桜木紫乃のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
桜木さんが生れ住む北海道を舞台に、男女の愛を描いた短編集。
「雪虫」「霧繭」「夏の稜線」「海に帰る」「氷の棺」「氷平線」の6編。
それにしても独特の雰囲気を持った上手い作家さんだと思う。
この人の描く北海道はいつもどんよりと重く、性愛を通して描く男女の愛はひたすらやるせない。
一度嵌り込むとなかなか抜け出せない様な魅力が有ります。
”関係”とか”結末”に”血”や”業(ごう)”をかき混ぜて発酵させると”因縁”とか”宿命”が出来る。
物語をじっくり深く発酵させるのが桜木さん。酸味が強くなった古漬け。味わい深い。歌で言えばPopsでは無く艶歌・怨歌の世界。
しかし、私の好みは浅漬けなのです。
そ -
Posted by ブクログ
桜木紫乃の作品を読むと、毎回「この人はこんな作品を書けるのか」と、驚嘆してしまう。
ストリッパーという特殊な(申し訳ないが、私がこれまで触れたことのない世界なので、特殊な、という表現を許していただきたい)世界で生きる女。
踊ることを一身に愛し、その世界を離れられない女。
妖美で、可憐で、悲しい。でも、潔い。
アスリートとか、芸術家とか、そういう題材と同じように、ストリッパーを捉えている。
狂おしいほど全身全霊をかけて愛し、そしてそれに一生を捧げる人の美しさと強さ、儚さをきっちり書いている。
決して、キレイな話、美談一辺倒としてはおわらせないところが桜木さんの冷静な目であり、でもその目はあた -
Posted by ブクログ
ネタバレ最初の1頁から桜木さんの世界に引き込まれる。ヒンヤリした体感。どこか乾いた淡々とした文体が肌に合う。
道東のさびれた飲み屋街の火災から始まるミステリーは途中はミステリーであることを忘れる展開。
それは、諦めと閉塞感の漂う叙情の世界。主人公節子は桜木作品に多く登場する女性にもれず、どんなことが起ころうとも、生きることに潔い。
読み進めて冒頭の事故へと時系列が追い付いたとき、思いもしなかった形でこの作品がミステリーだということを突き付けられる。
そして、ラストは節子の強さに感動すら覚え、澤木と共に「このまま、このまま」と静かに祈った。