桜木紫乃のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ストレートな感情ではなかった。かといって、穏やかでもない。思いの丈はあるのだが、若い頃のようにストレートに伝えることができない。それは社会的地位だったり、人間関係だったり、本当に好きな人からは嫌われたくないと思う、人生を積み重ねてきた人たちの、世渡りの果ての人生だったりする。
マイノリティの人たちに寄り添う女性、ミュージシャンたちの、明日を思うことの辛さ。ひもとして生きることを決めた老人の狡猾な、しかし滑稽な生き方。自分の思い描いた100点満点の人生を少しも外したくない女性。望まない地方で、別の人生が訪れるところは、地方に住んでいる自分にもちょっと嬉しかった。
ここに等身大の桜木紫乃を見る気が -
Posted by ブクログ
昭和から平成を生きる主人公のモデルは、桜木さんの実のお父さんだとは分かっていた。しかし、これほど嫌な主人公が居ただろうか。気弱なくせに承認欲求がめちゃ強い上に感情が昂ぶると妻に手をあげる猛夫。養母であるカツに可愛がられ、うまくいかなくなると親戚でもある幼馴染の駒子に慰められにいくのだが、最後まで掴めない男だった。彼だけでなく小説中に登場する男性陣は理解できない男が多かった。読んでいて胸糞が悪くなり途中で放棄するつもりだったのに、いつかはまともな男になるだろうと期待して最後まで読み終える。
最終章では猛夫が認知症になった妻の里美の面倒を看ながら二人の暮らしぶりが描かれていて、次第に私の憤りも収ま