桜木紫乃のレビュー一覧

  • 風葬

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    桜木紫乃の文章はどこか優しく、悲劇であっても後を引かず読後感がとてもいい。男女の恋沙汰の物語かと思いきや、サスペンスのように展開していきハラハラとさせられる。北の大地の物悲しさをベースに登場人物たちが謎を紐解いてゆく。物語は意外な結末を迎え、それまで鉛色だった空が青空に変わるように感じた。涙香岬を一目見てみたくなった。

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    2017年01月07日
  • 風葬

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    桜木ノワールの原点ともいうべき作品、らしい。確かに独特の雰囲気があるノワールで、物悲しさの漂うラストは桜木紫乃にしか描けないように思う。

    この作品も舞台は北海道。釧路で書道教室を営む篠塚夏紀が認知症を発症した母親の春江の呟きを発端に自分のルーツに触れていく。最初は夏紀を主人公にストーリーが展開するが、短歌をきっかけに、夏紀と関わる元教師の沢井徳一と息子の優作に主役の座が移ると一気にノワールは加速する。

    少し人間関係や背景が複雑なせいか、ストーリーの筋が読み取りにくい。

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    2016年12月03日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    一気に読み終わった。凄い。淡々と続く男女のこじれたストーリーを、淡々と流しあるく主人公。
    ラストに巡るまさかの展開までの伏線がとにかく凄い。

    淡々と進みすぎて驚く場所を見失うほどです。

    黙々と読み続け、読み終わってホッとしたあとに、


    ひっ!!!!!!

    となるなんとも言えない読後感。新しい。油断させまくります。まさか、サスペンスだったなんて!!!!!!!!!の、ホテルローヤルで有名な作者の一冊。かなりオススメです!!!

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    2016年09月29日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    直木賞受賞作「ホテルローヤル」の番外編かと思って購入したのだが、全くの別物。舞台となるホテルの名前が同じだけ。想像以上のハードボイルド。主婦の逸脱を描いた「OUT」を思い出させる。宇都木とし子さんがいい味だしてる。

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    2016年09月24日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    ミステリーとしては
    突っ込みどころ満載だが
    ストーリーとしては
    入り込みやすかった。

    全体的にスルスル
    読めてしまったが、
    中でも継母節子と継子梢との
    会話は自然で個人的には
    好きだった。

    感想としては・・・
    澤木のような都合の良い男性がいるもんなのか?
    少なくとも私の周囲には・・・・いない・・・。

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    2016年08月09日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    シリアスな人間ドラマでありミステリであり、素直に面白い小説だった。

    とある事情により幼い頃から知っている、父親ほどの年齢のラブホテル経営者・喜一郎と結婚した女・節子。彼女は元上司である澤木と結婚前から交際していて、結婚後も途切れてはいなかった。
    夏のある日喜一郎が交通事故に遭い昏睡状態に陥る。看病が続く日々の中、節子は短歌会の仲間である倫子が抱える家庭の事情に巻き込まれる。
    そして喜一郎の事故から数日後、節子の実家であるスナックで爆発事件が起き、一体の女性の遺体が発見される。

    “身体は繋がっても、心が繋がることはない”そういう孤独が漂う小説。
    節子はその生い立ちから気が強く男に頼ることはな

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    2016年07月17日
  • 無垢の領域

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    桜木さんらしい抑えた筆致は林原兄妹と秋津夫妻が出会ったことで、何かしら不幸なことが起こることを最初から予感させる。信輝、伶子、龍生の悩み揺れる心理描写に、いつ不幸が起こるのかと身構えながら読んでいる部分がありました。若干引っ張りすぎで冗長かなとも思えますが、1か所だけ純香の視点を入れたのは効果的だったと思う。彼女の才能が明らかになった時点でオチは予測できたけど、これから先、どうするのかなと余韻を持たせる終わり方だった。

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    2016年05月31日
  • 誰もいない夜に咲く

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    北海道を舞台にした7編の短編を集めた作品。デビュー作を含む単行本『氷平線』と通じる設定のものが多く、いい意味でトーンも似ていた。

    静かに運命を受け入れる諦めと、ひっそりと生きながらも芯の強さをもつ女性。対する男性は、女性に寄生しすることしかできない意気地なしがしばしば登場する。

    タイトルは演歌のようで、これにはちょっと苦笑い。桜木紫乃じゃなかったら買わないな。でも、不幸を乗り越えてさらりと進んでいく女性の底力に支えられて、中身には演歌ほどの湿り気はない。
    耐え忍ぶ姿を、涙ながらにじくじく描いていたら、自分とは考え方も生き方も異なる人たちの登場する作品に、こんなにも強くひきつけられることはな

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    2016年05月17日
  • 無垢の領域

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    大人の男と女、ある時は自ら共鳴し、そしてある時はすれ違う。そんなどうしようもない、滑稽ですらある交わりが一人の純粋無垢な女性を媒介にして饒舌に語られる。ちょっとした心の揺らぎや迷いを掬い上げる言葉の数々が鋭く迫ってくる。

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    2016年04月17日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    かなりよい。好き。
    しかし、旦那殺しって、あんなに簡単に行くものなのかな?w
    子供から大人まで・・・女はコワいね、ってお話w

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    2016年04月09日
  • ワン・モア

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    安楽死事件を起こして離島に飛ばされた女医の美和と、友人で開業医の鈴音。二人の女性を中心に、孤独な人生を過ごす人々の絆と再生の物語。
    連作短篇集なので、主人公がバトンタッチするように変わっていく。個人的に、『おでん』のトキワ書店店長・亮太の恋の行方が心配で心配で。強く相手を想うことってやっぱり大切だと思った。ちゃんと『サトウ シオ』になって安心した。

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    2015年11月01日
  • 誰もいない夜に咲く

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    桜木さんの作品には
    いつも北海道の荒涼とした景色があります。

    そしてその景色の一部となる
    登場人物たちは
    あまりにリアルでウェットで
    物悲しいです。

    人の深淵さ、なんて私には
    到底分からないし語れない。
    でもこの短編集には
    潮風をまとったような
    人たちの孤独が見えます。

    中国人の妻を迎えた
    牧場の男の話が一番好みでした。

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    2015年09月14日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    ひとの繋がりの空虚さと尊さ。節子は強い。拒まず受け入れ、でも芯は失わない強さ。
    ホテル経営者の男性と、母子二代で彼と関わる女性と。かなしい強さ。

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    2015年07月25日
  • 誰もいない夜に咲く

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    ネタバレ

    桜木紫乃作品2冊目。
    「ホテルローヤル」を読み、桜木紫乃作品を毒破してみようかなっと思い、夏カドフェスにも取り上げらた、この本をチョイス。
    ホテルローヤルより、湿気を帯びた暗さがある作品。
    特に最後の話は、主人公の父親と母親との夫婦の愛情が理解できない。
    父親が友人(というか、仕事関係の人)に、妻を抱くことをお願いするのは、いくらお金が絡んだとはいえ、わからない。
    私の思考がまだまだ、餓鬼なのかな?

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    2015年10月04日
  • 誰もいない夜に咲く

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    寂寥を北海道の風景に重ねて暗くもからっと描いた作品。寂しさに胸を締め付けられつつ、女たちの強さと欠落に引き込まれた。

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    2015年06月28日
  • 誰もいない夜に咲く

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    著者作品も順不同にて数冊目。悲しみを心の奥底に秘めながらも、強い意思の女性力を描ききる各短編。行き詰まりとさまよいの、、このゾクゾク感が堪らない!。解説がこりゃまた絶品♪。

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    2014年08月11日
  • 誰もいない夜に咲く

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    ダメな男の話ばかりで、「世の中に、普通の男はいないのか?」と叫びたくなる。
    女性の方が、ずいぶんまともでしっかりしている。

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    2014年04月09日
  • ホテルローヤル

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    ラブホテルが題材の中心となっている作品というのは、珍しいのでは?と思いながら、読み進めていきました。1つ1つの話やエピソードは、色々な人間関係の模様が描かれていくということもあり、時には切なく、時には深刻なものもありましたが、キャッチフレーズにある「身体を使って仕事をしなければいけない時がある」というのには、やはり、社会で生きていくことの辛さが滲み出ているような気がしました。

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    2026年07月12日
  • 異常に非ず

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    「オレは精神異常やない。道徳と善悪をわきまえんだけや。」

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    1979年(昭和54年)
    大阪の阪央銀行北畠支店に1月26日、猟銃を持った男が押し入り、支店長ら2人を射殺したうえ、客と行員多数を人質にして立てこもった。通報で駆け付けた警察官2人も射殺された。男は二昼夜にわたって立てこもり、香川から出てきた母親の説得にも応じない。28日午前8時41分、機動隊員が現場に突入して犯人を射殺し事件は解決する。

    犯人は無職、花川清史、三十歳。

    その後 人質となった行員たちの証言から、犯行の残虐さと異常さが明らかになる。しかし、花川の死亡により犯行の目的や動機は謎のままとなる。

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    2026年07月10日
  • 異常に非ず

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    期待値を上げすぎて読んだせいか、題名の「異常に非ず」の意味の切れ味不足に思えてならない。
    どこかで、うーん、やられた!と作者に思わされるところがきっとあるだろうと思いつつ読んだのだけど。

    花川があまりに魅力的でないせいで、ただのおバカさんに見えてしまう。「オレは精神異常やない。道徳と善悪をわきまえんだけや」という言葉が上滑りして、なんやそれ、で?と思ってしまう。
    そういうことか!と腑に落ちたかったのだけどね。
    この言葉が一人歩きしてる割に、中身を伴ってないと思うのだけどどうでしょう。

    力作だとは思うのだけど…。

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    2026年07月06日