作品一覧 2022/05/27更新 アメリカひじき・火垂るの墓 試し読み フォロー アメリカひじき・火垂るの墓 試し読み フォロー エロ事師たち 試し読み フォロー エロスの記憶 文藝春秋「オール讀物」官能的コレクション2014 試し読み フォロー エロトピア 試し読み フォロー 親はあっても子は育つ 試し読み フォロー 俺はNOSAKAだ ほか傑作撰 試し読み フォロー 姦 試し読み フォロー 好色覚え帳 試し読み フォロー 好色の魂 試し読み フォロー 色即回帰 試し読み フォロー 執念夫婦添い節 試し読み フォロー 終末の思想 試し読み フォロー 心中弁天島 試し読み フォロー 新編 「終戦日記」を読む 試し読み フォロー 受胎旅行 試し読み フォロー 砂絵呪縛後日怪談 試し読み フォロー 絶筆(新潮文庫) 試し読み フォロー てろてろ 試し読み フォロー 東京小説 試し読み フォロー 東京十二契 試し読み フォロー とむらい師たち 試し読み フォロー 人称代名詞 試し読み フォロー P+D BOOKS マリリン・モンロー・ノー・リターン 値引きあり 試し読み フォロー 卍ともえ 試し読み フォロー 四畳半色の濡衣 試し読み フォロー 錬姦作法 試し読み フォロー 1~27件目 / 27件<<<1・・・・・・・・・>>> 野坂昭如の作品をすべて見る
ユーザーレビュー エロ事師たち 野坂昭如 谷崎潤一郎賞候補に挙がり、純文学とは何か?を考えた一冊。 性にひたむきなダメ男達が、無い頭を試行錯誤しながら(たまにちょっと頭が良い)馬鹿な事に突き進む会話劇。 悔しいが終始愉快で話の展開も退屈せず楽しめた。陰毛が落ちてるに違いないと、女子学校に拾いに行く所など頭を抱えたが、他作では絶対に読めない...続きを読むシーンだろう。 Posted by ブクログ アメリカひじき・火垂るの墓 野坂昭如 1.著者;野坂氏(2015年没)は、作家・作詞家・歌手・政治家。実母の死別後に養子に出され、2人の妹も養子となる。野坂氏は神戸で罹災し、養父母を失い、浮浪児生活を送った。上の妹を病気で、下の妹を栄養失調で亡くす。「エロ事師たち」で作家デビュー。「火垂るの墓」等で直木賞、「同心円」で吉川英治文学賞など...続きを読むを受賞。他に「おもちゃのチャチャチャ」で日本レコード大賞、参議院議員に当選する等、マルチ人間。 2.本書;浮浪児兄妹の餓死までを描いた短編小説。「主人公の清太(14歳)は、病弱な母の死後、妹(節子)と遠縁の未亡人宅に引取られます。実子との食事差別。清太はそれが嫌で、二人は川辺の防空壕で生活。満足な食事が出来ず、妹が栄養失調で死に、清太も同様に死ぬ」という、野坂氏の原体験小説。著者は「妹への贖罪のつもりで書いた」と言います。「(妹)が泣けば、深夜におぶって表を歩き、あせもとシラミで妹の肌はまだらに色取られ、海で水浴させた。(妹)の無残な骨と皮の死様を悔む気持ちが強い」と回想。本書は他に5編収録。「戦争がなければ」と、涙せずには読めない力作。 3.個別感想(印象に残った記述を3点に絞り込み、感想を付記); (1)『火垂るの墓』より、「死んだ清太が持っていたドロップ缶の蓋がとれ、白い粉がこぼれ、小さい骨の欠片が三つ転げ、草に宿っていた蛍が驚いて二、三十慌しく点滅しながら飛び交い、やがて静まる。白い骨は清太の妹、節子、・・防空壕の中で死に、死病は急性腸炎とされたが、実は四歳にして足腰立たぬまま、眠るように身罷ったので、兄と同じ栄養失調症による衰弱死」 ●感想⇒本書を再読し、度々涙します。その訳は私事にあります。物心つかない幼少の頃、疫痢(伝染病)にかかりました。医師から余命一週間と宣と言われていたのに、姉は隙を見て入室し、高熱で苦しむ私の顔を冷たいタオルで拭いたそうです。姉に病気が転移し、その後亡くなり、私は元気になったそうです。成人した頃に、祖母がその事を話してくれ「お前は姉の分まで健康に生きなければいけないよ」と言われました。幼少だったので、姉の顔を思い出せません。悲しい気持ちが込みあげます。「火垂るの墓」を読むと、戦争がもたらした悲劇とは言え、他人事とは思えない感動に包まれ、人間愛の貴さを再認識します。 (2)『火垂るの墓』より、「“せめてあんた(清太)、(節子)を泣かせんようにしたらどないやの、うるそうて寝られへん”ピシャリと襖を閉め、その権幕に益々泣きじゃくる節子を連れ、夜道に出ると、相変わらずの蛍で、いっそ節子さえおらなんだら、一瞬考えるが、すぐ背中で寝付くその姿、気のせいか目方もグンと軽くなり、額や腕、蚊に食われ放題、ひっかけば必ず膿む」 ●感想⇒友人に苦労人がいます。彼は夜間高校から大学に進み、弁護士になりました。聞けば、高校時代は弁護士事務所で書生として働き、住み込み生活を送ったそうです。「食事をするにも、トイレに行くにも、遠慮の連続で、身が細る苦労だった」と述懐していました。その体験から、今では弱者に寄添う弁護を軸とした活動をしています。某大学での講義や、本を出版したりの活躍です。若き日の厳しい体験があったからこそ、世間の片隅に追いやられがちな人々の弁護に精を出しているようです。頭が下がります。これからも社会的弱者の後ろ盾として、行動してほしいと願います。 (3)『ラ・クンパルシータ(タンゴの名曲)』より、「百姓の子弟の多い同級生は、卵焼きタラコ塩昆布梅干し、懐かしい昼弁当を当り前のようにひろげ、高志のみは無くて、学校の購買部で売る一皿十円の芋パンを買うそぶり、だがその金もなく、ひたすらにじみ上がる唾を飲み込み」 ●感想⇒「ラ・クンパルシータ」は少年院に収容された戦争孤児の話。戦争で家族や家を失い、生きる為に盗みを働き、犯罪者になる者が多かったようです。私事です。私の家は裕福とは言えず、よく麦飯を食べました(麦は今こそ健康食ですが、当時は貧乏人の代名詞)。小学生の頃、弁当に麦飯を持っていくと、同級生によくからかわれました。「お前んちの飯は色付きだなあ、白米は無いのか」と。「いつか見ていろ」との思いでした。一方で、貧しくとも祖母から数々の人生訓を学びました。「三度のご飯を頂ける事に感謝しなさい」「恩を忘れたら、犬畜生にも劣る」「三つ子の魂百まで」・・・、私の行動指針です。人間は、辛い事を経験し、克服する毎に成長出来ると信じています。 4.まとめ;本書は6つの短編構成。「火垂るの墓」は勿論、「焼土層(生活保護をうけず、少額の仕送りで生活し、プライドを守る義母)」にも心を動かされました。「野坂氏は、既成の権威や秩序が音をたてて崩れ落ちるのを、その目で見、その肌で感じた世代」と解説にあります。想像を絶する日々を生き抜いたのでしょう。戦争は人々に大きなダメージを与えるだけです。アインシュタインが戦争の起因について語っています。「知識人こそ、大衆操作による暗示にかかり、致命的な行動に走り易い」と。保身の為に、自身の哲学無き政治リーダーには閉口です。戦争回避の為に、庶民感覚でバランスの取れた世界観を持つ指導者を選択したいものです。所で、私は、多彩な顔を持った野坂氏が「火垂るの墓」書いたと思えませんでした。本書は氏の体験が滲み出おり、他人には書けない作品です。戦争がもたらす悲劇に心が痛みます。レビューに個人的な事を書き過ぎました。ご容赦を。(以上) Posted by ブクログ アメリカひじき・火垂るの墓 野坂昭如 どれも、悲しかったり、怖かったりするのに、閃光が残るような、話でした。おもろいのに、強いこころが在るなど、なんだか一生忘れないような タマシイですかね。妙に現実的に、残りますね。特に、アメリカひじき が妙に好き。 Posted by ブクログ エロ事師たち 野坂昭如 面白かった。 澁澤龍彦やサドっぽくて好き。 男性の情けなさ、それも究極の情けなさはやはりあれだったのか。 登場人物が変な男ばかり! そこが良かった。 ノーマルな男の話ではないので、まあ変態ばかりなのですがエロ事師たちが陰で棲息していてその後どうなるのか気になりページを捲る手が止まらず。 うまく紡ぎ合...続きを読むわせてあり無理もなく、野坂昭如のテーマをふんだんに楽しめました。 Posted by ブクログ アメリカひじき・火垂るの墓 野坂昭如 でもこのように戦闘員以外の子供が悲惨な目に遭っていることを描いた本は、あまり読んだことがなかった。野坂昭如の本で初めてその悲惨さを知った。 mentizai 野坂昭如のレビューをもっと見る