桜木紫乃のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
順子と関わりのある複数の女性の視点から描かれたストーリー。順子が1人称の章はない。
それぞれの女性が複雑な想いを抱えつつ、目の前の生活を日々こなしている。
順子は強烈に誰かに影響を与えたというわけではない。しかし、自分の感情に素直に行動し、彼女なりの幸せを掴んだ。その象徴として、憧れの一種?として描かれている。順子の人生も褒められたことではないのだが、いわゆる世間が考える「幸せ」と、自分で選択して自分だけが感じる「幸せ」はズレがあり、後者の方が心が満たされるのではないかと思わされる。
女性の心情を細やかに描く表現に共感したが、一貫して流れる空気が灰色なので、☆3つ。 -
Posted by ブクログ
最近欠かさず読んでいる桜木 紫乃さん
主人公は北海道・江別で生活する柊令央(ひいらぎ れお)
別れた夫から振り込まれる月5万の慰謝料と、友人の店で働いて得る数万円の月収で生活しています。
小説家を目指してはいるものの一向に目が出ず…
と言った地味な印象の40代の女性です。
そんな彼女が敏腕女性編集者、小川乙三(おがわ おとみ)との出会いで「砂上」と言うタイトルの小説を書上げて行くストーリーなのですが、その背景には令央の家族の秘密が描かれていて言うなれば柊令央自身の私小説に限りなく近いフィクションです。
小説の中で小説が題材となっている事、登場人物全てにクセがあり共感出来る人物がいない事、 -
Posted by ブクログ
最近、考え事をしているとどんどんネガティブになってしまっていて、たぶんこのまま1人で老後を迎えて死ぬんだなって思ってる。
自分の中でそれは怖いことなのに、誰かと一緒にいることで、その関係が壊れてしまうことも怖い。その生活が壊れてしまうことも怖い。
それでどうすることもできなくて、地団駄を踏んでいる間に、みんなとっくに先の方へ進んでしまって、わたしだけがずっと同じ場所にいる。
こんなことばっかり考えてるうちに、なんかお盆休みで太っちゃったなぁ、なんて思ってトレーニングを始めた。
きついトレーニングはしんどくて、今やっていることに集中できるからなんにも考えなくてよくなるし、身体を鍛えると心も強くな -
Posted by ブクログ
ネタバレ「あれこれ考えるなら明日の自分のことにしろ」
影山の言葉。いろいろな過去、影を背負っている男が言うと響く。多くを語らない男が唯一、感情があり、相手のために自分の思いを語る。
「慣れる、人間、血が通っている限りだいたいのことには、慣れるようにできている」
今、現在にも響く言葉だ。
影山と言う男が魅力的だ。影のある男で信じたらよくないと思っても信じてみたくなるような、たまに見せる笑顔がずるい。悪い男だからこそか、彼の優しさか、女の寂しさ悲しさにすぐ気がつき、女の心の器を満たす。感情が薄いようにみえるが誰よりも熱く、読まれたら潰されることを知っているから、表に出さないだけ。感情を見せられない環境に -
購入済み
女性にオススメ
初めてこういった分野に足を
踏み入れてみました。
内容は総じてソフトな印象で
幸いでしたね。ノーマルな志
向の?女性向けの一冊だと思
います。