桜木紫乃のレビュー一覧
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著者在住地が舞台となっています。実際にあるビストロもそのままの名で出ていることから、何となくリアリティーを感じてしまいそうでした。
同級生のビストロでアルバイトをしながら小説を書き続ける柊令央。
新人賞に何度応募しても落選。しかし、ある編集者から声がかかる。期待して会うと、母親に対し、乾いた感情を持つ自分の親子関係を書いた小説を令央の胸をえぐるような短い言葉でダメ出し。でも、視点を変えてこの小説を書き直すことを勧められる。
何度書き直しても、表情も変えずダメ出しされるが、しがみついて書き続ける令央。
母親とはどういった人物だったのか、それを知るために母を昔から知る、そして自分も出産のときにお世 -
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北海道・江別市に暮らす柊令央は、友人が経営するビストロ勤務で得る数万円の月収と、元夫から毎月振り込まれる5万円の慰謝料で細々と暮らしていた。いつか作家になりたいと思ってきたものの、夢に近づく日はこないまま気づけば40代を迎えた。
ある日、令央の前に1人の女性編集者が現れ、彼女は強い口調で今後何がしたいのかと令央に問うた。彼女との出逢いにより令央は過去に書いた自伝的小説の改稿に取り掛かることになる。理解しきれずにいた亡き母のこと、そして他人任せだった自分自身のことを見つめ直した果てに、令央はひとつの小説を書き上げる。
主人公の令央は作家志望の女で、作品の中で令央は小説を書く。令央が書いた小説の -
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母に勧められ読んだ。
30代後半の夫婦間のやり取りや関係性、性欲のリアルさ、言わなくても良い事、ちょっとした嘘…面白かった。
連作の短編で読みやすい。
色んな「ふたりぐらし」が出てくる。
一人っ子が多いのに気づくのも面白い。
1話ごとに、2人に関わる様々な登場人物が出てきて面白かった。
和田やタキの娘の現在等分からない事は分からないまま、なのも良い。
好きなセリフ
*「いいんだよ、女の子はそれで。母親が大好きだなんて、女として次の一歩を踏み出せていない証拠でしょう。彼女のことは、紗弓のぶんまで僕が好きでいればいい。もしも彼女が娘の言葉以外の事で傷つくときは、僕が全力で守ればいいんだ」