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    伊澤亮介は54歳、伊澤コーポレーションの副社長。10歳年上の章子が社長である。章子が事故で意識不明に・・・
    さて、物語が始まります。3.5かな。なかなか面白いです。

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    2018年06月27日
  • ホテルローヤル

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    北海道釧路市のラブホテルをキーとして進んでいく、
    第149回直木賞受賞の連作短編集。

    少しずつ、でも、確かに深みにはまっていくような読感。
    初めの一篇はなんのことなかったのに、
    次の短篇を読み進めていくことで重なっていくものがある。

    「つらさ」、「悲しみ」とか「寂しさ」とか、
    そういう言葉が陳腐になってしまう。
    たとえ人生の中の短い瞬間であっても、
    そこに感情の多層性、現実の状況・局面の多層性、関係の多層性などがあることを
    作者はそのフィクション表現のなかでつまびらかにしているからだと思う。

    ラブホテル業はうしろめたい商売です。
    そして、この小説に登場する人々は金銭的にだったり人間関係的

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    2025年07月14日
  • ブルース

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    闇にどんどん引き込まれてしまうような一冊。

    性、金、血、ドロドロと渦巻く汚い泥のような生活を、淡々と綴る筆者の描き方が、とっても爽やかで大人の青春というのか、ダークファンタジーのような本。

    つい、深入りして、つい、目が離せなくなって、つい、追体験をしそうになる。

    あとがきが壇蜜で、私もこの中の女の一人で、、、

    っていうあとがきは、なんだかなるほどなぁ。たしかに、なんかわかるかも。と、思ってしまう説得力のある内容で、壇蜜なかなかやるな。と、思ってしまいました。笑笑

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    2018年04月07日
  • ブルース

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    あらすじ(背表紙より)
    没落した社長夫人が新聞に見つけた訃報、それはかつて焦がれた六本指の少年のものだった。霧たちこめる釧路で生まれた男が、自らの過剰を切り落とし、夜の支配者へとのしあがる。男の名は影山博人。貧しく苛烈な少年時代を経て成熟していった男は、女たちに何を残したのか―。謎の男をめぐる八人の女たちの物語。

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    2017年12月17日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    年の離れた夫の喜一郎が事故に遭い、意識不明の重体となる。
    母と喜一郎は昔愛人関係にあったという複雑な関係ながらも、節子もまたそういった関係を夫以外にも持っていた。
    しかし、夫の事故以来、節子の日常が崩れ始める。
    節子という理解不能な女性に、徐々に引き込まれていく。
    そして訪れる結末は、少し意外だった。

    2017.11.26

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    2017年11月26日
  • それを愛とは呼ばず

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    2017/11/09

    暗くも切ない感じな話かなぁと思っていたら、スリラー的な怖さ?というのかな。
    亮介の方に感情移入していると気付いた時にはもう遅かったなー。
    亮介ー!うしろうしろ!的な。
    そいつ絶対やばいやつ!って思いながら読んでいた。

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    2017年11月10日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    まとめると小説やドラマでは有りそうな話なんだが、それでは終わらせない迫力がある作品でした。作家さんの力を再認識させられました!

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    2017年09月02日
  • 風葬

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    「ルイカミサキに行かなくちゃ」認知症を発症した母の呟きから、自分の出生の秘密を知ろうとする娘。
    海で亡くなった女子生徒を救えなかったという苦い思いを、定年後の今も抱えている元中学校教師。
    一つの歌ひ引き寄せられ二人が出会うとき、釧路と根室、ふたつの地を結ぶ因縁が明らかになる。

    拿捕、諜報船、抑留、遊郭・・・桜木さんの描く北の町の過去はいつも辛く、哀しい。
    生徒を救えなかったけれど最後まで教師を貫いた父と、教え子に自殺され、教師であり続けられなかった息子。
    書道教室を営む母と、それを受け継いだ娘。
    それぞれの親子関係が切ない。

    ラストシーン、涙香岬で何も知らされず海に花を手向ける娘が愛おしい

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    2017年08月13日
  • 風葬

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    複数の視点から物語が進み、徐々に話が絞られ核心に迫っていくスタイルの小説。書道教室を営む夏紀が、認知症の母の涙香岬というつぶやきをきっかけに、自分の生い立ちを探り始めるストーリーが主軸になっている。北海道東端の物悲しさが全体に漂った桜木さんらしい小説であった。たびたび視点が変わるので、通勤時にチョビチョビ読むのにはふさわしくない小説であった。

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    2017年05月08日
  • 風葬

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    母親の過去を知ろうとする女と、失意のうちに職を辞して父と暮らす男が忘れられていた事件の呪縛に囚われていく。サスペンス劇場ばりの筋立てだが、人物造形のうまさで読み応えあるハードボイルドになっている。

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    2017年02月05日
  • 誰もいない夜に咲く

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    北海道を舞台に描かれる男女の短篇集。
    桜木紫乃の作品には性に関する描写が多いように感じる。
    ただ、登場する女性たちは強い心を持っている。
    好きだったのは、「フィナーレ」と「根無草」。

    2016.10.28

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    2016年10月28日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    釧路でラブホテル『ホテルローヤル』を営む幸田喜一郎が交通事故で意識不明になる。年の離れた妻・節子の平穏な日常にも変化が訪れる。女性の心の奥底をえぐるようなミステリー小説。
    主人公・節子をはじめ、何人かの女性が登場するが、表面的な姿と心に抱える闇の深さのギャップがえげつない。男たちの浅はかさや単純さがとても滑稽だ。美しい雪の白さに騙されてはいけない。積もればそれは凶器にもなる。

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    2016年08月10日
  • 氷平線

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    ホテルローヤルのほうが色艶があって心に染みたけども、華やかさのないシックな作風はすごく好き。文章に初々しさを感じた。夏の稜線がお気に入り。

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    2016年04月14日
  • 無垢の領域

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    桜木紫乃の作品は初作から全て読み続けているが、この作品だけは気に入らない。そういう結末だろうと途中で予測出来るし、もっと燃えるような男女の関係と人間関係の機微が描かれるものかと期待したのだが、見事に裏切られた。

    まったく普通の通俗小説というレベル。一体、どうしたんだろう。

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    2016年01月29日
  • 誰もいない夜に咲く

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    等身大の、生活に追われる庶民が未来も見えないような暗澹たる生活の中、一筋の光明を見つけるといった感じの短編集。「一緒にいればいるだけ、いい記憶も悪い記憶も増えて行くというのは思い違いだった。いい思い出は今を過ごすための貯金でしかなく、ふたりは記憶を引き出しては食いつぶす、夢みる貘だった。」(p53 海へ)、「後悔でも傷でも、いいんです。色鮮やかな記憶がないと、自分が死んだことにも気づかない一生になってしまう」(p164 風の女)

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    2015年12月06日
  • ワン・モア

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    物語を紡ぐことに
    長けていますね。

    桜木さんの作品の中では
    ふうわり優しく
    幸福な物語でした。

    爽やかな読後感を
    得られるかわりに、
    ズンとした重みやアクが
    ない軽めの感触。

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    2015年04月30日
  • ワン・モア

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    連作長編。

    北海道の離島で医師をしている美和から話が始まり、その友人の鈴音、鈴音の離婚した夫、それぞれに個性的に描かれています。

    ストーリーはどうと言う話でもないけれど、それぞれの視点で描かれた物語は共感できて、読後感もいいです。

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    2015年04月11日
  • ワン・モア

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    人それぞれに歴史もあり、違った価値観もありといった多様性の中で、夫婦として2人がつながり、また友人としてもつながる。そこには融合がある。本来、異質であるものを受け入れて溶け合い一つのものに育っていくんだろう。ハッピーエンドで人間の関係が肯定的に描かれてあることがなんとなく嬉しいと感じる。

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    2015年02月28日