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舞台上の骨折で引退を決意したストリッパーのノリカ。心機一転、故郷札幌で店を開くことに。訳ありの凄腕バーテンダーやタイプの違う二人の女性ダンサーと店は軌道に乗り始める。しかし、私も舞台に立ちたい、輝きたいという気持ちは募るばかりで──。ノリカの表現者としての矜持と葛藤。そして、胸が詰まるような踊り子たちの鮮烈な生き様を描く、直木賞受賞作『ホテルローヤル』に連なる一冊。
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Posted by ブクログ
「ホテルローヤル」の直木賞作家:桜木紫乃の長編。 舞台上での骨折を機に引退を決意した元ストリッパーが、故郷札幌でダンスシアターを開き、バーテンダーや若い女性ダンサーとの出会いを経て自らの生き方を見つめ直していく様子を描いています。 「表現者の矜持と葛藤」を絶妙に切り取り、鮮やかに展開していく感じはさ...続きを読むすがでした。 元気になれる小説です(^_^;)
『ストリップ』『ストリッパー』というものに対しての見方というか考え方が変わる。もちろんこれは小説だから、現実は違うところもあるだろうけど・・・真摯に生きてる人はもうそれだけで美しい。
ホテルローヤルをきっかけに出会った桜木紫乃さんの作品。ストリップもすすきのにも足を踏み入れたことがないけれど、そのきらびやかに見えながらも孤独でもある夜の世界の空気が伝わってきた。 怪我で踊れなくなって新しい人生を始めようとするノリカ。タイプの違う若い二人に、踊り子として、女として、人生の先輩として...続きを読むいろんな感情を抱くが、決して依存したり強要したりはせずに距離を取りながらそばにいるのが一人で踊ってきた人間らしいなと思った。 でも、みのりと瑞穂と出会ってショータイムを作り上げていく段階や、開店してから少しずつ仲間意識が芽生えて行き、それぞれの役割を果たしながら店が盛り上がっていく時の感情はノリカ一人では味わえなかっただろうし、ノリカにとっての遅れてきた青春のようにも思えて胸が高揚した。 あと、タンバリンのオガちゃんの話は涙せずにはいられなかった。 ノリカの選択はあらすじを読んでうっすら気がついていたけれど、最後まで読んでいくとすごく腑に落ちる。自分にはその道しかないっていうものがある人ってほんの少ししかいないと思うし、そういう人ってやっぱり何かに引っ張られて生かされているのかもしれないと感じた。 そしていくら楽しくてもつらくても、他人との関わりなんてそんなに長くは続かなくて、いつか終わってしまうということに気づかされた。 最後に、出てくる踊り子さんたちのセリフや信念には、本物の舞台に立つ方々への尊敬が込められているように感じられたのもよかった。裸で踊る女たちが受け止めているものがあるなんて、想像もしていなかった。
はぁっ、これは良い。桜木さんが元ストリッパーを描いたらこうなるだろうな、という予想を見事に裏切られました。四人の出会いが出来すぎているのと瑞穂さんのオチがソレかぁ・・・っていうガッカリ感も、JINさんの「あの」設定(経歴じゃない方)とみのりさんの師匠愛、そしてなんと言ってもオガちゃんだよね、補って余...続きを読むりある良さです。12章の冒頭はこの小説を終えるのに欠かせない挿話。そして読みながらずっと感じていたタイトルに対するモヤモヤ感も最後にキッチリ回収されて、実に晴れやかな読後感でした。 --- あと桜木さんの情景描写ほんと巧い、ハッとする珠玉の名文が作中にいくつもいくつも
この作品は怪我で引退した元ストリッパーノリカが北海道のすすきので再起をかけて奮闘する作品です。ストリッパーなど聞いたことはあるが、どんな職業なのか、そこで生きている人たちの葛藤、生き様はどんなものなのか、この作品で感じると思います。自分が帰る場所はここしかない、ノリカの奮闘劇です。
ストリッパーとかバーレスクとかダンスとか全く無縁で生きてきたけども。。。 なぜだか興味津々なのです、ウン。 完全に藤原紀香さんを思い浮かべながら読んでしまいました。
芥川賞読んだ以来、久しぶりに手に取ったけど、こういう本を書く人でしたか。。 みんな優しくて、一生懸命で、潔くて、なんとも切ない。 元ストリッパーの話で、時々すごい描写もあるんだけど、艶かしくて下品さが無くて、私も『小屋』に行ってノリカのダンスを見たいし、瑞穂とみのりもダンスも見てみたい。 オガ...続きを読むちゃんのタンバリンはグッときたなぁ。。 そして 何度も出てくる、 たらこバターとチーズわかめのおにぎりが食べたくなる。
ストリッパーの物語ということで際どいシーンが随所に顔を出すけれどそれもスパイスとして凄みを増してくるのがとても不思議だった。 札幌の景色の描写がとても素晴らしく地元民としては震えてくるほどに感動。ダンサーふたりと凄腕のバーテンの絡みもたまらないしノリカさんの心意気をどこまでも追いかけていたくなるよう...続きを読むなお話だった。桜木紫乃さんの作品でトップにランクインしたかも。
久しぶりの桜木紫乃。 ベストワンと言いそうになるけど なんかもう一冊すごい好きなのあった記憶が。 でも間違いなく わたしの中の桜木紫乃ベストスリーに入る。 途中 胸が痛くなるほど切ない場面はいくつかあるものの 全体として明るい仕上がり。こんな明るい桜木紫乃は初めてかも。明るいというか 軽やかさを感じ...続きを読むるというか。ある時期から描く世界に色がついてきたのは感じてたケド それが加速した感じかな。 まぁ 明るい中に 底無しの闇はあるけど 笑。 でも 明暗のコントラストというより もっと近い感じ。うまく言えないけど コントラストって わたしの中では 色相で言うと補色みたいに対極にあるイメージなんだけど これは明暗の差は激しいけど スポットライトの隣にある闇 みたいな。全然わかりやすくないか 笑。 オガちゃんのタンバリン 聞いてみたかった。 タンバリンって そんな上手下手があるとは知らなかった。でもタンバリン芸っていうくらいだからね なんか違うんだろうなぁ。 オガちゃんが店を訪ねてくるシーン いろんな意味で 涙なくしては読めない。 ファンってありがたいねぇ。 最後にオガちゃんのタンバリンで踊るノリカを見せられてよかった。お互いに最高のプレゼント。 熱海の静佳に会いに行ったシーンもほんと切なく 読み進めるのがツライほど。暗闇での再開。どんな強い気持ちで踊り終わるまで観てたんだろ。踊るほうも同じく。たぶんこれが最後になるだろうに 最後までコトバを交わすことなく。楽屋を訪ねることもなく。 こんなしんどい思いをしながらも ストリッパーとして死にたいって 強いなぁ。それほど 自分の芸に対して揺るぎない自信と愛情があるってことだろうね。 それにしてもなぁ スポットライト当てる照明さんは 胸が張り裂けそうだろうし 静佳ファンでないイチゲンサンがほとんどだろうアウェイな舞台で いきなりこれを見せられるって お客さん どんな気持ちだろ。酔っ払ってるだろうし 罵声のひとつも飛びそう。その場面さえ目に浮かぶようで胸が痛くなった。 なんでここまでって思いに戻っちゃうんだよ ぐるぐると。まさに凄絶。 そしてノリカ まさかストリッパーに戻るとはなぁ。 自分で踊りたくなっちゃったのかなぁ。 それとも わたしの居場所はやっぱり舞台ってことなのかなぁ。ここでもまたファンって有り難いねぇと。 あたたかいファンの気持ちに迎えられての復活。 ストリッパー冥利に尽きるね。 誰かを育てる元気がなくなっちゃったとしても またちょっと違うタイプの店にしていけば良くない? わざわざ そんな厳しい道を選ばなくても すごいバーテンダーもいるんだし。と思うわたしは甘いんだろうなぁ。 抜群にカッコいいオンナとオトコが出てくるって ほんと桜木紫乃変わったね 笑。前はほんと感情移入できない 嫌なひとばっかり出てきたもん 笑。 この5年後くらいの話が読みたいな。 ま かかないだろうケド。 ここで切なく終わるのがいいんだろうね きっと。
足を痛めて北海道に流れてきた元ストリッパーのノリカさん。若いダンサーを集めて、ススキノでダンスバーを立ち上げる。店を手配してくれた不動産店の営業マンは、実は銀座の伝説的バーテンダー。新しい人生は成功するのか?
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