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「東京に逃げることにしたの」。高校を卒業してまもなく、同級生だった順子から清美に連絡が入る。二十も年上の男と駆け落ちするという。故郷を捨て、極貧の生活を「幸せ」と言う順子に、それぞれ苦悩や孤独を抱えた女たちは引き寄せられていく――。自分らしく生きてゆくことの難しさ、そこにある確かな希望を描いた連作長編。
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Posted by ブクログ
自分の幸せとは何かを考えさせられる本になった。 自分も他人と比較する癖があり、そこで優越感であったり、自分を卑下するなど、相手によって感情をコントロールされている。 なので、この本の順子のように自分の幸せという核を知り、自分で自分の感情をコントロールしたいと感じた。
月が蛇行。。。あまりに秀逸なタイトルに鳥肌が立つ。 女神が降りてきそうなイメージの輝く存在とは真逆の、地を這うようにして土着的に生きる女性たちが主人公の連作短編集。なるほど、みんな蛇行して生きている。泥まみれだけど、どこかなんだか格好いい。そして輝く瞬間が周期的にやってくる。光はまたなりを潜めるけど...続きを読む、またも輝く時がくる。なるほどやはり彼女たちは月なのか。
久しぶりに心がヒリヒリするような物語でした。 女って、女性って、人って、と。 どうにももてあましてしまう自分の気持に何を幸せと思うのか。 その答えを早くに見つけた相手と自分を比較し、改めて自分の幸せを気持ちを考える女性達。 選んだ道を正解とし幸せを作っていく事が幸せになる事だと分かっていても難しい。
全体の流れがとても良かった。読中も読後も余韻が止まらない。 一見、苦労の連続である。だけど、読むにつれて、考えが改まる。それぞれの価値観や気づきで人生は何色にも変わっていく。死ぬことにさえ希望が持てる。 自分の人生のようだけど、大なり小なりと周りの人生からも影響は受ける。私の中にもいろんな人の人生が...続きを読む入っているのだろうか。 今の自分に影響を与えてくるものは、出来るだけ自分に合うものを選んでいきたいと思った。
自分のある環境や手にしているものに満足し、自分は幸せだと感じれる。人から見たら全然幸せそうには見えなくても、自分が幸せならこれ以上無敵なことないよね。 「幸せ」って感じながら生きていきたいな。
釧路の高校を卒業してすぐ、年の離れた男と駆け落ちした順子。 彼女はいつだってひたむきで、時に危ういほど直情的に突き進み、そして今、貧しさのなかで「とても幸せだ」と言う。 この物語の凄みは、順子本人の波乱万丈さ以上に、彼女と交わり、揺さぶられていく女たちの「様々な生き様」のリアルさにある。 順子の眩...続きを読むしいほどの「幸せ」に触れたとき、彼女たちの心に去来するのは、純粋な祝福だけではない。羨望、蔑み、嫉妬、自己嫌悪、そして自身の抱える生活の歪み…。 順子というひとつの強い光によって、彼女たちの隠したかった孤独や葛藤が、容赦なく照らし出されていく。 満ちては欠け、時に歪んだ軌道を描く月のように、彼女たちの人生は決して平坦ではない。けれど、互いのドロドロとした痛みや孤独に向き合った時、その生き様はあたかも月のように、互いの行く末を静かに、確かに照らし出す。 綺麗事だけではない、けれど決して突き放さない。 順子と、彼女に引き寄せられた女たちの切実な生き様に、ページをめくる手が止まらなかった。
自己啓発本を読み漁っていた時期に度々出会した考えに「今を生きる」というものがありました。 過去を後悔するでも未来を心配するでもなく、今この一瞬に集中して全力で生きること。 順子ってこの典型なんだと思う。 今更変えられない過去を嘆くでもなく、心配したところでやって来てしまう未来に過剰に怯えることもな...続きを読むい。ただ、今を全力で生きている。 そしてないものを数えるのではなく、あるものに目を向け感謝する。 だから彼女は死を前にしても「幸せだ」と言いきってしまう。 高校の同級生や順子の親はどうしても幸せをステータスや世間体で測ってしまうので、順子の“幸せ”が理解できない。仕事、パートナー、収入…ないものを数え上げては嘆いている。そんな人たちにとって順子の幸せはやせ我慢にしか見えない。 作者的には「人はみな紆余曲折を経ながら幸せに向かっていく」みたいなテーマなのかもしれないけど、個人的には蛇行した先で見つけた物に感謝をすることが幸せなのだと思いたい。
やっぱり、桜木さんはざわざわしながらしっくりくる。高校の同級生の、その母の、その中の1人と旦那に逃げられた女の人のお話。 女の子達が大人になり、1人1人が人と比べたり、引け目を感じたり。なんともあるなこんな気持ち。。こんなざわざわした思いは昭和であろうと令和であろうと一緒だ。 そして、「幸せ」の価値...続きを読む観や考え方も人それぞれ。 この中で「弥生」の物語がスンときた。それは菓子や幸福堂を百貨店に導いた同じ老舗の和菓子やの尾崎の言葉「自分の役割を理解しているとそうそう大きな間違いをしなくてすむんですよ」面白くない言葉かもだけど、すげー納得。 それと看護師の直子の自分の部屋についての言葉「嬉しいことが倍になるより、洗濯と掃除が義務化される方が辛い」飾らない自分らしい生活。 すべてのお話がなんか女の性の面白く儚いものを感じて読み終わり逆にすっきりした(笑) しかし、桜木さんのお話にでてくるツガイになる男性達は優しい。 私も谷川先生好きになるかも
高校で同じ部活に所属していた女性たちの生き方を描く短編集。 皆それぞれに息苦しい生活の中、父親ほどの歳の男性と駆け落ちした順子が、皆の心を波立たせていく。 順子の生活は相当ギリギリで、苦難が多い。それでも屈託なく、しあわせと言い切れるのは一体何故なのか。 それぞれが、自分のしあわせとは何なのかを見つ...続きを読むめ、向き合うことになる。 明るい話ではないが、重すぎる訳でもなく、曇り空の中にうすぼんやりと射す光のような表現が好み。
桜木紫乃さんは五作品目 いつもどの作品にしようか、レビューを読みながら決めるのを楽しみにしている° ✧ (*´˘`*) ✧ ° 話は暗めなのだが、初めて読んで以来、著者の凍てつく北の大地の世界に時々戻ってきたくなるようになってしまった 著者が描く女達は、まるで極東の冷たい大地にのように逞しく芯が...続きを読む強い そしてその周りにいる男達は頼りない 今作は六章に分かれていて、それぞれの語り手(女六人)がどの物語にも登場する”順子”と繋がっている そして今の”順子”のしあわせを確認したくなると同時に、自分と比べてみる 「私は、あの人(順子)よりしあわせ」 みんなそう思っていた しかし、妻子持ちの男と夜逃げして貧乏のどん底にいながら、一点のくもりもない「しあわせ」を笑顔で語る順子のまっすぐ過ぎる生き様に圧倒される 「今、わたし(順子)はしあわせ」 本当にそう思っているの? 前を向いて歩いていたい、自分が選んだ道を信じていたいの? 言葉にすることによって現実もそうだと思いたいの? そうしていないと心がポキッと折れてしまうのかもしれない 自分がしあわせかどうかはその人にしかわからない 何がしあわせかはその人によって違う 著者が描く女は強い 順子に戸惑い圧倒されながらも、自分なりにしあわせを掴みに行こうとする女達の姿も頼もしい 蛇行しながらも、女達は月のように輝いている.˖٭*
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蛇行する月
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桜木紫乃
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