桜木紫乃のレビュー一覧

  • ホテルローヤル

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    短編で読みやすいと思うのだけど、ラブホテルがテーマだからかなんとなく全体的に陰鬱な雰囲気があって(それが良さでもあるんだけど、私には合わず)、なかなか読む手が進まなかった。短編の構成はとても面白かったけど、物語が全体的にさらっとぼやっとしてて、行間を読む力が乏しいせいか物足りなさを感じた。直木賞という期待もあったせいかな。

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    2025年07月15日
  • 人生劇場

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    救われない猛夫の一生を綴った物語。確かに思い通り行かなかったり、挫折することもあったり、家族とも上手く行かなかったり、騙されたりと色々あったのだが、戦中、戦後を駆け抜け平成まで生き抜けたのは勝ち組ではないかと思う。

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    2025年07月13日
  • 人生劇場

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    ネタバレ

    あーあ。途中までは主人公のこと応援していたのに。妻に暴力を振るいだしてからがひどい。とある北海道の男の一代記。桜木さんの御父上がモデルだというのはホテルローヤルが出てきたあたりで「ハッ!」と気が付いた。昭和の悪いところを煮詰めたような男女の有様に心が痛くなったり怒りに震えたり失望でガッカリしたり、読むのがしんどい時もあったが読み応えはあった。でもこんな主人公では読者からの共感や応援は得られないだろう。彼に関わらければ女性陣にも違った人生があったのを思うと疫病神とすら思ってしまった。なので感動はしなかった。

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    2025年06月30日
  • ホテルローヤル

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    ホテルローヤルというラブホテルを取り巻く人々のストーリー。それぞれが短編なので、読みやすいです。ストーリーを読み進めると過去にさかのぼっていくのが、面白かったです。
    桜木紫乃さんの作品を初めて読んだのですが、空気感を描くのがとても上手な作家さんだなと思いました。

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    2025年06月28日
  • 緋の河(新潮文庫)

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    思っていたよりもずっと前向きで暗くなりすぎなくて良かった。
    オネエさんの典型的なイメージの主人公ではある。

    なんだかんだでマウントの取り合いなので、これ以上はいいかな。
    後続の話があるらしいけど、私が私が!! のタイプの主人公はしんどい。

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    2025年06月27日
  • 星々たち 新装版

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    気持ちの良い話しではない。一人の女性の一生か半生を他人の視点を元に描いていて読み応えはある。読み応えでも・・ないか、人生を描いてる割には重くもない。終始、客観的なのだ。千春もやや子も、そして通り過ぎていった方々も。星々たちというタイトルの意味は分からなかった。

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    2025年06月23日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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    あの冬の1か月、たしかに僕らは家族だった。

    「あんた、葬式来る?」博打うちだった父の訃報を聞いても、キャバレーの下働きで糊口をしのぎ、廃屋のような寮に帰って寝るだけの章介の生活は何も変わらなかった。しかしこの年末は、キャバレーに出演する3人の芸人が、1か月共に寮で暮らすという。手品ができないマジシャンに女言葉の男性歌手、年齢不詳の踊り子。苦労の多い人生を送りながらも毎夜フロアを沸かせる3人に囲まれ、やがて章介は「淋しい」という感情を思い出していく――。舞台で出会った4人の共同生活が、1人の青年の人生を変えてゆく。
    『家族じまい』『ホテルローヤル』の桜木紫乃が贈る、著者史上一番笑って泣ける”家

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    2025年06月06日
  • 人生劇場

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    終始陰鬱なストーリー展開と主人公の猛夫に対する不快感とで読み進むのが苦痛なほどでした。
    桜木紫乃さんの暗いストーリーは好みなのですが、お父様の人生、ご両親の人生を描いたホテルローヤル、ラブレスに連なるこの本作は誰にも共感できず。
    生家で親に疎まれて育ったとは言いながら母親の姉である叔母に愛されて幼少時から引き取られて育ったと言う生育環境下でなぜにここまで?と言う思いでいっぱい。

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    2025年05月26日
  • 氷平線

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    桜木さんの描く道東の景色は結構好きで。乾いた夏の牧場。深く深く雪に静められる各々の家。雪の閉塞感と除雪はそこに住んでる人のあらゆるものを狭くする。からこそ家族、同じ土地に住んでる人大事であり、鬱陶しい。
    そんな、家族の6編。地方のどこにでもある人々だが、その人々が北海道の大地で生きている。広い北海道だが閉塞感は半端ない。
    人は置かれた場所で生きるのか、置かれた場所に変化をつけるのか。逃げ出すのか。
    なかなか、奥深い。だから桜木さんの物語は読後、閉塞感から逆に抜け出せる

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    2025年05月25日
  • ヒロイン

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    ネタバレ

    ヒロイン/桜木紫乃さんは初めて読む著者ですが、ワンパターンではなく面白い。
    どんな風にしたら不幸になるのか、自分で選択してしまったら後に戻れないが本で読むと体験できる。
    <書評より>
    世間を震撼させた白昼のテロ事件から17年。 
    名を変え他人になりすまし、“無実”の彼女はなぜ逃げ続けたのか?    
     
    1995年3月某日。渋谷駅で毒ガス散布事件が発生。実行犯として指名手配されたのは宗教団体「光の心教団」の幹部男性と、何も知らずに同行させられた23歳の信者岡本啓美(おかもとひろみ)。この日から、無実の啓美の長い逃亡劇が始まった。他人を演じ続けて17年、流れついた地で彼女が見つけた本当の“罪”と

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    2025年05月25日
  • ワン・モア

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    ネタバレ

    ・「子犬を飼いませんか。ラッキーカラーの赤じゃなく、白衣の白なんですけれど」  子犬、と語尾を上げたきり赤沢が黙り込んだ。寿美子はどこから説明しようかと考えあぐね、ひとまず「できれば一緒に」と付け足した。赤沢が大きく息を吸い込む気配。さぁ何から説明しよう。何と言ってこの男を手に入れよう。  里親の条件どおり、幸せになる。決めた。  いい夢は、これからだ──。

    ・柿崎美和医師
    「鈴音はわたしよりもあんたよりも長生きする。わたしがさせる」

    ・柿崎美和医師
    あなたに支えてほしいのは、彼女の気力です。志田さんが支えてくださらなければ、どんな治療も効果が出ない。

    ・解説
    ここには、死ぬということ、

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    2025年05月18日
  • 孤蝶の城(新潮文庫)

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    桜木さんの文庫の新刊。前作は読んでなくても大丈夫。ただ、表現が若干キツイので、覚悟して購入を。カルーセル麻紀さんをモデルに、性転換して芸能界で生きる苦悩と家族愛。最後まで冴えるミステリーも見事。

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    2025年05月11日
  • ホテルローヤル

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    ラブホテルを舞台に様々な背景の男女を描いたオムニバス作品。

    章ごとに時間が逆行していく形式で、廃墟に至った経過が少しずつ明かされてくる作品。
    1冊を通して”ホテル”という生き物の一生を見ているかのようだった。

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    2025年05月11日
  • 裸の華

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    ケガで引退していた元ストリッパー、ノリカ。日影の職業だと思うのだが誇りを持っている。ケガが治りダンサーがスカウトされたとは言え、軌道に乗っていた店をたたみストリッパーに戻っていく。ちょっとわたしには理解できなかった。

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    2025年05月09日
  • 青い絵本

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    決して明るいストーリーではないのに、読んでいて穏やかで心地よさを感じました。
    お気に入りは、「卒婚旅行」と「青い絵本」。

    「卒婚旅行」
    卒婚を描いた作品なのに殺伐とした空気とは程遠い、穏やかで優しい雰囲気が良かった。
    夫の願いが沁みた。その願いに相手への愛情が透けていて切なくなった。
    好きな人の声が愛おしい気持ちに、懐かしさを覚えてしまいました。

    「青い絵本」
    血の繋がらない、切れてもおかしくない「母」と「娘」。二人の距離感が心地よく、それぞれが歩んできた人生を思う。
    タイトルと表紙に繋がるストーリーがいい。

    桜木紫乃さんの文章を、今度は長編を読んでみたい。

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    2025年04月30日
  • 人生劇場

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     感情表現がすごいね❢❢

     読んでるときはやるせなさ、歯がゆさ、空しさ、憤りを感じたのに〜〜読後感は爽やかな気持ちです。

     桜木紫乃の凄さがこの本でわかります。

     感動しました❢

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    2025年04月28日
  • ヒロイン

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    意図せず犯罪の共犯者にさせられていた主人公の、17年間にわたる逃亡生活の物語。出会う人は、様々な事情で世間から身を潜めているような人達。自分が日々忙しく充実した生活を送る今も、どこかで身を潜めたり、何かに怯えたりしながら生きている人がいるのかもしれないと思うと、やり切れなくなる。

    意図せず犯罪の現場に同行していたことで意図せず逃亡生活に突入し、辻褄を合わせ身を隠すために自動的に次の行動が決まり、死体遺棄をも厭わなくなってしまう。このような状況下で「出頭」に舵を切ることができなかったのも、自然な流れのように感じた。

    一体何が罪だったのか。主人公は罪人なのか。自殺者を死体遺棄したことくらいしか

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    2025年04月26日
  • 青い絵本

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    ブルーの装丁に いつも惹かれてしまう
    自分の心の持ちようで ブルーの色が
    爽やかで清々しく感じるときもあれば
    仄かに暗くどんよりと映るときもある…

    この作品は 静謐な空気が感じられて
    どの物語も深く
    どこまで広がっていくような印象でした



    どの短編も絵本に影響を受け
    絵本が大切な人生の伴奏者として描かれていて…
    絵本好きには たまらない作品でした♡

    特にお気に入りな短編は
    ★青い絵本
    ★卒婚旅行

    読み終わる頃には 私の心も
    涼しげで爽やかなアイスブルーの
    景色が広がりました

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    2025年04月24日
  • 青い絵本

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    絵本に関わる熟年の大人の本かな。
    今の私が読むには早すぎたかと思う。
    義母のことを想ってしまう。
    あと10年後20年後かにまた読んでもいいかな。

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    2025年04月23日
  • ホテルローヤル

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    釧路湿原の近くにあるラブホテルを舞台にした男と女の話、7編を収録。ラブホテルの名は『ホテルローヤル』。時系列が逆になっているが、そのホテルを建てるところから、廃業し荒廃していくところまでが描かれ、ホテルが主人公のようだ。

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    2025年04月17日