桜木紫乃のレビュー一覧
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50代から70代、熟年から老境にさしかかる男女の胸の内を乾いた文章で淡々と描く6つの物語。
桜木さんの文章は相変わらず好きだ。
ただ、どの話の主人公もあまりにも枯れすぎていて(これが分別?)同世代の自分としてはこんなもの?という印象も。
それでも、「家族じまい」に出てきた紀和と漆原の10年後「グレーでいいじゃない」はしみじみ良かったし、「らっきょうとクロッカス」も好き。
「ひも」で美容師がする朗人の娘の話の意味が今ひとつわからなかったのは私の読解力のなさだろうか。全体的に含みがありすぎて曖昧なまま終わる話が多くて戸惑った読後。雰囲気は嫌いじゃないんだけどね。 -
Posted by ブクログ
認知症になった女性の娘2人、義弟嫁、姉etc目線で話が進んでいく。
夫だから家族だから…といって何でもかんでも言い合えるわけではなく、伝えたい言葉を飲み込んでしまうこともある。
次女は自分に役割が与えられたことに浮き足立って張り切る。確かに頑張っているけど、なんだか空回っている印象。
夫は善良で優しく、外から見れば好印象しかないけど、妻からすれば何かが満たされない要因でもある。良い人なだけに余計しんどいだろう。
長女は冷静なのはいいけど、もうちょっと寄り添う姿勢を見せてくれたらいいのにと思う笑
認知症云々の話というより「夫婦」についての物語であるように感じた。 -
Posted by ブクログ
あの冬の1か月、たしかに僕らは家族だった。
「あんた、葬式来る?」博打うちだった父の訃報を聞いても、キャバレーの下働きで糊口をしのぎ、廃屋のような寮に帰って寝るだけの章介の生活は何も変わらなかった。しかしこの年末は、キャバレーに出演する3人の芸人が、1か月共に寮で暮らすという。手品ができないマジシャンに女言葉の男性歌手、年齢不詳の踊り子。苦労の多い人生を送りながらも毎夜フロアを沸かせる3人に囲まれ、やがて章介は「淋しい」という感情を思い出していく――。舞台で出会った4人の共同生活が、1人の青年の人生を変えてゆく。
『家族じまい』『ホテルローヤル』の桜木紫乃が贈る、著者史上一番笑って泣ける”家 -
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ネタバレヒロイン/桜木紫乃さんは初めて読む著者ですが、ワンパターンではなく面白い。
どんな風にしたら不幸になるのか、自分で選択してしまったら後に戻れないが本で読むと体験できる。
<書評より>
世間を震撼させた白昼のテロ事件から17年。
名を変え他人になりすまし、“無実”の彼女はなぜ逃げ続けたのか?
1995年3月某日。渋谷駅で毒ガス散布事件が発生。実行犯として指名手配されたのは宗教団体「光の心教団」の幹部男性と、何も知らずに同行させられた23歳の信者岡本啓美(おかもとひろみ)。この日から、無実の啓美の長い逃亡劇が始まった。他人を演じ続けて17年、流れついた地で彼女が見つけた本当の“罪”と -
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ネタバレ・「子犬を飼いませんか。ラッキーカラーの赤じゃなく、白衣の白なんですけれど」 子犬、と語尾を上げたきり赤沢が黙り込んだ。寿美子はどこから説明しようかと考えあぐね、ひとまず「できれば一緒に」と付け足した。赤沢が大きく息を吸い込む気配。さぁ何から説明しよう。何と言ってこの男を手に入れよう。 里親の条件どおり、幸せになる。決めた。 いい夢は、これからだ──。
・柿崎美和医師
「鈴音はわたしよりもあんたよりも長生きする。わたしがさせる」
・柿崎美和医師
あなたに支えてほしいのは、彼女の気力です。志田さんが支えてくださらなければ、どんな治療も効果が出ない。
・解説
ここには、死ぬということ、